JPS63241507A - スロツト形光フアイバケーブル用止水テープ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、光ファイバケーブル用の止水テープに関す
るものである。

〔従来の技術〕

一般に、光ファイバケーブルにおいては、ケーブルの外
被が何らかの要因で損傷を受けた場合、ケーブル内への
水、水蒸気の浸入を許し、光ファイバの強度劣化、凍結
による伝送特性の劣化等の悪現象が生じる。このため、
光ファイバケーブル内に防湿材料を収容し遮水性を付与
することがなされている。従来、このような防湿材料と
しては、ポリブテン、ペトロラクタム系等のシェリー材
料が用いられている。しかしなから、この種のシェリー
材料は、べたつきを有すると同時に有機溶剤を用いない
と拭き取れないという拭き取り性の悪さがある。

〔発明が解決しようとする問題点〕

このため、光ファイバケーブルの接続時等においての作
業性が悪いという問題があった。そして、このような問
題を解決するために、上記シェリー材料に代えて吸水膨
潤物質（以下「吸水材」と略す）をケーブル内に充填し
止水することが試みられている。例えば、特開昭６１−
６３５１０号公報には、プラスチックフィルム、金属箔
等の防水材料の表面および裏面に、バルブ繊維等の母体
内に粉末状、繊維状等の架橋ポリアクリル酸塩。

変形ポリビニルアルコール等の吸水材を含有させてなる
吸水層を形成した吸水膨潤テープ（以下「吸水テープ」
と略す）が開示されている。この吸水テープは、前記シ
ェリー材料が有するようなべたつきや拭き取り性の悪さ
がないため、ケーブル接続作業には優れている。しかし
ながら、表面平滑性に難点があり、上記テープを積層状
態にした場合や上記テープを光フアイバ心線に接触した
状態でケーブルを形成した場合において、ケーブル自体
に曲げが加わると、吸水テープ相互間ないしは吸水テー
プと光フアイバ心線との間に摩擦に基づく大きな伸び歪
みが生じる。そして、長期間にわたりこのような歪みが
光フアイバ心線に加わると、ファイバ断線を生じるとい
う大きな問題を存している。例えば、棒状スペーサの外
周にらせん状に設けた複数の溝に複数本の光フアイバ心
線を収納する構造の光ファイバケーブルにおいては、ケ
ーブルが曲げられた場合、被覆付きの光ファイバが撚ら
れていることによって光フアイバ引張側の伸び歪みと光
フアイバ圧縮側の圧縮歪みとが生じ、この歪みは光ファ
イバが溝内を多少移動することによって相殺される。し
かし、光フアイバ心線と吸水テープとが並置される構造
においては、光フアイバ心線と吸水テープ、吸水テープ
と棒状スペーサとの摩擦抵抗が、光フアイバ心線と棒状
スペーサおよび光フアイバ心線同士の間のそれより大き
くなると、光フアイバ心線の移動が抑えられ、その相殺
効果が不充分となり、伸び歪みが残留する。これは、極
端な場合、最大１％以上（但し曲げ半径３００１１１１
１１）の伸び歪みにも達する。通常、光ファイバの伸び
歪みは０．３％（以下断らない限り、曲げ歪みは曲げ半
径３００ｍである）以下に抑制しなければならないが、
上記のように大きい伸び歪みが生じることは光ファイバ
の信頼度のうえから極めて重大な問題である。なお、上
記ケーブルの曲げ歪みの測定は秦野氏らが検討している
方法に従って行った（電子通信学会全国大会昭和６０年
Ｐ９−２６５　ｒ曲がり光ファイバケーブル内のファイ
バ歪分布測定方法」）。

この発明は、このような事情に鑑みなされたもので、曲
げ歪みが０．３％以下になるような光ファイバケーブル
用吸水テープの提供をその目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するため、この発明の光ファイバケー
ブル用止水テープは、フィルム状柔軟基材の少なくとも
一面に、吸水膨潤物質層が形成された光ファイバケーブ
ル用止水テープにおいて、上記吸水膨潤物質層中に、粒
径５０μｍ以下の粉体の吸水膨潤物質が吸水膨潤成分と
して分散含有されているという構成をとる。

すなわち、上記光ファイバケーブル用止水テープ（以下
「止水テープ」と略す）は、粒径５０μ醜以下の吸水膨
潤物質の粉体を吸水膨潤物質層に分散含有させており、
その粉体により表面摩擦係数が小さくなっている。その
ため、光フアイバ心線と止水テープとが並置されるよう
な構造においても、光ファイバゲープル自体に曲げが加
わると、光フアイバ心線が自在に移動する。したがって
、これまでのような光フアイバ心線の移動抑制に基づく
伸び歪みが生じなくなる。

つぎに、この発明について詳しく説明する。

この発明の止水テープは、フィルム状柔軟材とゴムおよ
び合成樹脂の片方もしくは双方と粒径５０μｍ以下の吸
水材を用いて得られるものであり、例えば、第１図に示
すように、フィルム状柔軟基材Ａの両面に吸水膨潤物質
層Ｂを形成して構成されている。

本発明者らは、この発明に関し、吸水材の粒径について
一連の実験を行った。実験は、アクリル酸ソーダ重合体
からなる吸水膨潤物質の粒径２００．１００，５０．１
０μｍのものを、ポリエチレンテレフタレートのフィル
ムに、それぞれ接着剤（合成ゴム系接着剤）を塗布し各
別に付着させ摩擦抵抗を測定することによって行った。

摩擦抵抗の測定は、第２図に示すように、基台上に上記
フィルムｌを載せ、この上に、スペーサ材料のシート（
ポリエチレン）もしくはファイバ心線の被覆用材料２を
載置し、２００〜８００ｇまでの荷重（Ｗ）３を置き、
上記被覆用材料２を水平に引っ張る。このとき、被覆用
材料２とともにフィルムｌが動き出す最大の引張力（Ｆ
）を測定し、摩擦係数（μ）を求めた。

μ＝Ｆ／Ｗ　　　・・・・・・（１） 上記一連の実験の結果は下記の表のとおりであった。

光フアイバ心線同士の摩擦係数は０．４〜０．５程度で
あることから、吸水膨潤物質の摩擦係数もこれ以下であ
る必要があり、これを満たず吸水膨潤物質の粒径は、上
記の表から５０μ園以下であることがわかる。

粒径５０／７ｍ以下の吸水膨潤物質としては、澱粉、ア
クリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、澱粉−ア
クリロニトリル酸グラフト重合体の中和物、酢酸ビニル
−アクリル酸エステル共重合体の加水分解物またはこれ
らの架橋体もしくはアクリルアミド共重合体の加水分解
物またはこれらの架橋体、逆相懸濁重合によって得られ
た自己架橋型ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル
酸部分中和物架橋体、イソブチレン−無水マレイン酸共
重合物架橋体、ポリエチレンオキサイド架橋体等があげ
られる。これらは単独で用いてもよいし、併用しても差
し支えはない。

フィルム状柔軟基材としては、例えば、ポリエチレンテ
レフタレートフィルム、ポリエチレンフィルムがあげら
れる。しかしながら、柔軟性を有していればアルミ箔等
の金属箔を用いても差し支えない。これらは、光ファイ
バケーブルの製造を行う上で必要とされる柔軟性および
引張強度を有している。例えば、テープ幅１５ｍｍに対
し、２．５ｋｇ以上の引張強度を有している。

吸水膨潤物質層の形成に用いられるゴムとしては、天然
のゴムの外、ブタジェンゴム、イソプレンム、ブチルゴ
ム、ブタジェン−スチレンゴム。

ブタジェン−アクリロニトリルゴム、クロロプレンゴム
、エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム、クロルスル
ホン化ポリエチレンゴム等の各種のゴムがあげられる。

これらも単独で用いてもよいし併用してもよい。また、
合成樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−プロピレン共重合体、アクリロニトリル−ブタ
ジェン共重合体、スチレン−ブタジェン共重合体、ポリ
エステル、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹
脂等があげられる。なお、硬質の樹脂であっても適当な
可塑剤を用いて軟質化したものも使用することができる
。これらの樹脂も単独で用いてもよいし併用してもよい
。また、前記のゴムの１種もしくは２種以上と上記樹脂
の１種もしくは２種以上を併用しても差し支えはない。

つぎに、この発明の光ファイバケーブル用止水テープの
製造方法について説明する。

この発明の止水テープは、上記の原料を用い、例えばつ
ぎのようにして製造することができる。

幅１．４〜２Ｑｍａ、厚み１５〜１００μｍ、好ましく
は２５μｍの連続帯状のフィルム状柔軟基材（以下「テ
ープ本体」と略す）の表面および裏面の片方もしくは双
方に、上記吸水膨潤物質層形成川材料の溶液をコーティ
ングして乾燥させ、厚み３０〜１００μｍ、好ましくは
５０ｕａ＋の吸水膨潤物質層を形成することによって製
造することができる。より詳しく説明すると、澱粉等の
吸水膨潤物質と、ゴムおよび合成樹脂の少なくとも一方
とを機械的な混合（例えばロール、ニーダ、パンバリミ
キサー）によって均一に混合する。つぎに、これを上記
ゴム、合成樹脂を溶解する有機溶媒であって上記吸水膨
潤物質を溶解しない溶媒に溶解し、吸水膨潤物質が分散
しているゴム、樹脂溶液をつくり、上記テープ本体の片
面もしくは両面に塗布、含浸させ乾燥するということに
より製造することができる。上記ゴム、合成樹脂材の溶
解を用いる溶媒としては、例えば、ｎ−ペンタン、ｎ−
オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素
系類や、メチルアルコール、エチルアルコール等のアル
コール類、またはアセトン、メチルエチルケトン等のケ
トン類、さらには酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル
類等があげられる。

上記のような溶液を用いる場合、ゴムまたは合成樹脂と
吸水膨潤物質の割合は、前者１００重量部に対して後者
であるゴムまたは合成樹脂が１００〜５００重量部の割
合になるように設定することが好ましい。一般に光ファ
イバケーブルに充填する吸水膨潤物質の吸水倍率（吸水
前後の重量比）が大きければ充填量を吸水倍率に逆比例
して小さくすることができる。したがって、上記吸水膨
潤物質は、吸水倍率が大きい方が好ましい。第３図に吸
水膨潤物質の合成樹脂重量比（吸水膨将物’Ｉｔ／合成
樹脂）Ｒに対する吸水倍率を示す。実験は吸水膨潤物質
としてアクリル酸ソーダ重合体の粉末（粒径１０μｍ）
を用い、合成樹脂としてＥＰＤＭ（エチレン−プロピレ
ンゴム）を使用した。吸水倍率は純水に３分間入れ、取
り出した時の重量と吸水させる前との重量の比である。

第３図から明らかなように、吸水膨潤物質の重量の増加
に比例して吸水倍率が増加していることがわかる、そし
て、Ｒが５を超えると、ＥＰＤＭによって吸水膨潤物質
を充分に固めることができず、上記物質がフィルムから
剥離する傾向がみられる。したがって、Ｒは５以下に設
定することが好適である。

つぎに、この発明を実施例にもとづいて説明する。

〔実施例〕

まず、合成ゴムであるＥＰＤＭ　（エチレン−プロピレ
ンゴム）と下記の構造式を有するアクリル酸塩系吸水膨
潤物質（粒径１０ＩＩＩｌ＋以下）と過酸化物架橋剤と
を準備した。そして、ＥＰＤＭ１００重量部および架橋
剤５重量部に対して上記吸水膨潤物質４００重量部を配
合し、トルエンを８０重量部加えて溶液をつくった。つ
ぎに、これを厚み２５μｍ２幅１．５　ｍａｌのポリエ
チレンテレフタレートフィルムの両面に塗布し２００°
Ｃの熱風により乾燥させ、両面にそれぞれ厚み５０１１
ｍの吸水膨潤物質層をもつ止水テープをつくった。

つぎに、上記止水テープを用い、第４図に示す構造の防
水形防水ケーブルを試作した。図において、４は抗張力
体、５はポリエチレン製スリーブ、６は吸水ひも、７は
止水テープ、８は光フアイバ心線、９は上巻吸水テープ
、１０はアルミテープ、１１はポリエチレンシースであ
る。スリーブ（スペーサ）５の外径は７　ａｍで溝数４
（溝寸法は幅１．（ｉｍｍ、深さ１．５ｍｍ）である。

この溝の１個に光フアイバー４本を横１列に並べた構造
のテープ心線（厚み０．４ｍｍ、幅１．１ａａ）を２枚
上下に重ね、その間にこの発明の止水テープ７を挟んだ
構造になっている。上巻吸水テープ９は、アクリル酸−
アクリル酸塩−アクリロニトリル共重合体の繊維品着色
装置でつくられた吸水テープ（厚み０．２５鰭１幅２５
鰭、目イ寸量１０１　ｇ／ｍ）を１／４重ね巻きしたも
のであり、外被は０．２＋＋ｎＪγのアルミテープ１０
と１．２層自厚のポリエチレンシースｌｌとからなって
いる。この構造のゲーブルは２５０ｍ試作した。

このようにして得られたケーブルについて防水試験と曲
げ歪みとを測定した。ここで防水試験は、第５図に示す
ように、１ｍのケーブルサンプル１２に対して垂直にビ
ニルパイプ１３を取付け、そのパイプ１３内に水１４を
１．２ｍの高さまで入れ、２４時間後にケーブルサンプ
ル１２の端部より水が澄水するかどうか調べた。上記ケ
ーブルについては２５本のサンプルについて防水試験を
行ったがいずれも澄水は認められなかった。また、曲げ
歪みは、上記ケーブルを曲げ半径３００ｍｍに曲成して
測定した。その結果、０．２８％および０゜２５％であ
った。

〔発明の効果〕

この発明の止水テープは、以上のように構成されている
ため、吸水形の防水ケーブルに用いると、ケーブルの接
続作業は従来のシェリー充填形防水ケーブルに比べはる
かに容易になる。また、得られたケーブルは、良好な防
水特性を備え、曲げ歪みの小さいものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例の構成図、第２図は摩擦抵
抗の測定説明図、第３図は吸水倍率曲線図、第４図はこ
の発明の一実施例を組み込んだケーブルの横断面図、第
５図は上記ケーブルの防水試験説明図である。 Ａ・・・フィルム状柔軟基材　Ｂ・・・吸水膨潤物質層
特許出願人　住友電気工業株式会社 第１図 第３図 第４図 第５図

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. （１）フィルム状柔軟基材の少なくとも一面に、吸水膨
   潤物質層が形成された光ファイバケーブル用止水テープ
   において、上記吸水膨潤物質層中に、粒径５０μｍ以下
   の粉体の吸水膨潤物質が吸水膨潤成分として分散含有さ
   れていることを特徴とする光ファイバケーブル用止水テ
   ープ。
2. （２）吸水膨潤物質層が、ゴムおよび合成樹脂の少なく
   とも一方と、吸水膨潤物質とからなり、吸水膨潤物質が
   、フィルム状柔軟基材に対して接着性を有するゴム、合
   成樹脂成分中に分散されている特許請求の範囲第１項記
   載の光ファイバケーブル用止水テープ。
3. （３）吸水膨潤物質が、ゴムおよび合成樹脂の少なくと
   も一方１００重量部に対し１００〜５００重量部の割合
   で含有されている特許請求の範囲第１項または第２項記
   載の光ファイバケーブル用止水テープ。
4. （４）フィルム状柔軟基材が、ポリエチレンテレフタレ
   ートフィルムである特許請求の範囲第１項ないし第３項
   のいずれかに記載の光ファイバケーブル用止水テープ。
5. （５）吸水膨潤物質が、アクリル酸塩系の吸水膨潤物質
   である特許請求の範囲第１項ないし第４項のいずれかに
   記載の光ファイバケーブル用止水テープ。
6. （６）ゴムが、エチレン−プロピレンゴムである特許請
   求の範囲第１項ないし第５項のいずれかに記載の光ファ
   イバケーブル用止水テープ。