JPS6321602Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はラーメンを構成する鉄骨柱、梁の接
合装置に関する。

従来、角形鋼管柱にＨ形鋼梁等の鉄骨梁を接合
するには現場作業性から角形鋼管柱の接合部側面
に接合ブラケツトを溶接によつて固着し、この接
合ブラケツトに鉄骨梁を接合ボルトと添えプレー
トとによつて接合するかあるいは角形鋼管柱の接
合部側面に鉄骨梁を直接溶着している。

しかし、角形鋼管柱に鉄骨梁を接合ブラケツト
を介して接合すると接合ブラケツトや接合ボルト
等の部品点数が増えるばかりでなくその分だけ現
場における仕事量が増す。この場合、溶接による
接合ブラケツトの取付けは主に工場で行なわれる
ため、工場より建築現場まで運搬する際に接合ブ
ラケツトが邪魔になり運搬効率が大幅にダウンす
るばかりでなく接合ブラケツトを破損することが
ある。また、鉄骨梁を角形鋼管柱に直接溶着する
には高い施工精度が要求され、作業が粗雑になり
やすい建築現場では製品の信頼性が得難い。

そこで出願人は先に角形鋼管柱の鉄骨梁が接合
される接合部分の内側に厚鋼板の接合金物を固着
し、接合金物には複数個のネジ孔を形成し、鉄骨
梁は前記ネジ孔に螺挿される高力ボルト等の梁接
合ボルトによつて接合金物に接合する装置を開発
した。（実願昭56−37761号） しかしてこの考案は前記装置をさらに改良し、
柱相互の組立、溶接を容易にすべくしたもので、
以下その詳細を図示した実施例によつて説明す
る。

鉄骨梁１はＨ形鋼等からなり、柱２は角鋼管等
からなり、上下柱２は直接あるいは梁接合位置に
図示したように短柱３が介在されて上下に溶接さ
れる。

この梁接合位置の柱、特に短柱３の内側面には
ねじ孔４の形成され、接合金物となる厚鋼板５が
溶接により添接される。短柱３は角鋼管を所要寸
法に切断して製作するが平鋼、山形鋼、溝形鋼等
を溶接して組立てることができる。

そして短柱の側面には前記ねじ孔４に対応して
ねじ孔または挿通孔を穿設しておく。そしてねじ
孔４と短柱のねじ孔は厚鋼板５を短柱３に溶接し
てから一諸に加工することが望ましい。

梁１の接合端には接合板６を溶接しておき、こ
の接合板６にも前記ねじ孔４に対応してねじ挿通
孔を穿設しておく。

厚鋼板５は柱相互の溶接部に跨るように配置し
てあり、一方の柱、特に短柱３に予め取付けてお
くことにより短柱３から上下に突出しているの
で、これをガイドとして上下柱１，１を嵌め、か
つこの厚鋼板５を裏当金として溶接することがで
きる。

柱、梁の接合に際しては接合板６を短柱３の側
面に当接し、接合板６、短柱３にねじ７を挿通
し、このねじ７を厚鋼板５のねじ孔４に螺合す
る。

この考案は以上の構成からなり、柱内面に厚鋼
板を添接しねじ孔を形成することにより柱側面に
梁端面を直接当接してねじで接合できるので現場
作業の省力化、能率化ができ、しかも剛接合がで
きる。特に厚鋼板は柱相互の溶接部に跨つて配置
されるので柱を嵌合状態に組立て、かつ溶接の裏
当金の役目もなし、柱、梁接合部の強度を著しく
向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の慨要を示した正面
および縦断面図、第２図は柱部分の横断面図であ
る。 １……梁、２……柱、３……短柱、４……ねじ
孔、５……厚鋼板、６……接合板、７……ねじ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 梁接合位置の柱内側面に厚鋼板が添接され、こ
   の厚鋼板は上下柱の溶接部に跨るように配置し、
   かつねじ孔が形成され、梁端面および柱を貫通し
   たボルトを前記厚鋼板のねじ孔に螺合して柱と梁
   を接合してあることを特徴とする柱、梁接合装
   置。