JPS632331Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、原動カム部材と従動カム部材とでカ
ム式操作機構を構成し、足踏みペダルと前記原動
カム部材とを連動連結し、走行無段変速装置の被
操作アームと、任意の位置で摩擦保持される変速
操作レバーとを前記従動カム部材を介して連動連
結するとともに、前記従動カム部材に、前記ペダ
ルの踏み込み操作力を前記被操作アーム及び変速
操作レバーを変速中立状態に戻す方向でのみ伝達
するカム面を形成して構成した作業車の走行操作
装置に関する。

この種の従来の走行操作装置では、物や人など
との衝突を回避する要のある緊急停止時に、前記
ペダルの踏込みといつた迅速、簡便な操作によつ
て走行無段変速装置を急速に減速作動させること
により、機体の制動距離を可及的に短縮すること
ができるものの、前記ペダルを踏込み操作する
と、走行無段変速装置の被操作アームのみならず
変速操作レバーも変速中立状態に急速に強制復帰
される関係上、ペダルを緊急停止以外の、例えば
減速などの制動操作に使用することができないも
のであつた。

本考案は、以上の従来欠点を解決せんとするも
のであり、前記ペダルの利用範囲の拡大を図つた
作業車の走行装置の提供を目的とする。

本考案が要旨とする構成上の特徴は、前記従動
カム部材と前記変速操作レバーとをスプリング装
置を介して連動連結した点にあり、この特徴構成
による作用効果は次のとおりである。

すなわち、作業車の走行を停止あるいは減速さ
せるために操縦者が前記ペダルを踏み込み操作す
ると、これに連動して原動カム部材が操作され
る。この原動カム部材は従動カムを動かし、従動
カム部材を介して連動連結された走行無段変速装
置の被操作アームと変速操作レバーとを変速中立
状態に戻すのであるが、変速操作レバーに対する
戻し力は前記スプリング装置によつて一時吸収さ
れてしまう。そのために、前記ペダルの踏み込み
で走行無段変速装置は直ちに中立位置に復帰する
ものの、変速操レバーは摩擦保持力に抗しながら
やや時間遅れをもつて中立がわに移動し始める。
この様な作用によつて、ペダルの踏み込み時間を
調節すれば変速操作レバーの復帰位置を自由に変
更することができる。

従つて、前記従動カム部材と変速操作レバーと
の間に前述のようなスプリング装置を介在させる
だけの簡単な改造をもつて、ペダルを本来の緊急
停止のみならず通常の減速操作などにも有効に利
用することができるに至つた。

以下、本考案構成の実施例を図面に基づいて説
明する。

コンバインの操向操作装置を構成するに、第１
図で示す如く、エンジン駆動軸１にベルトテンシ
ヨン式伝動クラツチ２を介して連動された油圧式
走行無段変速装置３とこの走行無段変速装置３か
ら車軸４，４への伝動系に制動力を付与可能な走
行ブレーキ５，５を備えたミツシヨンケース６と
を配設するとともに、操縦部に設けたペダル７の
踏込み操作に連動して前記伝動クラツチ２を入り
付勢力に抗して切り作動させると同時に前記走行
ブレーキ５を制動状態に切換える機構８を設け、
かつ、前記走行無段変速装置３の被操作アーム３
ａと任意の位置で摩擦保持可能な変速操作レバー
９との連係機構１０中には、前記ペダル７の踏込
み操作に連動して前記被操作アーム３ａ及び変速
操作レバー９を変速中立状態に強制復帰させるカ
ム式操作機構を組付けている。

前記連動機構８を構成するに、前記ペダル７と
伝動クラツチ２のテンシヨンアーム２ａとをレリ
ーズワイヤ１２を介して連動させるとともに、前
記ペダル７と走行ブレーキ５の被操作アーム５ａ
とをロツド１３及び連係融通用スプリング１４を
介して連動されている。

前記カム式操作機構を構成するに、前記連係機
構１０の構成部材である従動カム部材１５と２本
のロツド１６，１７とのうち、前記従動カム部材
１５に逆三角形の孔を設け、この孔の内面をカム
面１８に形成する。前記孔内に係入位置するピン
１９を介して前記従動カム部材１５を被操作アー
ム３ａの変速中立位置に相当する揺動位置に強制
復帰させることが可能な原動カム部材２０を設け
るとともに、前記ペダル７と一体揺動する舌片２
１と前記原動カム部材２０とをロツド２２及びス
プリング２３を介して連係させている。

而して、前記従動カム部材１５と変速操作レバ
ー９との間に、前記ペダル７の踏込み操作に伴な
う前進操作領域Ｆから変速中立位置Ｎへの強制復
帰に対して、前記被操作アーム３ａよりも前記変
速操作レバー９に時間的に遅れをもたせることが
可能な状態でスプリング装置２４を介在してい
る。このスプリング装置２４は、前記連係機構１
０の一方のロツド１６を二分割し、この分割ロツ
ド部１６ａ，１６ｂの隣接端部に、これら両分割
ロツド部１６ａ，１６ｂの一定範囲内での伸縮作
動を摺接案内するシリンダケース部２４ａとピス
トン部２４ｂを連設するとともに、前記シリンダ
ケース部２４ａとピストン部２４ｂとの間には、
前記変速操作レバー９を変速中立位置Ｎから前進
操作領域Ｆに操作したときに圧縮力を受ける状態
でスプリング２４ｃを介在して構成されている。

前記変速操作レバー９を変速中立位置Ｎから後
進操作領域Ｒに操作したときには、前記両分割ロ
ツド部１６ａ，１６ｂが融通のない又はほぼ融通
のない状態で一体的に移動すべく構成されてい
る。

第２図は弾性融通機構２４の別実施例を示し、
これは、シリンダケース部２４ａとピストン部２
４ｃとの間に、変速操作レバー９を変速中立位置
Ｎから前進操作領域Ｆに操作したときに圧縮力を
受けるスプリング２４ｃを介在するとともに、前
記ピストン部２４ｂには絞り弁２４ｄと逆止弁２
４ｅとを設けて構成したものである。

第３図はスプリング装置２４の別の実施例を示
し、これは、前記両分割ロツド部１６ａ，１６ｂ
に連設したシリンダケース部２４ａとピストン部
２４ｂとの間に、変速操作レバー９を変速中立位
置Ｎから前進操作領域Ｆ及び後進操作領域Ｒに操
作したときに夫々圧縮力を受ける２つのスプリン
グ２４ｃ，２４ｃを介在して、ペダル７の踏込み
操作に伴なう前進操作領域Ｆ及び後進操作領域Ｒ
から変速中立位置Ｎへの何れの強制復帰に対して
も、前記被操作アーム３ａよりも変速操作レバー
９に時間的に遅れをもたせるべく構成したもので
ある。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図はコンバインの走行操作装置を示す側面
図、第２図、第３図は夫々他の実施例を示す要部
の拡大断面図である。 ３……走行無段変速装置、３ａ……被操作アー
ム、７……ペダル、９……変速操作レバー、１１
……カム式操作機構、１５……従動カム部材、１
８……カム面、２０……原動カム部材、２４……
スプリング装置。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 原動カム部材２０と従動カム部材１５とでカ
   ム式操作機構１１を構成し、足踏みペダル７と
   前記原動カム部材２０とを連動連結し、走行無
   段変速装置３の被操作アーム３ａと、任意の位
   置で摩擦保持される変速操作レバー９とを前記
   従動カム部材１５を介して連動連結するととも
   に、前記従動カム部材１５に、前記ペダル７の
   踏み込み操作力を前記被操作アーム３ａ及び変
   速操作レバー９を変速中立状態に戻す方向での
   み伝達するカム面１８を形成して構成した作業
   車の走行変速装置において、前記従動カム部材
   １５と前記変速操作レバー９とをスプリング装
   置２４を介して連動連結したことを特徴とする
   作業車の走行操作装置。 ２ 前記ペダル７がブレーキペダルである実用新
   案登録請求の範囲第１項に記載の作業車の走行
   操作装置。 ３ 前記ペダル７が走行無段変速装置３の減速専
   用ペダルである実用新案登録請求の範囲第１項
   に記載の作業車の走行操作装置。