JPS6324355Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、リング状二重バーナーに利用するガ
スコツクの改良に関するものである。

従来のこの種のバーナーは、外周バーナーと内
周バーナーとから成り立ち、弱火だけが必要なと
きは内周バーナー単独で使用し、強火が必要なと
きは内外２つのバーナーを用いるように操作して
いる。

本考案の目的は前記従来の二重バーナー用ガス
コツクに改良を加え、構造を簡単にし、しかも操
作が容易で小角度の一方向回転で火力の調節範囲
が広く而も微調整をおこなうことができ調節が確
実に行われる二重バーナー用ガスコツクを提供す
ることにある。

前記の目的を充足するため本考案は次のように
構成したものである。

即ち本考案は、コツク本体１のガス源連絡孔５
に連通する凹入穴４及び横孔６を閉子２に開設
し、更に閉子２には、その閉子位置より該閉子を
所定の角度回動させたとき前記コツク本体１に形
成した大バーナー孔１１と小バーナー孔１２並び
にパイロツトバーナー孔１３とに同時に連通して
大小両バーナーを点火させるための大バーナー用
孔７及び小バーナー用孔８、パイロツトバーナー
孔１３への連絡切欠９付き中介孔１０を閉子２の
凹入穴４から外周面に向つて形成し、又閉子２を
前記回動角度位置から前記回動方向と同方向に更
に所要角度回わすことにより、前記大バーナー孔
１１への連絡を遮断するための閉子２の周面の一
部を形成するとともに、小バーナー孔１２への連
絡のみ続行させるための張出孔８′を小バーナー
用孔８に連設し、閉子を更に同方向に所要角度回
動させることにより前記大小バーナー用孔１１，
１２をともに閉止するための閉子２の周面の一部
を形成し、コツク本体１には、その小バーナー孔
１２に開口するバイパス通路１５と、閉子２の周
面の一部に形成したバイパス用切欠１６に開口す
るバイパス通路１５′との間にニードル弁を設け、
且上方から見て大小バーナー孔１１，１２が閉子
の中心を通る直線上に相対して設けられ、ガス源
連絡孔５が上記直線に対し略直角方向に設けられ
るとともに小バーナー孔１２、ガス連絡孔１５、
大バーナー孔１１の順に配設したことを特徴とす
る二重バーナー用ガスコツク。

図面は本考案に係る二重バーナー用ガスコツク
の一実施例を示したもので、図中１はコツク本
体、２は閉子、３は閉子操作軸である。

閉子２には下面に開放する凹入穴４を穿ち、コ
ツク本体１に形成したガス源連絡孔５に連絡する
横孔６をあけ、凹入穴４を介して横孔６と連通す
る大バーナー用孔７と小バーナー用孔８並びにパ
イロツトバーナー連絡切欠９の中介孔１０を形成
し、コツク本体１には夫々大バーナー孔１１、小
バーナー孔１２、パイロツトバーナー孔１３を形
成する。尚小バーナー用孔８に連続して張出孔
８′を形成してある。

又コツク本体１には小バーナー孔１２へのバイ
パス通路１５′を設け、上記バイパス通路１５′
と、小バーナー孔１２に開口する他のバイパス通
路１５とをニードル弁１４を介して連結し、バイ
パス通路１５′は、閉子２に形成した別の切欠１
６を介してガス源連絡孔５と小バーナー孔１２に
連絡させる。１７はパイロツトバーナーに点火す
る電気点火装置のスイツチ操作レバーで、前記閉
子操作軸３より突出したピンロツド１８がその周
りのカム１９に接するようにばね２０をピンロツ
ド１８に作用させ、閉子操作軸３の回転に伴ない
カム１９を、該カム１９に作用させたばね２０に
抗して押下げ、操作レバー１７の突出部２１をカ
ム１９で操作し、軸２２を支点に操作レバー１７
が回動してパイロツトバーナーに点火するように
し、同時にカム１９及びストツパー板２８により
閉子２の回動を一時的に止める。（第２図参照）
２３はピンロツトに作用させたばね、２４は凹入
穴４の上面に形成した弁座で、これに接する弁２
５はパイロツトバーナー孔１３に通じる中介孔１
０を開閉し、ばね２６に抗して操作軸２９を押下
げると弁２５が弁座２４より離れてパイロツトバ
ーナー孔１３がガス源に通じる。尚ハンドルを逆
に回わせば、元の完全閉止位置に戻る。２８は、
カム１９の下面に固定したストツパー板で第８図
に示すように操作レバー１７の突出部２１が係合
する切欠２７を設けカム１９と共にストツパー板
２８は協動し、第８図イは閉子が閉じているとき
を示し、ロは75゜回わつて両バーナーが点火して
いる位置、更にハは120゜，150゜回わつたときの位
置を示している。

尚、コツク本体１にはガス源連絡孔５とは別の
高さに大バーナー孔１１と、小バーナー孔１２と
を、上方から見て閉子２の中心を通る一直線上に
配設し、パイロツトバーナー孔１３をガス源連絡
孔５及び大小バーナー孔１１，１２とは別の高さ
に配設し、上から見て、小バーナー孔１２及びバ
イパス通路１５，１５′、ガス源連絡孔５、大バ
ーナー孔１１の順に配設されている。

次に本考案のガスコツクの作用、作動状態につ
いて説明する。

第１図はガスコツクの完全閉止状態を示すもの
であつて、このときのコツク本体１と、閉子２と
の関係は第４図イ，ハに示すように、閉子２の周
面の一部２ａ，２a′がコツク本体１のガス源連絡
孔５を閉止し、閉子２の周面の一部２ｂはコツク
本体１のバイパス通路１５′を閉止している。又
第４図ロに示すように閉止２の周面の一部２ｃ，
２ｄが大小バーナー孔１１，１２を閉止し、第４
図ニに示すように閉子２の周面の一部１ｅはパイ
ロツトバーナー孔１３を閉止している。

次に閉子操作軸３のハンドル（図示せず）を回
転して第１図の閉子２の位置から回すと、カム１
９は、ばね２０，２６の撥力に抗して押し下げら
れ、弁２５の開度調節がおこなわれると共に、カ
ム１９により操作レバー１７の突出部２１が押し
下げられ、軸２２を支点に操作レバー１７が上方
に回動して前記電気点火装置（図示せず）のスイ
ツチ（図示せず）をONにし、パイロツトバーナ
ー（図示せず）に点火する。従つて内外周バーナ
ー（図示せず）が同時に点火する。閉止操作軸３
のハンドル（図示せず）が回転し、75゜に至つた
とき回転を止めると、ばね２０，２６は旧位に復
し、弁２５も閉止する。従つて弁座２４を閉止
し、パイロツトバーナー連絡切欠９、中介孔１０
からパイロツトバーナー孔１３へのガスの供給を
停止し、パイロツトバーナーは滅火する。

内外周バーナー点火時におけるコツク本体１と
閉子２との関係は、閉子２を回動してゆくにつれ
て、第５図イに示すように、閉子２の大バーナー
用孔７、小バーナー用孔８は、コツク本体１の大
バーナー孔１１、小バーナー孔１２と連通し、第
５図イに至る過程において両孔７，１１，８，１
２とのガス供給開度を徐々に大とする。即ちガス
の供給量を徐徐に大としてゆき、第５図イの状態
となる。そのとき第５図ロに示すように、閉子２
の横孔６もコツク本体１のガス源連絡孔５に連通
し、第５図ロに至る過程において両孔６，７のガ
ス供給開度を徐徐に大とする。即ちガスの供給量
を徐々に大としてゆき第５図ロの状態となる。同
時に、第５図ハに示すごとく、閉子２の中介孔１
０は連絡切欠９を介してコツク本体１のパイロツ
トバーナー孔１３に連通する。実施例においては
閉子２が75゜位置に至つたときガス供給開度が最
大となり最大ガス供給、最大火力が得られるよう
に弁２５が開放されるように構成されている。
尚、図中多数の点を付した部分はガスの流れを示
す。

その後更に前記と同方向に、例えば第６図の実
施例において120゜まで閉子２を回してゆくと、コ
ツク本体１と閉子２との関係は閉子２がまわるこ
とにより、第５図イの状態において、小バーナー
孔１２に対して全開状態で連通していた小バーナ
ー用孔８は第６図イに示すように徐々に張出孔
８′に移行し、これにともない大バーナー用孔７
は大バーナー孔１１を徐々に狭搾し、第６図イに
示すごとく、張出孔８′が小バーナー孔１２に対
し全開状態のとき、大バーナー用孔７は完全に大
バーナー孔１１から外れ大バーナー孔１１は閉子
２の周面の一部２ｆにより閉塞されている。同時
に閉子２の横孔６は第５図ロに示すガス源連絡孔
５に対し全開状態から第６図ロに示すようにガス
源連絡孔５を狭搾状態としてガスの供給量を減少
調節し、閉子２の中介孔１０は第５図ハに示す位
置から第６図ハに示す位置に移動する。パイロツ
トバーナー連絡切欠９は引続きパイロツトバーナ
ー孔１３に連通しているが、前述のごとく弁２５
と弁座２４が閉止しているためパイロツトバーナ
ーは滅火する。

閉子２を前記第６図イ，ロ，ハに示す状態から
更に同方向に、例えば図示の実施例において150゜
まで回わすと、その過程において第３図、第７図
イ，ロ，ハ，ニに示すように、閉子２の張出孔
８′は徐々に小さくなり、第７図イに示すごとく、
閉子２の張出孔８′の一部とコツク本体１の小バ
ーナー孔１２とはわずかに連通した後閉止し、閉
子２の周面の一部２f′はコツク本体１の大バーナ
ー孔１１を閉止する。同時に第７図ロに示すごと
く、閉子２の周面の一部２ｇはコツク本体１のガ
ス源連絡孔５を閉止するとともに、第７図ハに示
すごとく、コツク２の周面の一部２ｈはコツク本
体１のパイロツトバーナー孔１３を閉止し、更に
第７図ニに示すように切欠１６によりガス源連通
孔５の一部とコツク本体１のバイパス通路１５′
の一部とが連通され、ガスはバイパス通路１５を
通つて小バーナー孔１２のみに最小量のガスが供
給され、小バーナーに最小火のみが点火される。

閉子２をコツク本体１に対し、以上述べた回動
方向と反対の方向にまわすことにより、第１図、
第４図イ，ロ，ハ，ニに示すもとの閉止状態にも
どる。

以上述べた第４図イ乃至第７図ニに示すコツク
本体１に対する閉子２の回転角度によるスイツ
チ、ガス源からのガスの供給のON，OFF，パイ
ロツトバーナー、大バーナー、小バーナーの着
火、滅火、大小バーナーの火力の調節、及びバイ
パス通路の開閉を第１５図に示すグラフについて
要約して説明すれば次の通りである。

閉子２を完全閉止の状態から75゜の方向にまわ
してゆくと、その過程においてスイツチがONと
なり、ガス源から僅少のガスが供給され電気点火
装置によりパイロツトバーナーが点火する。閉子
２の回動が75゜に近ずくと大バーナー、小バーナ
ーへのガス源からのガスの供給量は次第に大とな
り75゜に至つたとき最大量となり最大火力となる。
このとき大小バーナーはともに最大火力で燃焼す
る。このときパイロツトバーナーが滅火する。そ
の後閉子２を前記回動方向に即ち120゜の方向に回
動するときは小バーナーはそのままの火力で燃焼
しつゞけ、大バーナーの火力は次第に弱くなり、
120゜の位置においては、大バーナーは滅火し、小
バーナーのみ前同様の火力で燃焼している。閉子
２を更に同方向に回動し、120゜の位置を超えると
小バーナーの火力は次第に弱くなつてゆく。然し
閉子２が150゜に至る少し前にあらかじめバイパス
通路が開通しており、上記バイパス通路のみから
ガス源からのわずかなガスが小バーナーへ供給さ
れているため、小バーナーは最小の火力で燃焼を
維持している。

閉子２を完全閉止の状態とするには、閉止を逆
方向0゜の位置にもどすことによりバイパス通路も
閉止し、大バーナー、小バーナーも閉止して完全
閉止となる。

本考案は前述の構成により、閉子をコツク本体
に対し一方向に回わすことにより、大小両バーナ
ーの両バーナー孔の漸大そして全開即ち最大火力
の燃焼、小バーナーのバーナー孔のみ全開して大
バーナーのバーナー孔の孔面積の漸減、即ち大バ
ーナー孔のみによる火力の調節、大バーナーの滅
火後小バーナーのバーナー孔の全開、次いで小バ
ーナー孔の面積の漸減による小バーナーのみによ
る火力の調節そして小バーナーのみによる最小火
力の維持をおこなうことができ、火力の調節範囲
が従来の二重バーナー用ガスコツクに比し大であ
るのみならず、微調整が可能であり、大小バーナ
ーの完全滅火の際には、閉子を逆方向に一挙にも
どして最初の位置にもどすことによりおこなうこ
とができ、大小バーナーへの点火操作、火力の調
節操作、完全滅火操作も従来の二重バーナー用ガ
スコツクに比し、容易、迅速、確実である等の効
果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る二重バーナー用ガスコツク
の一実施例を示したもので、第１図は閉子閉塞時
の縦断側面図、第２図は閉子全開時の縦断側面
図、第３図は閉子が閉塞位置より150゜回転した状
態の縦断側面図、第４図は第１図の位置の閉子各
部の横断平面図、第５図は第２図の全開状態時の
閉子各部の横断平面図、第６図は閉子が120゜回わ
つた位置における閉子各部の横断平面図、第７図
は第３図の状態の閉子各部の横断平面図、第８図
はストツパー板の作動状態を示す平面図及び側面
図、第９図は閉子の正面図、第１０図は第９図Ａ
−A′線における縦断側面図、第１１図は第９図
Ｂ−B′線断面図、第１２図は第９図Ｃ−C′線断面
図、第１３図は第８図Ｄ−D′線断面図、第１４
図は第９図Ｅ−E′線断面図、第１５図は各部の作
動状態を示すグラフである。 １……コツク本体、２……閉子、３……閉子操
作軸、４……凹入穴、５……ガス源連絡孔、６…
…横孔、７……大バーナー用孔、８……小バーナ
ー用孔、８′……張出孔、９……連絡切欠、１０
……中介孔、１１……大バーナー孔、１２……小
バーナー孔、１３……パイロツトバーナー孔、１
４……ニードル弁、１５，１５′……バイパス通
路、１６……切欠、１７……スイツチ操作レバ
ー、１８……ピンロツド、１９……カム、２０…
…ばね、２１……突出部、２２……軸、２３……
ピンロツドに作用させたばね、２４……弁座、２
５……弁、２６……ばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コツク本体１のガス源連絡孔５に連通する凹入
   穴４及び横孔６を閉子２に開設し、更に閉子２に
   は、その閉止位置より該閉子を所定の角度回動さ
   せたとき前記コツク本体１に形成した大バーナー
   孔１１と小バーナー孔１２並びにパイロツトバー
   ナー孔１３とに同時に連通して大小両バーナーを
   点火させるための大バーナー用孔７及び小バーナ
   ー用孔８、パイロツトバーナー孔１３への連絡切
   欠９付き中介孔１０を閉子２の凹入穴４から外周
   面に向つて形成し、又閉子２を前記回動角度位置
   から前記回動方向と同方向に更に所要角度回わす
   ことにより、前記大バーナー孔１１への連絡を遮
   断するための閉子２の周面の一部を形成するとと
   もに、小バーナー孔１２への連絡のみ続行させる
   ための張出孔８′を小バーナー用孔８に連設し、
   閉子を更に同方向に所要角度回動させることによ
   り前記大小バーナー用孔１１，１２をともに閉止
   するための閉子２の周面の一部を形成し、コツク
   本体１には、その小バーナー孔１２に開口するバ
   イパス通路１５と、閉子２の周面の一部に形成し
   たバイパス用切欠１６に開口するバイパス通路１
   ５との間にニードル弁を設け、その後の小バーナ
   ーへのガス供給をなし、且上方からみて大小バー
   ナー孔１１，１２が閉子の中心を通る直線上に相
   対して設けられ、ガス源連絡孔５が上記直線に対
   し略直角方向に設けられるとともに小バーナー孔
   １２、ガス源連絡孔５、大バーナー孔１１の順に
   配設したことを特徴とする二重バーナー用ガスコ
   ツク。