JPS6323567Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は灯油またはアルコール等を主燃料と
し、ガソリンを副燃料とする異質燃料用気化器に
関するものである。

従来の異質燃料用気化器、例えば灯油またはア
ルコール等を収容する主燃料室とガソリンを収容
する副燃料室を備え、主燃料室にはメイン系統を
連通し、副燃料室には低速系統を連通して、エン
ジンの中、高速回転時に主燃料室よりメイン系統
を通じて灯油またはアルコール等の主燃料を供給
し、エンジンの低速回転時に副燃料室より低速系
統を通じてガソリンを供給するようにした異質燃
料用気化器では、エンジンの中、高速回転時でも
灯油またはアルコール等に加えて、低速系統から
ガソリンが供給されており、高価なガソリンが無
駄に消費されている。

特に船外機にあつては、中・高速回転状態を使
する頻度が高く、したがつて従来の気化器ではガ
ソリンの無駄な消費量が無視できないものであ
る。

本考案は上記欠点に鑑みなされたもので、エン
ジンの低速回転時以外はガソリンの供給を停止
し、ガソリンの節約を行うことを目的とするもの
である。

以下本考案の一実施例を図面にもとづき説明す
る。１は気化器本体、２は吸気通路、３は絞弁、
４は灯油またはアルコール等を収容する主燃料
室、５はガソリンを収容する副燃料室、６は主燃
料室４内に備えられるメインノズルであり、該メ
インノズル６の先端は吸気通路２内に開口してい
る。７はメインジエツト、８は低速燃料通路であ
り、吸気通路２に開口するバイパス孔９、アイド
ル孔１０と副燃料室５とを連通している。１１は
低速燃料通路８の途中に接続される低速用エアブ
リード通路、１２は低速燃料通路８内に備えられ
た低速燃料ジエツト、１３は低速用エアブリード
通路１１に備えられた低速用エアジエツトであ
る。

以上は従来一般に使用される異質燃料用気化器
である。本考案は更に、低速燃料通路８と副燃料
室５上部とを連通する空気通路１４を設け、この
空気通路１４の途中に絞弁３と連動して該空気通
路１４を開閉する開閉弁１５を備え、絞弁３低開
度以外の開度で前記開閉弁１５を開き、低速燃料
通路８と副燃料室５とを連通して副燃料室５上部
の空気を低速燃料通路８に吸引、導入するように
したものである。

更に詳細に説明すると、低速燃料通路８と副燃
料室５上部とを連通する空気通路１４の途中に弁
室１６を設け、該弁室１６内に開閉弁１５を収容
し、該開閉弁１５はバネ２２により常時開き方向
に付勢されている。前記開閉弁１５は緩衝バネ１
７を介して弁室１６内に摺動自在に収容されたピ
ストン体１８と連動している。前記ピストン体１
８の一端１８′は気化器本体１外部へ突出し、絞
弁軸１９の外端に固着される絞弁レバー２０の一
部に形成されたカム部２１とを係合している。

前記カム部２１は、絞弁３が低開度時にはピス
トン体１８を押し込み、それ以外の絞弁３開度時
には、該ピストン体１８を押し込まないように形
成されている。

上記のように構成した本考案の作用を説明する
と、エンジンの低速回転時、即ち絞弁３の低開度
時には、絞弁レバー２０に形成したカム部２１が
ピストン体１８を押し込み、緩衝バネ１７を介し
て開閉弁１４を押圧し空気通路１４を閉じている
ので、低速燃料通路８内に作用するエンジンの吸
入負圧により、副燃料室５内のガソリンが吸い上
げられ、低速用エアブリード通路１１より流入し
た空気と混合して、アイドル孔１０およびバイパ
ス孔９よりエンジンに供給される。

次に絞弁３開度を増加させ、エンジンを中、高
速回転に移行させると、絞弁レバー２０のカム部
２１とピストン体１８との係合状態が解かれるの
で、開閉弁１５はバネ２２の作用により空気通路
１４を開く。この結果低速燃料通路８内に作用す
るエンジンの吸入負圧は空気通路１４を通り副燃
料室５上部へ導かれ、該副燃料室５上部の空気を
低速燃料通路８内に吸引する。したがつて副燃料
室５の油面より上部の空間の圧力は低くなると共
に、低速燃料通路８内に空気が流入するので、低
速燃料通路８を介して副燃料室５に作用すべく負
圧は消滅し、ガソリンは吸い上げられなくなる。

上述した如く本考案によれば、低速燃料通路と
副燃料室上部を連通する空気通路を設け、この空
気通路の途中に絞弁低開度時は前記空気通路を閉
じ、それ以外の絞弁開度では前記空気通路を開く
ようにした開閉弁を備えたので、灯油またはアル
コール等を使用するエンジンの中、高速回転時で
は、低速燃料通路に空気を流入させると共に副燃
料室上部に低速燃料通路に作用する負圧を導き、
該副燃料室上部の圧力を下げ、ガソリンの無駄な
供給を停止させることができ、前記ガソリンを無
駄に消費することがない。

また、副燃料室のエアーベント通路径と空気通
路径の関係を変化させることによつて、低速燃料
通路に流入する空気量と副燃料室内に作用する負
圧の大きさを調整することができる。

また、開閉弁は一端を気化器外部に突出するピ
ストン体と緩衝バネを介して連動し、該ピストン
体は絞弁レバーのカム部と連動しているので、絞
弁レバーの急激な作動によりピストン体が急激に
移動しても、その作用力は緩衝バネにより緩衝さ
れ、開閉弁に強い衝激が加わらず開閉弁の耐久
性、安定性を向上させる。また、絞弁レバー取付
位置のバラツキによるカム部の横方向のバラツキ
を前記緩衝バネにより許容することができる。

また、絞弁レバーの一部に形成するカム部の形
状および位置を変化させることにより、ガソリン
の停止および供給時期を調整することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す縦断面図、第
２図は第１図の−断面図、第３図は本考案の
要部を示す外貌図である。 １……気化器本体、２……吸気通路、４……主
燃料室、５……副燃料室、８……低速燃料通路、
１４……空気通路、１５……開閉弁、１７……緩
衝バネ、１８……ピストン体、２１……カム部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 灯油またはアルコールを収容する主燃料室とガ
   ソリンを収容する副燃料室を備え、主燃料室には
   メイン系統を連通し、副燃料室には低速系統を連
   通した異質燃料用気化器において、低速燃料通路
   と副燃料室上部を連通する空気通路を設け、この
   空気通路の途中に常開型の開閉弁を配設すると共
   に、該開閉弁を緩衝バネを介して、先端を気化器
   外部へ延出するピストン体に係合させ、さらに該
   ピストン体を絞弁レバーの一部に形成されたカム
   部と係合させることにより、絞弁低開度時のみ前
   記ピストン体を前記カム部で押し、前記開閉弁を
   閉じるように構成したことを特徴とする異質燃料
   用気化器。