JPS6326495Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は顎等を有するコンクリート板に於け
る張出し顎縁の毀傷損、就中耐衝撃特性の助長に
よる衝撃破損等を有効に回避するようにした補強
縁構造の開示に係わるものである。

（従来の技術） 従前におけるこの種のコンクリート板の曲折縁
における顎部分は補強処理が施し難く、往々にし
て突出する顎縁の破損あるいはヒビ割れ事故を誘
起したものである。

又、かゝる顎部分の存在によりP.C板の成形に
おいては配筋処理に多くの難を有し、配筋相当分
の強度を出し難い難点を有したものである。

特に、かゝる顎部分における耐衝撃特性を完全
とする意図より顎部分に配筋処理を施した場合に
おいては更に配筋施工に多くの熟練と施工手間を
要請されると共に挿通鉄筋の周側部に必要とされ
る相当のコンクリート肉厚を設けることに伴うコ
ンクリート板の肉厚、重量化を生じたものであ
る。

（本願考案の目的と構成） 本考案に係る補強構造を有するコンクリート板
は、かゝる従前例における不都合に鑑み特に案出
されたものであつて、補強繊維クロスを曲折部の
顎に沿わせるように打設コンクリート内に内封し
たことにより極めて簡単な施工手法により、しか
も充分に補強された顎縁を有するコンクリート板
を作出提供せしめ得たものであり、特に薄肉、軽
量の曲折板の作成を可能としたものである。

本考案に係る補強構造は、かゝる諸特性の合目
的々な奏効を期すべく特にその構成の要旨を曲折
部を有するコンクリート板において該曲折部に沿
つた内側部に、この曲折部の曲がり形状に倣つた
強繊維クロスが介在されている点に置き、又かゝ
る構成要旨に附随する以下の具体的な実施例と、
これ等実施例に附随する相当の設計変更を予定し
たものである。

（実施例） 以下本考案の詳細を図面に示す典型的な補強構
造の一実施例について説明するに、１はコンクリ
ート板であつて、表面化粧凸面１ａを有し、特に
雨切り用の顎１ｂが設けられた化粧手摺パネルを
典型例として示したものである。

勿論、本考案における補強構造は、これ等の化
粧手摺パネルに特定されるものでなく、一般的な
折り曲げ角部あるいは彎曲アール凸部を有する全
てのものに応用され得たものであり、又雨切り用
の顎１ｂに特定されるものでないことは云うまで
もないとして、特にパネル材等の周縁顎の構成に
格別の効果が期待されたものである。

かゝるコンクリート板１における周面、殊に顎
１ｂにおいては、この顎１ｂに合せて補強繊維ク
ロス２を該コンクリート板１の周側部に配するよ
うにしたものであり、これを一層又は多数層とし
て、その顎１ｂ部の随意的な補強をなすようにし
たものである。

尚、叙上における補強繊維クロス２は耐アルカ
リ性グラスフアイバークロスあるいは炭素繊維ク
ロス等の耐熱特性を有し、しかもコンクリート素
材と馴染み易いクロス地の使用が予定されたもの
である。

又、打設コンクリートは通常のコンクリートス
ラリー等の打設と共に耐アルカリ性グラスフアイ
バーチツプの混入された、所謂強化コンクリート
の使用が予定され、成形パネル材の使用目的に合
せた随意的な選択使用が予定されたものである。

而して実際のコンクリート板１の成形において
は、先ず凹凸形状を呈する型面に対し、該型面に
沿つて均一にモルタル等を吹付けるようになすと
共に該吹付けモルタル面上に補強繊維クロス２を
積層添着し、更にこの補強繊維クロス２上にモル
タル等を吹付けると共に、これに該補強繊維クロ
ス２を更に積層添着して顎１ｂを型作り、これに
所期の厚幅となるまでコンクリート等を打設し、
次いで他側端面を同様に仕上げるようにしたもの
である。

勿論、叙上においてコンクリート板１内に介在
される補強繊維クロス２は一層でも更に目的に合
せた多数層であつても良く、又表側面の補強に合
せて打設コンクリート内側に別途介在させること
も予定されたものである。

尚、第４図における実施例は、叙上におけるコ
ンクリート板１の軽量化並びに断熱機能の助長並
びに歪曲防止を目的としてコンクリート板１の内
側にスタイロフオーム等の発泡合成樹脂板３を内
封したものであつて、特にこの内封される該発泡
合成樹脂板３の周面に叙上補強繊維クロス２を張
設して該発泡合成樹脂板３とコンクリート素地と
の馴染みを良くし封入芯材としての効果を出すよ
うにしたものである。

尚、叙上における補強繊維クロス２は織地であ
ると編地であると、又ネツト地であるとを問わず
補強繊維素材の交差された全てを含むものである
ことは云うまでもないものである。

（考案の効果〕 本考案に係るコンクリート板曲折部における補
強縁構造は叙上における特長ある構成、就中コン
クリート板１における顎１ｂに合せて補強繊維ク
ロス２を該顎１ｂの曲折部に沿つた内側部に介在
させたことよりして該顎１ｂにおける耐衝撃特性
は飛躍的に助長され、又これが薄肉の顎の成形を
特に可能としたものである。

かゝる曲げ強度並びに耐衝撃特性の助長は、コ
ンクリート板１の全体的な肉薄、軽量化ないしは
取付け、施工の簡便化を特に約束したものであ
り、又三次曲面的な特殊な成形板の作出をも可能
としたものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るコンクリート板の斜視
図、第２図は同要部拡大断面図、第３図は同断面
図、第４図は他の実施例を示す要部拡大断面図、
第５図は同断面図を示したものである。 尚、図中１はコンクリート板、２は補強繊維ク
ロスを示したものである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 曲折部を有するコンクリート板に於いて該曲
   折部に沿つた内側部に、この曲折部の曲がり形
   状に倣つた補強繊維クロスが介在されているこ
   とを特徴とするコンクリート板曲折部に於ける
   補強縁構造。 (2) 前記クロスを耐アルカリ性グラスフアイバー
   クロスとしたことを特徴とする登録請求の範囲
   第１項記載に係るコンクリート板曲折部に於け
   る補強縁構造。 (3) 前記クロスを炭素繊維クロスとしたことを特
   徴とする登録請求の範囲第１項記載に係るコン
   クリート板曲折部に於ける補強縁構造。