JPS6316816Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 Ａ 考案の目的 (1) 産業上の利用分野 本考案はシリンダ軸線が略水平、もしくは傾斜
しており、シリンダブロツク上に結着されるシリ
ンダヘツドと、該シリンダヘツド上に被着される
ヘツドカバーとで動弁機構を収容する動弁室が形
成される水平、もしくは傾斜型多気筒内燃機関に
おけるブローバイガス取出装置に関するものであ
る。

(2) 従来の技術 従来シリンダ軸線が略水平、もしくは傾斜した
水平型もしくは傾斜型内燃機関は既に公知である
（実公昭47−14023号公報参照）。また機関本体内
のクランク室に溜るブローバイガスを吸気マニホ
ールドに吸引し、これを再燃焼させるようにした
所謂PCV装置を備えた内燃機関も公知である
（図書「自動車の排気浄化装置とその整備」山海
堂発行参照）。

(3) 考案が解決しようとする問題点 ところでPCV装置を備えた内燃機関において、
機関本体のブローバイガス貯留部と、吸気マニホ
ールドとを接続するブローバイガス通路の途中に
は、オイルミストを分離するためのPCVチヤン
バが設けられるが、このようなチヤンバはオイル
分離機能をよくするためにはそこに開口されるブ
ローバイガスの流出、入口の高低差を大きくとる
ことが望ましい。

本考案は上記実情にかんがみてなされたもの
で、前記水平、もしくは傾斜型内燃機関のヘツド
カバーに前記PCVチヤンバを設けて前記目的を
達成させるとともに該チヤンバが点火プラグの交
換メンテナンス等に邪魔になることがないように
した、多気筒内燃機関におけるブローバイガス取
出装置を提供することを目的とするものである。

Ｂ 考案の構成 (1) 問題点を解決するための手段 本考案によれば、前記目的達成のため、シリン
ダ軸線を略水平、もしくは傾斜しており、シリン
ダブロツク上に結着されるシリンダヘツドと、該
シリンダヘツド上に被着されるヘツドカバーと
で、動弁機構を収容する動弁室が形成される水
平、もしくは傾斜型多気筒内燃機関において、前
記ヘツドカバーに、CPVチヤンバを形成し、該
チヤンバは、下部室と、この下部室の中間部より
上方にのびる上部室とより凸状に形成され、前記
下部室に、前記動弁室に連通する流入口を、また
前記上部室に、吸気マニホールドに連通する流出
口をそれぞれ開口し、さらに前記ヘツドカバーに
は前記上部室の両側において、点火プラグの差込
口を開口する。

(2) 作用 前記構成によれば、機関本体のヘツドカバーに
設けられるPCVチヤンバはオイルミストの分離
機能に優れ、しかも点火プラグの交換、メンテナ
ンス等の邪魔になることがない。

(3) 実施例 以下、図面により本考案の好適な実施例につい
て説明する。

シリンダ軸線Ｌ−Ｌが略水平に配置される水平
型４サイクル内燃機関の機関本体Ｅは、シリンダ
ブロツク１と、その端面に重合結合されるシリン
ダヘツド２と、そのシリンダヘツド２の端面に被
着されるヘツドカバー３とを備える。シリンダブ
ロツク１はシリンダ４とクランクケース５とを有
し、それらの下部にオイルパン６が固着される。
通常のようにシリンダ４内には、ピストン７が摺
動自在に嵌合され、このピストン７は、コンロツ
ド８を介してクランクケース５に回転自在に支持
されるクランク軸９に連動される。

シリンダヘツド２には、前記ピストン７の頂面
に対面して燃焼室１０が形成され、そこに点火プ
ラグ１１が設けられる。またシリンダヘツド２に
は、前記燃焼室１０に連通する吸、排気ポート１
２，１３が形成され、吸気ポート１２はシリンダ
ヘツド２の上面に開口されて吸気マニホールド
Miに接続され、また排気ポート１２は、シリン
ダヘツド２の下面に開口されて排気マニホールド
Meに接続される。吸、排気ポート１２，１３に
はそれぞれ吸、排気弁１４，１５が設けられる。
前記シリンダヘツド２とヘツドカバー３間には、
動弁室１６が形成され、該動弁室１６内には動弁
機構１７が設けられる。この動弁機構１７は従来
公知の構造を備えるもので、動弁室１６の中央部
には一本の動弁カム軸１８が回動自在に支承さ
れ、この動弁カム軸１８上の吸気カム１９と、前
記吸気弁１４とは、吸気側ロツカアーム軸２０に
揺動自在に支承されるロツカアーム２１を介して
連動され、また前記動弁カム軸１８上の排気カム
２２と、前記排気弁１５とは、排気側ロツカアー
ム軸２３に揺動自在に支承されるロツカアーム２
４を介して連動される。

シリンダヘツド２には、シリンダ軸線Ｌ−Ｌよ
りも上向きに傾斜させて中空円筒状のプラグ案内
筒２６の基端が固着され、このプラグ案内筒２６
は、ヘツドカバー３内を斜め上方にのびており、
その上端の差込口２６ａはパツキン材２７を介し
てヘツドカバー３の外壁に支持される。そして点
火プラグ１１はプラグ案内筒２６の差込口２６ａ
よりその内部に挿入され、燃焼室１０壁に螺着さ
れる。

第２図に示すように前記ヘツドカバー２の頂面
には、略同形のPCVチヤンバ２８とブリーザチ
ヤンバ２９とが並列して膨出形成されており、そ
れらのチヤンバ２８，２９同志は境界壁３０によ
つて仕切られ、またそれらのチヤンバ２８，２９
は共通のカバープレート３１によつて動弁室１６
と区画される。

前記PCVチヤンバ２８は下部室２８ｄと、そ
の中間部から上方に突出する上部室２８ｕとより
凸状に形成される。

PCVチヤンバ２８は、その下部室２８ｄが、
カバープレート３１に穿設した流入口３２を通し
て動弁室１６に連通され、またその上部室２８ｕ
の上壁に流出口３３が開口される。この流出口３
３は、従来公知のPCVバルブ３４を介してサク
シヨンチユーブ３５の一端に連通され、このサク
シヨンチユーブ３５の一端に連通され、このサク
シヨンチユーブ３５の他端は機関の吸気マニホー
ルドMiに連通される。したがつて動弁室１６内
に貯留されたブローバイガスは、PCVチヤンバ
２８、PCVバルブ３４、およびサクシヨンチユ
ーブ３５を通して吸気マニホールドMiに吸引さ
れる。PCVバルブ３４は従来公知のもので機関
の高速回転時にその開度を増大し、またその低速
回転時にその開度を減少するように制御される。

前記ブリーザチヤンバ２９も下部室２９ｄと、
その中間部より上方に突出する上部室２９ｕとよ
りなり、その下部室２９ｄはカバープレート３１
に穿設した流入口３６を通して動弁室１６に連通
され、またその上部室２９ｕの上壁に流出口３７
が開口される。この流出口３７はエアチユーブ３
８を通して機関のエアクリーナAcに連通される。
したがつて動弁室１６内は、前記ブリーザチヤン
バ２９、エアチユーブ３８およびエアクリーナ
Acを介して外気との間に呼吸作用が行われる。

第２図に示すように前記PCVチヤンバ２８お
よびブリーザチヤンバ２９の上部室２８ｕ，２９
ｕ間に形成される凹状空間には、それぞれ複数の
燃焼室１０に対応する各プラグ案内筒２６の差込
口２６ａが開口しており、この差込口２６ａより
点火プラグ１１の交換、メンテナンス等が行われ
る。

次に本実施例の作用について説明する。機関の
運転により発生したブローバイガスはクランク室
等より動弁室１６へと流入する。動弁室１６に貯
留されたブローバイガスは、吸気マニホールド
Miの吸引作用により、カバープレート３１の流
入口３２を通つてPCVチヤンバ２８の下部室２
８ｄ内に吸引され、ここでオイルミストを分離さ
れたのち、その上部室２８ｕの流出口３３よりサ
クシヨンチユーブ３５を通つて吸気マニホールド
Mi内に吸引され、燃焼室１０に導入されて再燃
焼される。この場合PCVチヤンバ２８は上下方
向に長く形成されてその下部室２８ｄに流入口３
２が、その上部室２８ｕに流出口３３が開口され
ることにより、それらの流入、出口３２，３３の
間に十分な高低差が確保され、ブローバイガス中
のオイルミストの分離が確実に行われるとともに
機関本体Ｅの傾斜時にも吸気マニホールドMiへ
のオイルの吸入が阻止される。

また機関本体Ｅ内の呼吸作用は、ブリーザチヤ
ンバ２９、エアチユーブ３８、およびエアクリー
ナAcを介して行われる。

Ｃ 考案の効果 以上の実施例により明らかなように本考案によ
れば、水平もしくは傾斜型内燃機関において、ヘ
ツドカバーにPCVチヤンバを形成し、該チヤン
バは下部室と、この下部室の中間部より上方にの
びる上部室とより凸状に形成され、下部室に動弁
室に連通する流入口を、また上部室に吸気マニホ
ールドに連通する流出口をそれぞれ開口したの
で、PCVチヤンバはその流出、入口の大きな高
低差を確保することができ、ブローバイガス中の
オイルミストの分離を確実に行うことができ、し
かも機関本体が傾斜してもオイルを吸気マニホー
ルドに吸込む心配がない。

また前記ヘツドカバーには、前記上部室の両側
において点火プラグの差込口を開口したので、
PCVチヤンバを上下に長く形成したにも拘らず
点火プラグの差込口の周囲には、十分の空間を確
保することができ、点火プラグの交換、メンテナ
ンス等をヘツドカバーの上側より容易に行うこと
ができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は本考案装置を備えた内燃機関の縦断側面図、第
２図は第１図線矢視図、第３図は第１図−
線断面図である。 Ｌ−Ｌ……シリンダ軸線、Mi……吸気マニホ
ールド、１……シリンダブロツク、２……シリン
ダヘツド、３……ヘツドカバー、１１……点火プ
ラグ、１１ａ……差込口、１６……動弁室、１７
……動弁機構、２８……PCVチヤンバ、２８ｄ
……下部室、２８ｕ……上部室、３２……流入
口、３３……流出口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダ軸線が略水平、もしくは傾斜してお
   り、シリンダブロツク上に結着されるシリンダヘ
   ツドと、該シリンダヘツド上に被着されるヘツド
   カバーとで、動弁機構を収容する動弁室が形成さ
   れる水平、もしくは傾斜型多気筒内燃機関におい
   て、前記ヘツドカバーに、PCVチヤンバを形成
   し、該チヤンバは、下部室と、この下部室の中間
   部より上方にのびる上部室とより凸状に形成さ
   れ、前記下部室に、前記動弁室に連通する流入口
   を、また前記上部室に、吸気マニホールドに連通
   する流出口をそれぞれ開口し、さらに前記ヘツド
   カバーには前記上部室の両側において、点火プラ
   グの差込口を開口したことを特徴とする多気筒内
   燃機関におけるブローバイガス取出装置。