JPS6326297Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車のオーバフエンダの取付構造
の改良に関するものである。

第１図に示す自動車のオーバフエンダ１は、走
行中の飛び石等から車体の塗装面を保護したり、
あるいは車体の外観に変化をもたせるために取付
けられるものである。一方、自動車の車種によつ
ては、接地性を向上させ、駆動力の増加を図るた
め巾広タイヤを使用するものがある。その場合、
普通タイヤ用に設けられた車体のフエンダでは、
巾広タイヤがはみ出ることになるので、これを覆
うためフエンダを拡巾する必要がある。従来は、
例えば、第２図に示すように車体本体２を側方に
張出させて、フエンダ部３を一体成形していた。
しかし、このような方法は、普通タイヤ用とは別
に巾広タイヤ用の大型の金型を必要とするので、
設備費の増大を招くという問題があつた。

本考案は、上記問題点を解消する自動車のオー
バフエンダの取付構造を提供することを目的と
し、その特徴とするところは、車体本体の端部を
折曲げて凹陥部を形成し、該凹陥部の底面に下方
へ突出する突起を複数配設し、上記凹陥部の内側
にブラケツトを取付けるとともに上記凹陥部の外
側底面にホイールハウジングを取付け、該底面と
ホイールハウジングとによつてエクステンシヨン
フエンダの先端折曲げ部を収納する隙間を形成
し、該先端折曲げ部に上記突起と係合する係合孔
を配設し、上記隙間にエクステンシヨンフエンダ
を差し込んで上記突起と係合孔とを係合させると
ともに上記ブラケツト、車体本体およびエクステ
ンシヨンフエンダの折返し部で結合し、上記ブラ
ケツトの上端折曲げ部と車体本体との間にオーバ
フエンダの上部を掛止するとともに上記エクステ
ンシヨンフエンダに上記オーバフエンダの下部を
固定したことにある。

以下、図示の実施例に基づき、本考案を説明す
る。

第３図ないし第６図は、本考案の１実施例を示
したもので、図において、４は車体のフエンダ、
５はブラケツト、６はホイールハウジング、７は
エクステンシヨンフエンダ、８はオーバフエンダ
である。車体のフエンダ４は、その端部を折曲げ
て凹陥部９を形成している。この凹陥部９の底面
１０には、下方へ突出する三角形状の突起１１が
間隔を置いて複数配設されている。また、凹陥部
９の折返し部１２は、フエンダ４の外側面１３と
対向しており、この折返し部１２にはネジ１４の
取付孔１５が複数設けられている。

ブラケツト５は、上記凹陥部９の内側に入るよ
うに成形されており、対向する折返し部１６，１
６′のうち、フエンダ４の側の折返し部１６の上
端には、折曲げ部１７が形成され、他の折返し部
１６′には、ネジ１４と螺合する溶接ナツト１８
が付設されている。ブラケツト５は、折返し部１
６をフエンダ４の外表面１３に溶接し、折返し部
１６′を凹陥部９の折返し部１２にネジ１４と溶
接ナツト１８とを螺合することによつて、車体の
フエンダ４に取付けている。

ホイールハウジング６は、凹陥部９の底面１０
の外側に溶接して、車体のフエンダ４に固着して
いる。ホイールハウジング６の端部１９は折曲げ
られ、上記底面１０と端部１９とによつてエクス
テンシヨンフエンダ７の先端を収納する隙間２０
が形成されている。

エクステンシヨンフエンダ７は、一方の端部を
断面略Ｌ字状に形成して先端折曲げ部２１と折返
し部２２とし、他の部分を側方へ円弧状に形成し
て張出し部２３としている。先端折曲げ部２１に
は、前記三角形状の突起１１と係合する係合孔２
４が配設され、折返し部２２には、ネジ１４の取
付孔１５が設けられている。また、張出し部２３
には、ネジ１４を締め付けるドライバ挿入孔２５
が設けられている。エクステンシヨンフエンダ７
は、先端折曲げ部２１を前記隙間２０に差し込ん
で突起１１と係合孔２４とを係合させるとともに
折返し部２２を凹陥部９の折返し部１２に取付孔
１５を介してネジ１４と溶接ナツト１８とを螺合
することにより、車体のフエンダ４に取付けてい
る。

オーバフエンダ８は、ポリウレタンフオーム等
の樹脂製で、ブラケツト５およびエクステンシヨ
ンフエンダ７の外表面を覆うものである。このオ
ーバフエンダ８の上部には、断面略フツク状の掛
止部２６が設けられている。また、オーバフエン
ダ８の下部には、凹溝２７が設けられ、接着テー
プ２８がオーバフエンダ８の内周壁２９と面一に
なるように凹溝２７に被着されている。オーバフ
エンダ８は、ブラケツト５の上端折曲げ部１７と
車体のフエンダ４との間に掛止部２６を掛止させ
るとともに、エクステンシヨンフエンダ７に接着
テープ２８を接着させて固定することにより、自
動車の車体に取付けている。

本考案に係る自動車のオーバフエンダの取付構
造は、エクステンシヨンフエンダを車体に艤装組
付けするので、車体巾を大巾に拡大することがで
きるとともに車体巾の拡巾に伴つて従来、必要と
していた設備費を削減することができる。したが
つて、例えば自動車の使用目的によつて巾広タイ
ヤを使用する場合でも、タイヤを完全に覆うこと
ができる。また、オーバフエンダの取付けをワン
タツチで確実に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車のオーバフエンダの取付け部分
を示す斜視図、第２図は従来のフエンダ部を示す
縦断面図、第３図は本考案の１実施例に係るオー
バフエンダの取付け部分を拡大して示す分解斜視
図、第４図は第３図における三角形状の突起を拡
大して示す斜視図、第５図は第４図におけるＢ−
Ｂ線矢視断面図、第６図は本考案の１実施例に係
るオーバフエンダの取付構造を示す第１図におけ
るＡ−Ａ線縦断面図である。 ４……車体のフエンダ、５……ブラケツト、６
……ホイールハウジング、７……エクステンシヨ
ンフエンダ、８……オーバフエンダ、９……凹陥
部、１０……凹陥部の底面、１１……突起、１２
……凹陥部の折返し部、１６……ブラケツトの折
返し部、１７……ブラケツトの折曲げ部、２０…
…隙間、２１……エクステンシヨンフエンダの先
端折曲げ部、２２……エクステンシヨンフエンダ
の折返し部、２４……係合孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体本体の端部を折曲げて凹陥部を形成し、該
   凹陥部の底面に下方へ突出する突起を複数配設
   し、上記凹陥部の内側にブラケツトを取付けると
   ともに上記凹陥部の外側底面にホイールハウジン
   グを取付け、該底面とホイールハウジングとによ
   つてエクステンシヨンフエンダの先端折曲げ部を
   収納する隙間を形成し、該先端折曲げ部に上記突
   起と係合する係合孔を配設し、上記隙間にエクス
   テンシヨンフエンダを差し込んで上記突起と係合
   孔とを係合させるとともに上記ブラケツト、車体
   本体およびエクステンシヨンフエンダの折返し部
   で結合し、上記ブラケツトの上端折曲げ部と車体
   本体との間にオーバフエンダの上部を掛止すると
   ともに上記エクステンシヨンフエンダに上記オー
   バフエンダの下部を固定したことを特徴とする自
   動車のオーバフエンダの取付構造。