JP3547261B2 - 作業車の走行伝動装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンバインなどの作業車の走行伝動装置で、詳しくは、圧油供給に伴い伝動状態に可逆的に切り換わる油圧式の走行用クラッチを介して走行装置に動力を伝達するように構成し、前記走行用クラッチへの圧油供給路に走行用クラッチに圧油を供給する伝動状態と圧油を逃がす非伝動状態とに切り換え操作自在な切り換え弁を設けてある装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の作業車の走行伝動装置の一例であるコンバインの走行変速装置としては、実開平8‐20250号公報に見られるように、走行用クラッチとして、前進用クラッチと後進用クラッチとを設け、切り換え弁として、前進用クラッチに圧油を供給する前進伝動状態と、後進用クラッチに圧油を供給する後進伝動状態と、圧油を逃がす非伝動状態とに切り換え操作自在なものを設け、圧油供給に伴い伝動状態に可逆的に切り換わる油圧式の作業クラッチを介して刈取り装置に動力を伝達するように構成し、前記前進用クラッチ及び後進用クラッチへの圧油供給路のうち前記切り換え弁よりも上流側に前記作業クラッチを接続させた装置が知られている。
この装置は、切り換え弁が前進伝動状態や後進伝動状態に切り換え操作されて前進用クラッチや後進用クラッチが圧油供給により伝動状態に切り換わる際、作業クラッチにも圧油を供給させて、いわば、この作業クラッチをアキュムレータとしても機能させることで前進用クラッチや後進用クラッチに作用する油圧衝撃の緩和を図って前進用クラッチや後進用クラッチの前進伝動状態や後進伝動状態への切り換えを円滑に行えるようにしようとしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の技術によるときは、作業クラッチが伝動状態に切り換わる際に必要とする油量が非常に少ないから、切り換え弁を前進伝動状態や後進伝動状態に切り換え操作したとき、前進用クラッチや後進用クラッチへ供給される圧油が非常に短時間で所定値に立上り、十分に油圧衝撃を緩和することができなかった。
【0004】
本発明の目的は、切り換え弁を伝動状態に切り換えた際に走行クラッチに作用する油圧衝撃を十分に緩和できるようにする点にある。
【0005】
請求項1及び2に係る本発明の特徴及び作用並びに効果は次の通りである。
【課題を解決するための手段】
〔特徴〕
請求項1の発明の特徴は、圧油供給に伴い伝動状態に可逆的に切り換わる油圧式の走行用クラッチを介して走行装置に動力を伝達するように構成し、前記走行用クラッチへの圧油供給路に走行用クラッチに圧油を供給する伝動状態と圧油を逃がす非伝動状態とに切り換え操作自在な切り換え弁を設けてある作業車の走行伝動装置であって、前記走行用クラッチから走行装置への伝動径路に設けた走行用ブレーキを圧油供給に伴いブレーキ状態からブレーキ解除状態にスプリングによる付勢力に抗して切り換え操作する油圧アクチュエータを前記圧油供給路に接続して、前記切り換え弁を前記非伝動状態から伝動状態へ切り換えるに伴い前記スプリングを圧縮させて前記油圧アクチュエータに対して前記走行用クラッチに供給される圧油の一部を蓄積するように構成してある点にある。
【0006】
又、請求項2の発明の特徴は、前記圧油供給路に対して前記油圧アクチュエータと並列に油圧式の作業クラッチを接続して、前記切り換え弁が前進伝動状態または後進伝動状態にあるとき前記作業クラッチに圧油が供給されて刈取り前処理部が伝動状態に切り換わり、前記切り換え弁の中立状態への切り換えにより前記作業クラッチより圧油を逃がして刈取り前処理部が非伝動状態に切り換わるように構成してある点にある。
【0007】
〔作用〕
請求項1及び2の発明によるときは、油圧アクチュエータへの圧油供給により走行用ブレーキをブレーキ解除状態にし、油圧アクチュエータからの圧油の逃げによりスプリングの付勢力で走行用ブレーキをブレーキ状態にするのであって、走行時には、走行用クラッチを伝動状態に切り換えるとともに、走行用ブレーキをブレーキ解除状態にする点及び、油圧アクチュエータが油圧アクチュエータとして機能するには十分な作動油が必要である点に着目して、走行用クラッチへの圧油供給路に油圧アクチュエータを切り換え弁の伝動状態への切り換えに伴い圧油が供給されるように接続させて、切り換え弁を伝動状態に切り換えたときには、走行用クラッチと油圧アクチュエータとに圧油を分流供給するようにしてあるから、油圧アクチュエータが、走行用ブレーキを付勢力に抗してブレーキ解除状態にするアクチュエータとして機能するのみならず、走行用クラッチに供給される作動油の一部を蓄積して走行用クラッチに全部の作動油が急激に供給されることを防止するアキュムレータとして十分に機能する。
【0008】
しかも、走行用ブレーキを付勢力でブレーキ状態にする手段としては、エンジンを停止して油圧ポンプを停止することで油圧アクチュエータから圧油を逃がす手段もあるが、これによるときは、エンジンを停止しなければ走行用ブレーキがブレーキ状態とならない。
これに対して、本発明によるときは、切り換え弁の非伝動状態への切り換えに伴い油圧アクチュエータから圧油を逃がすようにしてあるから、エンジンを停止しなくても、走行を停止することで走行用ブレーキをブレーキ状態にすることができる。
【0009】
〔効果〕
従って、本発明によれば、切り換え弁を伝動状態に切り換えて走行用クラッチを伝動状態に切り換える際の油圧衝撃を十分に緩和できて、走行用クラッチの伝動状態への切り換えを非常に円滑に行わせることができる一方、切り換え弁を非伝動状態に切り換えて走行用クラッチを非伝動状態に切り換えることにより走行を停止する際には、エンジンを作動させたままであっても、油圧アクチュエータから圧油を逃がしてスプリングの付勢力で走行用ブレーキをブレーキ状態に切り換えて坂道など傾斜地での停止を確実に行うことができ、かつ、切り換え弁を伝動状態に切り換えての走行時には走行用ブレーキをブレーキ解除状態に切り換えてその走行を良好に行わせることができるようになった。
【0010】
【発明の実施の形態】
作業車の一例であるコンバインの走行伝動装置は、図2に示すように、テンションクラッチ(図示せず)を備えたベルト伝動装置1を介してエンジン2からの動力をベルト式無段変速装置3の入力プーリ4に伝達し、このベルト式無段変速装置3の出力動力をミッションケース5内の伝動機構を介して左右一対のクローラ走行装置6に伝達するように構成されている。
【0011】
前記伝動機構は、前記ベルト式無段変速装置3の出力軸7と一体回転するようにその出力軸7にスプラインを介して連動する入力軸8と、その入力軸8に第1ギア9及び第2ギア10を介して連動する中間軸11と、前記第2ギア10に噛み合い連動する第3ギア12及び油圧式の前進走行用クラッチ13を介して中間軸11に連動する前進用伝動軸14と、前記第3ギア12に噛み合い連動する第4ギア15及び油圧式の後進走行用クラッチ16を介して中間軸11に連動する後進用伝動軸17と、前記前進用伝動軸14及び後進用伝動軸17にギア連動するギア式の副変速装置18と、前記クローラ走行装置6の左右の車軸19のそれぞれを副変速装置18に各別に連動させる左右一対の操向用のクラッチ・ブレーキ20とを設けて構成されている。
【0012】
前記第3ギア12は前進用伝動軸14に回転自在に保持されており、前記第4ギア15は後進用伝動軸17に回転自在に保持されている。
【0013】
前記前進走行用クラッチ13は、圧油供給に伴い第3ギア12に前進用伝動軸14を連動させる伝動状態に切り換わり、圧油の逃げに伴い第3ギア12に前進用伝動軸14を連動させない非伝動状態に切り換わるものであり、前記後進走行用クラッチ16は、圧油供給に伴い第4ギア15に後進用伝動軸17を連動させる伝動状態に切り換わり、圧油の逃げに伴い第4ギア15に後進用伝動軸17を連動させない非伝動状態に切り換わるものであって、これらが、特許請求の範囲でいう走行用クラッチCである。
【0014】
前記クラッチ・ブレーキ20は、図3にも示すように、クラッチ部20Aとブレーキ部20Bとからなり、シフター21を介するスプリング22に抗した一連のシフト操作により、クラッチ部20Aを伝動状態にさせるとともに、ブレーキ部20Bをブレーキ解除状態にさせた伝動モードと、クラッチ部20Aを非伝動状態にさせるとともに、ブレーキ部20Bをブレーキ解除状態にさせた非伝動モードと、クラッチ部20Aを非伝動状態にさせるとともに、ブレーキ部20Bをブレーキ状態にさせたブレーキモードとに切り換え可能なものである。
【0015】
従って、
前進走行用クラッチ13を伝動状態に切り換えるとともに、左右のクラッチ・ブレーキ20をともに伝動モードに切り換えることにより、入力軸8からの動力を前進用の動力として両クローラ走行装置6に伝達することで前進直進走行を行い、
後進走行用クラッチ16を伝動状態に切り換えるとともに、左右のクラッチ・ブレーキ20をともに伝動モードに切り換えることにより、入力軸8からの動力を後進用の動力として両クローラ走行装置6に伝達することで後進直進走行を行い、
前進走行用クラッチ13を伝動状態に切り換えるとともに、左右のクラッチ・ブレーキ20の一方を伝動モードに、かつ、他方を非伝動モードにそれぞれ切り換えることにより、入力軸8からの動力を前進用の動力として一方のクローラ走行装置6にのみ伝達することで他方を旋回内側とする前進緩旋回を行い、
後進走行用クラッチ16を伝動状態に切り換えるとともに、左右のクラッチ・ブレーキ20の一方を伝動モードに、かつ、他方を非伝動モードにそれぞれ切り換えることにより、入力軸8からの動力を後進用の動力として一方のクローラ走行装置6にのみ伝達することで他方を旋回内側とする後進緩旋回を行い、
前進走行用クラッチ13を伝動状態に切り換えるとともに、左右のクラッチ・ブレーキ20の一方を伝動モードに、かつ、他方をブレーキモードにそれぞれ切り換えることにより、入力軸8からの動力を前進用の動力として一方のクローラ走行装置6にのみ伝達するとともに、他方のクローラ走行装置6にブレーキを掛けることで他方を旋回内側とする前進急旋回を行い、
後進走行用クラッチ16を伝動状態に切り換えるとともに、左右のクラッチ・ブレーキ20の一方を伝動モードに、かつ、他方をブレーキモードにそれぞれ切り換えることにより、入力軸8からの動力を後進用の動力として一方のクローラ走行装置6にのみ伝達するとともに、他方のクローラ走行装置6にブレーキを掛けることで他方を旋回内側とする前進急旋回を行う
ようになっている。
【0016】
かつ、一方のクラッチ・ブレーキ20には、カム23を介してブレーキ部20Bをブレーキ状態とブレーキ解除状態とに切り換えるブレーキアーム24が設けられている。
【0017】
そして、前記左右の両クラッチ・ブレーキ20を伝動モードに切り換えた状態で一方のクラッチ・ブレーキ20におけるブレーキ部20Bをブレーキ状態に切り換えることにより、左右のクローラ走行装置6にブレーキを掛けるようになっている。つまり、ブレーキアーム24の操作でブレーキ状態とブレーキ解除状態とに切り換えられるブレーキ部20Bが走行用ブレーキBとなっている。
【0018】
かつ、前記ミッションケース5の上部には、コンバインの機体前部の刈取り前処理部(図示せず)に動力をベルト伝動を介して伝達するための刈取り用出力軸25が配置されており、この刈取り用出力軸25には、前記中間軸11に一体回転する状態に取り付けた第5ギア26と、これに噛み合い連動する状態で刈取り用出力軸25に回転自在に保持させた第6ギア27と、油圧式の作業クラッチ28を介して入力動力を伝達するように構成されている。
【0019】
前記前進走行用クラッチ13及び後進走行用クラッチ16に対する操作手段は、図3に示すように、油圧ポンプ29から前進走行用クラッチ13及び後進走行用クラッチ16への圧油供給路30に、前進走行用クラッチ13にのみ圧油を供給する前進伝動状態と、後進走行用クラッチ16にのみ圧油を供給する後進伝動状態と、圧油を逃がす中立状態とに切り換え自在な切り換え弁31を設け、その切り換え弁31を切り換え操作するための前後進切り換え操作レバー32を設けて、前後進切り換え操作レバー32を前進位置Fに操作することにより切り換え弁31を前進伝動状態に切り換え、後進位置Rに操作することにより切り換え弁32を後進伝動状態に切り換え、中立位置Nに操作することにより切り換え弁32を中立状態に切り換えるように構成されている。
【0020】
前記クラッチ・ブレーキ20に対する操作手段は、図3、図4に示すように、圧油供給に伴い復帰スプリング33の付勢力に抗して伸長することにより、前記シフター21を伝動モード位置・非伝動モード位置・ブレーキモード位置とにその記載順に作動させるとともに、圧油の逃げに伴い付勢力で短縮することにより、前記シフター21をブレーキモード位置・非伝動モード位置・伝動モード位置とその記載順に作動させる油圧シリンダ34を設け、前記圧油供給路30から分流弁35を介して取り出した余剰流を前記油圧シリンダ34に作動油として供給するための取り出し油路36を設け、直進位置Sと左緩旋回位置L1と左急旋回位置L2と右緩旋回位置R1と右急旋回位置R2とに操作自在な操向レバー37を設け、この操向レバー37の操作位置に応じて油圧シリンダ34を制御するように操向レバー37に連動する制御弁38と、前記操向レバー37の操作位置に応じて油圧シリンダ34に供給する圧油の圧力を調整するように操向レバー37に連動する圧力調整弁39を設けて構成されている。
【0021】
前記制御弁38は、操向レバー37が直進位置Sに位置するとき、左右の両シフター21がともに伝動モード位置に位置するように圧油を逃がして左右の両油圧シリンダ34を短縮作動させる直進状態と、操向レバー37が左緩旋回位置L1及び左急旋回位置L2に位置するとき、左側のクラッチ・ブレーキ20に対応する油圧シリンダ34が伸長作動するように圧油を供給する左旋回状態と、操向レバー37が右緩旋回位置R1及び右急旋回位置R2に位置するとき、右側のクラッチ・ブレーキ20に対応する油圧シリンダ34が伸長作動するように圧油を供給する右旋回状態とに切り換わるものである。
【0022】
前記圧力調整弁39は、前記操向レバー37が左緩旋回位置L1及び右緩旋回位置R1に位置するとき、油圧シリンダ34が復帰スプリング33及びスプリング22の付勢力に抗してシフター21を非制動モード位置に位置させる伸縮状態となるように油圧シリンダ34に供給する圧油の圧力に調整し、前記操向レバー37が左急旋回位置L2及び右急旋回位置R2に位置するとき、油圧シリンダ34が復帰スプリング33及びスプリング22の付勢力に抗してシフター21をブレーキモード位置に位置させる伸長状態となるように油圧シリンダ34に供給する圧油の圧力に調整するものである。
【0023】
前記走行用ブレーキBに対する操作手段は、図1、図3〜6に示すように、走行用ブレーキBのブレーキアーム24をワイヤ40を介してブレーキ位置に引っ張り作動させる圧縮スプリング42を設け、圧油供給に伴い圧縮スプリング42を短縮させて引っ張り力を解除するように伸長するとともに、圧油の逃げに伴い圧縮スプリング42の弾性復帰を許容する油圧シリンダ43(油圧アクチュエータの一例)を、前記圧油供給路30のうち切り換え弁31よりも上流側の部分に接続する状態に設け、前記引っ張り力の解除状態において前記ブレーキアーム24をブレーキ解除位置に作動させる戻しバネ44を設けて構成されている。
すなわち、切り換え弁31の前進伝動状態及び後進伝動状態への切り換えにより油圧シリンダ43に圧油を供給して、走行用ブレーキBをブレーキ解除状態にし、切り換え弁31の中立状態への切り換えにより油圧シリンダ43内の圧油を逃がして圧縮スプリング42を伸長状態に弾性復帰させることで走行用ブレーキBをブレーキ状態にするように構成されている。
【0024】
従って、上記の構成によれば、切り換え弁31の前進伝動状態及び後進伝動状態によって、油圧シリンダ43に圧油が分流供給されるから、この油圧シリンダ43がアキュムレータとして作用することにより、図8に示すように、前進走行用クラッチ13及び後進走行用クラッチ16に作用する油圧衝撃を緩和して、前進走行用クラッチ13及び後進走行用クラッチ16に供給される圧油の立上りを緩いものにできる。
【0025】
かつ、走行用ブレーキBに対する操作手段は、図1、図6に示すように、踏み込み操作されることで走行用ブレーキBを前記圧縮スプリング42によるブレーキ状態よりも強いブレーキ状態にするためのブレーキペダル45を有する。
このブレーキペダル45と走行用ブレーキBとの連係手段は、ブレーキペダル45の踏み込み作動により前記ブレーキアーム24をブレーキ位置に作動させるようにブレーキペダル45とブレーキアーム24とを連動させる連動ロッド46を設けて構成されている。
前記連動ロッド46は、ピン47を介してブレーキアーム24に係合連動しており、図7の(イ)(ロ)(ハ)に示すように、連動ロッド46のうちピン47と係合連動する孔48は、前記ブレーキペダル45がブレーキ解除の復帰位置に位置する状態での前記ワイヤ40を介する引っ張りによるブレーキアーム24のブレーキ解除位置からブレーキ位置への作動を許容する長孔に形成されている。
【0026】
前記ブレーキペダル45には、それを手動操作するための操作レバー49が付設されており、この操作レバー49は、ブレーキペダル45を踏み込み操作してブレーキを掛けた状態において保持部50に対して係脱自在で、係合することによりブレーキペダル45をブレーキ状態に保持するブレーキロック具を兼用している。
【0027】
前記作業クラッチ28は、図3に示すように、前記油圧シリンダ34と同様に前記圧油供給路30のうち切り換え弁31の上流側に接続されて、切り換え弁31が前進伝動状態及び後進伝動状態にあるとき圧油が供給されて伝動状態に切り換わり、切り換え弁31の中立状態への切り換えにより圧油を逃がされて非伝動状態に切り換わるようになっている。
なお、51は、前記切り換え弁31が中立状態にあるときにも、圧油供給路30内の油圧を設定値に維持して前記前進走行用クラッチ13・後進走行用クラッチ16・作業クラッチ28への潤滑油の供給を保証する最低圧保証用の弁であり、前記設定値は、前記前進走行用クラッチ13・後進走行用クラッチ16・作業クラッチ28・油圧シリンダ34を作動させることがない低圧である。
【0028】
〔別実施形態〕
上記実施の形態では、走行用クラッチCとして、前進走行用クラッチ13と後進走行用クラッチ16とを示したが、走行用クラッチCとしては、単に走行装置6への動力の伝達を断続するクラッチであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】ミッションケースの切り欠き側面図
【図2】伝動系統図
【図3】油圧回路図
【図4】ミッションケースの正面図
【図5】ミッションケースの油圧シリンダ部を示す断面図
【図6】ブレーキ操作系を示す側面図
【図7】ブレーキ作動説明図
【図8】走行クラッチに作用する圧油の立上り状態を示すグラフ
【符号の説明】
B 走行用ブレーキ
C 走行用クラッチ
6 走行装置
30 圧油供給路
31 切り換え弁
42 スプリング
43 油圧アクチュエータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンバインなどの作業車の走行伝動装置で、詳しくは、圧油供給に伴い伝動状態に可逆的に切り換わる油圧式の走行用クラッチを介して走行装置に動力を伝達するように構成し、前記走行用クラッチへの圧油供給路に走行用クラッチに圧油を供給する伝動状態と圧油を逃がす非伝動状態とに切り換え操作自在な切り換え弁を設けてある装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の作業車の走行伝動装置の一例であるコンバインの走行変速装置としては、実開平8‐20250号公報に見られるように、走行用クラッチとして、前進用クラッチと後進用クラッチとを設け、切り換え弁として、前進用クラッチに圧油を供給する前進伝動状態と、後進用クラッチに圧油を供給する後進伝動状態と、圧油を逃がす非伝動状態とに切り換え操作自在なものを設け、圧油供給に伴い伝動状態に可逆的に切り換わる油圧式の作業クラッチを介して刈取り装置に動力を伝達するように構成し、前記前進用クラッチ及び後進用クラッチへの圧油供給路のうち前記切り換え弁よりも上流側に前記作業クラッチを接続させた装置が知られている。
この装置は、切り換え弁が前進伝動状態や後進伝動状態に切り換え操作されて前進用クラッチや後進用クラッチが圧油供給により伝動状態に切り換わる際、作業クラッチにも圧油を供給させて、いわば、この作業クラッチをアキュムレータとしても機能させることで前進用クラッチや後進用クラッチに作用する油圧衝撃の緩和を図って前進用クラッチや後進用クラッチの前進伝動状態や後進伝動状態への切り換えを円滑に行えるようにしようとしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の技術によるときは、作業クラッチが伝動状態に切り換わる際に必要とする油量が非常に少ないから、切り換え弁を前進伝動状態や後進伝動状態に切り換え操作したとき、前進用クラッチや後進用クラッチへ供給される圧油が非常に短時間で所定値に立上り、十分に油圧衝撃を緩和することができなかった。
【0004】
本発明の目的は、切り換え弁を伝動状態に切り換えた際に走行クラッチに作用する油圧衝撃を十分に緩和できるようにする点にある。
【0005】
請求項1及び2に係る本発明の特徴及び作用並びに効果は次の通りである。
【課題を解決するための手段】
〔特徴〕
請求項1の発明の特徴は、圧油供給に伴い伝動状態に可逆的に切り換わる油圧式の走行用クラッチを介して走行装置に動力を伝達するように構成し、前記走行用クラッチへの圧油供給路に走行用クラッチに圧油を供給する伝動状態と圧油を逃がす非伝動状態とに切り換え操作自在な切り換え弁を設けてある作業車の走行伝動装置であって、前記走行用クラッチから走行装置への伝動径路に設けた走行用ブレーキを圧油供給に伴いブレーキ状態からブレーキ解除状態にスプリングによる付勢力に抗して切り換え操作する油圧アクチュエータを前記圧油供給路に接続して、前記切り換え弁を前記非伝動状態から伝動状態へ切り換えるに伴い前記スプリングを圧縮させて前記油圧アクチュエータに対して前記走行用クラッチに供給される圧油の一部を蓄積するように構成してある点にある。
【0006】
又、請求項2の発明の特徴は、前記圧油供給路に対して前記油圧アクチュエータと並列に油圧式の作業クラッチを接続して、前記切り換え弁が前進伝動状態または後進伝動状態にあるとき前記作業クラッチに圧油が供給されて刈取り前処理部が伝動状態に切り換わり、前記切り換え弁の中立状態への切り換えにより前記作業クラッチより圧油を逃がして刈取り前処理部が非伝動状態に切り換わるように構成してある点にある。
【0007】
〔作用〕
請求項1及び2の発明によるときは、油圧アクチュエータへの圧油供給により走行用ブレーキをブレーキ解除状態にし、油圧アクチュエータからの圧油の逃げによりスプリングの付勢力で走行用ブレーキをブレーキ状態にするのであって、走行時には、走行用クラッチを伝動状態に切り換えるとともに、走行用ブレーキをブレーキ解除状態にする点及び、油圧アクチュエータが油圧アクチュエータとして機能するには十分な作動油が必要である点に着目して、走行用クラッチへの圧油供給路に油圧アクチュエータを切り換え弁の伝動状態への切り換えに伴い圧油が供給されるように接続させて、切り換え弁を伝動状態に切り換えたときには、走行用クラッチと油圧アクチュエータとに圧油を分流供給するようにしてあるから、油圧アクチュエータが、走行用ブレーキを付勢力に抗してブレーキ解除状態にするアクチュエータとして機能するのみならず、走行用クラッチに供給される作動油の一部を蓄積して走行用クラッチに全部の作動油が急激に供給されることを防止するアキュムレータとして十分に機能する。
【0008】
しかも、走行用ブレーキを付勢力でブレーキ状態にする手段としては、エンジンを停止して油圧ポンプを停止することで油圧アクチュエータから圧油を逃がす手段もあるが、これによるときは、エンジンを停止しなければ走行用ブレーキがブレーキ状態とならない。
これに対して、本発明によるときは、切り換え弁の非伝動状態への切り換えに伴い油圧アクチュエータから圧油を逃がすようにしてあるから、エンジンを停止しなくても、走行を停止することで走行用ブレーキをブレーキ状態にすることができる。
【0009】
〔効果〕
従って、本発明によれば、切り換え弁を伝動状態に切り換えて走行用クラッチを伝動状態に切り換える際の油圧衝撃を十分に緩和できて、走行用クラッチの伝動状態への切り換えを非常に円滑に行わせることができる一方、切り換え弁を非伝動状態に切り換えて走行用クラッチを非伝動状態に切り換えることにより走行を停止する際には、エンジンを作動させたままであっても、油圧アクチュエータから圧油を逃がしてスプリングの付勢力で走行用ブレーキをブレーキ状態に切り換えて坂道など傾斜地での停止を確実に行うことができ、かつ、切り換え弁を伝動状態に切り換えての走行時には走行用ブレーキをブレーキ解除状態に切り換えてその走行を良好に行わせることができるようになった。
【0010】
【発明の実施の形態】
作業車の一例であるコンバインの走行伝動装置は、図2に示すように、テンションクラッチ(図示せず)を備えたベルト伝動装置1を介してエンジン2からの動力をベルト式無段変速装置3の入力プーリ4に伝達し、このベルト式無段変速装置3の出力動力をミッションケース5内の伝動機構を介して左右一対のクローラ走行装置6に伝達するように構成されている。
【0011】
前記伝動機構は、前記ベルト式無段変速装置3の出力軸7と一体回転するようにその出力軸7にスプラインを介して連動する入力軸8と、その入力軸8に第1ギア9及び第2ギア10を介して連動する中間軸11と、前記第2ギア10に噛み合い連動する第3ギア12及び油圧式の前進走行用クラッチ13を介して中間軸11に連動する前進用伝動軸14と、前記第3ギア12に噛み合い連動する第4ギア15及び油圧式の後進走行用クラッチ16を介して中間軸11に連動する後進用伝動軸17と、前記前進用伝動軸14及び後進用伝動軸17にギア連動するギア式の副変速装置18と、前記クローラ走行装置6の左右の車軸19のそれぞれを副変速装置18に各別に連動させる左右一対の操向用のクラッチ・ブレーキ20とを設けて構成されている。
【0012】
前記第3ギア12は前進用伝動軸14に回転自在に保持されており、前記第4ギア15は後進用伝動軸17に回転自在に保持されている。
【0013】
前記前進走行用クラッチ13は、圧油供給に伴い第3ギア12に前進用伝動軸14を連動させる伝動状態に切り換わり、圧油の逃げに伴い第3ギア12に前進用伝動軸14を連動させない非伝動状態に切り換わるものであり、前記後進走行用クラッチ16は、圧油供給に伴い第4ギア15に後進用伝動軸17を連動させる伝動状態に切り換わり、圧油の逃げに伴い第4ギア15に後進用伝動軸17を連動させない非伝動状態に切り換わるものであって、これらが、特許請求の範囲でいう走行用クラッチCである。
【0014】
前記クラッチ・ブレーキ20は、図3にも示すように、クラッチ部20Aとブレーキ部20Bとからなり、シフター21を介するスプリング22に抗した一連のシフト操作により、クラッチ部20Aを伝動状態にさせるとともに、ブレーキ部20Bをブレーキ解除状態にさせた伝動モードと、クラッチ部20Aを非伝動状態にさせるとともに、ブレーキ部20Bをブレーキ解除状態にさせた非伝動モードと、クラッチ部20Aを非伝動状態にさせるとともに、ブレーキ部20Bをブレーキ状態にさせたブレーキモードとに切り換え可能なものである。
【0015】
従って、
前進走行用クラッチ13を伝動状態に切り換えるとともに、左右のクラッチ・ブレーキ20をともに伝動モードに切り換えることにより、入力軸8からの動力を前進用の動力として両クローラ走行装置6に伝達することで前進直進走行を行い、
後進走行用クラッチ16を伝動状態に切り換えるとともに、左右のクラッチ・ブレーキ20をともに伝動モードに切り換えることにより、入力軸8からの動力を後進用の動力として両クローラ走行装置6に伝達することで後進直進走行を行い、
前進走行用クラッチ13を伝動状態に切り換えるとともに、左右のクラッチ・ブレーキ20の一方を伝動モードに、かつ、他方を非伝動モードにそれぞれ切り換えることにより、入力軸8からの動力を前進用の動力として一方のクローラ走行装置6にのみ伝達することで他方を旋回内側とする前進緩旋回を行い、
後進走行用クラッチ16を伝動状態に切り換えるとともに、左右のクラッチ・ブレーキ20の一方を伝動モードに、かつ、他方を非伝動モードにそれぞれ切り換えることにより、入力軸8からの動力を後進用の動力として一方のクローラ走行装置6にのみ伝達することで他方を旋回内側とする後進緩旋回を行い、
前進走行用クラッチ13を伝動状態に切り換えるとともに、左右のクラッチ・ブレーキ20の一方を伝動モードに、かつ、他方をブレーキモードにそれぞれ切り換えることにより、入力軸8からの動力を前進用の動力として一方のクローラ走行装置6にのみ伝達するとともに、他方のクローラ走行装置6にブレーキを掛けることで他方を旋回内側とする前進急旋回を行い、
後進走行用クラッチ16を伝動状態に切り換えるとともに、左右のクラッチ・ブレーキ20の一方を伝動モードに、かつ、他方をブレーキモードにそれぞれ切り換えることにより、入力軸8からの動力を後進用の動力として一方のクローラ走行装置6にのみ伝達するとともに、他方のクローラ走行装置6にブレーキを掛けることで他方を旋回内側とする前進急旋回を行う
ようになっている。
【0016】
かつ、一方のクラッチ・ブレーキ20には、カム23を介してブレーキ部20Bをブレーキ状態とブレーキ解除状態とに切り換えるブレーキアーム24が設けられている。
【0017】
そして、前記左右の両クラッチ・ブレーキ20を伝動モードに切り換えた状態で一方のクラッチ・ブレーキ20におけるブレーキ部20Bをブレーキ状態に切り換えることにより、左右のクローラ走行装置6にブレーキを掛けるようになっている。つまり、ブレーキアーム24の操作でブレーキ状態とブレーキ解除状態とに切り換えられるブレーキ部20Bが走行用ブレーキBとなっている。
【0018】
かつ、前記ミッションケース5の上部には、コンバインの機体前部の刈取り前処理部(図示せず)に動力をベルト伝動を介して伝達するための刈取り用出力軸25が配置されており、この刈取り用出力軸25には、前記中間軸11に一体回転する状態に取り付けた第5ギア26と、これに噛み合い連動する状態で刈取り用出力軸25に回転自在に保持させた第6ギア27と、油圧式の作業クラッチ28を介して入力動力を伝達するように構成されている。
【0019】
前記前進走行用クラッチ13及び後進走行用クラッチ16に対する操作手段は、図3に示すように、油圧ポンプ29から前進走行用クラッチ13及び後進走行用クラッチ16への圧油供給路30に、前進走行用クラッチ13にのみ圧油を供給する前進伝動状態と、後進走行用クラッチ16にのみ圧油を供給する後進伝動状態と、圧油を逃がす中立状態とに切り換え自在な切り換え弁31を設け、その切り換え弁31を切り換え操作するための前後進切り換え操作レバー32を設けて、前後進切り換え操作レバー32を前進位置Fに操作することにより切り換え弁31を前進伝動状態に切り換え、後進位置Rに操作することにより切り換え弁32を後進伝動状態に切り換え、中立位置Nに操作することにより切り換え弁32を中立状態に切り換えるように構成されている。
【0020】
前記クラッチ・ブレーキ20に対する操作手段は、図3、図4に示すように、圧油供給に伴い復帰スプリング33の付勢力に抗して伸長することにより、前記シフター21を伝動モード位置・非伝動モード位置・ブレーキモード位置とにその記載順に作動させるとともに、圧油の逃げに伴い付勢力で短縮することにより、前記シフター21をブレーキモード位置・非伝動モード位置・伝動モード位置とその記載順に作動させる油圧シリンダ34を設け、前記圧油供給路30から分流弁35を介して取り出した余剰流を前記油圧シリンダ34に作動油として供給するための取り出し油路36を設け、直進位置Sと左緩旋回位置L1と左急旋回位置L2と右緩旋回位置R1と右急旋回位置R2とに操作自在な操向レバー37を設け、この操向レバー37の操作位置に応じて油圧シリンダ34を制御するように操向レバー37に連動する制御弁38と、前記操向レバー37の操作位置に応じて油圧シリンダ34に供給する圧油の圧力を調整するように操向レバー37に連動する圧力調整弁39を設けて構成されている。
【0021】
前記制御弁38は、操向レバー37が直進位置Sに位置するとき、左右の両シフター21がともに伝動モード位置に位置するように圧油を逃がして左右の両油圧シリンダ34を短縮作動させる直進状態と、操向レバー37が左緩旋回位置L1及び左急旋回位置L2に位置するとき、左側のクラッチ・ブレーキ20に対応する油圧シリンダ34が伸長作動するように圧油を供給する左旋回状態と、操向レバー37が右緩旋回位置R1及び右急旋回位置R2に位置するとき、右側のクラッチ・ブレーキ20に対応する油圧シリンダ34が伸長作動するように圧油を供給する右旋回状態とに切り換わるものである。
【0022】
前記圧力調整弁39は、前記操向レバー37が左緩旋回位置L1及び右緩旋回位置R1に位置するとき、油圧シリンダ34が復帰スプリング33及びスプリング22の付勢力に抗してシフター21を非制動モード位置に位置させる伸縮状態となるように油圧シリンダ34に供給する圧油の圧力に調整し、前記操向レバー37が左急旋回位置L2及び右急旋回位置R2に位置するとき、油圧シリンダ34が復帰スプリング33及びスプリング22の付勢力に抗してシフター21をブレーキモード位置に位置させる伸長状態となるように油圧シリンダ34に供給する圧油の圧力に調整するものである。
【0023】
前記走行用ブレーキBに対する操作手段は、図1、図3〜6に示すように、走行用ブレーキBのブレーキアーム24をワイヤ40を介してブレーキ位置に引っ張り作動させる圧縮スプリング42を設け、圧油供給に伴い圧縮スプリング42を短縮させて引っ張り力を解除するように伸長するとともに、圧油の逃げに伴い圧縮スプリング42の弾性復帰を許容する油圧シリンダ43(油圧アクチュエータの一例)を、前記圧油供給路30のうち切り換え弁31よりも上流側の部分に接続する状態に設け、前記引っ張り力の解除状態において前記ブレーキアーム24をブレーキ解除位置に作動させる戻しバネ44を設けて構成されている。
すなわち、切り換え弁31の前進伝動状態及び後進伝動状態への切り換えにより油圧シリンダ43に圧油を供給して、走行用ブレーキBをブレーキ解除状態にし、切り換え弁31の中立状態への切り換えにより油圧シリンダ43内の圧油を逃がして圧縮スプリング42を伸長状態に弾性復帰させることで走行用ブレーキBをブレーキ状態にするように構成されている。
【0024】
従って、上記の構成によれば、切り換え弁31の前進伝動状態及び後進伝動状態によって、油圧シリンダ43に圧油が分流供給されるから、この油圧シリンダ43がアキュムレータとして作用することにより、図8に示すように、前進走行用クラッチ13及び後進走行用クラッチ16に作用する油圧衝撃を緩和して、前進走行用クラッチ13及び後進走行用クラッチ16に供給される圧油の立上りを緩いものにできる。
【0025】
かつ、走行用ブレーキBに対する操作手段は、図1、図6に示すように、踏み込み操作されることで走行用ブレーキBを前記圧縮スプリング42によるブレーキ状態よりも強いブレーキ状態にするためのブレーキペダル45を有する。
このブレーキペダル45と走行用ブレーキBとの連係手段は、ブレーキペダル45の踏み込み作動により前記ブレーキアーム24をブレーキ位置に作動させるようにブレーキペダル45とブレーキアーム24とを連動させる連動ロッド46を設けて構成されている。
前記連動ロッド46は、ピン47を介してブレーキアーム24に係合連動しており、図7の(イ)(ロ)(ハ)に示すように、連動ロッド46のうちピン47と係合連動する孔48は、前記ブレーキペダル45がブレーキ解除の復帰位置に位置する状態での前記ワイヤ40を介する引っ張りによるブレーキアーム24のブレーキ解除位置からブレーキ位置への作動を許容する長孔に形成されている。
【0026】
前記ブレーキペダル45には、それを手動操作するための操作レバー49が付設されており、この操作レバー49は、ブレーキペダル45を踏み込み操作してブレーキを掛けた状態において保持部50に対して係脱自在で、係合することによりブレーキペダル45をブレーキ状態に保持するブレーキロック具を兼用している。
【0027】
前記作業クラッチ28は、図3に示すように、前記油圧シリンダ34と同様に前記圧油供給路30のうち切り換え弁31の上流側に接続されて、切り換え弁31が前進伝動状態及び後進伝動状態にあるとき圧油が供給されて伝動状態に切り換わり、切り換え弁31の中立状態への切り換えにより圧油を逃がされて非伝動状態に切り換わるようになっている。
なお、51は、前記切り換え弁31が中立状態にあるときにも、圧油供給路30内の油圧を設定値に維持して前記前進走行用クラッチ13・後進走行用クラッチ16・作業クラッチ28への潤滑油の供給を保証する最低圧保証用の弁であり、前記設定値は、前記前進走行用クラッチ13・後進走行用クラッチ16・作業クラッチ28・油圧シリンダ34を作動させることがない低圧である。
【0028】
〔別実施形態〕
上記実施の形態では、走行用クラッチCとして、前進走行用クラッチ13と後進走行用クラッチ16とを示したが、走行用クラッチCとしては、単に走行装置6への動力の伝達を断続するクラッチであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】ミッションケースの切り欠き側面図
【図2】伝動系統図
【図3】油圧回路図
【図4】ミッションケースの正面図
【図5】ミッションケースの油圧シリンダ部を示す断面図
【図6】ブレーキ操作系を示す側面図
【図7】ブレーキ作動説明図
【図8】走行クラッチに作用する圧油の立上り状態を示すグラフ
【符号の説明】
B 走行用ブレーキ
C 走行用クラッチ
6 走行装置
30 圧油供給路
31 切り換え弁
42 スプリング
43 油圧アクチュエータ
Claims (2)
- 圧油供給に伴い伝動状態に可逆的に切り換わる油圧式の走行用クラッチ(C)を介して走行装置(6)に動力を伝達するように構成し、前記走行用クラッチ(C)への圧油供給路(30)に走行用クラッチ(C)に圧油を供給する伝動状態と圧油を逃がす非伝動状態とに切り換え操作自在な切り換え弁(31)を設けてある作業車の走行伝動装置であって、前記走行用クラッチ(C)から走行装置(6)への伝動径路に設けた走行用ブレーキ(B)を圧油供給に伴いブレーキ状態からブレーキ解除状態にスプリング(42)による付勢力に抗して切り換え操作する油圧アクチュエータ(43)を前記圧油供給路(30)に接続して、前記切り換え弁(31)を前記非伝動状態から伝動状態へ切り換えるに伴い前記スプリング(42)を圧縮させて前記油圧アクチュエータ(43)に対して前記走行用クラッチ(C)に供給される圧油の一部を蓄積するように構成してある作業車の走行伝動装置。
- 前記圧油供給路(30)に対して前記油圧アクチュエータ(43)と並列に油圧式の作業クラッチ(28)を接続して、前記切り換え弁(31)が前進伝動状態または後進伝動状態にあるとき前記作業クラッチ(28)に圧油が供給されて刈取り前処理部が伝動状態に切り換わり、前記切り換え弁(31)の中立状態への切り換えにより前記作業クラッチ(28)より圧油を逃がして刈取り前処理部が非伝動状態に切り換わるように構成してある請求項1に記載の作業車の走行伝動装置。
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-
1996
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