JPS6322070Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、原子力施設内の装置を外部からの遠
隔操作で移動できる移動装置に関する。

原子力施設内でパワーマニピユレータを使用す
る場合、パワーマニピユレータをブリツジ（走行
ガータ）に載せて移動している。ブリツジは駆動
モータを具えており、ブリツジの移動は駆動モー
タに依存している。

ところが、原子力施設内でパワーマニピユレー
タを使用しているときに駆動モータが故障した場
合、パワーマニピユレータを移動させることがで
きなくなつてしまい、作業者が原子力施設内へ立
ち入ることもできないので、作業を続けられなく
なつてしまうという欠点がある。

そこで本考案は、斯かる欠点を解消し原子力施
設内の装置を外部からの遠隔操作によつても移動
できる移動装置を提供することを目的とする。

斯かる目的を達成するために本考案の構成は、
隔壁の内側に配設される案内レールと、この案内
レールに沿つて前記隔壁の内側に張設されると共
に当該案内レールの長手方向に沿つて旋回可能な
無端の索条と、前記案内レール上を転動する車輪
が回転自在に取り付けられた台車と、この台車に
回転自在に取り付けられると共に前記索条に係合
する転動係合部材と、この転動係合部材が連結さ
れて当該転動係合部材を駆動回転させ且つ前記台
車に設けられた駆動モータと、操作部が前記隔壁
の外側に設けられて前記駆動モータの故障の際に
前記索条を旋回させる駆動手段とを具えたもので
ある。

以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて詳
細に説明する。

第１図は移動装置の平面図、第２図は移動装置
の正面図である。図中、１はホツトセル２内と外
部とを遮る隔壁である。ホツトセル２内にはパワ
ーマニピユレータ３を載せて移動する台車として
のブリツジ４が具えられている。即ち、第３図に
示すように、ブリツジ４に具えられた極く一般的
な図示しないブレーキ付きの駆動モータによつて
回転する回転軸５に回動自在に車輪６が取り付け
られている。この車輪６はレール受枠７上のレー
ル８に載つており、ブリツジ４はレール８に沿つ
て移動自在となつている。レール８の両端部には
第５図に示すようにブリツジ４の移動を止めるス
トツパ１８が具えられており、レール８の横には
索条としての無端のチエン９がレール８の略平行
でかつレール８に沿つて旋回自在に設けられてい
る。即ち、レール８の両端と対応する位置及びレ
ール８を略３等分した各位置にはスプロケツト１
０〜１３が具えられており、これらのスプロケツ
ト１０〜１３にチエン９が巻き掛けてある。スプ
ロケツト１０は第５図にように、レール受枠７上
の支持台１４に回転自在に取り付けられており、
スプロケツト１１は第７図のようにして取り付け
られている。また、スプロケツト１２，１３は第
６図のように隔壁１内へ埋め込まれた柱１５に軸
を介して回転自在に取り付けられている。これら
のスプロケツトに巻き掛けられるチエン９の下部
には、コの字形の横断面形状を有するチエン受け
１９が具えられており、チエン９によつて他の部
材が疵付けられないようになつている。一方、第
３図，第４図のように、回転軸５の端部にはチエ
ン９と係合してチエン９に沿つて転がる転動係合
部材としてのスプロケツト１６が同軸一体に取り
付けられている。また、スプロケツト１６とチエ
ン９とが確実に噛み合うように係合部分を多くし
てチエン９の張りをもたせるためにテンシヨンス
プロケツト１７がブリツジ４に回転自在に取り付
けられている。そして、前記駆動モータの故障の
際にチエン９を移動させるために、第７図，第８
図のようにスプロケツト１１には駆動手段が連結
されている。本実施例ではホツトセル２内のブリ
ツジ４をホツトセル外から動かすのが目的なの
で、スプロケツト１１と一体の出力軸２０が隔壁
１の内部を通してホツトセル２の外部の減速機２
１に連結されており、入力軸２２には着脱自在の
ハンドル２３が操作部として嵌め込まれている。

斯かる移動装置の作用を説明する。通常、パワ
ーマニピユレータ３をホツトセル２内で移動させ
るにはブリツジ４に具えられた図示しない駆動モ
ータによつて行なう。即ち、回転軸５を回転させ
ることによつてスプロケツト１６を回転させる
と、スプロケツト１６はチエン９と噛み合つた状
態でチエン９に沿つて転がる。車輪６は回転軸５
に回転自在に具えられているので、ブリツジ４は
レール８に沿つて移動する。万が一、ブリツジ４
に具えられた駆動源が故障した場合はホツトセル
２の外部からハンドル２３を回転させればよい。
ハンドル２３を回転させると減速機２１の作用に
よりスプロケツト１１が大きな力で回され、チエ
ン９が旋回する。ブリツジ４内の駆動モータのブ
レーキや途中の歯車伝達機構等によりスプロケツ
ト１６は回転せずスプロケツト１６がチエン９に
固定された状態になつているので、チエン９の旋
回と共にブリツジ４が移動する。したがつて、ホ
ツトセル２の外部から自由にパワーマニピユレー
タ３を移動させることができる。

なお、本実施例ではチエン９を索条として使用
したが、この他に歯付きベルトやワイヤケーブル
等を利用することも当然可能であり、ワイヤケー
ブルを用いた場合には転動係合部材としてスプロ
ケツト１６に代えてプーリを使用し、このプーリ
にワイヤケーブルを一巻き以上巻回して摩擦力を
高めるようにすることが望ましい。また駆動手段
としてもハンドルのような手動式のものに限るも
のではなく、駆動モータ等を用いることもでき
る。

以上、実施例を図面とともに説明したように本
考案によれば、台車の転動係合部材が係合した索
条を旋回させるために駆動手段を具えているの
で、台車に具えられた駆動モータが故障しても台
車を移動させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第８図は本考案による移動装置の一実
施例に係り、第１図は平面図、第２図は正面図、
第３図は第１図のＡ部の拡大図、第４図は第３図
のＢ−Ｂ矢視図、第５図は第１図のＣ−Ｃ矢視
図、第６図は第１図のＤ−Ｄ矢視図、第７図は第
１図のＥ−Ｅ矢視図、第８図は第７図のＦ−Ｆ矢
視図である。 図面中、４はブリツジ、５は回転軸、６は車
輪、８はレール、９はチエン、１０，１１，１
２，１３，１６はスプロケツト、２３はハンド
ル、である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 隔壁の内側に配設される案内レールと、この案
   内レールに沿つて前記隔壁の内側に張設されると
   共に当該案内レールの長手方向に沿つて旋回可能
   な無端の索条と、前記案内レール上を転動する車
   輪が回転自在に取り付けられた台車と、この台車
   に回転自在に取り付けられると共に前記索条に係
   合する転動係合部材と、この転動係合部材が連結
   されて当該転動係合部材を駆動回転させ且つ前記
   台車に設けられた駆動モータと、操作部が前記隔
   壁の外側に設けられて前記駆動モータの故障の際
   に前記索条を旋回させる駆動手段とを具えた移動
   装置。