JPS6326039B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はガソリンスタンド等の給油所に用いら
れる給油装置に関し、特にノズルの先端部付近に
開口を有する陰圧管と陰圧発生部とを陰圧室に連
通したノズルを用いた給油装置に関する。

［従来技術］ 周知の如く、ガソリンスタンド等の給油所で例
えば自動車の燃料タンクに給油する場合に、その
タンクを油で充満するいわゆる「満タン」にする
とき、給油ノズルの先端に負圧すなわち陰圧管を
開口させ、その開口が液で閉塞されると、給油作
業が停止するようになつている。しかしながら給
油作業に際して、「満タン」になる前に泡や飛沫
が陰圧室の開口を塞ぐと給油が停止し、以後は
「満タン」になるまで何度も手動作業で弁開レバ
ーを操作して給油を行わねばならなかつた。

一般に泡や飛沫は数秒間例えば約２秒程度で消
えてしまうので、陰圧が生じなくなつてから、数
秒後に再びレバーを操作すれば給油することがで
きる。

例えば特開昭52−89813号公報には陰圧室のダ
イヤフラムで作動するスイツチを設け、陰圧が発
生すとる、そのスイツチが作動して給油を停止さ
せる技術が示されている。しかしながら、かかる
公知技術では泡等により陰圧管の開口が塞がれる
と給油が停止されるので、前述の如くレバー操作
を２〜３回繰返さねばならない。

［発明の目的］ したがつて本発明の目的は、泡や飛沫によつて
陰圧室に陰圧が発明しても繰返すことなく、「満
タン」になるまで自動給油することのできる給油
装置を提供するにある。

［発明の構成］ 本発明によれば、ノズルの先端部付近に開口を
有する陰圧管と陰圧発生部とを陰圧室に連通しノ
ズルを用いた給油装置において、この陰圧室に陰
圧が発生すると作動する陰圧スイツチを設け、そ
してノズルに給油を制御する給油制御スイツチを
設け、ノズル内圧が所定圧に達すると閉じるチエ
ツク弁を設け、陰圧スイツチがオンすると時間計
測を開始し、所定時間を計測すると信号を発信す
る時間計測手段と、時間計測手段の信号の発信回
数を計数し所定回数に達すると信号を発信する回
数計数手段と、給油制御スイツチにより給油及び
給油停止をするとともに、陰圧スイツチがオンす
ると給油を停止し、時間計測手段からの信号によ
つて給油を再開し、回数計数手段からの信号によ
り給油を終了する給油制御手段とを設けてある。

［発明の作用効果］ したがつて、ノズルに設けた給油制御スイツチ
を操作すると、給油作業が行われ、ノズル内圧が
所定値以上になると、圧油はチエツク弁を押し開
いてノズルの先端から流出する。その間に陰圧発
生部では陰圧が発生するが、陰圧管のノズル先端
部付近の開口は開放されており、大気圧が導入さ
れるので、陰圧室は大気圧の状態になつている。
そして給油作業の進行に伴い液面が上昇して泡や
飛沫によつて陰圧室の開口が閉じられると、陰圧
室に陰圧が発生し、陰圧スイツチが作動して、一
時的に給油作業は停止する。すると、時間計数手
段は時間計数を開始し、泡や飛沫が消滅する所定
時間を経過すると時間計測手段からの信号によつ
て給油制御手段は給油を再開する。他方、回路計
数手段はその際に１回給油が停止したことを計数
する。

このようにして所定回数例えば２又は３回給油
作業が行われれば、実質的に「満タン」になるの
で、給油制御手段は給油作業を終了させる。

例えば１回目の陰圧スイツチの作動ですでに
「満タン」である場合には、給油制御手段は、所
定回数だけ給油を再開するけれども、給油再開と
同時に陰圧が発生し、直ちに陰圧スイツチが作動
するので、給油は停止し、タンクから油が溢れる
ことはない。なおこの場合に陰圧スイツチがオン
し、そしてすぐにオフしても回数計数手段からの
信号が給油制御手段に印加されるまで給油は停止
している。

以上の如く本発明によれば、従来の如くレバー
操作を何回か繰返して「満タン」にするというわ
ずらわしさがなくなり、好適な自動給油を行うこ
とができる。

［好ましい実施の態様］ 本発明の実施に際して給油作動の開始および停
止はポンプの作動停止によつて行つてもよく、或
いは制御弁の開閉により行つてもよい。

［実施例］ 以下図面を参照して本発明の実施例を説明す
る。

第１図は本発明を実施する給油機を示し、この
給油機Ｓは、モータ１によつて駆動されるポンプ
２を内蔵しており、このポンプ２は図示しないタ
ンクに貯蔵された油を吸込配管３から吸上げて、
配管４に油を送り、その配管４には流量計５およ
び制御弁６が直列に接続されている。そして配管
４は給油ホース７を介してノズル８に接続されて
いる。さらに給油機Ｓには給油量表示計９および
報知器１０が設けられており、この報知器１０は
例えば給油終了を示す表示部１０ａとブザー１０
ｂとを備えている。

第２図は本発明を実施するノズル８を示してお
り、図示の実施例において給油ホース７はホース
連結金具Ｈを介して主体部１１の流路１２に接続
されており、そして主体部１１の流路１２と主体
部１１の下流側に設けたノズル流路１３との開口
はチエツク弁１４が設けられ、流路１２に圧油が
かかると、その圧油はばね１５に抗してチエツク
弁１４を開き、そして油はノズル開口１６から流
出するようになつている。

このノズル開口１６の付近でノズル挿入部１７
の外側には陰圧管１８の一端の開口１９が開口し
ている。この陰圧管１８の他端２０は主体部１１
に設けた陰圧室すなわち図示の実施例ではダイヤ
フラム室２２に連通すると共に、分岐した通路２
１がチエツク弁１４の弁座部分に開口している。
チエツク弁１４はその弁座と共に陰圧発生部を構
成しており、油がチエツク弁１４を押し開いて、
チエツク弁１４と弁座との間を流れるときに、通
路２１に負圧すなわち陰圧が発生するようになつ
ている。

ダイヤフラム室２２には陰圧スイツチＳＷ３が
設けられ、ダイヤフラム室２２が負圧になるとダ
イヤフラム２３が図面で下方に変位して陰圧スイ
ツチＳＷ３をオンにする。またダイヤフラム２３
で区画された大気室２５は孔２４を介して大気と
連通している。

したがつて作動に際し、給油作業中は通路２１
に陰圧が生ずるけれども、開口１９が大気と連通
しているので、ダイヤフラム室２２には陰圧が生
じない。しかしながら開口１９が塞がれると、ダ
イヤフラム室２２は陰圧となり、陰圧スイツチ
ＳＷ３が閉じるのである。作業員が自分の意志で
給油作業を行い、又は給油作業を停止するため
に、給油制御スイツチＳＷ２，ＳＷ３が設けられ
ている。図示の実施例では給油開始スイツチＳＷ
２および給油終了スイツチＳＷ４が設けられてい
るが、これらのスイツチＳＷ２，ＳＷ４は１つの
スイツチとし、例えば１回押すと給油開始、２回
押すと給油停止とすることもできる。

次ぎに第３図を参照して作動を説明する。

給油作業の開始および停止はポンプの駆動停止
又は制御弁の開閉によつて行うことができるが、
説明を分りやすくするために、制御弁を開閉する
場合について説明する。なお、ポンプで制御する
場合は、制御弁の開をポンプ駆動、制御弁の閉を
ポンプ停止と読み代えればよいことは自明であ
る。

作業員がノズル８をノズル掛けより外してノズ
ル挿入部１７を自動車のタンクの給油口に挿入
し、そして給油制御スイツチすなわち給油開始ス
イツチＳＷ２を押す。すると、計数回路３０には
リセツト信号が送られ、計数回路３０の前回の計
数量を消去するので、表示計９は帰零する。同時
にモータ制御回路３１にはラインＬ１からオン信
号が入力するので、モータ１は起動して、ポンプ
２が回転する。さらに給油制御手段すなわち図示
の実施例では弁制御回路３２はラインＬ２を介し
て開弁信号が入力されるので、制御弁６が開とな
る。その結果ノズル８から給油作業が行われる。
その際に流量計５のパルス発信器３３は流量をパ
ルス信号として発信し、計数回路３０はこの信号
を受けて表示計９に流量を表示する。

さて「満タン」近くになると、泡や飛沫により
陰圧管１８の開口１９が塞がれて、陰圧スイツチ
ＳＷ３がオンとなる。するとラインＬ３から給油
制御手段である弁制御回路３２に閉弁信号が送ら
れて制御弁６が閉じる。したがつて給油作業は一
時停止する。他方、陰圧スイツチＳＷ３からの信
号は時間計測手段すなわち図示の実施例ではタイ
マ３５に送られる。このタイマ３５は予め定めた
泡または飛沫が消滅する時間、例えば、３秒にセ
ツトされており、したがつて３秒後に信号を生ず
る。この時間計測手段であるタイマ３５からの信
号はラインＬ４を介して給油制御手段すなわち弁
制御回路３２に送られ制御弁６を開弁する。また
タイマ３５からの信号は回数計数手段３４に送ら
れる。この回数計数手段３４はタイマ３３から送
られる信号の回数を計数するもので、予め定めた
一定の回数、例えば３回目の信号がはいると、ラ
インＬ５に信号を発するようになつている。

さて制御弁６が開弁して再び給油作業がはじま
り、前述と同様に泡または飛沫により、陰圧スイ
ツチＳＷ３が閉じると、前述と同様な作動がくり
かえされる。そしてこの作動を予め定めた回数例
えば３度くりかえすと、回数計数手段３４はライ
ンＬ５に信号を発する。この信号はラインＬ６か
ら給油制御手段すなわち弁制御回路３２に送られ
て、制御弁６を閉状態に保持すると共に、ライン
Ｌ７を介してモータ制御回路３１に信号を送りモ
ータ制御回路３１をオフにする。したがつてモー
タ１は停止する。同時に報知器１０を作動して給
油作業の終了を知らせる。そこで作業員はノズル
８を自動車の給油口からノズル８を抜いてノズル
掛けに掛ける。

「満タン」になる前に給油作業を停止したい場
合は給油終了スイツチＳＷ４を押せばよい。する
とラインＬ８にモータのオフ信号が生じてモータ
制御回路３１はモータを停止すると共にラインＬ
９には制御弁６の閉状態の保持信号を与える。

ラインＬ６およびＬ９の閉状態の保持信号は次
回に給油開始スイツチＳＷ２が押されるまで制御
弁６が開かないようにする。

上記の作動に際して、泡ではなく実際の液面が
開口１９の所まで達していれば給油再開と同時に
陰圧スイツチＳＷ３がオンとなるので、実質的に
給油されることなく、給油制御手段は一定回数の
給油の停止・再開を繰返した後給油作業は終了す
るので、問題はない。

なお以上の実施例において制御弁６が弁駆動部
６ａにより制御されるものとして図示してあるが
制御弁６に代えてポンプ２を制御するように、モ
ータ制御回路３１を構成してもよい。また例えば
タイマ３５からの信号がラインＬ４に生ずる毎
に、給油量を絞るように構成することもできる。

［まとめ］ 以上の如く本発明によれば陰圧管と連通する陰
圧室すなわち図示の実施例ではダイヤフラム室を
設け、その陰圧室が陰圧になつたときに作動する
陰圧スイツチを設け、そのスイツチの作動回数に
より給油を終了させたので、泡や飛沫により陰圧
管の開口が塞がれても自動的に給油を行うことが
でき、給油装置を自動化することができ、従来の
ように手動によりレバー操作を繰返して「満タ
ン」にすることがなく、給油装置としてきわめて
好適である。

また従来のように陰圧により湾曲するダイヤフ
ラムを弁閉機構に機械的に連結せず、電気的に連
結したので、ダイヤフラムの作用力はスイツチを
開閉する力だけとなり、ダイヤフラムおよび陰圧
発生部は小さくて良く、ノズル全体が小型で操作
性の良いものとなる。さらに、応答も早くなり、
油を検知すると直ぐに閉じるから油を溢れさせる
こともないものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を実施する給油機を示す側面
図、第２図は本発明を実施したノズルを示す断面
図、第３図は本発明に実施される制御回路を示す
断面図である。 １……モータ、２……ポンプ、８……ノズル、
１１……主体部、１８……陰圧管、１９……開
口、２２……陰圧室、２３……ダイヤフラム、３
２……弁制御回路（給油制御手段）、３４……回
数制御手段、３５……タイマ（時間計測手段）、
ＳＷ２，ＳＷ４……給油制御スイツチ、ＳＷ３……
陰圧スイツチ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ノズルの先端部付近に開口を有する陰圧管と
   陰圧発生部とを陰圧室に連通しノズルを用いた給
   油装置において、この陰圧室に陰圧が発生すると
   作動する陰圧スイツチを設け、そしてノズルに給
   油を制御する給油制御スイツチを設け、ノズル内
   圧が所定圧に達すると閉じるチエツク弁を設け、
   陰圧スイツチがオンすると時間計測を開始し、所
   定時間を計測すると信号を発信する時間計測手段
   と、時間計測手段の信号の発信回数を計数し所定
   回数に達すると信号を発信する回数計数手段と、
   給油制御スイツチにより給油及び給油停止をする
   とともに、陰圧スイツチがオンすると給油を停止
   し、時間計測手段からの信号によつて給油を再開
   し、回数計数手段からの信号により給油を終了す
   る給油制御手段とを設けたことを特徴とする給油
   装置。