JP6698252B1 - Atc付タレット形刃物台 - Google Patents
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Abstract
Description
図12に示すように、このATC装置付複合加工機の構成は、第1刃物台221と第2刃物台229を有し、この2個の刃物台に対応可能なATC装置234を備えた複合加工機である。左主軸台はベッドに固定、これと対向するZ軸移動可能な右主軸台204と、X・Y・Z方向に移動可能でかつ任意の旋回制御可能なB軸を有する第1刃物台221と、X・Z方向に移動可能な第2刃物台229とを両主軸中心線を挟んで有する複合旋盤の右側床上に工具交換アームユニット238を備える工具マガジン装置235を設置し、第1タレット224のA位置に工具又は第2タレット233のC位置に割出された工具を主軸中心と同心かつZ軸方向右端の工具交換位置にそれぞれ位置決めして、工具交換アーム239により工具マガジン装置235の工具交換位置に割り出された工具と交換する。
図13に示すように、ベッド301には主軸台302が固定され、その隣にはZ軸方向へ移動可能なサドル303と、サドル303上にはX軸方向へ移動可能なクロススライドが、またクロススライドの上面には刃物台304が配置されている。刃物台304に形成された円形状のタレット342には凹状の収納溝4cが設けられ、工具交換アーム312を格納する。さらに、この収納溝4cに直角に交差するように工具交換アーム312が回動し、固定工具TAまたは回転工具TBを工具交換する。
さらに、ベッド301の後側面に設けられた支え305を介して工具マガジン306が配置されている。工具マガジン306の旋回割出し円板(図示せず)には外周に90°旋回可能な複数のポットアーム308が放射状に枢支されており、ポットアーム308にバイト等の固定工具TAがX軸方向反本機側向きに貯蔵されている。そして次工具に指定された工具を有するポットアーム308が主軸台側の交換位置に割出されると、図示しない駆動手段により90°旋回してサドルカバー309が開口した小窓(図示せず)から本機内に突出し、次工具がZ軸方向の主軸側を向くようになっている。
また、前記した工具マガジン装置235はこれもまた移動形ではなく固定形である。これでは工具交換に要するATC時間を短縮することはできない。
従来の技術で述べた工作機械は複合加工機やターニングセンタが該当し、工具サイズは小形、中形、大形の3つに区分すると、中形工具に該当する。中形工具を格納したマガジンを有するATC装置の質量は200kg以上にもなるため、これまで別置形としてきた。このため、工具交換(ATC)時間が長く、結果として非切削時間が長くなるという問題があった。
そこで、本発明は、従来の問題を解消するもので、工具のサイズを小形工具にすると共に、刃物台の制御軸にX、Y、Zと回転軸のB軸を設け、刃物台のY軸に直交する上面にATC装置を搭載することにより、現状の非切削時間からATC時間を取り去り、加工時間の比率を高め、工具交換の動作をダイレクトに、また工具交換の動作を単純化・簡素化して非切削時間の短縮を図ることができるATC付タレット形刃物台を提供することを課題とする。
例えば、加工に6本(▲1▼〜▲6▼)の工具を使用する場合、
(1)工具▲1▼が加工し、時計回りで1/4回転してインデックス
(2)工具▲2▼が加工し、時計回りで1/4回転してインデックス
(3)工具▲3▼が加工し、時計回りで1/4回転してインデックス
(4)工具▲4▼が加工中、工具▲1▼が新工具▲5▼にATCして、インデックス
(5)新工具▲5▼が加工中、工具▲2▼が新工具▲6▼にATCして、インデックス
(6)新工具▲6▼が加工中、順次ATCされる。
<工具交換手順>
本発明のATC付タレット形刃物台(1)による工具交換手順は1〜7による。
(図7に記載の1〜7の動作を参照)
(1)タレット8の旧工具を工具交換位置まで時計回りに1/4回転する。
(2)マガジン11が100mm前進してクランパの旧工具を把持する。
(3)マガジン11が30mm上昇してクランパから旧工具を引き抜く。
(4)マガジン11が旋回し、新工具を呼び出す。
(5)マガジン11が30mm下降し、クランパに新工具をセットする。
(6)マガジン11が100mm後退し、退避する。
(7)タレット8の新工具を加工位置まで時計回りに1/4回転する。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態であるATC付タレット形刃物台を説明する。
図1は、本発明のATC付タレット形刃物台を刃物台のY軸に直交する上面に搭載した複合加工機の右側面図である。
図1に示すように、ベッド2は切粉はけを考慮して45°スラントにしている。主軸台3はベッド2に固定されたベース3cに載置されている。主軸台3の主軸3aには主に三ツ爪チャック3bが装着され、ワークを三ツ爪で把持する。また、主軸台3の下のベース3cは別体としているが、主軸台3と一体にしても構わない。
この主軸台3に隣設して配置したのが、本発明のATC付タレット形刃物台1である。
図2に示すように、ベッド2の上面には2本のZ軸ガイドが設けられ、図示しないZ軸用サーボモータと、Z軸用ボールねじが配置されている。リニアモータにしてもよい。
2本のZ軸ガイド上にはサドル4が載置され、直行するクロススライド5には2本の図示しないX軸ガイドが設けられ、図示しないX軸用サーボモータと、X軸用ボールねじが配置されている。これらもリニアモータに代えても構わない。
2本のX軸ガイド上にはクロススライド5が載置され、直立するY軸方向へは2本のY軸ガイド6pが設けられ、Y軸用サーボモータ6m(図4参照)と、Y軸用ボールねじ6qが配置されている。さらに、2本のY軸ガイド上には刃物台7のボデー7aが装着され、刃物台7のY軸に直交する上面にはマガジン11を有するATC装置10が搭載されている(図3参照)。
また、図3のY軸コラム6の下部にはY軸の回転軸であるB軸の機構が格納されている。
さらに、図3の上部にATC装置10のマガジン11の断面図を示す。
機械本体の4(X、Y、Z、B)軸の軸移動機構は、図示しないサーボモータに連結されたボールねじと摺動自在のガイド等の軸移動機構により行われる。ここでは、Y軸、B軸の移動機構を説明し、X、Zその他の軸移動機構についての詳細な説明は省略する。
図3のY軸コラム6に左右の裏側に縦方向に破線で示すのが、Y軸用ガイド6pである。図4は図3に示すA−A線の断面図である。図4に示すように、Y軸移動機構(以下、Y軸)は、連結し一体化した刃物台7とタレット8を上下(Y軸)方向へ移動させる。Y軸は、Y軸用ボールねじ6qに平行にY軸用サーボモータ6mが設けられ、Y軸用ボールねじ6qとY軸用サーボモータ6mは、それぞれの軸端に固定されたプーリと、タイミングベルトによって連結されている。したがって、Y軸用サーボモータ6mの回転がY軸用ボールねじ6qによって変換されて刃物台7を上下方向へ移動する。
B軸とは、直線軸のY軸回りの回転軸をいう。B軸は、例えば、エンドミルのような回転工具を使って加工を行なう場合、X、Z軸だけでは加工できないケースがある。例えば、ワークの軸心に対して傾きのある穴加工の場合は、B軸で例えば、15°、30°、45°等の工具の傾きができる。(図10参照)
B軸の機構は、図3の下部に示すように、クロススライド5(固定側)とY軸コラム6(旋回体)にDDモータ(Direct Drive Motor)が配置され、DDモータのロータ6rとステータ6sにより、Y軸コラム6全体を旋回させる。
図3の下部に示すように、旋回側ロータリーバルブ6bはシャフト状に上方に延びている。シャフト状の外周の中央にはDDモータのロータ6rが嵌着され、ロータ6rの外周をステータ6sが覆うようにしてクロススライド5から上方に伸びた固定の内側シリンダ6uに嵌入されている。さらに、この内側シリンダ6uと外側シリンダ6vにより形成されたシリンダのスペースにはピストン6fが挿入され、クランプシリンダ6gとアンクランプシリンダ6hが形成されている。また、ピストン6fに連結・解除用カップリング6eが固定されている。
3ピースカップリングは3個のカップリングから構成されている。ピストン6fの下端に固定されている連結・解除用カップリング6eと、Y軸コラム6に固定されているのが旋回側用カップリング6cと、クロススライド5に固定された固定側カップリング6dから成る。
アンクランプシリンダ6hに油圧が入るとピストン6fに一体の連結・解除用カップリング6eが上昇し、旋回用カップリング6cと固定側カップリング6dとの噛み合いを解除する。その後、DDモータに回転指令が入ると、ロータ6rが回転し、Y軸コラム6が指令の角度だけ回転する。その結果はセンサ6tとリング6nは瞬時に測定してフィードバックをする。一方、この反対にクランプシリンダ6gに油圧が入ると、ピストン6fは下降して連結・解除用カップリング6eが旋回用カップリング6cと固定側カップリング6dとの歯の谷に歯を噛み合わせて連結する。B軸の旋回(回転)経路は、DDモータ、ロータリーバルブ6aの中央軸6b、キャップ6o、カップリング6c、Y軸コラム6の順に回転力が伝達される。
図3の下部に示すように、ロータリーバルブは、クロススライド5に設けられた大穴に埋設された固定軸6aと、旋回する中央軸6bから構成され、図示しない複数本の油圧回路、クーラント供給回路が形成されている。
ロータリーバルブの固定軸6aと中央軸6bの機能は、固定側(クロススライド)から旋回体(Y軸コラム)へ油圧(クーラント液を含む)を供給するためのバルブである。中央軸6bの上方にはキャップ6oが載置されている。刃物台7への液体の供給は、このキャップ6oから油圧ホースに引き継がれ、必要な箇所へ供給される。
図4は、図3に示すA−A線の断面図である。図4に示すように、タレット8は、ボデー8aとボデー用カバー8w、そして4個のクランパ8bが接続されている。
図7は、タレットの正面を示す左側面図である。マガジン11による工具交換の動作順(1〜7)も示す説明図である。タレット8は、十字形状のタレットを形成している。この十字形(4角)の他に、その他の角数のタレットであっても構わない。
図8に示すように、クランパ8bにはスピンドル8sが配置され、ベアリングで両端支持されている。スピンドル8sと工具ホルダとの連結部は二面拘束仕様のショートテーパに形成され、ボールの係合によりクランプするためのドローシャフト8vが設けられている。
図4の中央に示すように、刃物台7のボデー7aにはブラケット7pが設けられ、回転工具用モータ7mが接続されている。回転工具用モータ7mとスピンドル7sとは連結リング7nで一体に締結され、スピンドル7sはベアリングで両端支持されている。
回転工具用モータ7mの駆動により、回転工具を回転させる。
<工具の種類>
工具には回転工具(図8参照)と固定工具(図9参照)の2つがある。回転工具はエンドミルやドリル等に代表される刃具を回転させてワークを加工する工具をいう。もう一方の固定工具はバイトやボーリングバーのように回転するワークに固定した刃具を切り込んで加工する工具をいう。
図7に示すように、工具交換位置はタレットを時計に見立てると、12時の場所のみで可能である。
固定工具、回転工具も同様に、タレット8のボデー8aとクランパ8bの接続部においてドローシャフト8vの下端には1〜2ミリの隙間を設け、図7に示すように、プッシャ8qが構えている。一度油圧が駆動するとシリンダ8oのピストン8pが勢いよく作動し、先端部のプッシャ8qがドローシャフト8vの下端を加圧して、ドローシャフト8vを約7mm上昇させてクランプ状態を解除する。
図9は、固定工具である。固定工具用にはキー8kが設けられており、このキー8kにより位置決めおよび回り止めをする。
図8に示すように、タレット8の取付部に回転工具(例えば、エンドミル)が挿着された場合の回転は、回転工具用モータ7mに例えば毎分2000回転の回転指令が入ると、回転工具用モータ7mは2000回転で起動し、タレット8の本体8aとカバー8wの中に装着した例えば、傘歯車により方向を90°変換され、スピンドル8sを回転することによりエンドミルが回転する。
図4に示すように、歯車付旋回側カップリング8cの歯車は、二つの機能を持っている。一つ目の機能は小歯車8nの回転を伝え、タレット8の位置を割り出す割出しの機能である。タレット8は十字形のため、割出し角度は90°の倍数となる。
歯車付旋回側カップリング8cの二つ目の機能は、3ピースカップリングの機能である。図4に示すように、タレット8の首根っ子には、3個のカップリングからなる3ピースカップリングが配置されている。その一つ、連結・解除側カップリング8eは、ピストン8fに固定されている。クランプシリンダ8hに油圧が入ると、ピストン8fの下降に伴い、連結・解除側カップリング8eも下降するため、歯車付旋回側カップリング8cとタレット8のボデー8aに固定された固定側カップリング8dの両カップリングの歯に噛み合い、連結状態になる。
一方、アンランプシリンダ8gに油圧が入ると、ピストン8fと同様に連結・解除側カップリング8eが上昇するため、アンクランプ状態になり、連結状態が解除される。
図4に示すように、タレット8の首根っ子には3ピースカップリングが配置されている。3ピースカップリングは、歯車付旋回側カップリング8cと、ボデー7aに固定された固定側カップリング8dと、ピストン8fに固定され、両者に噛み合い上下方向へ移動する連結・解除側カップリング8eである。
歯車付旋回側カップリング8cの歯車は、外周側に形成された大歯車であり、図4の左端に図示された小歯車8nと噛み合い状態で取付けられる。つまり、小歯車8nは、タレット割出し用のサーボモータ8mのモータシャフトに固定されており、サーボモータ8mは減速機付となっている。
減速機付のタレット割出し用サーボモータ8mに回転指令が出ると、ピストン8fのアンクランプシリンダ8gに油圧が入り、連結・解除側カップリング8eが上昇し、両カップリング8c、8dとは連結状態が解除する(アンクランプ状態)。
また、減速機付タレット割出し用サーボモータ8mの回転指令により、小歯車8nが回転し、これと噛み合う歯車付旋回側カップリング8cが回転する。
タレットの旋回が終わると、ピストン8fのクランプシリンダ8hに油圧が入り、連結・解除側カップリング8eが下降すると両カップリング8c、8dに係合し連結状態になる(クランプ状態)。
図7に示すように、タレット8は十字状を形成した4角タレットである。タレット8を時計に見立てると、3時、6時、9時、12時の4位置であり、工具交換位置は、その中の、12時の所になる。
ワークの切削位置は、主軸台の中心と一致する3時と9時の2箇所となる。したがって、旧工具を新工具に交換する場合は、例えば9時の位置にある旧工具をタレット1/4回転して12時の位置に移動して交換する。
図3の上部は、マガジン11の断面を示す。また、図5はマガジンの平面図、図6は図5に示すB−B断面図である。図5に示すように、刃物台7のボデー7aの上面には略羽子板形状のベース11aが設けられ、その上面に空圧シリンダ(前進・後退)11bが配置されている。また、図6に示すように、そのベース11aの上面にはZ2方向へ摺動自在の2本のガイドが左右両側に設けられ、2本のガイドにはマガジン台11cが載置され、さらに、マガジン台11cにはマガジン11が載置されている。
この結果、マガジン11を含むATC装置10は刃物台の上方に搭載されている。
したがって、空圧シリンダ11bの駆動により、マガジン台11cとマガジン11を前進・後退方向へ移動する。この移動距離は、例えば、100mmが好適である。
図5に示すように、マガジン11の工具本数は例えば、20本が好適である。
図6に示すように、マガジン11は山高帽のような形状をしており、つば部11hの幅を狭く形成し、このつば部11hの下面に20組のグリッパ11gを配置している。
グリッパ(ワーク把持機構)11gは、図5に示すように、左右2個で構成する。グリッパ11gの中心には回動する支点ピン11pが装着され、さらに、ばね11sが装着され、ばね11sの弾性力により常時締付勝手に付勢されている。グリッパ11gのV字状凸部が工具11kに設けられたV溝に係合し、工具11kを把持する。
マガジン11へのツール格納段取り作業は、マガジン11を割り出し、ポットNOを確認しながら固定工具や回転工具をグリッパ11gに手動で押し込む。
図6に示すように、マガジン台11cの中央には空圧シリンダ(上昇・下降)11dが格納され、マガジン台11cの上に載置されたマガジン11をY軸方向へ上昇、下降させる。山高帽形状のマガジン11の中央部の下面にはマガジン旋回用の大歯車11eが装着され、この大歯車11eと噛み合う小歯車11fが配置されている。小歯車11fはマガジン割出用の減速機付サーボモータ11mのモータシャフトに装着されている。また、減速機付サーボモータ11mは、マガジン台11cから延びた架台11tに固定されている。したがって、この小歯車11fは、マガジン11の上昇・下降時は移動しない。小歯車11fは、移動しなくても大歯車11eとの噛み合わせが外れないように歯幅を広くして確保されている。
そこで、図6の右上に示すように、一度空圧シリンダ11dが駆動すると、マガジン11は例えば30mm上昇する。タレット8の12時のクランパ8bの位置を2点鎖線で示す。この時、クランパ8bの上面と工具との隙間sは10mmであり、干渉はない。
マガジン11の旋回は、減速機付きサーボモータ11mのモータシャフトに装着された小歯車11fが回転すると、大歯車11eが減速回転し、マガジン11が旋回する。ただし、20本仕様の場合、1ポットは18°相当になるため、旋回はこの倍数となる。
図4に示すように、タレット8と刃物台7の断面図において中心部から回転を伝えるスピンドル7sがベアリングによって両端支持され、刃物台7のボデー7aの下面にブラケット7pが接続され、回転工具用モータ7mが連結リング7nによって連結されている。
図8に示すように、クランパ8bに装着された回転工具8xは、例えば、高速回転を与える場合、回転指令が入ると、回転起動する。この回転はスピンドル7sに伝達され、タレット8の中央部で、図示しない例えば傘歯車で90度変換され、タレット8のクランパ8bに装着されたスピンドル8sに伝達され回転工具のエンドミルを回転する。
刃物台7の上方にATC装置10を搭載したATC付タレット形刃物台1による工具交換の手順を詳細に説明する(図7に記載の1〜7の動作順を参照)。
図7に示すように、十字状のタレット7のボディー7aから伸びた4つのクランパ8bを時計に見立てれば、3、6、9、12時の4つ。その中のマガジン11が一番接近できる12時の場所が工具交換位置となる。
(1)タレット割出用サーボモータ8mが駆動し、交換する旧工具を交換位置(12時)まで移動。旧工具が9時の位置であれば、9時から12時まで時計回りで1/4回転する。
(2)空圧シリンダ11bが駆動し、マガジン11がタレット側へ100mm前進して空のグリッパ11gが旧工具を把持する(図5参照)。
(3)空圧シリンダ11dが駆動してマガジン11が30mm上昇、グリッパ11gが旧工具をクランパ8bから上方へ引き抜く(図6参照)。
(4)マガジン割出用減速機付サーボモータ11mが駆動してマガジン11が旋回し、新工具を割り出す。
(5)空圧シリンダ11dが駆動してマガジン11が30mm下降、グリッパ11gが新工具をクランパ8bにセットする(図6参照)。
(6)空圧シリンダ11bが駆動し、マガジン11が100mm後退して待機する(図5参照)。
(7)タレット割出用サーボモータ8mが駆動し、交換した新工具を加工位置まで移動。例えば、12時の位置から3時まで時計回りで1/4回転する。
このATC(工具交換)の手順によれば、(2)〜(6)のATCの動作は加工中であっても支障なく並行にできるので、現状の非切削時間からATC時間を取り去り、加工時間の比率を高めることができる。
図10に示すように、このターニングセンタ15は、左側には主軸台3が固定、右側には対向する2主軸台16が設けられた対向形主軸台である。主軸台の向こう側にはATC付タレット形刃物台1が搭載されており、実線で図示している。
例えば、B軸を利用してエンドミルで斜め穴を加工する場合、タレット8に装着したエンドミルの中心線と主軸3aの端面との傾きを0°とすると、このタレット8の傾き0(ゼロ)をaポジションとすれば、bポジションは15°の傾き、さらに、cポジションはタレットの反対側のエンドミルと交代して工具を45°の傾き、また、dポジションはさらに45°傾けて90°の傾きが可能であり、0°〜90°の任意角度で斜め穴を加工することができる。
ちなみに、図示したa′はタレット形刃物台aが回動するB軸中心点を示し、図示したb′はタレット形刃物台bが回動するB軸中心点、図示したc′はタレット形刃物台cが回動するB軸中心点を示す。
さらに、第2主軸台のワークを加工する場合はATC付タレット形刃物台1のB軸を180°回転すれば、タレット形刃物台eになる。このように、干渉なく向きを変えることができる。
図11に示すように、ATC付タレット形刃物台1の採用は、2主軸、2刃物台のターニングセンタにも好適である。
<ターニングセンタ>
ターニングセンタ15は、ベッド2の上面に第2ベース18が設けられ、その上面に摺動自在のW軸ガイドが配置されており、このW軸ガイドの上面にベース17を介して第2主軸台16が載置され、主軸台3と第2主軸台16とは対向主軸台を構成している。
図11に示すように、ベッド2の上面に設けられた第2ベース18の上面に摺動自在のZ3軸ガイドが配置されている。さらに、このZ3軸ガイドの上面には第2サドル19が設けられ、また、第2サドル19の上面にはX2軸ガイドが配置され、摺動自在の第2クロススライド20が配置されている。さらに、第2クロススライド20の上面には第2刃物台が搭載されている。第2刃物台には、例えば12角タレットが搭載されており、対向主軸台の主軸台3または第2主軸台16の切削加工を支援する。尚、Z3、X2軸等の軸移動機構については、サーボモータとボールねじを使用した従来の技術であるため、図示せず、説明も省略する。
このATC付タレット形刃物台1の開発に先立つコンセプトを示す。
(1)加工中であってもATC(自動工具交換)ができる。
(2)どの場所にあっても干渉がなく、ATCができる。
(3)コンパクト(例えば、HSK40Aのホルダの採用)で、加工時間を短縮する。
(4)低価格で提供する。
これらのコンセプトを実現するため、刃物台のY軸に直交する上面にATC装置を搭載したことにより、現状の非切削時間からATC時間を取り去り、加工時間の比率を高めることができる。また、マガジンの移動距離を最小にしてダイレクトで工具交換を可能とする。
なお、本発明はその技術思想の範囲内で種々の改造、変更が可能である。例えば、ATC付タレット形刃物台1は、ターニングセンタ用の刃物台として説明したが、専用機に採用してもよい。刃物台の送り軸に同期するATC装置、つまり、刃物台のY軸に直交する上面にATC装置を搭載した構成のATC付タレット形刃物台ならば本願に抵触する。
2 ベッド(45度スラント)
3 主軸台
3a 主軸
3b 三ツ爪チャック
3c ベース
4 サドル
5 クロススライド
6 Y軸コラム
6a 外周軸(ロータリーバルブ)
6b 中央軸(ロータリーバルブ)
6c 旋回側カップリング
6d 固定側カップリング
6e 連結・解除側カップリング
6f ピストン
6g クランプシリンダ
6h アンクランプシリンダ
6k ベアリング(クロスローラ)
6m Y軸用サーボモータ
6n リング
6o キャップ
6p Y軸ガイド
6q Y軸用ボールねじ
6r ロータ(DDモータの旋回側)
6s ステータ(DDモータの固定側)
6t センサ
6u 内側シリンダ
6v 外側シリンダ
7 刃物台
7a ボデー
7b ベース
7d 大歯車(旋回側カップリング8cの外周に歯を切ったもの)
7e 小歯車
7f カバー
7m 回転工具用モータ
7n 連結リング
7p ブラケット
7s スピンドル
8 タレット
8a 本体
8b クランパ
8c 歯車付旋回側カップリング(大歯車)
8d 固定側カップリング
8e 連結・解除側カップリング
8f ピストン
8g アンランプシリンダ
8h クランプシリンダ
8j キー
8k キー
8m タレット割出用サーボモータ
8n 小歯車
8o シリンダ
8p ピストン
8q プッシャ
8s スピンドル
8v ドローシャフト
8w カバー
8x 回転工具
8y 固定工具
10 ATC装置
11 マガジン
11a ベース
11b 空圧シリンダ(前進・後退)
11c マガジン台
11d 空圧シリンダ(上昇・下降)
11e 大歯車
11f 小歯車
11g グリッパ
11h つば部
11m マガジン割出用減速機付サーボモータ
11k 工具
11p 回動の支点ピン
11s ばね
11t 架台
15 ターニングセンタ
16 第2主軸台
17 ベース
18 第2ベース
19 第2サドル
20 第2クロススライド
21 第2刃物台
22 第2タレット
Claims (1)
- ターニングセンタを構成するATC付タレット形刃物台であって、
ベッド(2)上のZ軸方向に摺動自在に設けられたサドル(4)と、
前記サドル(4)上のX軸方向に摺動自在に設けられたクロススライド(5)と、
前記クロススライド(5)上のY軸方向に立設されたY軸コラム(6)と、
前記Y軸コラム(6)が旋回自在に設けられたB軸と、
前記Y軸コラム(6)のY軸方向に摺動自在に設けられた刃物台(7)と、
前記刃物台(7)に固定工具および回転工具を装着するタレット(8)と、
前記刃物台(7)の前記Y軸に直交する上面にマガジン台(11c)をZ軸方向へ前進、後退させる摺動自在のガイド(Z2)と、
前記マガジン台(11c)にマガジン(11)を上昇、下降させる空圧シリンダ(11d)が格納されたATC装置(10)を搭載したことを特徴とするATC付タレット形刃物台(1)。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN111730080A (zh) * | 2020-07-28 | 2020-10-02 | 北京博鲁斯潘精密机床有限公司 | 一种轴向单刀塔精密数控立车 |
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