JP3032609U - 卓上カセットこんろ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本考案は卓上カセットこんろに関し、操作つ
まみの回動操作によるコックの開閉角度と、導通制御手
段による電気的導通角度とを略一致し、部品の製作精度
と組付精度を高精度にすることなく、安全且つ確実にガ
スの着火または消火が行え、操作性を向上し、製作、組
付が容易で製作コストを安価にする。 【解決手段】 本考案は操作つまみ４の回動操作により
着火手段９を電気的に導通する導通制御手段１１は、操
作つまみまたはこんろ本体１の対向する壁面の何れか一
方に設けられる導通板１２と、他方に設けられて電源部
１０または着火手段に一端が接続される１対の弾性接触
片１３Ａ，１３Ｂとで形成される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は液化ガスが封入されたカセットボンベが着脱可能に装填される卓上カ セットこんろに関し、操作つまみの回動操作によるコックの開閉角度と、ガスを 着火する着火手段に接続される電気的導通角度とをずれなく、一致させて操作の 安全性と確実性を期すようにした。

【０００２】

【従来の技術】

従来、カセットボンベ内に封入される液化ガスを燃料源にする卓上カセットこ んろには例えば図９および図１０に示すものがある。 すなわちバーナｂを有するこんろ本体ａと、液化ガスが封入され前記こんろ本 体ａ内に着脱可能に装填されるカセットボンベｃと、前記バーナｂに液化ガスを 供給したり、または停止したり、ガス流量を制御可能になすコックｄに連動され 、前記こんろ本体ａの前面に回動可能に装着された操作つまみｅと、前記バーナ ｂに設けた多数の火口から噴出されるガスを点火する着火手段ｆと、前記操作つ まみｅの回動操作により該操作つまみｅに同軸に設けたカム輪ｇの押圧にて前記 着火手段ｆを電気的に導通するためにオン・オフされるマイクロ・スイッチｈよ りなる導通制御手段ｉとから構成される。 そして使用にあたり操作つまみｅを回動操作すると、操作つまみｅに連動され るコックｄが開かれる。次いでカセットボンベｃの注入口ｃ₁ からガスは、供給 通路ｊ、圧力供給機構ｋを経てコックｄ内に導入され、バーナｂの火口から噴出 される。また操作つまみｅの回動操作により、該操作つまみｅと同軸に設けられ たカム輪ｇがマイクロ・スイッチｈをオンするので、電気的に導通される着火手 段ｆによりバーナｂから噴出されるガスに着火される。 操作つまみｅの継続する回動操作によりカセットボンベｃから供給されるガス 流量を多少に調整される。 バーナｂによる加熱が終了され、操作つまみｅを着火時とは反対方向の旧位置 に回動操作すると、カム輪ｇによるマイクロ・スイッチｈの押圧は止められ、着 火手段ｆに対する通電は停止される。しかもコックｄは閉じられ、カセットボン ベｃからバーナｂへのガスの供給は遮断される。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

図９および図１０に示す上記従来の卓上カセットこんろでは、操作つまみｅを 回動操作すると、この操作つまみｅに同軸に設けたカム輪ｇが着火手段ｆに対す る導通制御手段としてのマイクロ・スイッチｈをオン・オフし、しかもカセット ボンベｃからバーナｂに対してガスを供給したり、停止したり、ガス流量を制御 するためのコックを開閉するものである。 従って、操作つまみｅの回動操作によってコックｄを開閉するための回動始点 Ｓ′₁ および回動終点Ｓ′₂ と、マイクロ・スイッチｈをオン・オフするための カム輪ｇの押圧とを一致させるのが難しかった。コックｄを開閉するための回動 始点Ｓ′₁ に、カム輪ｇの押圧によるマイクロ・スイッチｈのオン・オフが一致 されずに速過ぎると、ガスの供給によりいきなり着火される。反対にマイクロ・ スイッチｈのオン・オフがバーナｂからのガスの噴出よりも遅過ぎると、爆発的 にガスが燃焼されるという不都合を生じ、安全性に欠けることがあった。また強 火にしたい時に、操作つまみｅを回動操作してガス流量を多くしても使用者の意 に反して不用意に火が消える等、事故の一因になることもあった。 このため操作つまみｅの回動操作によるコックｄの回動始点Ｓ′₁ および回動 終点Ｓ′₂ と、マイクロ・スイッチｈをオン・オフするためのカム輪ｇの押圧に よる電気的導通角度の設定とを一致するためには、操作つまみｅ、コックｄ、カ ム輪ｇ、マイクロ・スイッチｈ等の各部品の製作精度および組付精度を高精度に しなければならならず、製作および組付に時間と手間がかかり、製作コストが高 価になっていた。

【０００４】 本考案は上記従来の不都合を解決するために、操作つまみの回動操作によるコ ックの開閉角度と、導通制御手段による導通板と弾性接触片との接触による電気 的導通角度とを略一致し、部品の製作精度および組付精度を高精度にしなくても 安全且つ確実にガスの着火または消火が行えて操作性を向上し、しかも製作およ び組付は容易であり、製作コストを安価にする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の請求項１は、バーナを有するこんろ本体と、液化ガスが封入され、前 記こんろ本体内に着脱可能に装填されるカセットボンベと、前記バーナに液化ガ スを供給したり、または停止したり、ガス流量を制御可能になすコックに連動さ れる回動可能な操作つまみと、前記バーナから噴出されるガスを点火する着火手 段と、前記操作つまみの回動操作により前記着火手段を電気的に導通する導通制 御手段とを備えた卓上カセットこんろにおいて、該導通制御手段は、前記操作つ まみまたは該操作つまみが取付けられる前記こんろ本体の対向する壁面の何れか 一方に設けられる導通板と、該導通板に摺動可能に前記操作つまみまたは前記こ んろ本体の対向する壁面の何れか他方に設けられるとともに電源部または前記着 火手段に夫々一端が接続される１対の弾性接触片とにより形成されるという手段 を採用した。

【０００６】 また本考案の請求項２は、請求項１において前記操作つまみの回動始点から回 動終点までに前記操作つまみの回動操作による前記コックの開閉角度と、前記導 通板と前記弾性接触片との接触による電気的導通角度とを略一致して設定すると いう手段を採用した。

【０００７】 また本考案の請求項３は、請求項１または請求項２において前記操作つまみの 裏面に略円弧状の前記導通板を設け、該導通板に摺動可能に接触する前記弾性接 触片を前記こんろ本体の対向する壁面に設けるという手段を採用した。

【０００８】 さらに本考案の請求項４は、請求項１または請求項２において前記操作つまみ の裏面に略円弧状の前記弾性接触片を設け、該弾性接触片に摺動可能に接触する 前記導通板を前記こんろ本体の対向する壁面に設けるという手段を採用した。

【０００９】

【考案の実施の形態】 以下図面に従って本考案の実施の形態の具体例を説明する。 図１乃至図６は本考案の一実施例であり、１は多数の火口２ａを有するバーナ ２を上面に設けたこんろ本体であり、このこんろ本体１の前面カバー１ａにはバ ーナ２に液化ガスを供給したり、または停止したり、ガス流量を制御可能になす コック３に連動される操作つまみ４が回動可能に設けられている。 前記コック３は弁箱５内に回動可能に内臓され、その軸長方向から内部および 周面にかけて導入孔３ａが設けられ、この導入口３ａは供給通路６を介してバー ナ２に連通可能に設けられる。 ７は供給通路６の途中に設けられた圧力調整機構であり、この圧力調整機構７ は後記カセットボンベ８から供給するためのガス圧力を調整するためのものであ る。

【００１０】 ８はこんろ本体１の一側に設けた蓋体１ｂを開閉可能にすることによりこんろ 本体１内に着脱可能に装填されるカセットボンベであり、このカセットボンベ８ 内には液化ガスが封入される。

【００１１】 ９は前記バーナ２から噴出されるガスを前記操作つまみ４の回動操作により点 火するための着火手段であり、この着火手段９は例えば電池等が交換可能に使用 される電源部１０と、この電源部１０に接続され、抵抗やコンデンサ、該コンデ ンサに蓄えられる電気の放出時期を設定するためのトランジスタ等のスイッチィ ング素子等よりなる火花発生回路からなる。またこの火花発生回路には感熱セン サーを設けることにより、ガスの燃焼中途で炎が風等で不用意に消された場合に 、着火手段９によりガスに再着火することもできる。 そして操作つまみ４を回動操作すると、後記導通制御手段１１を介して着火手 段９を電気的に導通し、前記コンデンサに蓄えられる電気をスイッチング素子の 働きで放出する時に発生する火花によりバーナ２から放出されるガスを着火する 。この着火手段９はこのほかに操作つまみ４の回動操作に連動するハンマーの打 撃により火花を放出する圧電素子を使用することもできる。

【００１２】 １１は前記操作つまみ４の回動操作により前記着火手段９を電気的に導通する ための導通制御手段であり、この導通制御手段１１は前記操作つまみ４の裏面に 重合して設けられた略円弧状の導通板１２と、操作つまみ４が回動可能に装着さ れるこんろ本体１の対向する壁面に導通板１２に摺動可能になるように設けられ 、前記電源部１０または前記着火手段９に夫々一端が接続される１対の弾性接触 片１３Ａ，１３Ｂとから形成される。

【００１３】 またこの導通板１２と前記弾性接触片１３Ａ，１３Ｂとの接触による電気的導 通角度θ₁ は、操作つまみ４の回動操作によるコック３の開閉角度θ₂ に対して 操作つまみ４のニュートラル位置としての回動始点Ｓ₁ から回動終点Ｓ₂ までの 範囲において略一致するように設定される。この操作つまみ４の回動始点Ｓ₁ お よび回動終点Ｓ₂ は図には示さないストッパにより、その回動範囲を規制するよ うにしてもよい。そして操作つまみ４が図３に示すようにニュートラル位置にお いては、未だコック３は開かれず、しかも一方の弾性接触片１３Ｂは導通板１２ に接触せずに電気的導通は図られてはいないが、他方の弾性接触片１３Ａは導通 板１２に接触して電気的な導通が図られている。

【００１４】 １４ａは一方の前記弾性接触片１３Ａと前記電源部１０とを接続するためのリ ード線、１４ｂは他方の前記弾性接触片１３Ｂと前記着火手段９とを接続するた めのリード線である。

【００１５】 本考案の一実施例は以上の構成からなり、図２および図３に示すように操作つ まみ４は不使用時のニュートラル位置においては未だコック３が開かれず、カセ ットバンベ８内に封入されている液化ガスのバーナ２への供給は遮断されている 。 また操作つまみ４の裏面に設けた略円弧状の導通板１２には操作つまみ４に対 向するこんろ本体１の前面カバー１ａに取付けられている１対の弾性接触片１３ Ａ，１３Ｂのうち一方の弾性接触片１３Ｂは未だ接触していないので、着火手段 ９に対する電気的導通ははかられてはいないが、他方の弾性接触片１３Ａは導通 板１２に接触している。

【００１６】 そして使用時あたり、操作つまみ４を回動始点Ｓ₁ としてのニュートラル位置 である回動始点Ｓ₁ から僅かに例えば反時計方向に回動操作すると、この操作つ まみ４に連動されてコック３は開かれる。このためカセットボンベ８内に封入さ れている液化ガスはコック３内に導入され、供給通路６、圧力調整機構７を経て バーナ２の火口２ａから噴出し始める。

【００１７】 また、操作つまみ４が回動されると、この操作つまみ４の裏面に設けた導通板 １２に非接触状態にあった弾性接触片１３Ｂが接触するので、図９および図１０ に示す従来のカセットこんろのようにカム板ｇがマイクロ・スイッチｈを押圧し てオンするのとは異なり、バーナ２からのガスの噴出と同期して１対の弾性接触 片１３Ａ，１３Ｂが導通板１２に接触することによりオンし、迅速且つ確実に着 火手段９の電気的な導通がはかれる。この結果、着火手段９の火花発生回路を形 成するコンデンサに電源部１０から充電され、電気が所定量蓄えられる。それか らトランジスタ等のスイッチング素子が作動することにより、コンデンサに充電 されていた電気が放電され、着火手段９にて発生する火花によりバーナ２の火口 ２ａから噴出するガスに着火される。また火花発生の他の方法として着火手段９ に圧電素子（図には示さず）を使用する場合には、操作つまみ４の回動操作と、 この操作つまみ４に連動するハンマーの打撃で発生する火花によりバーナ２の火 口２ａから噴出するガスを着火することもできる。 この際、操作つまみ４に連動されるコック３の開閉角度θ₂ と、導通板１２と 弾性接触片１３Ａ，１３Ｂとの接触による電気的導通角度θ₁ は、操作つまみ４ の回動始点Ｓ₁ から回動終点Ｓ₂ までの範囲内で一致しているので、バーナ２へ のガスの供給と同時に着火手段９により発生される火花により確実且つ安全にガ スの着火が行なえる。 従って図９および図１０に示すように、マイクロ・スイッチｈがカム輪ｇによ りオン・オフされ、導通制御手段１１による電気的導通がガスの供給よっていき なり着火されたり、反対に導通制御手段１１のオン・オフが、バーナ２からのガ スの噴出より遅過ぎると、爆発的に燃焼されるという不都合は防止される。

【００１８】 さらに操作つまみ４を例えば図４に示す状態から反時計方向に回動操作し続け ると、コック３の導入孔３ａの開口度が大きくなるので、カセットボンベ８から バーナ２に供給されるガス供給量が大きくなる。こうしてバーナ２により燃焼さ れる炎の弱火、中火、強火等に対する調整が、操作つまみ４の回動始点Ｓ₁ から 回動終点Ｓ₂ に到る回動範囲内で行なえる。 しかも操作つまみ４を回動する間、導通制御手段１１における導通板１２に弾 性接触片１３Ａ_, １３Ｂが接触しながら摺動するので、バーナ２にて燃焼中の炎 が風等の風圧を受けたり、煮炊き時の吹きこぼれによりガスが噴出している間に 不用意に消火したとしても、センサーが炎の消火状態を検知することにより、着 火手段９から発生される火花により、迅速且つ確実にバーナ２の火口２ａから噴 出されるガスに再び着火されることができる。

【００１９】 バーナ２にて燃焼する炎の消火を行う場合には、操作つまみ４を使用状態から 例えば時計方向に回動始点Ｓ₁ まで回動操作すると、コック３は閉じられてカセ ットボンベ８からバーナ２へのガスの供給は遮断される。これと同時に操作つま み４の回動操作により導通制御手段１１の１対の弾性接触片１３Ａ，１３Ｂは導 通板１２に対して接触しながら摺動される。その後、一方の弾性接触板１３Ｂが 導通板１２から離れ、電気導通角度θ₁ は解放されてオフになるので、着火手段 ９に対する電気的導通は解放される。この際、操作つまみ４に連動されるコック ３の開閉角度θ₂ と、導通板１２と弾性接触片１３Ａ，１３Ｂとの接触による電 気的導通角度θ₁ は、操作つまみ４の回動終点Ｓ₂ から回動始点Ｓ₁ までの範囲 内に一致して設けられるので、バーナ２へのガスの供給が停止するのと同期して 着火手段９への通電が断たれ、消火が安全且つ確実に行なえる。

【００２０】 図７および図８に示すものは本考案の他の実施例を示し、この実施例において は操作つまみ４の裏面に略円弧状の１対の弾性接触片１３Ａ，１３Ｂを設け、こ の弾性接触片１３Ａ，１３Ｂに接触可能な導通板１２をこんろ本体１の対向する 壁面に設けることにより着火手段９に電気的な導通をはかるための導通制御手段 １１となした点が前記実施例とは異なるほかは前記実施例と同様な構成、作用で ある。

【００２１】

【考案の効果】

以上のように本考案は、操作つまみまたは操作つまみが取付けられるこんろ本 体の対向する壁面の何れか一方に導通板を設け、該導通板に摺動可能に操作つま みまたはこんろ本体の対向する壁面の何れか他方には電源部または着火手段に夫 々一端が接続される１対の弾性接触片を設けているので、操作つまみの回動操作 によるコックの開閉角度と、導通制御手段による導通板と弾性接触片の接触によ る電気的導通角度とを略一致することができ、操作つまみ、コック、導通板、弾 性接触片等の各部品の製作精度および組付精度を高精度にしなくても安全且つ確 実にガスの着火または消火が行え、操作性が向上する。しかも製作および組付は 容易で量産向きであるので、製作コストは安価になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の卓上カセットこんろの一実施例を示す
横断面図である。

【図２】同じく正面図である。

【図３】同じく操作つまみを省略的に示した正面図であ
る。

【図４】同じく操作つまみを反時計方向に略９０度回動
操作した状態を示す正面図である。

【図５】同じく本実施例のカセットこんろの全景を示す
正面図である。

【図６】同じく平面図である。

【図７】本考案の第２実施例を示す横断面図である。

【図８】同じく第２実施例の正面図である。

【図９】従来の卓上カセットこんろを示す正面図であ
る。

【図１０】同じく横断面図である。

【符号の説明】

１ こんろ本体 ２ バーナ ３ コック ９ 着火手段 １０ 電源部 １１ 導通制御手段 １２ 導通板 １３Ａ 弾性接触片 １３Ｂ 弾性接触片 Ｓ₁ 回動始点 Ｓ₂ 回動終点 θ₁ 電気的導通角度 θ₂ コックの開閉角度

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 バーナを有するこんろ本体と、液化ガス
   が封入され前記こんろ本体内に着脱可能に装填されるカ
   セットボンベと、前記バーナにガスを供給したり、また
   は停止したり、ガス流量を制御可能になすコックに連動
   される操作つまみと、前記バーナから噴出されるガスを
   点火する着火手段と、前記操作つまみの操作により前記
   着火手段を電気的に導通する導通制御手段とを備えた卓
   上カセットこんろにおいて、該導通制御手段は、前記操
   作つまみまたは該操作つまみが取付けられる前記こんろ
   本体の対向する壁面の何れか一方に設けられる導通板
   と、該導通板に摺動可能に前記操作つまみまたは前記こ
   んろ本体の対向する壁面の何れか他方に設けられるとと
   もに電源部または前記着火手段に夫々一端が接続される
   １対の弾性接触片とにより形成されることを特徴とした
   卓上カセットこんろ。
2. 【請求項２】 前記操作つまみの回動始点から回動終点
   までに前記操作つまみの回動操作による前記コックの開
   閉角度と、前記導通板と前記弾性接触片との接触による
   電気的導通角度とを略一致して設定することを特徴とし
   た請求項１に記載の卓上カセットこんろ。
3. 【請求項３】 前記操作つまみの裏面に略円弧状の前記
   導通板を設け、該導通板に摺動可能に接触する前記弾性
   接触片を前記こんろ本体の対向する壁面に設けたことを
   特徴とする請求項１または請求項２に記載の卓上カセッ
   トこんろ。
4. 【請求項４】 前記操作つまみの裏面に略円弧状の前記
   弾性接触片を設け、該弾性接触片に摺動可能に接触する
   前記導通板を前記こんろ本体の対向する壁面に設けたこ
   とを特徴とする請求項１または請求項２に記載の卓上カ
   セットこんろ。