JP3542105B2 - 作業機の操向操作装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、左右の後輪を各々独立に制動する左右のサイドブレーキを設け、これら左右のサイドブレーキを各々独立に制動操作する左右のブレーキペダルと、前記左右のサイドブレーキを各々独立に制動解除位置に作動付勢する左右の復帰バネとを設け、前輪の左右への操向量が設定以上になったとき、前記サイドブレーキのうち旋回内側のものを制動作動させる左右の油圧シリンダを設けてあるトラクタなど作業機の操向操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の作業機の操向操作装置では、特開平10‐81255号公報で見られるように、各ブレーキペダルに対応するサイドブレーキを連動させる操作系に、油圧シリンダを組み込み連結して、油圧シリンダの作動により操作系を作動させてサイドブレーキを制動作動させるようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の技術によるときは、油圧シリンダを操作系に組み込み連結しなければならないので、組付けに手数を要し、組付け作業性に欠けていた。
【0004】
本発明の目的は、油圧シリンダの設置作業性を向上する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本第1発明の特徴、作用、効果は次の通りである。
【0006】
〔特徴〕
左右の後輪を各々独立に制動する左右のサイドブレーキを設け、これら左右のサイドブレーキを各々独立に制動操作する左右のブレーキペダルと、前記左右のサイドブレーキを各々独立に制動解除位置に作動付勢する左右の復帰バネとを設け、前輪の左右への操向量が設定以上になったとき、前記サイドブレーキのうち旋回内側のものを制動作動させる左右の油圧シリンダを設けてある作業機の操向操作装置であって、前記左右の油圧シリンダを同一のブロック体に設けるとともに、前記油圧シリンダのうち一方のものを、圧油供給に伴い作動することにより対応するサイドブレーキの作動レバーに接当して制動側に作動させる状態に設けてある点にある。
【0007】
〔作用〕
本第1発明によるときは、圧油供給に伴い油圧シリンダを作動させることで対応するサイドブレーキの作動レバーに接当させてその作動レバーを制動側に作動するようにしてあるから、油圧シリンダをサイドブレーキの操作系に連結する必要がない。
【0008】
〔効果〕
従って、本第1発明によれば、油圧シリンダの設置を作業性良く行えるようになった。
【0009】
請求項2に係る本第2発明の特徴、作用、効果は次の通りである。
【0010】
〔特徴〕
左右の後輪を各々独立に制動する左右のサイドブレーキを設け、これら左右のサイドブレーキを各々独立に制動操作する左右のブレーキペダルと、前記左右のサイドブレーキを各々独立に制動解除位置に作動付勢する左右の復帰バネとを設け、前輪の左右への操向量が設定以上になったとき、前記サイドブレーキのうち旋回内側のものを制動作動させる左右の油圧シリンダを設けてある作業機の操向操作装置であって、前記油圧シリンダのうち一方のものを、圧油供給に伴い作動することにより対応するサイドブレーキの作動レバーに接当して制動側に作動させる状態に設け、他方の油圧シリンダを、圧油供給に伴いワイヤを介して対応する作動レバーを制動側に作動させる状態に設けてある点にある。
【0011】
〔作用〕
本第2発明によるときは、一方の油圧シリンダにより操作される作動レバーとは左右反対側に位置する他方の作動レバーを他方の油圧シリンダで操作するに、他方の油圧シリンダと他方の作動レバーとをワイヤを介して連係させて、他方の油圧シリンダの圧油供給に伴う作動で作動レバーを制動側に作動させるようにしてあるから、他方の油圧シリンダで他方の作動レバーを制動側に操作するようにしながらも、他方の油圧シリンダを一方の油圧シリンダと左右同一側に設置することができ、両油圧シリンダを纏めることができる。
【0012】
〔効果〕
従って、本第2発明によれば、両油圧シリンダを纏めることができることにより、両油圧シリンダに対するメンテナンスを作業性良く行えるようになった。
【0013】
請求項3に係る本第3発明の特徴、作用、効果は次の通りである。
【0014】
〔特徴〕
上記本第1発明や本第2発明の特徴において、油圧シリンダとして、排油に伴い復帰バネの弾性力で制動解除位置にピストンが復帰作動するものを設けてある点にある。
【0015】
〔作用〕
本第3発明によるときは、左右の油圧シリンダのピストンが排油に伴い復帰バネの弾性力で制動解除位置に復帰作動するあるから、左右のピストンが常に同じ量復帰作動してピストンが常に同じ制動解除位置に復帰する。その結果、油圧シリンダが制動側に作動したとき、作動レバーが制動側に常に同じ量だけ作動して、左右のサイドブレーキの制動力を同じにできる。
【0016】
〔効果〕
従って、本第3発明によれば、左右のサイドブレーキの制動力が同じになることにより、サイドブレーキを制動させての左右への操向性を同じにできるようになった。
【0017】
請求項4に係る本第4発明の特徴、作用、効果は次の通りである。
【0018】
〔特徴〕
上記本第1発明や本第2発明、本第3発明の特徴において、両油圧シリンダによるサイドブレーキに対する制動操作タイミングを同じにするためのタイミング調整手段を設けてある点にある。
【0019】
〔作用〕
本第4発明によるときは、タイミング調整手段を設けて、両油圧シリンダによるサイドブレーキに対する制動操作タイミングを同じにしてあるから、左の油圧シリンダを作動させることで左のサイドブレーキを制動作動させての左旋回時の旋回特性と、右の油圧シリンダを作動させることで右のサイドブレーキを制動作動させての右旋回時の旋回特性とをタイミング面において同じにできる。
【0020】
〔効果〕
従って、本第4発明によれば、サイドブレーキを制動作動させての左旋回と右旋回とを同じように行えるようになった。
【0021】
請求項5に係る本第5発明、及び、請求項6に係る本第6発明、夫々の特徴、作用、効果は次の通りである。
【0022】
〔特徴〕
請求項5に係る発明は、上記本第1発明や本第2発明、本第3発明、本第4発明の特徴において、前輪の周速度を後輪の周速度よりも大きくする増速状態と前輪の周速度を後輪の周速度と略同一にする標準状態とに切り換え自在な前輪変速装置を設け、この前輪変速装置を切り換える前輪変速油圧シリンダを設け、この前輪変速油圧シリンダの増速作動端での作動に抵抗を付与する緩衝手段を設けてあり、
請求項6に係る発明は、上記本第1発明や本第2発明の特徴において、前記左右の油圧シリンダの伸縮動作方向を異なる方向となるように設定してある点にある。
【0023】
〔作用〕
本第5発明によるときは、増速状態と標準状態とに切り換え自在な前輪変速装置を設けてあるから、旋回時、前輪変速装置を増速状態に切り換えることにより、前輪の周速度を後輪の周速度よりも大きくして、旋回半径を小さくすることができる。
【0024】
しかも、緩衝手段を設けて、前輪変速装置を切り換える前輪変速油圧シリンダの増速作動端での作動に抵抗を付与するようにしてあるから、前輪変速装置を増速状態に切り換える際、前輪変速油圧シリンダが増速作動端にまで急激に作動することを防止して、前輪変速装置が増速状態に急激に切り換わることを防止でき、その結果、急激に小回り旋回に移行することを防止することができる。
【0025】
〔効果〕
従って、本第5発明によれば、小回り旋回に円滑に移行することができるようになった。
【0026】
【発明の実施の形態】
作業機の一例であるトラクタは、図1に示すように、左右一対の操向用の前輪1と左右一対の駆動用の後輪2とを備えた機体に、エンジン3と搭乗運転部4とを搭載して構成されている。
【0027】
前記搭乗運転部4は、前輪1を操向操作するためのステアリングハンドル5と座席6とを備えている。
【0028】
前記エンジン3から走行装置への伝動系は、図2に示すように、エンジン3の出力が主クラッチ7を介して伝達される走行変速装置8を設け、この走行変速装置8の出力を左右の後輪2に伝達する後輪デフ9と、走行変速装置8の出力を前輪デフ10に伝達する前輪変速装置11を設けて構成されている。
前記走行変速装置8は、機体後部に配置して機体後部を構成するミッションケースMに内装されている。
【0029】
前記走行変速装置8は、主変速装置12と変速用クラッチ13と前後進切り換え装置14と副変速装置15とから構成されている。
【0030】
前記主変速装置12は、主クラッチ7の出力軸7sに連動する主変速入力軸16に第1ギヤ17aと第2ギヤ17bと第3ギヤ17cと第4ギヤ17dとを一体回転状態に装着し、主変速出力軸18に、第1ギヤ17aに噛み合い連動する第1従動ギヤ19aと第2ギヤ17bに噛み合い連動する第2従動ギヤ19bと第3ギヤ17cに噛み合い連動する第3従動ギヤ19cと第4ギヤ17dに噛み合い連動する第4従動ギヤ19dとを回転自在に装着し、第1従動ギヤ19aを主変速出力軸18に連動させる第1速位置と第2従動ギヤ19bを主変速出力軸18に連動させる第2速位置と両者を主変速出力軸18に連動させない中立位置とに切り換え自在な第1シフトギヤ20を設け、第3従動ギヤ19cを主変速出力軸18に連動させる第3速位置と第4従動ギヤ19dを主変速出力軸18に連動させる第4速位置と両者を主変速出力軸18に連動させない中立位置とに切り換え自在な第2シフトギヤ21を設けて構成されている。
すなわち、第2シフトギヤ21を中立位置に位置させた状態で第1シフトギヤ20を第1速位置にシフトさせることにより、第1ギヤ17a→第1従動ギヤ19a→第1シフトギヤ20とその順に主変速入力軸16の動力を主変速出力軸18に低速伝達する第1速状態を現出し、第2シフトギヤ21を中立位置に位置させた状態で第1シフトギヤ20を第2速位置にシフトさせることにより、第2ギヤ17b→第2従動ギヤ19b→第1シフトギヤ20とその順に主変速入力軸16の動力を主変速出力軸18に第1速状態よりも高速で伝達する第2速状態を現出し、第1シフトギヤ20を中立位置に位置させた状態で第2シフトギヤ21を第3速位置にシフトさせることにより、第3ギヤ17c→第3従動ギヤ19c→第2シフトギヤ21とその順に主変速入力軸16の動力を主変速出力軸18に第2速状態よりも高速で伝達する第3速状態を現出し、第1シフトギヤ20を中立位置に位置させた状態で第2シフトギヤ21を第4速位置にシフトさせることにより、第4ギヤ17d→第4従動ギヤ19d→第2シフトギヤ21とその順に主変速入力軸16の動力を主変速出力軸18に第3速状態よりも高速で伝達する第4速状態を現出し、第1シフトギヤ20及び第2シフトギヤ21をともに中立位置にシフトさせることにより、伝動を行わない中立状態を現出するように構成されている。
【0031】
前記変速用クラッチ13は、圧油供給により伝動を行うクラッチ入り状態に切り換わり、排油により伝動を断つクラッチ切り状態に切り換わる油圧クラッチである。
【0032】
前記前後進切り換え装置14は、変速用クラッチ13に連動する入力軸22に、高速前進ギヤ23aを回転自在に装着した中間伝動体24と低速前進ギヤ23bと後進ギヤ23cとを回転自在に装着し、出力軸25に、高速前進ギヤ23aに噛み合い連動する高速従動ギヤ26aと低速前進ギヤ23bに噛み合い連動する低速従動ギヤ26bと後進ギヤ23cにアイドラー27を介して噛み合い連動する後進従動ギヤ26cとを一体回転状態に装着し、中間伝動体24に高速前進ギヤ23aを連動させる高速位置と中間伝動体24に低速前進ギヤ23bを連動させる低速位置とにシフト自在な高低シフトギヤ28を設け、入力軸22に中間伝動体24を連動させる前進位置と入力軸22に後進ギヤ23cを連動させる後進位置と両者を連動させない中立位置とにシフト自在な前後進シフトギヤ29を設けて構成されている。
すなわち、前後進シフトギヤ29を前進位置にシフトした状態で高低シフトギヤ28を高速位置にシフトすることにより、前後進シフトギヤ29→中間伝動体24→高低シフトギヤ28→高速前進ギヤ23a→高速従動ギヤ26aとその順に入力軸22の動力を出力軸25に高速正転伝動する高速前進伝動状態を現出し、前後進シフトギヤ29を前進位置にシフトした状態で高低シフトギヤ28を低速位置にシフトすることにより、前後進シフトギヤ29→中間伝動体24→高低シフトギヤ28→低速前進ギヤ23b→低速従動ギヤ26bとその順に入力軸22の動力を出力軸25に低速正転伝動する低速前進伝動状態を現出し、前後進シフトギヤ29を後進位置にシフトすることにより、前後進シフトギヤ29→後進ギヤ23c→アイドラー27→後進従動ギヤ26cをその順に入力軸22の動力を出力軸25に逆転伝動する後進伝動状態を現出し、前後進シフトギヤ29を中立位置にシフトすることにより伝動を断つ中立状態を現出するように構成されている。
【0033】
前記副変速装置15は、前後進切り換え装置14の出力軸25に連動する副変速入力軸30に、低速伝動ギヤ31aと高速伝動ギヤ31bとオーバードライブ伝動ギヤ31cとを回転自在に装着し、後輪デフ9に連動する、つまり、走行変速装置8の出力軸となる副変速出力軸32に、低速伝動ギヤ31aに噛み合い連動する低速従動ギヤ部33aと高速伝動ギヤ31bに噛み合い連動する高速従動ギヤ部33bと超減速用第1伝動ギヤ部33cとを備えた回転体33を回転自在に装着するとともに、オーバードライブ伝動ギヤ31cに噛み合い連動するオーバードライブ従動ギヤ34を一体回転状態に装着し、かつ、超減速用第2従動ギヤ35を回転自在に装着し、中間伝動軸36に、超減速用第1伝動ギヤ部33cに噛み合い連動する超減速用第1従動ギヤ37と超減速用第2従動ギヤ35に噛み合い連動する超減速用第2伝動ギヤ38とを一体回転状態に装着し、副変速入力軸30に低速伝動ギヤ31aを連動させる低速位置と副変速入力軸30に高速伝動ギヤ31bを連動させる高速位置と両者を連動させない中立位置とにシフト自在なシフトギヤ39を設け、副変速入力軸30にオーバードライブ伝動ギヤ31cを連動させるオーバードライブ位置と連動させない中立位置とにシフト自在なオーバードライブシフトギヤ40を設け、副変速出力軸32に回転体33を連動させる通常変速位置と副変速出力軸32に超減速用第2従動ギヤ35を連動させる超減速位置と両者を連動させない中立位置とにシフト自在な超減速シフトギヤ41を設けて構成されている。
すなわち、オーバードライブシフトギヤ40を中立位置にシフトし、かつ、超減速シフトギヤ41を通常変速位置にシフトした状態でシフトギヤ39を低速位置にシフトすることにより、シフトギヤ39→低速伝動ギヤ31a→回転体33→超減速シフトギヤ41とその順に副変速入力軸30の動力を副変速出力軸32に低速伝達する低速伝動状態を現出し、オーバードライブシフトギヤ40を中立位置にシフトし、かつ、超減速シフトギヤ41を通常変速位置にシフトした状態でシフトギヤ39を高速位置にシフトすることにより、シフトギヤ39→高速伝動ギヤ31b→回転体33→超減速シフトギヤ41とその順に副変速入力軸30の動力を副変速出力軸32に高速伝達する高速伝動状態を現出し、オーバードライブシフトギヤ40を中立位置にシフトし、かつ、超減速シフトギヤ41を超減速位置にシフトした状態でシフトギヤ39を低速位置又は高速位置にシフトすることにより、シフトギヤ39→低速伝動ギヤ31a又は高速伝動ギヤ31b→回転体33→超減速用第1従動ギヤ37→超減速用第2伝動ギヤ38→超減速用第2従動ギヤ35→超減速シフトギヤ41とその順に副変速入力軸30の動力を副変速出力軸32に超減速伝達する超減速伝動状態を現出し、シフトギヤ39を中立位置にシフトした状態でオーバードライブシフトギヤ40をオーバードライブ位置にシフトすることにより、オーバードライブシフトギヤ40→オーバードライブ伝動ギヤ31c→オーバードライブ従動ギヤ34とその順に副変速入力軸30の動力を副変速出力軸32にオーバードライブ伝達するオーバードライブ伝動状態を現出し、シフトギヤ39及びオーバードライブシフトギヤ40を中立位置にシフトすることにより副変速入力軸30から副変速出力軸32への伝動を断つように構成されている。
【0034】
前記前輪変速装置11は、前輪1の周速度を後輪2の周速度よりも大きくする増速状態と前輪1の周速度を後輪2の周速度と略同一にする標準状態と前輪1への動力伝達を断つ中立状態とに切り換え自在な装置であって、具体的には、副変速出力軸32にギヤ連動する前輪変速入力軸42に、増速伝動ギヤ43と標準伝動ギヤ44とを一体回転状態に装着し、前輪変速出力軸45に、増速伝動ギヤ43に噛み合い連動する増速従動ギヤ46と標準伝動ギヤ44に噛み合い連動する標準従動ギヤ47とを回転自在に装着し、前記前輪変速出力軸45と増速従動ギヤ46との間に摩擦式の増速クラッチ48を介装し、増速クラッチ48を伝動状態に入り作動させるクラッチ入り増速位置と、標準従動ギヤ47に連動する標準位置と、増速クラッチ48を非伝動状態に切り作動させるとともに標準従動ギヤ47への連動を断つ中立位置とにシフト自在なシフト体49を前輪変速出力軸45と一体回転する状態に設けて構成されている。
すなわち、シフト体49をクラッチ入り増速位置にシフトすることにより、増速伝動ギヤ43→増速従動ギヤ46→増速クラッチ48とその順に前輪変速入力軸42の動力を前輪変速出力軸45に増速伝達する増速状態を現出し、シフト体49を標準位置にシフトすることにより、標準伝動ギヤ44→標準従動ギヤ47→シフト体49とその順に前輪変速入力軸42の動力を前輪変速出力軸45に標準伝達する標準状態を現出し、シフト体49を中立位置にシフトすることにより、前輪変速入力軸42から前輪変速出力軸45への伝動を断つ、つまり、前輪1への伝動を断つ中立状態を現出するように構成されている。
【0035】
そして、この走行変速装置8の操作装置では、図10にも示すように、第1シフトギヤ20を第1速位置と第2速位置と中立位置とに切り換え操作する3位置切り換え式の第1シフト油圧シリンダ50を設け、第2シフトギヤ21を第3速位置と第4速位置と中立位置とに切り換え操作する3位置切り換え式の第2シフト油圧シリンダ51を設け、シフトギヤ39を低速位置と高速位置と中立位置とに切り換え操作する3位置切り換え式の第3シフト油圧シリンダ52を設け、高低シフトギヤ28を高速位置と低速位置とに切り換え操作する2位置切り換え式の第4シフト油圧シリンダ53を設け、変速レバー54の操作位置を検出するポテンショメータ利用の変速位置センサ55を設け、高低切り換えスイッチ56を設け、前後進シフトギヤ29を操作する前後進レバー57を設け、前記第1シフト油圧シリンダ50を制御する第1制御バルブV1対と、第2シフト油圧シリンダ51を制御する第2制御バルブV2対と、第3シフト油圧シリンダ52を制御する第3制御バルブV3対と、第4シフト油圧シリンダ53を制御する第4制御バルブV4とを設け、前記変速位置センサ55及び高低切り換えスイッチ56の検出結果に基づいて、第1制御バルブV1、第2制御バルブV2、第3制御バルブV3、第4制御バルブV4を制御するマイクロプロセッサー利用の制御装置58を設けてある。
【0036】
前記制御装置58は、次の〈1〉〜〈10〉の制御を行う。
〈1〉変速レバー54が駐車位置P又は中立位置Nにあると、第1シフトギヤ20を中立位置に位置させる状態に第1シフト油圧シリンダ50が作動するように第1制御バルブV1を制御するとともに、第2シフトギヤ21を中立位置に位置させる状態に第2シフト油圧シリンダ51が作動するように第2制御バルブV2を制御し、かつ、シフトギヤ39を中立位置に位置させる状態に第3シフト油圧シリンダ52が作動するように第3制御バルブV3を制御する。
〈2〉変速レバー54が第1速位置にあると、第1シフトギヤ20を第1速位置に位置させる状態に第1シフト油圧シリンダ50が作動するように第1制御バルブV1を制御するとともに、第2シフトギヤ21が中立位置に位置させる状態に第2シフト油圧シリンダ51が作動するように第2制御バルブV2を制御し、かつ、シフトギヤ39を低速位置に位置させる状態に第3シフト油圧シリンダ52が作動するように第3制御バルブV3を制御する。
〈3〉変速レバー54が第2速位置にあると、第1シフトギヤ21を第2速位置に位置させる状態に第1シフト油圧シリンダ50が作動するように第1制御バルブV1を制御するとともに、第2シフトギヤ21を中立位置に位置させる状態に第2シフト油圧シリンダ51が作動するように第2制御バルブV2を制御し、かつ、シフトギヤ39を低速位置に位置させる状態に第3シフト油圧シリンダ52が作動するように第3制御バルブV3を制御する。
〈4〉変速レバー54が第3速位置にあると、第1シフトギヤ20を中立位置に位置させる状態に第1シフト油圧シリンダ50が作動するように第1制御バルブV1を制御するとともに、第2シフトギヤ21を第3速位置に位置させる状態に第2シフト油圧シリンダ51が作動するように第2制御バルブV2を制御し、かつ、シフトギヤ39を低速位置に位置させる状態に第3シフト油圧シリンダ52が作動するように第3制御バルブV3を制御する。
〈5〉変速レバー54が第4速位置にあると、第1シフトギヤ20を中立位置に位置させる状態に第1シフト油圧シリンダ50が作動するように第1制御バルブV1を制御するとともに、第2シフトギヤ21を第4速位置に位置させる状態に第2シフト油圧シリンダ51が作動するように第2制御バルブV2を制御し、かつ、シフトギヤ39を低速位置に位置させる状態に第3シフト油圧シリンダ52が作動するように第3制御バルブV3を制御する。
〈6〉変速レバー54が第5速位置にあると、第1シフトギヤ20を第1速位置に位置させる状態に第1シフト油圧シリンダ50が作動するように第1制御バルブV1を制御するとともに、第2シフトギヤ21が中立位置に位置させる状態に第2シフト油圧シリンダ51が作動するように第2制御バルブV2を制御し、かつ、シフトギヤ39を高速位置に位置させる状態に第3シフト油圧シリンダ52が作動するように第3制御バルブV3を制御する。
〈7〉変速レバー54が第6速位置にあると、第1シフトギヤ21を第2速位置に位置させる状態に第1シフト油圧シリンダ50が作動するように第1制御バルブV1を制御するとともに、第2シフトギヤ21を中立位置に位置させる状態に第2シフト油圧シリンダ51が作動するように第2制御バルブV2を制御し、かつ、シフトギヤ39を高速位置に位置させる状態に第3シフト油圧シリンダ52が作動するように第3制御バルブV3を制御する。
〈8〉変速レバー54が第7速位置にあると、第1シフトギヤ20を中立位置に位置させる状態に第1シフト油圧シリンダ50が作動するように第1制御バルブV1を制御するとともに、第2シフトギヤ21を第3速位置に位置させる状態に第2シフト油圧シリンダ51が作動するように第2制御バルブV2を制御し、かつ、シフトギヤ39を高速位置に位置させる状態に第3シフト油圧シリンダ52が作動するように第3制御バルブV3を制御する。
〈9〉変速レバー54が第8速位置にあると、第1シフトギヤ20を中立位置に位置させる状態に第1シフト油圧シリンダ50が作動するように第1制御バルブV1を制御するとともに、第2シフトギヤ21を第4速位置に位置させる状態に第2シフト油圧シリンダ51が作動するように第2制御バルブV2を制御し、かつ、シフトギヤ39を高速位置に位置させる状態に第3シフト油圧シリンダ52が作動するように第3制御バルブV3を制御する。
〈10〉高低切り換えスイッチ56が低位置にあると、高低シフトギヤ28を低速位置に位置させる状態に第4シフト油圧シリンダ53が作動するように第4制御バルブV4を制御する一方、高低切り換えスイッチ56が高位置にあると、高低シフトギヤ28を高速位置に位置させる状態に第4シフト油圧シリンダ53が作動するように第4制御バルブV4を制御する。
【0037】
前記第1シフト油圧シリンダ50、第2シフト油圧シリンダ51、第3シフト油圧シリンダ52、第4シフト油圧シリンダ53に対する油圧回路には、前記変速用クラッチ13を操作するクラッチ操作油路59が接続されている。
クラッチ操作油路59には、変速用クラッチ13を付勢に抗して入り作動させるように圧油を変速用クラッチ13に供給するクラッチ入り状態と変速用クラッチ13を切り作動させるように変速用クラッチ13から排油させるクラッチ切り状態とに切り換え自在でパイロット圧によりクラッチ入り状態に操作されるクラッチ弁60が設けられ、前記第1シフト油圧シリンダ50・第2シフト油圧シリンダ51・第3シフト油圧シリンダ52・第4シフト油圧シリンダ53の少なくとも一つが作動したり、前後進レバー57が操作されたときパイロット圧を逃がしてクラッチ弁60をクラッチ切り状態に切り換え作動させるとともに、第1シフト油圧シリンダ50・第2シフト油圧シリンダ51・第3シフト油圧シリンダ52・第4シフト油圧シリンダ53による変速操作が完了したときや前後進の切り換えが完了したときパイロット圧の逃がしを停止してクラッチ弁60をクラッチ入り状態に切り換え作動させる変速検出用のチェック弁61が設けられている。つまり、変速操作が行われる際には、変速用クラッチ13を切り作動させることにより主変速装置12の後輪2や前輪1に対する連動及び前後進切り換え装置14・副変速装置15のエンジン3に対する連動を断ってシフト変速を円滑に行えるようにし、変速が完了したならば、変速用クラッチ13を入り作動させてエンジン3から後輪2や前輪1への伝動を行えるようにしてある。
【0038】
また、第1シフト油圧シリンダ50・第2シフト油圧シリンダ51・第3シフト油圧シリンダ52・第4シフト油圧シリンダ53・第1制御バルブV1・第2制御バルブV2・第3制御バルブV3・第4制御バルブV4・クラッチ弁60・チェック弁61は、走行変速装置8に対する操作用の一つの油圧機器ユニットCUとして構成され、図4に示すように、ミッションケースMの左右一側面に取り付けられている。
【0039】
そして、前記後輪デフ9から各後輪2への伝動系には、図4に示すように、後輪2を各々独立に制動する左右のサイドブレーキ70L,70Rが介装されており、これらサイドブレーキ70L,70Rと前記前輪1と前輪変速装置11とから操向装置が構成されている。
すなわち、前輪変速装置11を標準状態に切り換えた状態での前輪1を操向させての四輪駆動操向形態と、前輪変速装置11を中立状態に切り換えた状態での前輪1を操向させての後二輪駆動操向形態と、前輪変速装置11を増速状態に切り換えた状態での前輪1を操向させての前輪増速操向形態と、前輪変速装置11を増速状態に切り換えた状態でかつ旋回(操向)内側のサイドブレーキ70L又は70Rを制動作動させた状態で前輪1を操向させての前輪増速片側制動操向形態とに切り換え自在なものである。
【0040】
この操向装置の操作装置は、前輪操作系とブレーキ操作系と前輪変速操作系とからなる。
【0041】
前記前輪操作系は、前記ステアリングハンドル5とその操作力を前輪1に伝達する周知構造の操作伝達手段とからなる。
【0042】
前記ブレーキ操作系は、図3、図4、図11に示すように、左右のサイドブレーキ70L,70Rの作動レバー71L,71Rのそれぞれにロッド72L,72Rを介して連係していて踏み込み操作されることにより作動レバー71L,71Rを各々独立に制動操作する左右のブレーキペダル73L,73Rと、これらブレーキペダル73L,73R(サイドブレーキ70L,70R)を各々独立に制動解除位置に作動付勢する復帰バネ74L,74Rと、前記サイドブレーキ70L,70Rを各々独立に制動操作する左右の油圧シリンダ(以下ブレーキシリンダと称する)75L,75Rと、前輪1の左右への操向量を検出するポテンショメータ利用の操向センサ76と、操向形態切り換え具77と、操向センサ76及び操向形態切り換え具77からの情報に基づいて前記ブレーキシリンダ75L,75Rに対する制御バルブ78L,78Rを操作するマイクロプロセッサー利用の制御装置79とを備えている。
【0043】
前記ブレーキシリンダ75L,75Rは、ミッションケースMの左右他側(右側)面、つまり、前記油圧機器ユニットCUとは反対側の側面に配置されており、図5〜図7に示すように、左側のサイドブレーキ70Lに対応するブレーキシリンダ75Lは、圧油供給に伴い短縮作動することによりレリーズワイヤ80を介して左側のサイドブレーキ70Lの作動レバー71Lを制動側に引っ張り作動させる状態に設けられており、右側のサイドブレーキ70Rに対応するブレーキシリンダ75Rは、圧油供給に伴い伸長作動することにより右側のサイドブレーキ70Rの作動レバー71Rに固着の接当片71aに接当して制動側に押しつけ作動させる状態に設けられている。また、前記両ブレーキシリンダ75L,75Rは、排油に伴い前記復帰バネ74L,74Rの弾性力で制動解除位置にピストン75b,75dが復帰作動するものである。
【0044】
前記制御装置79は、前記操向形態切り換え具77が前輪増速片側制動操向形態に切り換えられている状態で、前輪1の左側への操向量が設定以上になったことが操向センサ76で検出されたとき、旋回内側、つまり、左側のサイドブレーキ70Lを制動させる状態にブレーキシリンダ75Lを作動させるようにそのブレーキシリンダ75Lに対する制御バルブ78Lを操作する一方、前輪1の右側への操向量が設定以上になったことが操向センサ76で検出されたとき、旋回内側、つまり、右側のサイドブレーキ70Rを制動させる状態にブレーキシリンダ75Rを作動させるようにそのブレーキシリンダ75Rに対する制御バルブ78Rを操作するものであり、操向形態切り換え具77が他の形態に切り換えられている状態では、操向センサ76で操向量が設定以上であることが検出されても制御バルブ78L,78Rを操作しない。つまり、サイドブレーキ70L,70Rを制動作動させない。
かつ、ブレーキ操作系は、両ブレーキシリンダ75L,75Rによるサイドブレーキ70L,70Rに対する制動操作タイミングを同じにするためのタイミング調整手段を有する。このタイミング調整手段は、図3に示すように、左側のサイドブレーキ70Lの作動レバー71Lに複数のワイヤ取付け孔82をレバー長手方向に間隔を隔てて形成し、ワイヤ取付け孔82を選択してレリーズワイヤ80を作動レバー71Lに連結する手段である。
【0045】
前記前輪変速操作系は、図2、図5、図8、図11に示すように、シフト体49をクラッチ入り増速位置と標準位置と中立位置とにシフトする3位置切り換え式の油圧シリンダ利用の前輪変速シリンダ83を設け、前記操向形態切り換え具77からの情報及び操向センサ76の検出情報に基づいて前輪変速シリンダ83に対する制御バルブ84を操作する制御手段85を設けて構成されている。
【0046】
前記制御バルブ84は、電磁弁利用の第1バルブSV1を圧油供給状態に切り換えるとともに電磁弁利用の第2バルブSV2を排油状態に切り換えることにより前輪変速シリンダ83をクラッチ入り増速位置に作動させる増速状態と、第1バルブSV1を圧油供給状態に切り換えるとともに第2バルブSV2を圧油供給状態に切り換えることにより前輪変速シリンダ83を中立位置に作動させる中立状態と、第1バルブSV1を排油状態に切り換えるとともに第2バルブSV2を圧油供給状態に切り換えることにより前輪変速シリンダ83を標準位置に作動させる標準状態とに切り換え自在なものである。
【0047】
前記制御手段85は、前記制御装置79に組み込まれており、操向形態切り換え具77からの情報が四輪駆動操向形態のとき、制御バルブ84を標準状態に切り換え、操向形態切り換え具77からの情報が後二輪駆動操向形態のとき、制御バルブ84を中立状態に切り換え、操向形態切り換え具77からの情報が前輪増速操向形態や前輪増速片側制動操向形態のときで、かつ、操向センサ76による検出操向量が設定以上のとき、制御バルブ84を増速状態に切り換えるものである。
【0048】
そして、前記ブレーキシリンダ75L,75R、前輪変速シリンダ83、ブレーキシリンダ75L,75Rに対する制御バルブ78L,78R、前輪変速シリンダ83に対する制御バルブ84(第1バルブSV1・第2バルブSV2)は、図3、図4に示すように、ミッションケースMに左右の後輪2を支持させる後車軸ケース86とミッションケースMの前部に装備させた前輪1への動力取出し軸、つまり、前輪変速装置11の前輪変速出力軸45との前後間に位置する状態でミッションケースMの左右他側面(右側面)に取り付けた操向操作用の一つの油圧機器ユニットSUとして組み込まれている。
また、この油圧機器ユニットSUには、図2、図5、図9、図11に示すように、前記副変速出力軸32から前輪変速入力軸42への伝動ギヤ87の歯に係合して伝動ギヤ87を回り止めすることにより後輪2を制動するブレーキ位置と係合を解除したブレーキ解除位置とに位置変更自在でブレーキバネ88でブレーキ位置に移動付勢された部材をピストン89aとする油圧シリンダ利用の駐車ブレーキシリンダ89と、変速レバー54が駐車位置に操作されたとき駐車ブレーキシリンダ89から排油させてピストン89aのブレーキバネ88によるブレーキ位置への移動を許容する一方、変速レバー54が駐車位置以外に操作されたとき駐車ブレーキシリンダ89に圧油を供給させてピストン89aを付勢に抗してブレーキ解除位置に移動させる制御バルブ90とが組み込まれている。
【0049】
詳述すると、図5〜図9に詳しく示すように、油圧機器ユニットSUは、ミッションケースMにボルトを介して取り付けられる略箱状のブロック体91のミッションケースM側(箱の裏側)に前輪変速シリンダ83を配備し、反対側に、両ブレーキシリンダ75L,75R、これらブレーキシリンダ75L,75Rに対する制御バルブ78L,78R、前輪変速シリンダ83に対する第1バルブSV1及び第2バルブSV2、駐車ブレーキシリンダ89に対する制御バルブ90を配備し、ブロック体91を厚さ方向で貫通する状態に駐車ブレーキシリンダ89を配備し、ブロック体91に、エンジン3で駆動される油圧ポンプPに連通するための入力ポートP1と、変速用の油圧機器ユニットCUへの出力ポートP2と、油路とを形成して構成されている。
【0050】
そして、前記左のブレーキシリンダ75Lは、図7に示すように、ブロック体91に形成のシリンダ室75aにピストン75bを挿入して構成されており、右のブレーキシリンダ75Rは、図6に示すように、ブロック体91に形成のシリンダ室75cにピストン75dを挿入して構成されており、前輪変速シリンダ83は、図8に示すように、ブロック体91に形成のシリンダ室83aにピストン83bを挿入して構成されており、駐車ブレーキシリンダ89は、図9に示すように、ブロック体91に形成のシリンダ室89bにピストン89aを挿入して構成されている。前記前輪変速シリンダ83には、この前輪変速シリンダ83の増速作動端での作動に抵抗を付与する緩衝手段が設けられており、緩衝手段は、シリンダ室83aのボトムに穴83cを形成し、ピストン83bの端部に、ピストン83bの増速状態への作動に伴い穴83cに挿入することでオイルの穴83cからの流出抵抗によりピストン83bの移動に抵抗を付与してシフト体49のクラッチ入り増速位置への移動端部での衝撃を緩和する緩衝用の挿入部83dを形成して構成されている。
【0051】
また、制御バルブ78L,78R,84(SV1,SV2),90は、図5(イ)に示すように、同一方向を向く姿勢で同一平面内に並置する状態でブロック体91内に設置されており、設置部の開口は蓋91Bにより閉塞されている。
【0052】
前記油路は、図11に示すように、左のブレーキシリンダ75Lとそれに対する制御バルブ78Lとの間の油路92a、右のブレーキシリンダ75Rとそれに対する制御バルブ78Rとの間の油路92b、前輪変速シリンダ83と第1バルブSV1及び第2バルブSV2との間の油路92c,92d、駐車ブレーキシリンダ89とそれに対する制御バルブ90との間の油路92e、入力ポートP1から各バルブ78L,78R,SV1,SV2,90及び出力ポートP2への分岐供給油路93を備えており、図5(ロ)に示すように、ブロック体91に形成した突条部91A内に形成されている。
【0053】
〔別実施形態〕
上記実施の形態では、トラクタへの適用例を示したが、本発明は各種作業機に適用することができる。
【0054】
上記実施の形態では、右のブレーキシリンダ70Rの圧油供給に伴う伸長作動で作動レバー71Rを制動側に押しつけ作動させたが、右のブレーキシリンダ70Rの圧油供給に伴う短縮作動で作動レバー71Rを制動側に引っかけ作動させても良い。
【0055】
上記実施の形態では、左のブレーキシリンダ70Lの圧油供給に伴う短縮作動でワイヤ80を引っ張り作動させたが、左のブレーキシリンダ70Lの圧油供給に伴う伸長作動でワイヤ80を引っ張り作動させるようにして実施しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラクタの側面図
【図2】走行伝動系の概略図
【図3】要部の側面図
【図4】要部の概略平面図
【図5】油圧機器ユニットの切り欠き表面図と裏面図
【図6】右のブレーキシリンダの縦断面図
【図7】左のブレーキシリンダの縦断面図
【図8】前輪変速シリンダの縦断面図
【図9】駐車ブレーキシリンダの縦断面図
【図10】走行操作系の油圧回路図
【図11】操向操作系の油圧回路図
【符号の説明】
1 前輪
2 後輪
11 前輪変速装置
70L サイドブレーキ
70R サイドブレーキ
71L 作動レバー
71R 作動レバー
73L ブレーキペダル
73R ブレーキペダル
74L 復帰バネ
74R 復帰バネ
75L 油圧シリンダ
75R 油圧シリンダ
75b ピストン
75d ピストン
80 ワイヤ
83 前輪変速油圧シリンダ
91 ブロック体

Claims (6)

  1. 左右の後輪を各々独立に制動する左右のサイドブレーキを設け、これら左右のサイドブレーキを各々独立に制動操作する左右のブレーキペダルと、前記左右のサイドブレーキを各々独立に制動解除位置に作動付勢する左右の復帰バネとを設け、前輪の左右への操向量が設定以上になったとき、前記サイドブレーキのうち旋回内側のものを制動作動させる左右の油圧シリンダを設けてある作業機の操向操作装置であって、前記左右の油圧シリンダを同一のブロック体に設けるとともに、前記油圧シリンダのうち一方のものを、圧油供給に伴い作動することにより対応するサイドブレーキの作動レバーに接当して制動側に作動させる状態に設けてある作業機の操向操作装置。
  2. 左右の後輪を各々独立に制動する左右のサイドブレーキを設け、これら左右のサイドブレーキを各々独立に制動操作する左右のブレーキペダルと、前記左右のサイドブレーキを各々独立に制動解除位置に作動付勢する左右の復帰バネとを設け、前輪の左右への操向量が設定以上になったとき、前記サイドブレーキのうち旋回内側のものを制動作動させる左右の油圧シリンダを設けてある作業機の操向操作装置であって、前記油圧シリンダのうち一方のものを、圧油供給に伴い作動することにより対応するサイドブレーキの作動レバーに接当して制動側に作動させる状態に設け、他方の油圧シリンダを、圧油供給に伴いワイヤを介して対応する作動レバーを制動側に作動させる状態に設けてある作業機の操向操作装置。
  3. 油圧シリンダとして、排油に伴い復帰バネの弾性力で制動解除位置にピストンが復帰作動するものを設けてある請求項1〜2のうちのいずれか一つに記載の作業機の操向操作装置。
  4. 両油圧シリンダによるサイドブレーキに対する制動操作タイミングを同じにするためのタイミング調整手段を設けてある請求項1〜3のいずれか1項に記載の作業機の操向操作装置。
  5. 前輪の周速度を後輪の周速度よりも大きくする増速状態と前輪の周速度を後輪の周速度と略同一にする標準状態とに切り換え自在な前輪変速装置を設け、この前輪変速装置を切り換える前輪変速油圧シリンダを設け、この前輪変速油圧シリンダの増速作動端での作動に抵抗を付与する緩衝手段を設けてある請求項1〜4のいずれか1項に記載の作業機の操向操作装置。
  6. 前記左右の油圧シリンダの伸縮動作方向を異なる方向となるように設定してある請求項1または2記載の作業機の操向操作装置
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