JP2791432B2 - エンジンの燃料供給装置 - Google Patents

エンジンの燃料供給装置

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JP2791432B2
JP2791432B2 JP1282580A JP28258089A JP2791432B2 JP 2791432 B2 JP2791432 B2 JP 2791432B2 JP 1282580 A JP1282580 A JP 1282580A JP 28258089 A JP28258089 A JP 28258089A JP 2791432 B2 JP2791432 B2 JP 2791432B2
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  • Control Of The Air-Fuel Ratio Of Carburetors (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は小排気量のエンジンに燃料(ガソリン)を供
給する装置に関するものである。
[従来の技術] 小形車両、産業機械、発電機などを駆動する比較的小
排気量のエンジンに燃料を供給する手段として広く用い
られている気化器の内で、固定ベンチュリ気化器は低速
燃料と主燃料とを別通路で供給するので燃料のつながり
が不安定になりやすいとともに通路構成が複雑であり、
可変ベンチュリ気化器はベンチュリピストンとその案内
などきわめて高い加工精度を要求する個所が多い、など
の問題をもっている。また、燃料調整手段が浮子式のも
のは大きな傾斜に対応できず、膜式のものはさまざまな
姿勢に対応できる反面燃料の制御精度がよくない、など
の問題がある。
一方、ベンチュリ負圧などで燃料を吸気路に吸出す前
記の気化器に対して、第二次世界大戦中に航空機エンジ
ン用気化器の結氷対策として実用化されたいわゆる噴射
気化器がある。この気化器はベンデイックス社製のスト
ロンバーグ型気化器が広く知られており、ベンチュリ入
口動圧とベンチュリ負圧との差圧力で駆動される燃料圧
力制御弁、絞り弁に連動する燃料流量制御弁、ベンチュ
リ負圧で駆動される燃料噴射弁を経て燃料を正圧力で吸
気路に噴射するものである。
そして、このようないわゆる噴射気化器はさまざまな
姿勢に対して燃料の制御精度が高いという利点をもって
いる反面、燃料通路に前記三つの弁が直列に配置され、
更に始動や加速のための燃料供給手段が別途に設けられ
ているため燃料系統がきわめて複雑であるという欠点を
もっているのを改善し、燃料通路には燃料圧力調整手段
のみを配置した構成の燃料供給装置が特開平1−32031
号公報に開示されている。
前記公報に開示されている技術は本発明の発明者、特
許出願人が提供したものであって、燃料をほぼ一定の正
圧力に調整して吸気路へ開口した主ノズルに送る燃料圧
力調整器と、ベンチュリ負圧と吸気マニホルド負圧との
差圧力に応じて主ノズルの有効面積を変える計量ニード
ルを動作させエンジン吸気量に応じて有効面積を増減さ
せる燃料流量調整器とを具えている。
ところが、燃料圧力調整器は燃料を常にほぼ一定の正
圧力とし、燃料流量調整器はエンジン吸気量に応じてエ
ンジンに供給される燃料流量を制御するだけであるの
で、温度によって燃料流量を補正する手段がなく、低温
時に要求される燃料増量に対応することができない。
[発明が解決しようとする課題] 本発明はこのように燃料圧力をほぼ一定とするだけの
燃料圧力調整器や燃料流量をエンジン吸気量に応じて制
御するだけの燃料流量調整器では低温時の増量ができな
いという前記技術がもっている課題を解決しようとする
ものであって、燃料圧力を低温時に高くすることによっ
て燃料増量を計り低温始動性および暖機運転性を向上さ
せることができる燃料供給装置を提供することを目的と
する。
[課題を解決するための手段] 本発明は固定ベンチュリおよび絞り弁を有する吸気路
と、前記吸気路に開口し計量ニードルにより有効面積が
可変の主ノズルと、燃料をほぼ一定の正圧力に調整して
前記主ノズルに送る燃料圧力調整器と、ベンチュリ負圧
と絞り弁の側方またはその下流側の吸気負圧との差圧力
に応じて前記計量ニードルを動作させエンジン吸気量に
ほぼ対応して前記主ノズルの有効面積を変化させる燃料
調整器とを具えており、前記燃料圧力調整器は燃料をほ
ぼ一定の正圧力に維持させる調圧室と、大気室と、前記
二つの室を仕切ったダイヤフラムと、前記大気室に装入
されて前記ダイヤフラムを前記調圧室の方へ押す調圧ば
ねと、前記調圧室に接続された燃料導入路を前記ダイヤ
フラムの位置に応じて開閉する圧力調整弁とから構成さ
れているエンジンの燃料供給装置がもっている前記課題
を解決するため次の手段を講じた。
即ち、温度が高いとき前記ダイヤフラムを正常な位置
で動作させるが、温度が低いとき前記ダイヤフラムを前
記調圧室の方へ移動させ前記圧力調整弁を大きく開いて
調圧室の燃料圧力を高くするように働く低温増量機構を
設けた。
[作 用] 燃料圧力調整器に付設した低温増量機構は温度が高い
ときダイヤフラムに作用せず、圧力調整弁は調圧室の燃
料を設定圧力に維持させるように動作している。温度が
低いときダイヤフラムは調圧室の方へ移動させられて圧
力調整弁を強制的に大きく開き、燃料を調圧室に大量に
導入して燃料圧力を高くする。その結果、主ノズルから
エンジンに供給される燃料が増量されることとなるので
ある。
[実施例] 図面を参照して本発明の実施例を説明する。
本体1の竪方向へ延びる単一の吸気路2に固定ベンチ
ュリ3と絞り弁4とが設置されているとともに、この本
体1の外側面に燃料ポンプ5、燃料圧力調整器25、燃料
流量調整器55が設けられている。
燃料ポンプ5は第5図を参照して、本体1の一つの側
面にダイヤフラムからなるポンプ膜6、ポンプ胴体7、
ダイヤフラムからなる仕切膜8、カバー9を順に重ねて
止ねじにより一体に締付け固定し、本体1とポンプ膜6
との間をポンプばね10が装入されたパルス室11、ポンプ
膜6とポンプ胴体7との間をポンプ室12、ポンプ胴体7
と仕切膜8との間を吸込室13および吐出室14、仕切膜8
とカバー9との間を大気室15としたよく知られているパ
ルス式ダイヤフラムポンプであって、エンジンのクラン
クケースに発生したパルス圧をパルス圧通路16によって
パルス室11に導入しポンプ膜6を往復動させて燃料入口
17から吸込室13に入った燃料を入口逆止弁18よりポンプ
室12に吸込み、次で出口逆止弁19より吐出室14に吐出す
ることも従来のものと同じである。尚、入口逆止弁18と
出口逆止弁19はゴム板で作られ、ポンプ胴体7にリベッ
ト20によって片持ち式に支持されている。
燃料圧力調整器25は第5、6図を参照して、本体1の
前記とは別の側面に配置された圧力調整弁26と調圧室36
とを有している。圧力調整弁26は燃料ポンプ5の吐出室
14と燃料導入路21によって接続された弁室27、弁室27に
装入された弁体28および弁ばね29、弁座30を有してお
り、弁室27と調圧室36とを連通する弁座口31が弁体28に
よって開閉される。弁体28の後方へ延びる案内桁32は気
化器本体1に固着されて弁室27を塞いだプラグ33の案内
孔34に密嵌して弁体28を直線往復動させ、弁体28の前方
へ延びる作動桁35は弁座口31を緩く貫通して調圧室36に
突出しダイヤフラム37に接している。このダイヤフラム
37は本体1に調整器胴体38と重ねて一体に固定されてお
り、ダイヤフラム37と調整器胴体38との間は大気室39を
形成し調圧ばね40が装入されている。
圧力調整弁26の弁体28は調圧室36の燃料圧力と弁ばね
29および調圧ばね40のばね荷重とによって定まるダイヤ
フラム37の位置に応じて弁座口31を開閉するものであっ
て、調圧室36の燃料圧力が高くなると閉弁し低くなると
開弁して燃料ポンプ5から弁室27に送られてきた燃料を
予め設定した0,05〜0,2kg/cm2程度の範囲内の一定正圧
力に調整し、調圧室36の燃料をこの範囲内の正圧力に維
持する。
調整器胴体38の外側には保護カバー41がねじ42によっ
て取外し可能に固定してあり、これらに囲まれた空間は
調整器胴体38にねじ43によって片持ち式に取付けた板状
のバイメタル44を内蔵したバイメタル室45を形成してい
る。このバイメタル44の自由端部は調整器胴体38を貫通
してダイヤフラム37に接するバイメタルロッド46が結合
されており、このバイメタル44、バイメタルロッド46は
低温増量機構62を構成している。
調圧室36の燃料は第4、6図を参照して、本体1に形
成された燃料通路47を通り、固定ベンチュリ3の最狭部
に向かって突出した主ノズル(またはニードルジェッ
ト)48の先端から噴射し、吸入空気と混合してエンジン
に供給される。燃料通路47は電磁弁49によってエンジン
が運転されているとき開くがエンジンが停止すると閉じ
られる。
燃料通路47は調圧室36の低い所に開口しており、調圧
室36の最も高い所には図示しない燃料タンクに達する戻
し通路50が開口している。この戻し通路50は燃料に含ま
れている気泡が調圧室36で分離したとき、またはエンジ
ンが停止した後に高い温度のため燃料が蒸気を発生した
とき、これらの空気や燃料蒸気を排出するものである。
また、エンジン運転中は燃料の一部が戻し通路50を通っ
て燃料タンクに戻るように、燃料ポンプ5から調圧室36
に送られる燃料流量をエンジン要求量よりも多くするよ
うに設定しておくことにより、殊に燃料圧力調整器25の
温度上昇を抑制することができる。本実施例では、低温
時に増量する燃料やエンジンの高負荷時に要求される燃
料の一部を必要以上に戻し通路50に流れさせず、且つ空
気や燃料蒸気の排出を妨げないように考慮した絞り51が
戻し通路50の入口部分に設けられている。
次に、第4、5図を参照して、燃料流量調整器55は本
体1の前記とは更に別の側面にダイヤフラム56を挟んで
固定されたハウジング57と、このハウジング57に設置し
た負圧制御弁80とを有している。ダイヤフラム56のハウ
ジング57側は第一負圧室58を形成し、本体1側は第二負
圧室59を形成しており、第一負圧室58は固定ベンチュリ
3の最狭部に開口した第一負圧路60および絞り99を有し
ていて燃料ポンプ5のパルス室11に開口した補助負圧路
61のいずれかと負圧制御弁80によって接続される。第二
負圧室59はアイドル位置における絞り弁4の側方で吸気
路2に開口しておりそして絞り69を有する第二負圧路62
が接続されており、更に第一負圧室58と第二負圧室59と
にはダイヤフラム56を押す押圧ばね63とバランスばね64
とがそれぞれ装入されている。
第一負圧路60は第3、4、7図を参照してアイドル位
置における絞り弁4の前記と反対の側方で吸気路2に開
口した第一補正通路65と、固定ベンチュリ3の上流側で
吸気路2に開口した第二補助通路67とを有している。こ
れらの補正通路65、67は絞り66、68をもっており、ベン
チュリ負圧が急激に変化しても第一負圧路60を通って第
一負圧室58に入るまで圧力変化をやわらげるように働
き、その結果ダイヤフラム56は衝撃的に動かされること
がない。
第二負圧室59は第4、8図を参照して、第二負圧路62
のほかに大気例えば図示しないエアクリーナの内部に開
口した補正通路70が接続されており、この補正通路70は
大気取入れ側で二つに分岐していて、その第一分岐路71
には本体1に外部から手動で調整可能にねじ込んだ調整
ねじ72の先端の針片73が差込まれ、第二分岐路74には温
度弁75が設けられている。温度弁75は片持ち式の板状の
バイメタル76の自由端に取付けた針状の弁体77を有して
おり、温度が低いとき弁孔78を大きく開き温度が高いと
き閉じる。
負圧制御弁80は第5、9図を参照して、弁室81、弁室
81の両側に向かい合せに設けた弁座82、83、弁室81に内
蔵された弁体84、戻しばね85を有しており、第一の弁座
82は第一負圧路60の弁室81への開口を囲んでいるととも
に第二の弁座83は補助負圧路61の弁室81への開口を囲ん
でいる。戻しばね85は弁体84を第二の弁座83に押付けて
補助負圧路61を閉じ、第一負圧路60を弁室81、出口路86
を経て第一負圧室58に連通させるように働く。
第二の弁座83と補助負圧路61の一部とはハウジング57
に固定した案内片87に形成されており、弁体84から延び
るロッド89が補助負圧路61を緩く貫通しその前方で案内
片87の案内孔88を気密に貫通して大気室90に突出してい
る。大気室90はハウジング57のくぼみによって形成さ
れ、その開放端面はカバー91と重ねてハウジング57に一
体に固定したダイヤフラム92によって塞がれているが、
空気フイルタ110を有する開口111によって大気に連通し
ている(第2図)。カバー91とダイヤフラム92とに囲ま
れた部分は負圧室93を形成し、始動ばね94が装入されて
いるとともに、吸気路2の絞り弁4よりも下流側の部分
と絞り95を有する負圧通路96によって接続されている。
燃料流量調整器55のダイヤフラム56の中心部には計量
ニードル79が固着されており、この計量ニードル79は第
二負圧室59を横切り案内23を貫通して固定ベンチュリ3
の反対側に位置する主ノズル48に差込まれている。計量
ニードル79の先端の前方には、本体1に外部から手動で
調整可能にねじ込んだねじ97の先端に設けたストッパ98
が主ノズル48の後方において燃料通路47に突出して設置
されている。
計量ニードル79はエンジンの通常の運転状態で第一負
圧路60によって第一負圧室58に導入されたベンチュリ負
圧、第二負圧路62によって第二負圧室59に導入された絞
り弁4の側方の吸気負圧、押圧ばね63およびバランスば
ね64の荷重によって定まるダイヤフラム56の位置に応じ
て直線往復動し、主ノズル48の有効面積を変えてエンジ
ンに供給される燃料流量を変える。即ち、絞り弁4がア
イドル位置のときおよび小開度のとき第二負圧路62の吸
気路2に開口したポート62aには高い負圧が発生してお
り、ベンチュリ負圧は低いのでダイヤフラム56は第二負
圧室59の方へ大きく移動して主ノズル48の有効面積を小
さくする。絞り弁4が大きく開くとベンチュリ負圧と絞
り弁4の側方の吸気負圧との差が小さくなり、或る開度
以上ではベンチュリ負圧の方が高くなるのでダイヤフラ
ム56は第一負圧室58の方へ次第に大きく移動して主ノズ
ル48の有効面積を大きくする。このようなダイヤフラム
56の動きによって、吸入空気量と燃料流量とを基本的に
比例させ空燃比を一定とすることができる。
本発明の装置が製造されたとき、燃料圧力調整器25、
主ノズル48、燃料流量調整器55、計量ニードル79の寸法
誤差、組立ての狂いによって主ノズル48からエンジンに
供給される燃料流量がエンジン要求流量と異なる場合が
ある。このような場合、調整ねじ72を回して針片73を前
後へ動かし、第一分岐路71の有効面積を変えて第二負圧
室62に導入される空気量を変え、第二負圧室69の負圧を
規準値よりも高く或いは低くすることによってダイヤフ
ラム56の動きを修正し、燃料流量をエンジン要求流量と
一致させる。
また、ダイヤフラム56が絞り弁4のアイドル位置のと
きの高い負圧で第二負圧室59の方へ大きく移動したと
き、計量ニードル79が主ノズル48に必要異常に深く差込
まれて燃料流量をエンジン要求流量よりも減少させるこ
とがある。或いは絞り弁4が開いた位置から急激に閉じ
て第二負圧室59の負圧が急激に高くなってダイヤフラム
56がオーバストロークし計量ニードル79を主ノズル48に
衝突させて破損するという心配がある。そのため、ねじ
97を回してストッパ98を前後に移動させ、アイドル時に
適正流量の燃料を供給する位置、或いは主ノズル48に衝
突する少し手前の位置で計量ニードル79の先端がストッ
パ98に衝ってそれ以上は差込まれないように調整する。
次に、エンジンが始動するときの動作を説明する。
小形車両、産業機械、発電機などを駆動する比較的小
排気量のエンジンはガバナをもっており、吸入空気量を
制御する絞り弁はエンジンが停止しているとき半開また
は全開とされている。エンジンは絞り弁を開いたまま始
動し急激に高速回転するようになるが、或る回転速度に
達するとガバナが働いて絞り弁をアイドル位置まで閉じ
させ、その後は運転者の操作によって絞り弁を所要開度
とするものである。
このため、エンジンがクランキングを行なっていると
きベンチュリ負圧、絞り弁4の側方の吸気負圧、絞り弁
4の下流側の吸気負圧はいずれも低い。従って、負圧通
路96によって絞り弁4の下流側と接続されている負圧室
93に導入される負圧は低く、始動ばね94がダイヤフラム
92を大気室90の方へ移動させてロッド89を押し、弁体84
を第一の弁座82に押付けて第一負圧路60を閉じ補助負圧
路61を開いている。
エンジンのクランクケースに発生するパルス圧の平均
値は2サイクルエンジンおよび4サイクルエンジンのい
ずれであってもマイナスであって、補助負圧路61から弁
室81、出口路86を経て第一負圧室58に負圧が導入され
る。このため、ダイヤフラム56は第一負圧室58の方へ少
し移動して主ノズル48から供給される始動用燃料を増加
させることができる。エンジンが完爆すると吸気負圧は
クランキング時に比べて高くなるので負圧室93に導入さ
れる負圧が高くなってダイヤフラム92を負圧室93の方へ
移動させロッド89から離れる。このため、弁体84は戻し
ばね85のばね力で第一の弁座82から離れ第二の弁座83に
押付けられ、第一負圧路60を第一負圧室58に連通させ
る。
このように、エンジンの始動時に燃料流量を増加させ
ることは低い温度のときに有効であり、そのために補助
負圧路61に温度弁100が設けられている。この温度弁100
は片持ち式の板状のバイメタル101の自由単に取付けた
針状の弁体102を有しており、温度が低いとき弁孔103を
大きく開き温度が高いとき閉じる。従って、温度が高い
ときにエンジンが始動すると、第一負圧路60は負圧制御
弁80によって閉鎖され補助負圧路61は温度弁100によっ
て閉鎖されているため第一負圧室58は大気圧となってい
る。このため、ダイヤフラム56は第二負圧室59の方へ移
動して主ノズル48から供給される燃料流量をエンジンが
完爆するまで少量とする。
更に、エンジンのクランクケースに発生させるパルス
圧を第一負圧室58に導入するとき、パルス圧の平均値が
低いとダイヤフラム56を充分に吸引して燃料を増加させ
ることができない。そのために補助負圧路61に一方向弁
105が設けられている。この一方向弁105は第9図を参照
して球状の弁体106とばね107とを有しており、燃料ポン
プ5のパルス室11から送られてくるパルス圧の一定以上
の負圧成分が弁体106に作用したときばね107を圧縮して
弁孔108を開く。従って、エンジンのクランキング時に
第一負圧室58を高い負圧とすることができる。
エンジンが完爆した後は、先に述べたように絞り弁4
が大きく開かれているので急激に回転速度が高くなり、
次にガバナが働いて絞り弁4をアイドル位置まで閉じさ
せる。このとき、第二負圧路62の吸気路2へ開口したポ
ート62aは絞り弁4の上流側から下流側に突然移行して
第二負圧室59の圧力が急激に変化するのを防ぐため、ポ
ート62aは吸気路2の軸線方向へ向かって複数個設けら
れている。またベンチュリ負圧は絞り弁4が閉じるに従
って低くなるので、第一負圧室58の圧力が急激に変化す
る心配がある。そこで、第一補正通路65の吸気路2へ開
口したポート65aを吸気路2の軸線方向へ向かって複数
個設けた。これらのポート62a、65aの配列によって絞り
弁4がアイドル位置の近くで動いたときの第一負圧室58
と第二負圧室59の圧力の急激な変化を避けることがで
き、ダイヤフラム56の動きを安定化して燃料流量を急激
に変化させたり計量ニードル79をオーバストロークさせ
て燃料流量を大幅に狂わせたりしない。
第二負圧路62は特開平1−32031号公報に開示されて
いるように絞り弁4の下流側で吸気路2に開口させるこ
とも可能である。この場合は、第二負圧室59の圧力の急
激な変化を避けるため、絞り69および補正通路70の針片
73が有効に働く。
第4図に見られるように、第二負圧室59の最も低い位
置に第二負圧路62を接続し、高い位置に補正通路70を接
続すると、計量ニードル79を伝わって第二負圧室59に入
った燃料が空気と一緒に第二負圧路62を通って吸気路2
に排出され、第二負圧室59にためられることがない。補
正通路70の第一分岐路71の有効面積を調整する針片73
は、第二負圧室59に導入される空気流量を制御して第二
負圧室59の負圧を調整し、ダイヤフラム56の位置従って
主ノズル48から供給される燃料流量を適正とするように
働く。第二分岐路74の温度弁75は温度が低いときに弁孔
78を大きく開いて第二負圧室59に大量の空気を導入し、
第二負圧室59の負圧を低下させてダイヤフラム56を通常
よりも第一負圧室58の方へ移動させ、燃料流量を増加す
るように働く。
本発明の要旨は第5図に示されているような低温増量
機構52を燃料圧力調整器25に付設したことにある。
即ち、バイメタル44は温度が低いときバイメタルロッ
ド46を押してダイヤフラム37を調圧室36の方へ移動さ
せ、圧力調整弁26を大きく開かせて燃料ポンプ5から送
られてくる燃料を大量に調圧室36に導入し、燃料圧力を
高くするように働く。温度が高いときバイメタルロッド
46はダイヤフラム37から離れてダイヤフラム37を正常な
位置に戻して燃料を予め設定した範囲内の一定正圧力に
調整させる。
その結果、温度が低いときに主ノズル48からエンジン
に供給される燃料が増量され、またバイメタル44を用い
たことによってバイメタルロッド46は温度に応じて位置
を変え、燃料を温度に応じた適正量に増量することがで
きる。従って、負圧制御弁80を廃して第一負圧室58に常
時第一負圧路60を接続した構成としても実用上差支えは
ない。
尚、バイメタル44の代りに例えばサーモワックスを用
いても同じ結果が得られるが、バイメタルは価格および
構造の面で有利である。
[発明の効果] 本発明によると、温度が低いときに圧力調整弁を大き
く開かせて調圧室に燃料を大量に導入し、エンジンに供
給される燃料を増量して低温始動性、暖機運転性を向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す平面図、第2図は一部
切載した正面図、第3図は第1図のA−A線に沿う拡大
断面図、第4図は第1図のB−B線に沿う拡大断面図、
第5図は第2図のC−C線に沿う拡大断面図、第6図は
第2図のD−D線に沿う拡大断面図、第7図は第2図の
E−E線に沿う拡大断面部分図、第8図は第1図のF−
F線に沿う拡大断面部分図、第9図は第1図のG−G線
に沿う拡大断面部分図、第10図は全体の部品と通路との
関係を説明する図である。 2……吸気路、3……固定ベンチュリ、4……絞り弁、
5……燃料ポンプ、35……燃料圧力調整器、47……燃料
通路、48……主ノズル、26……圧力調整弁、36……調圧
室、37……ダイヤフラム、39……大気室、40……調圧ば
ね、44……バイメタル、46……バイメタルロッド、52…
…低温増量機構、55……燃料流量調整器、79……計量ニ
ードル、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−277856(JP,A) 特開 昭63−97871(JP,A) 特開 昭52−92021(JP,A) 特開 昭64−32031(JP,A) 特開 昭53−1722(JP,A) 特開 昭52−102932(JP,A) 特開 昭52−148729(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02M 69/00 F02D 3/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定ベンチュリおよび絞り弁を有する吸気
    路と、前記吸気路に開口し計量ニードルにより有効面積
    が可変の主ノズルと、燃料をほぼ一定の正圧力に調整し
    て前記主ノズルに送る燃料圧力調整器と、ベンチュリ負
    圧と絞り弁の側方またはその下流側の吸気負圧との差圧
    力に応じて前記計量ニードルを動作させエンジン吸気量
    にほぼ対応して前記主ノズルの有効面積を変化させる燃
    料流量調整器とを具えており、前記燃料圧力調整器は燃
    料をほぼ一定の正圧力に維持させる調圧室と、大気室
    と、前記二つの室を仕切ったダイヤフラムと、前記大気
    室に装入されて前記ダイヤフラムを前記調圧室の方へ押
    す調圧ばねと、前記調圧室に接続された燃料導入路を前
    記ダイヤフラムの位置に応じて開閉する圧力調整弁とか
    ら構成されているエンジンの燃料供給装置において; 温度が高いとき前記ダイヤフラムを正常な位置で動作さ
    せるが、温度が低いとき前記ダイヤフラムを前記調圧室
    の方へ移動させ前記圧力調整弁を大きく開いて調圧室の
    燃料圧力を高くするように働く低温増量機構を具えてい
    ることを特徴とする燃料供給装置。
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