JPS5843652Y2 - 気化器の加速燃料供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車両のカロ速時に一時的に追加燃料を補給して
、濃い混合気を機関に供給せしめ、加速作用を円滑に行
なうための気化器のカロ速燃料供給装置に関するもので
ある。

従来の加速燃料供給装置においては、加速ポンプが作動
しない定常運転時は加速ノズルからの燃料吐出は行なわ
れないのが普通であるが、例えば高速時等のような高空
気量域でカロ速ノズル先端にかかる負圧が大きくなった
場合にはカロ速系統内の燃料が加速ノズルより吸気通路
内に吸い出されてしまうことがある。

また、高温時等で加速系統内の燃料温度が上昇し、該カ
ロ速系統内でパーコレーション現象が発生し、気泡が生
じた場合には該加速系統内の燃料が気泡と共にカロ速ノ
ズルより吸気通路内に押し出されてしまうことになり、
いずれの場合にも必要以上の燃料が気化器吸気通路内へ
供給され、混合気は過濃となって空燃比特性の悪化によ
る燃料消費量の増大、車両の運転性悪化。

さらには、有害成分の排出量増大等数多くの不具合が生
じていた。

本考案の目的は、従来の上記不具合を解決すべく、力ロ
速ノズルからの不適正な燃料の吸い出しや押し出しを防
止する構成を施した気化器の加速燃料供給装置を提供す
ることにある。

かかる目的は、本考案によれば、加速ポンプを介して気
化器のフロート室と吸気通路内に開口した加速ノズルと
を連通した気化器の力ロ速系統において、該加速系統内
のアウトレットチェックボールから前記力ｌ速ノズルに
至る通路で形成された力ロ速吐出室とフロート室の油面
より上部の室とを連絡する通路を設け、かつ該連絡通路
を力０速ノズルの前記吸気通路への開口位置よりも低く
配置する一方、前記連絡通路の途中にチェックバルブ装
置を配設し７、該チェックバルブ装置は前記加速吐出室
側に設けた切欠き部を備えるストッパと、前記フロート
室側に設けたバルブシートと、前記ストッパと前記バル
ブシートとの間に設けたチェックバルブより成る気化器
の加速燃料供給装置によって達成される。

以下図面により本考案の一実施例を詳細に説明する。

図にふ・いて、１は加速ポンプでフロート室２とインレ
ットチェックボール３を介して連通し、さらに力Ｏ速燃
料通路４から気化器吸気通路１９内に開口された先端に
加速ジェット５を有する加速ノズル６にアウトレットチ
ェックボール７を介して連通している。

加速ポンプ１はポンプ室８内にアクセルペダル（図示し
ない）に連動するプランジャ９及び該プランジャ９に固
定された加速ピストン１０を具えている。

ここで本考案に釦いてはアウトレットチェックボール７
からカロ速ノズル６に至る通路で形成された加速吐出室
１１と前記フロート室２の油面Ｈより上部の室１２とが
通路１３により連絡されて釦り、この連絡通路１３の途
中にはチェックバルブ１４が設けられている。

このチェックバルブ１４は加速作用がなされない定常運
転時はスプリング１５により図の左方向に押圧されて円
環状のストッパ１６に当接して釦り、加速吐出室１１は
この円環状のストッパ１６の内周面の一部を削り取って
設けた切欠き部１７からバルブシート１８を経てフロー
ト室２の油面より上部の室１２に連通されている。

尚、このように連通されているとフロート室２の油面よ
り上部の室１２の大気が前記切欠き部１１を経て加速ノ
ズル５より気化器の吸気通路１９内に吸い出されるが、
この空気量は当初気化器の全燃費をセツティングする際
にあらかじめ考慮すれば倒ら悪影響は及ぼきないもので
ある。

尚、ここでカロ速吐出室１１とフロート室２の油面より
上部の室１２とを連絡する通路１３は、加速ノズル６の
前記吸気通路１９への開口位置よりも低く配置されてい
る。

以上のように構成された気化器のカロ速燃料供給装置に
むいて、車両を加速するためアクセルペダル（図斥しな
い）を踏み込むと、プランジャ９に固定された加速ピス
トン１０の作動（図の下方への移動）によりポンプ室８
内の燃料圧力が急激に上昇するため、燃料はインレット
チェックボール３によりフロート室２への通路を塞がれ
、加速燃料通路４を経てアウトレットチェックボールＩ
の抵抗に打ち勝ってカロ速吐出室１１内を経由して力ロ
速ノズル６の先端に設けられ？、−７１０速／エツト５
により適正に計量されて、該加速ノズル６より吸気通路
１９内に噴出される。

ここでこのような通常の加速時には力０速吐出室１１内
の燃料圧力によりチェックバルブ１４はスプリング１５
の力に抗して押圧されてバルブシート１８に着座し、加
速吐出室１１とフロート室２の油面より上部の室１２と
の連通を遮断するため、力０速燃料が連絡通路１３を介
してフロート室２内へ環流されることはなく、シたがっ
て車両の力旧卑時には要求に見合った最適な加速燃料力
初ロ速ノズル６より気化器の吸気通路１９内に供給され
、スムーズなカロ速作用が行なわれる。

一方、車両の高速時等のような高空気量域で加速ノズル
６を先端の力ロ速ジェット５付近に負圧が生じた場合に
は、連絡通路１３内のチェックバルブ１４か円環状スト
ッパ１６に当接するが、該円環状ストッパ１６に設けら
れた切欠き部１γにより加速吐出室１１とフロート室２
の油面より上部の室１２が連通されているため、前記負
圧によりフロート室２内の空気がカロ速吐出室１１内に
吸い出され、該刃口速吐出室１１内の負圧を低下させる
。

したがってアウトレットチェックボールＩを吸い上げる
ことがなくなり、カロ速燃料通路４とカロ速吐出室１１
とは連通されない状態を保持するため加速燃料通路４及
びポンプ室８内の燃料がカロ速ノズル６より吸気通路１
９内へ流出することはない。

斗た、車両のエンジンルーム内が高温度に熱せられると
、エンジンからの高熱が気化器にも伝わり、気化器が高
温度になった場合にはカロ速燃料通路４やポンプ室８内
でパーコレジョン現象が発生し、このパーコレーション
現象により生じた気泡と共に液状燃料かアウトレットチ
ェックボールＩを押し上げて力ロ速吐出室１１内に流入
するが、前記の如きストッパ１６に設けた切欠き部１７
を経てフロート室２内へ環流され、加速ノズル６より吸
気通路１９内に流出することはない。

以上述べた上うに本考案は車両のカロ速時には通常のカ
ロ速作用により適正なｎ口達燃料が供給されると共に、
高速時等のように高空気量域にむいても、加速系統内の
・燃料がカロ速ノズル６より吸気通路１９内へ吸い出さ
れることはなく、斗だ高温時においても、パーコレーシ
ョン現象の発生による加速系統内の気泡及び液状燃料が
カロ速ノズル６より吸気通路１９内へ押し出されること
もない、したがって、通常の刃口速時はもちろんのこと
、カロ速時以外の如何なる運転状況にトいても必要以上
の燃料は供給されず、混合気の過濃化が防止され、空燃
化特性の悪化は生じない。

また必要以上の燃料が供給されないということは必然的
に燃料消費量の増大を招くこともなく運転性も悪化せず
、有害成分の排出量も増大しない。

さらにカロ速吐出室１１とフロート室２の油面より上部
の室１２を通路１３により連絡し、その途中にチェック
バルブ１４を設けるという非常に簡単な構造であり、従
来の７１０速燃料供給装置にわずかの変更を施すのみで
よく、製作が容易であり、しかも製作費用等のコスト面
でも非常に安価であり、実用上極めて有用である。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示す気化器の縦断面図である。 図に釦いて１１はカロ速吐出室、１２はフロート室２の
油面Ｈより上部の室、１３は連絡通路、１４はチェック
パルプ、１６は円環状ストッパ １７は切欠き部、１８
はバルブシートである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 加速ポンプを介して気化器のフロート室と吸気通路内に
   開口した力ロ速ノズルとを連通した気化器の加速系統に
   釦いて、該カロ速系統内のアウトレットチェックボール
   から前記力ロ速ノズルに至る通路で形成された加速吐出
   室とフロート室の油面より上部の室とを連絡する通路を
   設け、かつ該連絡通路を加速ノズルの前記吸気通路への
   開口位置よりも低く配置する一方、前記連絡通路の途中
   にチェックバルブ装置を配設し、該チェックバルブ装置
   は前記加速吐出室側に設けた切欠き部を備えるストッパ
   と、前記フロート室側に設けたバルブシートと、前記ス
   トッパと前記バルブシートとの間に設けたチェックバル
   ブより戊ることを特徴とする気化器の加速燃料供給装置
   。