JPS6321409Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

〔技術分野〕 この考案は、飴等をひねり包装するのに用いら
れるひねり包装用材料に関する。 〔背景技術〕 ひねり包装用材料は、たとえば、つぎのように
してひねり包装に用いられる。第１図に示されて
いるように被包装物１にひねり包装用材料２を筒
状に巻きつけたのち、第２図に示されているよう
に、ひねり包装用材料２の両端をねじる。そうす
ると被包装物１はひねり包装用材料２により包装
される。 従来のひねり包装用材料は、第３図に示されて
いるように、基材３にアルミニウム箔４が接着剤
５で接着されている。アルミニウム箔は、光によ
り内容物が変色するのを防止するためおよび見栄
を良くするために用いられる。 前記従来のひねり包装用材料材料はつぎのよう
な問題があつた。すなわち、製造時、アルミニウ
ム箔はピンホール、キズができやすく、切れやす
い。また、弾性が小さいので加工時にシワに成り
やすく、比重が高いため、製造の作業性が劣ると
いう問題である。アルミニウム箔は比較的高価で
あるので製造費が高くなるという問題もある。さ
らに、普通は、アルミニウム箔を内側に向けるよ
うにして包装を行うが、アルミニウム箔は表面張
力が高いので内容物が粘着することが多いという
問題もある。アルミニウム箔に内容物が粘着する
のを防止するため、アルミニウム箔にフイルムを
貼着させることが行われているが、このようにし
ても、内容物の粘着を解消することは困難であ
る。 〔考案の目的〕 この考案は、このような事情に鑑みてなされた
もので、製造時の作業性に優れ、内容物の粘着が
生じにくく、しかも、製造コストの低いひねり包
装用材料を提供することを目的としている。 〔考案の開示〕 前記のような目的を達成するため、この考案
は、金属蒸着層が設けられたポリオレフインフイ
ルムが金属蒸着層を間にはさむようにして基材と
固定され、ポリオレフインフイルムの非蒸着面の
表面粗さRaが0.2〜1.5μ、Rzが１〜10μとなつて
いるひねり包装用材料をその要旨としている。 以下に、この考案を詳しく説明する。 ここで基材としては、セロハン、防湿セロハ
ン、ポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイ
ルム、ポリスチレンフイルム等が用いられる。ポ
リエチレンフイルムは、一軸延伸フイルムが特に
好ましく、ポリプロピレンフイルムは、未延伸フ
イルムが特に好ましい。 ポリオレフインフイルムとは、エチレン、プロ
ピレン、ブデン−１等からなる単独重合体、共重
合体またはこれらのブレンド物からなるフイルム
をいう。 ポリオレフインフイルムの構成は、単膜、積層
体のいずれかであつても良いが、積層体の方が好
ましい。 ２層または３層の積層体とする場合には、ベー
ス層のポリマーとしてはポリプロピレンを主体
（50重量％以上、好ましくは80重量％以上）とし
たものが好ましく用いられる。他方の層（ベース
層の片面または両面に積層される層）のポリマー
としては、α−オレフイン、α−オレフインのブ
レンド物、特に好ましいのは、エチレン、プロピ
レン共重体や該共重合体を主体としたブレンド物
（エチレン成分５〜50重量％が良い）が好ましく
用いられる。 ポリオレフインの厚みは、２〜20μが好ましい
が、特に、積層体の場合、上記ベース層に積層さ
れる層の厚みは0.5〜7μ、より好ましくは１〜5μ
が望ましい。積層体とする場合の積層法として
は、共押出方法、一軸延伸後に積層し二軸に延伸
する方法、二軸延伸フイルムを貼り合わせる方
法、または、これらの方法を組合わせる方法があ
る。 ポリオレフインフイルムに設けられる金属蒸着
層とは、蒸着された金属の層を指し、金属は特に
限定されないがアルミニウムが好ましい。また、
蒸着方式も特に限定されず、電熱加熱溶融蒸着
法、イオンビーム蒸着法、スバツタリング法、あ
るいはイオンプレーテイング法等周知の方法を用
いることができる。蒸着膜の厚みは通常100〜
5000Åの範囲が好ましく用いられる。 ポリオレフインフイルムが、ポリプロピレンフ
イルムの片面または両面にエチレン・プロピレン
共重合体フイルムが積層されたものの場合は、ポ
リオレフインフイルムの片面たるエチレン・プロ
ピレン共重合体フイルムに金属蒸着層が設けられ
る。 ポリオレフインフイルムの金属蒸着層が設けら
れる側をエチレン・プロピレン共重合体からなる
ものにしておくと、蒸着強度が強くなり、製造あ
るいは包装の作業時に金属蒸着層が剥離する恐れ
がない。そのため見栄えの良いひねり包装用材料
となる。 ポリオレフインフイルムの非蒸着側の表面粗さ
Raは0.2〜1.5、Rzは１〜10μとなつている必要が
ある。ポリオレフインフイルムが、ポリプロピレ
ンフイルムとエチレン・プロピレン共重合体フイ
ルムとが積層されたもの、好ましくはポリプロピ
レンフイルムとエチレン・プロピレンブロツク共
重合体フイルムが積層されたものである。 ここに、表面粗さRa，RzとはJIS Ｂ 061に
基づくものであり、Raは中心線平均粗さ、Rzは
10点平均粗さを示す（カツトオフ値0.25mm）。こ
のポリオレフインフイルムの粗面の表面粗さRa
が0.2μ未満、Rzが1μ未満であると、内容物がひ
ねり包装用材料に貼着することが多い。 またRaが1.5μを超え、Rzが10μを超えるとフイ
ルムにムラが生じたり見栄えの悪いものとなる。 前記の表面粗さRa，Rzを得るためには、延伸
フイルムの表面を機械的に加工する方法、ポリマ
ー溶融押出後の結晶化による方法、ポリマーに無
機粒子を透明性を損なわない範囲で添加する方
法、２種以上のポリマーをブレンドする方法、エ
チレン・プロピレン共重合体（この場合エチレン
成分５〜50％が好ましい）を用いる方法、またこ
れらの組合わせによることができる。 この考案にかかるひねり包装用材料は第４図、
第５図に示されているように、金属蒸着層６が設
けられたポリオレフインフイルム７が金属蒸着層
６を間にはさむようにして基材８と接着剤９等に
より貼着されたものである。基材８の外側面ある
いは内側面には必要に応じてて印刷が施される。
ポリオレフインフイルム７は第４図のもののよう
に基材８が全面に設けられていてもよく、第５図
のもののように基材８の一部のみに設けられてい
てもよい。 接着剤としては、ワツクス、ゴム、エチレン・
酢酸ビニル共重合体、ウレタン、カゼイン等が好
ましく用いられる。 この考案にかかるひねり包装用材料は、金属蒸
着層が設けられたポリオレフインフイルムを用い
るようにしているので、アルミニウム箔を用いる
場合に比べ、製造時、破れたり、切れたりすると
いつたようなことがなく、比重も軽いので作業性
に優れたものとなつた。また、製造費用も低いも
のとなつた。さらに、基材を外側に向けて被包装
物を包装するようにすると、内側面の表面粗さが
前記のようになつているので、被包装物が粘着性
の高いものであつても粘着が生じにくい。 つぎに、実施例および比較例について説明す
る。 実施例１，２および比較例のひねり包装用材料
はいずれも第４図の構成とし、ポリオレフインフ
イルムの構成および非蒸着面の表面粗さRa，Rz
は第１表に示されているとおりとした。ただし、
実施例２のポリオレフインフイルムの表層はエチ
レンプロピレン重合体とし裏層はポリプロピレン
層とした。 実施例１，２および比較例のひねり包装用材料
の内容物に対する非粘着性および金属蒸着層のポ
リオレフインフイルムに強する蒸着強度を調べた
結果を第１表に示す。。ただし、非粘着性の〇は
良好、×は不良をそれぞれあらわす。

〔考案の効果〕

この考案にかかるひねり包装用材料は、金属蒸
着層が設けられたポリオレフインフイルムが金属
蒸着層を間にはさむようにして基材と固定され、
ポリオレフインフイルムの非蒸着面の表面粗さ
Raが0.2〜1.5μ、Rzが１〜10μとなつているので、
製造時の作業性に優れ、内容物の粘着が生じにく
く、しかも、製造コストが低い。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は、ひねり包装用材料によ
るひねり包装の説明図、第３図は従来のひねり包
装用材料の一部の縦断面図、第４図、第５図はこ
の考案にかかるひねり包装用材料の一部の縦断面
図である。 ６……金属蒸着層、７……ポリオレフインフイ
ルム、８……基材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 金属蒸着層が設けられたポリオレフインフイ
   ルムが金属蒸着層を間にはさむようにして基材
   と固定され、ポリオレフインフイルムの非蒸着
   面の表面粗さRaが0.2〜1.5μ、Rzが１〜10μと
   なつているひねり包装用材料。 (2) ポリオレフインフイルムが、ポリプロピレン
   フイルムの片面または両面にエチレン・プロピ
   レン共重合体フイルムとが積層されたものであ
   つて、ポリオレフインフイルムの片面たるエチ
   レン・プロピレン共重合体フイルムに金属蒸着
   層が設けられる実用新案登録請求の範囲第１項
   記載のひねり包装用材料。 (3) 基材が、セロハン、防湿セロハン、ポリエチ
   レンフイルム、ポリプロピレンフイルムおよび
   ポリスチレンフイルムからなる群の中から選ば
   れたものである。実用新案登録請求の範囲第１
   項または第２項記載のひねり包装用材料。