JP3055813B2 - 光ファイバーケーブル用難燃性止水テープ - Google Patents

光ファイバーケーブル用難燃性止水テープ

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JP3055813B2
JP3055813B2 JP3071269A JP7126991A JP3055813B2 JP 3055813 B2 JP3055813 B2 JP 3055813B2 JP 3071269 A JP3071269 A JP 3071269A JP 7126991 A JP7126991 A JP 7126991A JP 3055813 B2 JP3055813 B2 JP 3055813B2
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喜詮 田中
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    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水素の発生がない光フ
ァイバーケーブル用難燃性止水テープに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来において、光ファイバケーブル等の
通信ケーブルや電力ケーブルなどに、侵入してくる水の
走水を防止するために止水テープを使用するのは公知で
ある。更には、これらのケーブルに優れた難燃性を付与
するために、酸素指数28以上の難燃テープあるいはア
ルミラップテープを併用するのも公知である。
【0003】ここで、酸素指数とは難燃性を表す一つの
指標であり、試料に着火後、試料自身が燃焼を持続する
のに必要な最低の酸素濃度(容積%)のことである。空
気の場合、酸素指数はおよそ20であり、この値が大き
いほど、燃焼を持続するのに、高濃度の酸素が必要なこ
とを表している。よって、酸素指数が大きいほど、難燃
性が高いと言える。
【0004】例えば、図3は加入者系防水型光ファイバ
ケーブルの構造の一例を示す断面図である。中心部に鋼
製抗張力体12を有すると共に外周に螺旋状の溝を設け
た溝付きポリエチレン製スペーサー9の溝10の中に複
数の光ファイバテープ心線11が収納され、さらに止水
テープ13が巻かれた光ファイバユニット14が6本、
吸水性介在15が6本、中心抗張力体18の周囲に止水
テープ13によって集合され、その上にアルミラップテ
ープ16および難燃性ポリエチレン外被17が設けられ
ている。
【0005】前記構造などのケーブルの外被が劣化ある
いは何等かの事故により破損し、水がケーブル内に侵入
してくると、外被下に配置されている止水テープは、外
被を通過し侵入してくる水を吸収し膨張して、その侵入
箇所付近のみにて止水させ、ケーブル内の長手方向や内
部方向に走水することを防止し、ケーブルの水による事
故を未然に防ぐという優れた止水機能をもっている。更
に、このケーブルは、ケーブルの垂直トレイ燃焼試験
(IEEE標準383)に合格する優れた難燃性能を有
している。
【0006】また、図4は加入者系ノンメタル防水型光
ファイバケーブルの構造を示す断面図である。中心部に
FRP抗張力体20を有すると共に外周に螺旋状の溝を
設けた溝付きポリエチレン製スペーサー9の溝10の中
に複数の光ファイバテープ心線11が収納され、さらに
止水テープ13が巻かれた光ファイバユニット14が6
本、吸水性介在15が6本、中心抗張力体18の周囲に
止水テープ13によって集合され、更にその上に難燃テ
ープ19が巻かれ、難燃性ポリエチレン外被17が設け
られている。
【0007】このケーブルもまた、優れた止水性能とケ
ーブルの垂直トレイ燃焼試験(IEEE標準383)に
合格する優れた難燃性能を有している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一般に、前記のケーブ
ルに使用される難燃性ポリエチレン外被は、エチレン系
共重合体樹脂と金属水酸化物(難燃剤)よりなり、押出
特性の関係上、難燃剤を多量添加できないため、難燃性
の尺度たる酸素指数が35以下と非常に低く、ケーブル
の垂直トレイ燃焼試験にアルミラップテープや難燃テー
プなしでは合格できない。
【0009】これらの止水テープおよび難燃テープは数
多く提案されているが、これまでのところ両方の機能を
有する難燃性の止水テープは提案されていない。
【0010】よって、ケーブルに難燃性能と止水性能を
付与する場合、止水テープと難燃テープの両者を併用す
るか、止水テープとアルミラップテープの両者を併用す
る必要がある。このため、止水テープと難燃テープの両
者を使用する場合、2種類のテープをテーピングしなけ
ればならないので、ケーブルの生産性が劣り、かつ2種
のテープを使用するためテープのトータルコストが高く
なる難点がある。また、防水型光ファイバケーブルを電
磁障害地域に布設するためのノンメタル化に対応するた
めには、アルミラップテープを使用できない難点があ
る。
【0011】本発明の目的は、1種類のテープのみで、
ケーブルに止水性能と難燃性能を同時に付与することが
でき、更に防水型光ファイバケーブルのノンメタル化に
も対応でき、微生物で分解されず、燃焼時に有害なハロ
ゲンガスを発生させない、安価な難燃性止水テープを提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するた
め、本発明の水素の発生がない光ファイバーケーブル用
難燃性止水テープは、(1)合成樹脂フィルム、あるい
は合成繊維からなる織物または不織布シートの基材の
面または両面に、りん系難燃剤、合成有機バインダーを
必須成分とする難燃性樹脂組成物を有し、更に少なくと
も一方の面上に、合成有機バインダーと吸水性樹脂を塗
布または含浸した後、その片面または両面に粉末あるい
は粒状の吸水性樹脂、合成有機バインダーを必須成分と
する吸水性樹脂組成物を塗布したことを特徴とする。
【0013】(2)合成樹脂フィルム、あるいは合成繊
維からなる織物または不織布シートの片面または両面
に、粉末あるいは粒状の吸水性樹脂、りん系難燃剤、合
成有機バインダーを必須成分とした難燃性吸水性樹脂組
成物を塗布したことを特徴とする。
【0014】(3)前記(1)および(2)の基材がセ
ルロース系繊維の織物または不織布シートよりなこと
を特徴とする。
【0015】(4)場合により、(1)の吸水性樹脂組
成物あるいは(2)の難燃性吸水性樹脂組成物の上に、
合成繊維からなるカバー材を貼り合わせるか、無機フィ
ラーと、合成有機バインダーを必須成分とするブロッキ
ング防止塗料を塗布したことを特徴とする。
【0016】本発明に用いる基材は、塗布加工時やケー
ブルへのテーピング時の張力に耐える強度を有し、可撓
性を有するものが望ましい。よって基材としては、合成
樹脂フィルム、あるいは合成繊維またはセルロース系樹
脂からなる織物または不織布シートが良く、材質面から
ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、アクリル、
レーヨン、ポリノジック、綿などの非ハロゲン系のもの
が使用できるが、特に価格、強度の面からは、スパンボ
ンド法で製造される長繊維不織布シートが有利である。
一方、難燃性能の面からは、燃焼時に炭化するレーヨ
ン、ポリノジック、綿などのセルロース系繊維からなる
織物または不織布シートが有利であるが、この場合、難
燃剤にりん系難燃剤を使用しなければならない。
【0017】本発明に用いる吸水性樹脂組成物は、粉末
あるいは粒状の吸水性樹脂と合成有機バインダーよりな
り、難燃性樹脂組成物は、りん系難燃剤と合成有機バイ
ンダーよりなり、難燃性吸水性樹脂組成物は、粉末ある
いは粒状の吸水性樹脂とりん系難燃剤と合成有機バイン
ダーよりなる。
【0018】本発明の吸水性樹脂組成物、難燃性樹脂組
成物、難燃性吸水性樹脂組成物に用いる合成有機バイン
ダーは、吸水性樹脂や難燃剤を基材に密着させ、かつ低
目付不織布シートを吸水性樹脂組成物に密着させる作用
を有するものであり、微生物分解性のない100%合成
品であり、非ハロゲン系のものである。合成有機バイダ
ーとしては、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、エチレン系共重合体樹脂、ポリ
アマイド樹脂、シリコーン樹脂、ポリイソブチレン、ブ
チルゴム、アクリルゴム、エチレン・プロピレンゴム、
シリコーンゴムなどがあり、単独または組み合わせて使
用する。
【0019】本発明の吸水性樹脂組成物および難燃性吸
水性樹脂組成物に用いる粉末あるいは粒状の吸水性樹脂
としては、水と接したときに溶けることがなく、自重の
数10倍〜数1000倍の吸水能力を有する合成ポリマ
ーで、かつ微生物分解性のない100%合成品で、非ハ
ロゲン系のものであれば良く、例えば、アクリル酸塩系
架橋物、酢酸ビニル・アクリル酸エステル共重合体ケン
化物、ポリビニルアルコール・無水マレイン酸塩反応
物、イソブチレン・マイレン酸共重合体架橋物、アクリ
ル酸塩・アクリルアミド共重合体、アクリル酸・ビニル
アルコール共重合体、ポリエチレンオキサイド変性物な
どが好適であり、単独あるいは2種以上混合しても良
い。吸水性樹脂の配合量としては、バインダー100重
量部に対して100〜2000重量部が好適である。1
00重量部以下では、止水効果が発揮されず、2000
重量部以上では、止水テープを実用幅にカットしたり、
ケーブルへのテーピング時に吸水性樹脂が著しく脱落す
るためである。
【0020】本発明の難燃性樹脂組成物および難燃性吸
水性樹脂組成物に用いるりん系難燃剤は、止水テープに
難燃性を付与するためのもので、りん酸2水素アンモニ
ウム、りん酸1水素アンモニウム、ポリりん酸アンモニ
ム、メラニン変性・ポリりん酸アンモニム、りん酸グア
ニル尿素、赤りんなどを単独または組み合わせて使用で
きる。難燃剤の配合量としては、バインダー100重量
部に対して100〜2000重量部が好適である。10
0重量部以下では、目的の難燃性能が得られず、200
0重量部以上では、止水テープを実用幅にカットした
り、ケーブルへのテーピング時に難燃剤が著しく脱落す
るためである。場合により、燃焼時の炭化層強化のため
に、シリカ・アルミナ繊維などのセラミック繊維を10
〜100重量部配合しても構わない。
【0021】本発明に用いる水溶性難燃剤としては、ホ
ウ砂、りん酸2水素アンモニウム、りん酸1水素アンモ
ニウム、ポリりん酸アンモニウム、りん酸グアニル尿
素、スルファミン酸グアニジン、りん酸グアニジンなど
非ハロゲン系のものであり、単独または組み合わせて使
用する。
【0022】本発明に用いる吸水性樹脂組成物、難燃性
吸水性樹脂組成物および難燃性樹脂組成物は、基材に塗
布するために、有機溶剤中に溶解・分散して塗料とす
る。有機溶剤としては、前記合成有機バインダーを溶解
し得るものはすべて使用できるが、例えば、トルエン、
キシレン、ベンゼン、メチルエチルケトン、アセトン、
ヘキサン、メチルイソブチレン、酢酸エチル、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン、アルコール
などの汎用溶剤が好適である。
【0023】本発明に場合により用いるカバー材は、止
水テープが梅雨期などの高湿度環境下に放置され、著し
く吸湿した時にテープ同志のブロッキングを防止した
り、ケーブルへのテーピング中にガイドロールなどを汚
すなどのトラブルを防止するためのものであり、止水テ
ープの止水性能を阻害しないように適度な目スキがあ
り、微生物に分解されないものであり、かつ貼り合わせ
加工時の張力に耐えるものでなければならない。よっ
て、カバー材としては、非ハロゲン系の合成樹脂からな
る不織布シートが良く、材質面からポリプロピレン、ポ
リエチレン、ナイロン、ポリエステル、アクリルが使用
できるが、特に価格、強度の面からは、スパンボンド法
やメルトブロー法で製造される長繊維不織布シートが有
利である。カバー材の目付としては、5〜20g/m2
が好適である。5g/m2 以下では、カバー材貼り合わ
せ加工時の張力が得られず、さらに高湿度環境下で止水
テープが吸湿したときにブロッキングを防止できず、2
0g/m2 以上ではカバー材の繊維間空隙面積が小さす
ぎるため、止水テープが水に接したときに吸水性樹脂が
吸水膨潤し脱落するのを阻害して止水性能を著しく低下
させるためである。
【0024】本発明に場合により用いるブロッキング防
止塗料は、カバー材と同様に止水テープが梅雨期などの
高湿度環境下に放置され著しく吸湿した時にテープ同志
のブロッキングを防止したり、ケーブルへのテーピング
中にガイドロールなどを汚すなどのトラブルを防止する
ためのものであり、止水性能を阻害しないよう注意しな
ければならない。ブロッキング防止塗料としては、前述
の合成有機バインダー100重量部に、マイカ、クレ
ー、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水
酸化マグネシウムなどの無機フィラーを100〜200
0重量部、および前述の有機溶剤を適量加えたものであ
り、吸水性樹脂組成物の上に、乾燥重量3〜20g/m
2 で塗布する。
【0025】本発明に用いる吸水性樹脂組成物、難燃性
吸水性樹脂組成物および難燃性樹脂樹脂組成物は、前述
した配合剤の他に、目的に合わせて次のような配合剤を
配合することができる。例えば、基材とカバー材の接着
性を改善するためのポリエチレンやエチレン系共重合体
などの粉末あるいは粒状の熱可塑性樹脂、合成有機バイ
ンダーを架橋、加硫するための架橋剤、加硫剤、加硫助
剤、耐老化性を改良するための老化防止剤、吸水層の水
に対する漏れ性を改善して吸水性能を増加させるための
湿潤剤、加工性を改善するための加工助剤などである。
【0026】この止水テープの形成は、いろいろな方法
によることができる。以下においてその一例を説明す
る。
【0027】合成有機バインダーと、難燃剤と、有機溶
剤と、必要に応じて老化防止剤、架橋剤などを所望量取
り、ボールミル、攪拌機などにより十分に溶解混合して
難燃性樹脂組成物を得る。得られた難燃性樹脂組成物
を、公知のコーティング方法によって基材の両面または
片面に塗布乾燥するか、基材に含浸乾燥する、あるいは
水溶性難燃剤の場合、難燃剤を水に溶解した後、基材に
含浸乾燥してもよい。
【0028】次に、合成有機バインダーと、吸水性樹脂
と、有機溶剤と、必要に応じて、老化防止剤、湿潤剤な
どを所望量取り、ボールミル、攪拌機などにより十分に
溶解混合して吸水性樹脂組成物を得る。得られた吸水性
樹脂組成物を、公知のコーティング方法によって難燃性
樹脂組成物を塗布乾燥した基材に塗布乾燥する。場合に
より、熱ロールやエンボスロールなどによりカバー材を
貼り合わせる。
【0029】次に、本発明のケーブル用止水テープを図
面により詳述する。図1は、本発明のケーブル用止水テ
ープの構造の一例を示す断面図である。本発明のケーブ
ル用止水テープは、合成樹脂フィルム、あるいは合成樹
脂またはセルロース系繊維の織物または不織布シートか
らなる基材5の片面に、吸水性樹脂組成物4が塗布さ
れ、さらにその上にカバー材1が貼り合わせてあり、も
う一方の面には、難燃性樹脂組成物7が塗布されてい
る。2は吸水性樹脂、3は合成有機バインダー、6は難
燃剤を示している。吸水性樹脂2は合成有機バインダー
3で固着され、さらには吸水性樹脂組成物にはカバー材
が貼り合わせてあるため、実用幅への裁断加工時やケー
ブルへのテーピング中に吸水性樹脂が脱落することがな
く、止水テープが高湿度環境下で吸湿しても、止水テー
プがブロッキングしたり、ケーブルへのテーピング工程
においてガイドロールなどを汚すなどのトラブルを発生
することがなく、止水性能と難燃性能を合わせ持ってい
るため、本発明の難燃性止水テープのみの使用で、ケー
ブルに止水性能と難燃性能を同時に付与することができ
るという優れた特徴をもっている。
【0030】また、図2は、本発明の難燃性止水テープ
に、難燃性吸水性樹脂組成物を用いた場合の構造の一例
を示す断面図である。合成樹脂フィルム、あるいは合成
繊維またはセルロース系繊維の織物または不織布シート
からなる基材5の両面に、難燃性吸水性樹脂組成物8が
塗布されている。2は吸水性樹脂、3は合成有機バイン
ダー、6は難燃剤を示している。このテープもまた、止
水性能と難燃性能を合わせ持っているため、本発明の難
燃性止水テープのみの使用で、ケーブルに止水性能と難
燃性能を同時に付与することができるという優れた特徴
をもっている。
【0031】
【作用】従来、止水テープと難燃テープの併用、止水テ
ープとアルミラップテープの併用が行われていたが、本
発明の止水テープでは、一つのテープで難燃性と止水性
を兼ね備えているため、経済性上有利である。
【0032】基材セルロース系繊維の織物または不織
布シートを用いた場合、抗菌性試験において水素ガスが
発生するが、驚くべきことに、りん系の難燃剤を併用し
た場合、抗菌性試験において水素ガスの発生はなかっ
た。その理由は定かでないが、りん系難燃剤が、抗菌剤
として作用しているものと推定される。
【0033】また、吸水性樹脂が微生物で分解されない
ので、吸水ゲルの粘度が低下するなどの問題がなく、数
十年といった長期信頼性を有していると同時に、ハロゲ
ン系の材料を使用していないため、燃焼時に、塩酸ガス
などの人体およびケーブル周辺機器などに有害なガスを
発生しない。
【0034】更には、吸水性樹脂組成物または難燃性吸
水性樹脂組成物に、カバー材を貼り合わせるかブロッキ
ング防止塗料を塗布することにより、難燃性止水テープ
が梅雨期などの高湿度環境下に放置され著しく吸湿した
場合でも、テープ同志のブロッキングがなく、ケーブル
へのテーピング中にガイドロールなどを汚すことがな
い。
【0035】
【実施例】実施例1 エチレン・プロピレンゴム100重量部と、ポリりん酸
アンモニウム300重量部と、ペンタエリスリトール5
0重量部と、メラミン10重量部と、老化防止剤3重量
部と、トルエン800重量部を攪拌容器に入れ、攪拌機
で攪拌溶解し、難燃性樹脂組成物を得た。
【0036】次に、エチレン・プロピレンゴム100重
量部と、吸水性樹脂(日本触媒化学工業社製:アクアリ
ックCS−7)500重量部と、老化防止剤3重量部
と、湿潤剤1重量部と、トルエン800重量部を攪拌容
器に入れ、攪拌機で攪拌溶解し、吸水性樹脂組成物を得
た。
【0037】次に、得られた難燃性樹脂組成物をポリエ
ステル長繊維不織布(旭化成工業社製:ES5060:
目付60g/m2 )の片面に乾燥付着量100g/m2
で塗布乾燥し、更にもう一方の面に、吸水性樹脂組成物
を乾燥付着量100g/m2 で塗布乾燥する。次に、乾
燥後の吸水性樹脂組成物の上にカバー材(サンレックス
工業社製:ポリプロピレン不織布PK−102:目付1
2g/m2 )をエンボスロールにて貼り合わせ、幅35
mmに裁断してケーブル用難燃性止水テープを得た。テ
ープの厚さは0.32mm、単位重量は272g/m2
であった。
【0038】実施例2 実施例1で得られた難燃性樹脂組成物を、スフモス布
(目付90g/m2)の片面に乾燥付着量100g/m
2 で塗布乾燥し、更にもう一方の面に、実施例1で得ら
れた吸水性樹脂組成物を乾燥付着量100g/m2 で塗
布乾燥する。次に、乾燥後の吸水性樹脂組成物の上にカ
バー材(サンレックス工業社製:ポリプロピレン不織布
PK−102:目付12g/m2 )をエンボスロールに
て貼り合わせ、幅35mmに裁断してケーブル用難燃性
止水テープを得た。テープの厚さは0.33mm、単位
重量は302g/m2 であった。
【0039】実施例3 エチレン・プロピレンゴム100重量部と、吸水性樹脂
(日本触媒化学工業社製:アクアリックCS−7)40
0重量部と、ポリりん酸アンモニウム200重量部と、
ペンタエリスリトール30重量部と、メラミン5重量部
と、老化防止剤3重量部と、湿潤剤1重量部と、トルエ
ン800重量部を攪拌容器に入れ、攪拌機で攪拌溶解
し、吸水性樹脂組成物を得た。
【0040】次に、得られた難燃性吸水性樹脂組成物
を、スフモス布(目付90g/m2 )の両面に乾燥付着
量150g/m2 で塗布乾燥し、幅35mmに裁断して
ケーブル用難燃性止水テープを得た。テープの厚さは
0.32mm、単位重量は240g/m2 であった。
【0041】実施例4 精製水100重量部に、ポリりん酸アンモニウム20重
量部を溶解し、スフモス布(目付90g/m2 )に乾燥
付着量18g/m2 で含浸乾燥した後、片面に実施例1
で得られた吸水性樹脂組成物を乾燥付着量100g/m
2 で塗布乾燥する。次に、乾燥後の吸水性樹脂組成物の
上にカバー材(サンレックス工業社製:ポリプロピレン
不織布PK−102:目付12g/m2 )をエンボスロ
ールにて貼り合わせ、幅35mmに裁断してケーブル用
難燃性止水テープを得た。テープの厚さは0.27m
m、単位重量は220g/m2 であった。
【0042】比較例 実施例1で得られた難燃性樹脂組成物を、スフモス布
(目付90g/m2)の片面に乾燥付着量100g/m
2 で塗布乾燥した後、幅35mmに裁断してケーブル用
難燃テープを得た。テープの厚さは0.25mm、単位
重量は190g/m2 であった。
【0043】更に、実施例1で得られた吸水性樹脂組成
物を、スフモス布(目付90g/m2)の片面に乾燥付
着量100g/m2で塗布乾燥した後、吸水性樹脂組成
物の上にカバー材(サンレックス工業社製:ポリプロピ
レン不織布PK−102:目付12g/m2)をエンボ
スロールにて貼り合わせ、幅35mmに裁断してケーブ
ル用止水テープを得た。テープの厚さは、0.28m
m、単位重量は202g/m2であった。
【0044】抗菌性試験 止水テープの抗菌性を確認するため、以下の方法にて試
験を行った。300ccの三角フラスコにテストサンプ
ルを4gと、抗菌性試験において促進剤の働きをするり
ん酸2水素アンモニウム4gと、以下に述べる土壌抽出
液200ccを入れ、混合した後シリコン栓にて密栓
し、30℃の日陰に保存し、三角フラスコ上部にある空
気を30日後まで定期的に1ccずつ抜き取り、ガスク
ロマトグラフで発生ガスの分析を行うと共に、肉眼で溶
液の色や状態を調べる。比較のため、微生物によって分
解するスフモスをテストサンプルとして、同時に試験を
行う。
【0045】土壌抽出液の作製は以下のように行う。 (1)土は落ち葉などがあり、草の生えている水辺など
から採取する。 (2)500gの土を2000ccの純水に混ぜて攪拌
する。 (3)12時間放置後、上澄み液を濾過し、濾過液50
ccに純水150ccを加え土壌抽出液とする。
【0046】試験の結果、スフモスおよび比較例で得ら
れたケーブル用止水テープをテストサンプルとした試料
では、微生物による腐食作用の指標となる水素ガスの発
生が著しく、さらにはカビの発生が見られた。一方、実
施例1〜4の難燃性止水テープおよび比較例で得られた
ケーブル用難燃テープをテストサンプルとした試料で
は、水素ガスの発生はなく、カビが発生するなどの変化
もなかった。
【0047】驚くことに、単体では微生物によって分解
されて、水素ガスを発生するスフモス布を基材とした、
実施例2、実施例3および実施例4の難燃性止水テー
プ、および比較例で得られたケーブル用難燃テープにお
いても、水素ガスを発生しないことが判明した。微生物
によって分解されて水素ガスを発生するセルロース系繊
維の基材に、りん系難燃剤により難燃加工をすること
で、優れた抗菌性を付与できることを発見できた。
【0048】故に、本発明のケーブル用止水テープが優
れた抗菌性を有していることが確認できた。
【0049】模擬止水試験 止水テープの止水効果を確認するため、下記模擬試験を
行った。即ち、長さ11mの100心IFケーブル用ス
ペーサ(溝の数:5溝/溝の寸法:幅1.6mm、深さ
2.5mm)の5溝に光ファイバテープ心線をそれぞれ
5枚ずつ入れ、その上に実施例1〜4の35mm幅の難
燃性止水テープを吸水面を内側に向けて5mmラップで
巻き付ける。さらに、難燃性止水テープの上に難燃性ポ
リエチレン外被の代わりとして酸素指数32の自己融着
テープを約2mmの厚さに巻付け模擬光ファイバケーブ
ルとした。実施例1〜4の難燃性止水テープについて、
それぞれ3本の模擬光ファイバケーブルを用意した。
【0050】次に、この模擬光ファイバケーブルの片方
の端末に塩化ビニルパイプをつなぎ、接続部は水漏れが
ないようにシールし、この模擬ケーブルを水平に静置し
た状態で、塩化ビニルパイプを介して1mの水圧で人工
海水(八洲薬品製:金属腐食試験用アクアマリン)を流
す。24時間この状態を保持した後、塩化ビニルパイプ
を外し、ポリエステル片面粘着テープおよび止水テープ
を剥ぎ取り、各溝の水の走水距離を測定した。
【0051】結果は表1の通りであり、目標としている
走水距離1000cm以下に対して、はるかに短い走水
距離にて止水した。本発明の難燃性止水テープが、優れ
た止水性能を有していることが確認できた。
【0052】
【表1】
【0053】酸素指数の測定 実施例1〜4で得られた難燃性止水テープ、および比較
例で得られた止水テープと難燃テープについて、JIS
K 7201 A−2号に準じて難燃面を外側にして
酸素指数の測定を行った。結果は表2の通りであり、本
発明の難燃性止水テープが優れた難燃性能を有している
ことが確認できた。
【0054】
【表2】
【0055】
【発明の効果】本発明の止水テープは、難燃性と止水特
性を合わせ持っているため、極めて経済的である。ま
た、基材にセルロース系繊維の織物または不織布シート
を使用した場合でも、りん系難燃剤の併用により抗菌性
を付与することができると同時に、難燃性を付与するこ
とができる。
【0056】本発明の光ファイバーケーブル用難燃性
水テープは、難燃性と止水特性を共に必要とするビル内
配線、洞道内配線、トンネル内配線など光ファイバー
ケーブルとして使用でき、実用上極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のケーブル用難燃性止水テープの一例を
示す断面図である。
【図2】本発明のケーブル用難燃性止水テープの他の例
を示す断面図である。
【図3】加入者系防水型光ファイバケーブルの一例を示
す断面図である。
【図4】ノンメタル加入者系防水型光ファイバケーブル
の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 カバー材 2 吸水性樹脂 3 合成有機バインダー 4 吸水性樹脂組成物 5 基材 6 難燃剤 7 難燃性樹脂組成物 8 難燃性吸水性樹脂組成物 9 溝付きポリエチレン製スペーサ 10 溝 11 光ファイバーテープ心線 12 鋼製抗張力体またはFRP抗張力体 13 止水テープ 14 光ファイバユニット 15 吸水性介在 16 アルミラップテープまたは難燃テープ 17 難燃性ポリエチレン外被 18 中心抗張力体 19 難燃性止水テープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−181011(JP,A) 特開 昭64−82405(JP,A) 特開 昭54−120886(JP,A) 実開 昭60−164712(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 7/282 H01B 7/295

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の片面または両面に、合成有機バイ
    ンダーとりん系難燃剤を必須成分とする難燃性樹脂組成
    物を有し、更に少なくとも一方の面上に、合成有機バイ
    ンダーと吸水性樹脂を必須成分とする吸水性樹脂組成物
    を有することを特徴とする水素の発生がない光ファイバ
    ケーブル用難燃性止水テープ。
  2. 【請求項2】 基材の片面または両面に、合成有機バイ
    ンダーと吸水性樹脂とりん系難燃剤を必須成分とする難
    燃性吸水性樹脂組成物を有することを特徴とする水素の
    発生がない光ファイバーケーブル用難燃性止水テープ。
  3. 【請求項3】 りん系難燃剤を含有した基材の片面また
    は両面に、合成有機バインダーと吸水性樹脂を必須成分
    とする吸水性樹脂組成物を有することを特徴とする水素
    の発生がない光ファイバーケーブル用難燃性止水テー
    プ。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3記載の基材がセルロー
    ス系繊維の不織布または織物よりなることを特徴とする
    水素の発生がない光ファイバーケーブル用難燃性止水テ
    ープ。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4記載の吸水性樹脂組成
    物および難燃性吸水性樹脂組成物上に、カバー材を積層
    ないし、ブロッキング防止塗料を塗布したことを特徴と
    する水素の発生がない光ファイバーケーブル用難燃性止
    水テープ。
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