JPS6319486Y2

JPS6319486Y2 -

Info

Publication number: JPS6319486Y2
Application number: JP2350982U
Authority: JP
Priority date: 1982-02-18
Filing date: 1982-02-18
Publication date: 1988-05-31
Also published as: JPS58126348U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は駐車空間の有効利用による設備費の低
減を図つた三段式駐車設備の改良に関する。

従来、例えば第１図に示すごとく、建屋１の地
上部１ａに三段、地下ピツト部１ｂに二段の駐車
空間を形成し、地上一段目駐車空間の前面に入出
庫口２を設け、上・中・下三段のパレツト３・
４・５を一体的に連結して適宜昇降装置６により
昇降せしめ、所望パレツトを入出庫口２に配置し
て車両Ｗの入出庫を行い、地上一段目以外の地上
および地下駐車空間が他のパレツトの退避用空間
となるようにした三段式駐車設備があつた。

ところで、入出庫に際し、人が駐車設備内に入
つて車両搭載用ケージまたはパレツトに乗り込む
必要のある機械式駐車設備の場合、入出庫口にお
けるパレツト間隔（パレツト上面からその真上の
パレツトの下面までの距離）は長身の人Ｍが腰を
かがめることなく所望パレツトに出入りできるよ
うに法規で1.8m以上と定められている。しかし
てこの規定に基づき、前述三段式駐車設備では
上・中・下段パレツト３・４・５の各パレツト間
隔を1.8mに固定的に設定されている。

しかし、普通乗用車を対象とすれば、車両の収
容には前述パレツト間隔は約1.6mあれば十分で
あることが知られている。このことを配慮すれ
ば、前述のように各パレツト間隔を1.8mに固定
することは、前述地上部１ａの高さおよび地下ピ
ツト部１ｂの深さが必要以上に大きくなり、特に
地価の高い都市部では設備費が割高となり、また
既設建屋に駐車設備を組み込む場合は地上の高さ
や地下の深さが若干小である場合は設置できない
こともあり得る。

本考案は前述事情に鑑み、地上三段地下二段の
五段駐車空間のうち下から三段目に入出庫口を設
けて適宜昇降装置により昇降可能とした上・中・
下三段の車両搭載用パレツトを備えたものにおい
て、前記昇降装置に連係する昇降用チエンにより
いずれかのパレツトを吊持し、各パレツトは側部
に設けたガイドローラと駐車空間内に立設したガ
イドレールとの係合により少くとも車両進退方向
への動きを規制し、上・中段および中・下段パレ
ツト間にはそれぞれ両側部においてＸ字状に交叉
せる１対のリンク機構の両端枢結軸に設けた鍔付
車輪をパレツト側部に削設した水平長穴に前後移
動自在に嵌合させ、さらに前記鍔付車輪と同軸に
設けた被動ローラをパレツト両側部の前・後部に
おいて対向状に設けられ地上床付近の入出庫口の
ある下から三段目駐車空間の車両入出庫可能相当
間隔だけの上下間隔の間では狭間隔となり、該下
から三段目駐車空間から車両収容可能相当間隔だ
け下方において広間隔となり、更に車両収容可能
相当間隔だけ下方において狭間隔とするとともに
その若干下部をピツト床とし、前記下から三段目
駐車空間の上部から車両収容可能相当間隔だけ上
方において広間隔となり、それらの間を漸狭状ま
たは漸拡状に湾曲形成した湾曲ガイドレールと嵌
合させ、前記１対のリンク機構は上端間隔と下端
間隔が共に狭間隔である場合は上端と下端との間
隔が車両入出庫可能相当間隔となり、上端間隔と
下端間隔のいずれか一方が狭間隔で他方が広間隔
である場合は上端と下端との間隔が車両収容可能
相当間隔となるごとくしたことを特徴とする三段
式駐車設備に関するもので、入出庫時と格納時と
でパレツトの上下間隔を変更して収容空間の有効
利用を図ることを目的としたものである。

以下、第２〜４図の実施例に基づき詳述する。
説明の便宜上、第２・４図における左・右を
「前」・「後」、第３図における左・右を「左」・
「右」と呼称する。

１０は建屋、１１は建屋１０の地上床１２に堀
設した地下ピツトで、該地下ピツト１１内に下か
ら一段目・二段目駐車空間１３・１４を形成し、
建屋１０の地上内部に下から三段目・四段目・五
段目駐車空間１５・１６・１７を形成し、また三
段目駐車空間１５の前面に入出庫口１８を設けて
いる。

そして後述する車両Ｗ搭載用パレツトの厚さを
ｄ、搭載予定の最大車両Ｗを収容するのに最小限
必要なパレツト間隔（以下、車両収容可能間隔と
呼称）をL₁、法規で定められた入出庫口１８に
おける車両Ｗの入出庫に必要なパレツト間隔（以
下、車両入出庫可能間隔と呼称）をL₂（＞L₁）と
した場合、建屋１０内部の地上高さＨおよび地下
ピツト１１の深さＤをそれぞれＨ＝2L₁＋L₂＋
2d，Ｄ＝2L₁＋3dに設定してある。

また、L₁＋ｄを車両収容相当間隔と呼称し、
L₂＋ｄを車両入出庫可能相当間隔と呼称する。
１９・２０・２１は車両Ｗ搭載用の上・中・下段
パレツト、２２は該パレツト１９〜２１の左・右
側方後部において凹部をパレツト側に向けた状態
で下端をピツト床１１ａに固定し上端を建屋１０
の天井１０ａに固定した１対の凹形垂直ガイドレ
ールで、前記凹部に上・中・下段パレツト１９・
２０・２１の側面に軸支したガイドローラ２３・
２４・２５を転動自在に係合させ、前後方向（即
ち、車両Ｗの乗込み方向）のパレツト１９〜２１
の動きを規制しながらパレツト昇降時の案内を行
つている。

２６は建屋１０の後方上部に設置したチエン・
スプロケツト機構より成る昇降装置で、天井１０
ａに沿つて前方水平に導出した左・右２本１組計
４本の昇降用チエン２７を天井１０ａの左・右，
前・後に軸支した吊持スプロケツト２８より垂下
させて、上段パレツト１９の左・右，前・後上面
に係着して該上段パレツト１９を水平に吊持して
いる。

２９・３０はそれぞれ上段パレツト１９と中段
パレツト２０および中段パレツト２０と下段パレ
ツト２１を上下伸縮自在に連結するように該パレ
ツト１９〜２１の左・右側部に１対宛設けたＸ字
状のリンク機構で、以下の構成より成る。

３１ａ・３１ｂ，３２ａ・３２ｂ，３３ａ・３
３ｂは、それぞれ上・中・下段パレツト１９・２
０・２１の前・後部左・右側面に前後方向水平に
適宜長さ削設せる長穴１９ａ・１９ｂ，２０ａ・
２０ｂ，２１ａ・２１ｂに左右方向に挿通させた
車軸で、それぞれ左・右部に２個宛の両鍔付車輪
３４ａ・３４ｂ，３５ａ・３５ｂ，３６ａ・３６
ｂ（但し、車輪３５ａのみ第３図に図示し、それ
以外の車輪は図示せず）を枢着し、該車輪３４
ａ・３４ｂ，３５ａ・３５ｂ，３６ａ・３６ｂを
それぞれ前記長穴１９ａ・１９ｂ，２０ａ・２０
ｂ，２１ａ・２１ｂに転動自在に係合させてい
る。

３７ａ・３７ｂ，３８ａ・３８ｂは上・中・下
段パレツト１９・２０・２１の左・右側部でそれ
ぞれＸ字状に組み合わせた等長のリンクで、該リ
ンク３７ａ・３７ｂの上端部をそれぞれ前記車軸
３１ａ・３１ｂの左右突出部、リンク３７ｂの下
端部とリンク３８ａの上端部を前記車軸３２ａの
左右突出部、リンク３７ａの下端部とリンク３８
ｂの上端部を前記車軸３２ｂの左右突出部、並び
にリンク３８ａ・３８ｂの下端部をそれぞれ前記
車軸３３ｂ・３３ａの左右突出部に枢着してあ
る。

さらに前記車軸３１ａ・３１ｂ，３２ａ・３２
ｂ，３３ａ，３３ｂの左・右突出端にはそれぞれ
２個１組の被動ローラ３９ａ・３９ｂ，４０ａ・
４０ｂ，４１ａ・４１ｂを枢着してある。

４２ａ・４２ｂは上・中・下段パレツト１９・
２０・２１の左・右側部において前後に離間して
配置した前後１対の凹形湾曲ガイドレールで、凹
部をパレツト側に向けた状態で上・下端を天井１
０ａおよびピツト床１１ａに固定し、前記湾曲ガ
イドレール４２ａ・４２ｂの各凹部にはそれぞれ
前記被動ローラ３９ａ・４０ａ・４１ａ，３９
ｂ・４０ｂ・４１ｂを転動自在に係合させてい
る。

そして前記湾曲ガイドレール４２ａ・４２ｂの
湾曲形状は第２図に示すごとく前後対称となつて
おり、該両湾曲ガイドレール４２ａ・４２ｂの前
後間隔はピツト床１１ａ付近の一段目パレツト停
止位置P1，地上床１２付近の三段目パレツト停
止位置P3，および地上床１２からほぼL₂の高さ
位置の四段目パレツト停止位置P4で狭間隔S₁と
し、地下ピツト１１の中間深さ位置における二段
目パレツト停止位置P2および天井１０ａからほ
ぼL₁下方位置の五段目パレツト停止位置P5で広
間隔S₂としてそれらの間を漸狭状または漸拡状に
湾曲形成している。

したがつて、地上床１２付近の入出庫口１８の
ある下から三段目駐車空間１５の車両入出庫可能
相当間隔（L₂＋ｄ）だけの上下間隔の間では狭
間隔S₁となり、該下から三段目駐車空間１５から
車両収容可能相当間隔（L₁＋ｄ）だけ下方にお
いて広間隔S₂となり、更に車両収容可能相当間隔
（L₁＋ｄ）だけ下方において狭間隔とするととも
にその若干下部をピツト床とし、下から三段目駐
車空間１５の上部から車両収容可能相当間隔
（L₁＋ｄ）だけ上方において広間隔S₂となり、そ
れらの間を漸狭状または漸拡状に湾曲形成した湾
曲ガイドレール４２ａ・４２ｂとなつている。

また、リンク機構２９・３０は上端間隔と下端
間隔が共に狭間隔である場合は上端と下端との間
隔が車両入出庫可能相当間隔（L₂＋ｄ）となり、
上端間隔と下端間隔のいずれか一方が狭間隔で他
方が広間隔である場合は上端と下端との間隔が車
両収容可能相当間隔（L₁＋ｄ）となるごとく設
定してある。

尚、図示は省略したが、入出庫時のパレツト揺
動防止および昇降用チエン２７が万一切断したと
きの安全のためには、少くとも前記三段目パレツ
ト停止位置P3にパレツトロツク装置を適宜設け
ておくものとする。

使用に際し、先ず下段パレツト２１が地上床１
２に面一に停止した第２図の実線で示す状態で
は、被動ローラ４１ａ・４１ｂ，４０ａ・４０ｂ
がそれぞれ停止位置P3・P4において湾曲ガイド
レール４２ａ・４２ｂのいずれも狭間隔S₁部分に
係合しているため（即ち、リンク機構３０の伸長
状態）、中・下段パレツト２０・２１の間隔は前
記入出庫可能間隔L₂に広がつている。従つて、
下段パレツト２１に対する入出庫が可能である。
また、この状態において被動ローラ３９ａ・３９
ｂは停止位置P5における湾曲ガイドレール４２
ａ・４２ｂの広間隔S₂部にあるため（即ち、リン
ク機構２９の短縮状態）、上・中段パレツト１
９・２０の間隔は車両収容可能間隔L₁に保持さ
れ、さらに上段パレツト１９と天井１０ａとの間
隔も地上高さＨ（＝2L₁＋L₂＋2d）の寸法関係よ
り車両収容可能間隔L₁に縮まつている。

これより中段パレツト２０に対する入出庫を行
う場合は、昇降装置２６のパレツト下降動作によ
り、上・中・下段パレツト１９・２０・２１が一
体的に下降し、この間にリンク機構２９・３０は
漸次伸長および短縮作用を行う。そして中段パレ
ツト２０が地上床１２と面一になつて停止したと
き、被動ローラ３９ａ・３９ｂ，４０ａ・４０ｂ
は停止位置P4・P3の前記狭間隔S₁部に達し、
上・中段パレツト１９・２０の間隔が入出庫可能
間隔L₂に広がるため、中段パレツト２０に対す
る入出庫が可能となる（第４図参照）。この状態
において、被動ローラ４１ａ，４１ｂは停止位置
P2の前記広間隔S₂部に達しているため、中・下
段パレツト２０・２１の間隔は車両収容可能間隔
L₁に縮まつている。

さらに第４図の状態から上段パレツト１９に対
する入出庫を行う場合は、昇降装置２６のパレツ
ト下降動作によりパレツト１９〜２１を一体的に
下降させ、上段パレツト１９が地上床１２と面一
になつたところで停止させれば、そのまま上段パ
レツト１９への入出庫が可能である。この状態で
は、被動ローラ３９ａ・３９ｂ，４１ａ・４１ｂ
がそれぞれ停止位置P3・P1の前記狭間隔S₁部に、
また被動ローラ４０ａ・４０ｂが停止位置P2の
前記広間隔S₂部に達しているため、上・中・下段
パレツト１９・２０・２１は各パレツト間隔を車
両収容可能間隔L₁に縮まつた状態に保持され、
しかも地下ピツト１１の深さＤ（＝2L₁＋3d）の
寸法関係より下段パレツト２１は丁度ピツト床１
１ａに着床している。

尚、前述実施例において、昇降用チエン２７は
上段パレツト１９を吊持したが、中段パレツト２
０または下段パレツト２１を吊持してもよい。

以上詳述せるごとく、本考案の三段式駐車設備
によるときは、昇降装置，垂直ガイドレールとガ
イドローラ，Ｘ字状リンク機構と湾曲ガイドレー
ル等の相互の連係により、入出庫口に位置した所
望パレツトとその上位のパレツトとの間隔は入出
庫可能間隔に広がつて入出庫可能となるも、他の
駐車空間における各パレツト間隔はいずれも車両
の収容に必要最小限の車両収容可能間隔に縮まつ
た状態となるため、従来の設備より建屋内の地上
高さを低く、また地下ピツトの深さを浅くし得、
パレツト間隔の変更には特別の外部動力を必要と
せず、駐車設備全体の設備費の大巾な低減を図り
得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の三段式駐車設備を示す正面図、
第２〜４図はいずれも本考案の実施例を示すもの
で、第２図は側面図、第３図は第２図の−矢
視拡大図、第４図は作用説明図である。図中、１０は建屋、１１は地下ピツト、１８は
入出庫口、１９・２０・２１はそれぞれ上・中・
下段パレツト、２２は垂直ガイドレール、２６は
昇降装置、２９・３０はリンク機構、４２ａ・４
２ｂは湾曲ガイドレールである。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】 (1) 地上三段地下二段の五段駐車空間を形成して
下から三段目の駐車空間前面に入出庫口を設
け、適宜昇降装置により昇降可能とした上・
中・下三段の車両搭載用パレツトを備えたもの
において、前記昇降装置に連係する昇降用チエ
ンにより上・中・下段パレツトのいずれかを吊
持し、各パレツトは側部に設けたガイドローラ
と駐車空間内に立設した垂直ガイドレールとの
係合により少くとも車両進退方向への動きを規
制し、上・中段パレツトおよび中・下段パレツ
ト間にはそれぞれ両側部においてＸ字状に交叉
した１対のリンク機構の両端枢結軸に設けた鍔
付車輪をパレツト側部に削設した水平長穴に前
後移動自在に嵌合させ、さらに前記鍔付車輪と
同軸に設けた被動ローラを、パレツト両側部の
前・後部において対向状に設けられ地上床付近
の入出庫口のある下から三段目駐車空間の車両
入出庫可能相当間隔だけの上下間隔の間では前
後間隔が狭間隔となり、該下から三段目駐車空
間から車両収容可能相当間隔だけ下方において
広間隔となり、更に車両収容可能相当間隔だけ
下方において狭間隔とするとともにその若干下
部をピツト床とし、前記下から三段目駐車空間
の上部から車両収容可能相当間隔だけ上方にお
いて広間隔となり、それらの間を漸狭状または
漸拡状に湾曲形成した湾曲ガイドレールと嵌合
させ、前記１対のリンク機構は上端間隔と下端
間隔が共に狭間隔である場合は上端と下端との
間隔が車両入出庫可能相当間隔となり、上端間
隔と下端間隔のいずれか一方が狭間隔で他方が
広間隔である場合は上端と下端との間隔が車両
収容可能相当間隔となるごとくしたことを特徴
とする三段式駐車設備。 (2) 前記鍔付車輪は、１本の共通軸により両側を
連結させた実用新案登録請求の範囲第１項記載
の三段式駐車設備。