JPS6325299Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、主として自動車の排気管系統に施
される排気管の製作の容易化、品質の安定化を図
つた螺旋状ベローズ管を用いた排気管に関するも
のである。

従来、自動車の排気管系統の適当箇所に、振動
吸収および透過音減少のため第１図に示すような
螺旋状ベローズ管１の両端内周部に接続パイプ１
ａ，１ａを嵌入させてこれらを全周溶接すること
により固定してなる排気管が接続されていた。

ところが、この排気管を製作するには、溶接性
向上のため前記ベローズ管１の両端を多大の切断
時間をかけてそのリード角に沿つて切断するリー
ド切りｘおよびその長手方向に沿つて切断するタ
テ切りｙ（第１図参照）とすることが必要であり、
また全周溶接することから多大の溶接時間を要す
る上、その溶接に熟練が必要であり、しかもこの
ようにして製作された排気管の溶接部の安定性が
乏しい等の欠点があつた。

そこで、この考案は、このような溶接部をなく
して容易、かつ品質良く製作できる螺旋状ベロー
ズ管を用いた排気管を提供し、前記欠点に対処し
たものである。

以下、この考案の具体的な実施例を図面を参照
して説明する。

第２図はこの考案に係る螺旋状ベローズ管を用
いた排気管の一実施例を示し、この排気管の主要
部分は、螺旋状ベローズ管１、アウターパイプ
２，２、イワナーパイプ３，３、およびシール材
４，４から構成される。

螺旋状ベローズ管１は、一層もしくは多層から
なるものが用いられ、適当長さでその長手方向に
直交するように直角切断されてなるものである。

アウターパイプ２は、凹状螺着部２ｂを適当数
条形成した外中途嵌合パイプ部２ａから、一方に
拡開部２ｃ、他方にすぼまり状部を経て外接続パ
イプ口部２ｄが形成されてなるものである。拡開
部２ｃは、このアウターパイプ２内方へ前記ベロ
ーズ管１端部が容易に挿入でき得る適宜形状でよ
いものであり、また外中途嵌合パイプ部２ａに形
成した凹状螺着部２ｂのリード角は前記ベローズ
管１のリード角と同じく形成されていて、このベ
ローズ管１の両端外周部へ螺着して取付けでき、
しかも両者の螺着部空間部間に例えば耐熱シーラ
等の耐熱性のシール材４を介在させ密封状に取付
けられるものである。

インナーパイプ３は、凸状螺着部３ｂを一部に
形成したもしくはこれを形成してない嵌合部３
b′のみの内中途嵌合パイプ部３ａから一方にすぼ
まり部３ｃ、他方に拡開状部を経て内接続パイプ
口部３ｄが形成されてなるものである。すぼまり
部３ｃは、このインナーパイプ３を前記ベローズ
管１内方へ容易に挿入でき得る適宜形状でよいも
のであり、また内中途嵌合パイプ部３ａに形成し
た凸状螺着部３ｂのリード角は、前記ベローズ管
１のリード角と同じく形成されていて、このベロ
ーズ管１の両端内周部へ前述のアウターパイプ２
の場合と異なり単に螺着して取付けできればよい
ので、この凸状螺着部３ｂは連続状に一条もしく
は数条形成していても、あるいは不連続に形成し
ていてもよいものである。さらに、この内接続パ
イプ口部３ｄの外周面は、前記アウターパイプ２
の外接続パイプ口部２ｄの内周面と嵌合するよう
構成され、インナーパイプに嵌合部３b′のみを形
成した場合等には必要に応じこれら両者２ｄ，３
ｄをスポツト溶接にて固定してもよい。もつと
も、このようにして形成された排気管は、自動車
の排気管系統に使用される触媒コンバータ、プリ
マフラー等と通常溶接等により一体的に適宜接続
され使用されるので、アウターパイプ２とインナ
ーパイプ３を必ずしも一体化したものでなくてよ
いものである。また、アウターパイプ２をネジ込
むことなく、容易に抱合螺着できる構造のものと
して、第３図および第４図に示すように、分割部
を抱合螺着し、溶接２ｅ等にてアウターパイプ２
を一体化してもよい。

以上の構成についての説明からも明らかなよう
にこの考案によると、従来のように螺旋状ベロー
ズ管１両端部で全周溶接することなく簡単な螺着
もしくは嵌合取付けとしていることから、略々溶
接工程がなくなつた分だけ工数の低減が図れると
ともに、このベローズ管１への熱影響も全くなく
なり品質が極めて安定する。

また、シール材４を介在して螺着取付けしてい
ることから、内部を通過する排気ガスの洩れも全
くなく品質低下も生じない。

さらに、アウターパイプ２によりこのベローズ
管１両端部は保護されているので、従来のように
むき出しになつている両端部のベローズ管１の膨
出部が石はね等の外力によりつぶれ振動耐久性が
低下することもなく機能保持が図れる他、このベ
ローズ管１の両端の切断は直角切断でよいので、
従来のようにリード切りおよびタテ切りしなくて
容易に切断できその分工数の低減が図れる等種々
の優れた実用上諸効果が期待できる。

さらに、螺旋状ベローズ管１の端部螺旋は、ア
ウターパイプ２と、インナーパイプ３とにより内
外から挾持状態に抱持されるため、その固着が確
実に行える利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の螺旋状ベローズ管を用いた排気
管を示す要部破断正面図、第２図はこの考案に係
る螺旋状ベローズ管を用いた排気管を示す要部破
断正面図、第３図および第４図は他の実施例を示
す要部破断正面図および横断面図である。 符号、１……螺旋状ベローズ管、２……アウタ
ーパイプ、２ｂ……凹状螺着部、３……インナー
パイプ、３ｂ……凸状螺着部、３b′……嵌合部、
４……シール材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 内燃機関の排気管系統に用いられる排気管で
   あつて、適当長さの螺旋状ベローズ管１の外周
   端部に、これに嵌着し得る凹状螺着部２ｂ…を
   形成したアウターパイプ２を、シール材４を介
   在させて密封状に嵌着して取付けるとともに、
   上記螺旋状ベローズ管１の内周端部には、イン
   ナーパイプ３を嵌挿させ、これら両パイプ２，
   ３により、上記螺旋状ベローズ管１の端部螺旋
   を挾持状態に抱持させたことを特徴とする螺旋
   状ベローズ管を用いた排気管。 (2) 前記シール材４を耐熱性素材としたことを特
   徴とする実用新案登録請求の範囲第(1)項記載の
   螺旋状ベローズ管を用いた排気管。 (3) 前記螺旋状ベローズ管１の端部が直角切断さ
   れていることを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第(1)、または第(2)項記載の螺旋状ベローズ
   管を用いた排気管。