JPS6315958B2 - - Google Patents

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JPS6315958B2
JPS6315958B2 JP56019251A JP1925181A JPS6315958B2 JP S6315958 B2 JPS6315958 B2 JP S6315958B2 JP 56019251 A JP56019251 A JP 56019251A JP 1925181 A JP1925181 A JP 1925181A JP S6315958 B2 JPS6315958 B2 JP S6315958B2
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JP
Japan
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paint
pattern
acid
solvent
thermochromic
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JP56019251A
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JPS57133170A (en
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Tatsuya Suzuki
Takeki Kashiwara
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Kikusui Kagaku Kogyo KK
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Kikusui Kagaku Kogyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は建築物、機械装置、発熱装置もしくは
化学プラント等に塗装を施すことによつて、その
被塗面の温度分布を容易に確認することができる
熱変色性多彩模様塗料に関する。
従来より、物体表面の温度を知る方法として、
熱電対を利用した表面温度計等の測定器具を用い
る方法や、示温塗料と称する熱変色性材料の混入
した塗材を塗装しておき、その色の変化で温度を
知る等の方法があつたが、測定器具を用いる方法
では部分的な温度しか知り得ず、目視観察のみで
全体の温度分布を知ることは不可能に近いことで
あつた。また示温塗料を用いる方法においては、
塗料中に高価な熱変色性材料が温度変化に伴い色
も変化することが目視によつて確認できる濃度以
上に均質に混入しているため、塗料として非常に
高価なものとなつてしまうという欠点の他、被塗
面の温度分布が一様でない時は、塗装された示温
塗料の色も、それに従つて一様でなくなり美観上
不快感を与えるものであつた。
本発明の上記の従来法の欠点を解決し、多彩模
様中のある特定色に高価な熱変色性材料を混入せ
しめることによつて全体の価格を大幅に下げ、そ
の上、熱変色性材料の混入されていなに模様部分
は、熱的な変色を伴なわない確定した色として存
在しているために被塗面の温度分布が一様でない
時でも塗装された面の全体としては、おおかた一
様な美観を保持するものである。
即ち、本発明の目的は建築物、機械装置、発熱
装置、もしくは化学プラント等の被塗面に塗料を
施すことによつて多彩模様を与え美装せしめると
同時に、被塗面全体の温度分布を容易に知る手段
を安価に提供することにある。
この目的は溶媒部塗料中に模様部塗料が複数色
で分散されている多彩模様塗料において、複数色
の内の少なくとも1色を構成する模様部塗料中に
熱変色性材料を含有せしめ、かつ、該模様部塗料
中に、グアーガム、カラギーナン、ガンサンガ
ム、ローカストビーンガム、ペクチン、アルギン
酸塩のうちから選んだ1種、または2種以上を必
須成分として含有せしめることによつて達成され
る。
本発明をさらに詳細に説明する。
本発明における溶媒部塗料とは、水溶性樹脂ま
たは、エマルジヨン樹脂、或いは無機質バインダ
ーの水性の塗膜形成要素と諸添加剤より構成され
るもので、後述する模様部塗料の色を隠蔽せずに
多彩模様を現出せしめる意味で乾燥後の塗膜が透
明もしくは透明に近くなければならない。
上記した水溶性樹脂としては、アクリル樹脂、
エポキシ樹脂、アルキツド樹脂、ポリエステル樹
脂等の単独もしくは共重合体である合成樹脂を水
可溶性に変性したもので、市販されているものに
はアロロン5(日本触媒化学工業社製)、ウオータ
ーゾルS−302(大日本インキ化学社製)等があ
る。また、エマルジヨン樹脂としては、アクリル
酸エステル、メタアクリル酸エステル、酢酸ビニ
ール、塩化ビニリデン、エチレン・酢酸ビニール
共重合体、スチレン・アクリル酸エステル共重合
体、酢酸ビニル・バーサチツク酸共重合体等が単
独もしくは、2種類以上の共重合体、乃至は混合
物として挙げられる。
本発明の溶媒部塗料に使用する無機質バインダ
ーとしてはコロイダルシリカ、アルミナゾル、リ
チウムシリケート、各種ポリリン酸塩、ナトリウ
ムシリケート等が挙げられる。
また溶媒部塗料の塗膜形成要素は、本発明の主
旨を損なわない限り、水溶性樹脂、エマルジヨン
樹脂、無機質バインダーの各々の群から1種、ま
たは複数、あるいは複数群からの複数適用を行つ
ても一向に差し支えない。
溶媒部塗料の諸添加剤としては、通常水性塗料
に使用されるもので必要に応じて配合され、例え
ば分散剤や湿潤剤等の界面活性剤、造膜助剤(例
えば、ブチルカルビトールアセテート、ジブチル
フタレート、ベンジルアルコール等)、凍結安定
剤(例えば、エチレングリコール等)、防腐剤、
防バイ剤、消泡剤、増粘剤(例えば、メチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニ
ールアルコール、ポリアクリル酸ソーダー等)、
紫外線吸収剤、酸化防止剤、あるいは乾燥後塗膜
の透明性を損なわない量の範囲で着色材料もしく
は体質顔料(例えば、炭酸カルシウム、硅粉、ク
レー、マイカ)等を添加できる。
本発明の模様部塗料は(イ)熱変色性材料を含有し
ないもの。(ロ)熱変色性材料を含有するもの。の2
種類があり、模様部塗料(イ)および(ロ)は、必須成分
としてグアーガム、カラーギナン、ザンサンガ
ム、ローカストビーンガム、ペクチン、アルギン
酸塩のうちから選んだ1種または2種以上を含有
せしめておく必要がある。
上記、グアーガムは別名グアランとも呼び、イ
ンド、パキスタンの乾燥地帯に裁培されている一
年生の豆料植物グアー(cyamopsis
tetragonolobus)の種子胚乳区分より得られるガ
ムであり、未変性もしくはノニオンまたはアニオ
ンまたはカチオンに変性したものであつてもかま
わない。
上記、カラギーナンは紅藻類を原料として水抽
出により製造されたものでガラクトーン、3、6
−アンヒドロラクトース及びこれらの硫酸エステ
ルを含むガラクタンの一種である。
上記ザンサンガムはキヤベツから単離されたキ
サントモナス・カンペストリス
(Xanthomonascampestris)の醗酵作用で生産さ
れたガムである。
上記ローカストビーンガムは地中海沿岸に生育
する高木のイナゴ豆(ceratonia siligua)の種子
胚乳区分より得られるガムであり、その誘導体で
あつてもかまわない。
上記ペクチンは、緑色植物より抽出されたもの
でその主体はD−ガラクチユロン酸が線状に縮重
合した高分子酸でカルボキシル基は、メチルエス
テルになつているものである。
上記アルギン酸塩はコンブ、ワカメ等の褐藻類
に存在する酸をアルカリで中和したものであり、
種々の誘導体がある。
上記した模様部塗料中の必須成分としての市販
品の商品名の例を以下に列記する。
グアーガム エムコガム−563 (スイス:メイプロ社製) メイプロガツト−90 (スイス:メイプロ社
製) メイプロイド−9801 (スイス:メイプロ社
製) メイプロフロツク−G・70 (スイス:メイプ
ロ社製) ジヤガー−HP8 (アメリカ:スタインホー
ル社製) ジヤガー−C−13 (アメリカ:スタインホー
ル社製) ジヤガー−CMHP(アメリカ:スタインホール
社製) カラギ−ナン ゲニユゲル−Lc・1 (デンマーク:コペン
ハーゲンペクチン社製) ゲニユゲル−WG (デンマーク:コペンハー
ゲンペクチン社製) ゲニユビスコ−j (デンマーク:コペンハー
ゲンペクチン社製) ゲニユラクターCPS (デンマーク:コペンハ
ーゲンペクチン社製) ザンサンガム ケルザン (アメリカ:ケルコ社製) ケルザン−M (同上) ケルガム (同上) ケルフロー (同上) ローカストビーンガス エムコガムフレール−M・175 (スイス:メ
イプロ社製) エムコガム−ラツク (スイス:メイプロ社
製) メイプロガム−CR (同上) ペクチン ゲニユペクチン−JM (デンマーク:コペン
ハーゲンペクチン社製) ゲニユペクチン−ベーキング(デンマーク:コ
ペンハーゲンペクチン社製) ゲニユペクチン−112AS (デンマーク:コペ
ンハーゲンペクチン社製) ゲニユペクチン−18CB (デンマーク:コペ
ンハーゲンペクチン社製) アルギン酸塩 ケルギンHV (アメリカ:ケルコ社製) ケルギンF (同上) ケルビス (同上) ケルテツクスP (同上) ケルセツト (同上) 模様部塗料中の該必須成分は、いずれもホウ素
イオン、カルシウムイオン、クロムイオン、アン
チモンイオン、アルミニウムイオン等を電離する
ような電解質物質を共存させることにより、ゲル
化せしめることが可能である。即ち、上記した模
様部塗料中の該必須成分は、いずれも水に溶解す
る性質を持つているが、電解質物質が該必須成分
に対して50PPm以上の濃度で共存するとゲル化
を起し水に不溶な状態になる。本発明における溶
媒部塗料中に模様部塗料が溶解することなく、安
定に分散する基本原理は、模様部塗料中の該必須
成分が、電解質物質の共存によりゲル化するから
である。また、該電解質物質は溶媒部塗料中に含
ませることも、模様部塗料中に含ませることも可
能である。即ち、該電解質物質が溶媒部塗料中に
含有されている場合は、溶媒部塗料と接触する模
様部塗料の表面がゲル化しカプセル状態になり模
様部塗料の溶出を阻み、模様部塗料が安定に分散
した多彩模様塗料を得る。
また、該電解質物質が模様部塗料中に含有され
ている場合は、模様部塗料の全体がゲル化するた
め溶媒部塗料中に模様部塗料が浴出することなく
安定に分散した多彩模様塗料を得る。
以上の具体的製造方法については後で詳細に説
明する。
模様部塗料の(イ)は、上記した必須成分の他に、
本発明における溶媒部塗料に使用できた塗膜形成
要素および諸添加剤と同様な範囲から選択し得る
がとりわけ、着色材料(例えば、酸化チタン、ベ
ンガラ、フタロシアニンブルー、酸化クロム、カ
ーボンブラツク、黄鉛、各種塗料等)と体質顔料
については、その配合量を多くし、模様部塗料(イ)
を着色し、隠蔽力を持たせる必要がある。
また、模様部塗料(ロ)は概略、模様部塗料(イ)と同
様な組成でよいが、着色効果を主として熱変色性
材料によつて生成させるために、(イ)よりも着色材
料の量が少ない方が好ましい。
模様部塗料(ロ)に使用する熱変色性材料とは、そ
れ自体特定の温度において無色から有色または、
有色Aから有色Bへと可逆的または不可逆的に変
色する材料、もしくは組成物である。
かかる熱変色性材料には、単一成分系材料とし
てリン酸カリウム・コバルト(C0KPC4・H2O)、
水酸化カドニウム(Cd(CH)2)、炭酸カドニウム
(CdCO3)、リン酸マンガン・アンモニウム
(NH4MnP4、C7)、バナジウム酸アンモニウム
(NH4VO3)、塩化スズ(Sncl2)、ヨウ化水銀酸銀
(Ag2HgI4)、ヨウ化水銀酸銅(Cu2HgI4)ヨウ化
水銀酸銅銀(Cu2HgI4・Ag2HgI4)、インドール
誘導体、ビロリン誘導体、ジチオカルバミン酸金
属塩、CoI2・2C6H12N4・loH2O、NiCl2
2C6H12N4・lOH2O等が挙げられる。また上記し
た単一成分系材料の他に、複数の成分からなる組
成物も熱変色性材料として本発明に使用できる。
かゝる組成物には、 (a)長鎖脂肪酸銀塩と有機還元剤を組み合せたも
の。(b)長鎖脂肪酸鉄塩とキレート剤を組み合せた
もの。(c)有機酸重金属塩とアルカリ土類金属硫化
物を組み合せたもの。(d)有機酸重金属塩とキレー
ト剤を組み合せたもの。(e)脂肪酸第2鉄塩とチオ
セミカルバジド誘導体、またはイソチオセミカル
バジド誘導体を組み合せたもの。(f)有機酸鉛塩と
チオ尿素誘導体を組み合せたもの。(g)テトラゾリ
ウム塩と還元剤を組み合せたもの。(h)芳香族アミ
ンと芳香族N−ニトロソアミンを組み合せたも
の。(j)ロイコ染料を呈色材として、それにフエノ
ール類、もしくはカルボン酸類、或いはフエノー
ル類とカルボン酸類を併用して必要に応じ酸アミ
ド、有機溶剤を組み合せたもの。等を挙げること
ができる。上記した組成物としての熱変色性材料
のうち特に好ましいのは(i)であり、これをさらに
詳述する。ロイコ染料とは、分子内にラクトン環
またはラクタム環、もしくはスピロピラン環を有
する呈色性化合物でこのものが、カルボン酸類、
もしくはフエノール類の如き酸性物質と反応し呈
色することは、例えば、オー・フイシヤー(O・
Fischer)及びエフ・ローマー(F・ROmer)が
ベリヒテデルドイチエン ケミツシエン ゲゼル
シヤフト(Berichte der deutschen Chemishen
Gesellshaft)の42巻2934〜2935頁(1909年)に
報告している通り公知である。またロイコ染料と
フエノール類、もしくはカルボン酸類の如き酸性
物質を組み合せ熱的手段によつて呈色させること
も特公昭43−4160「発明の名称;熱感応性複写シ
ート」に記載されているように公知である。
ある特定温度でロイコ染料が呈色するために
は、フエノール類、もしくはカルボン酸類の内か
ら、ある特定温度で融解、もしくは昇華する化合
物を選択するか、さらに他の酸アミド、有機溶剤
等の化合物を併用し共融点効果等により、呈色す
る温度を調整させてもよい。
上記ロイコ染料としては、クリスタルバイオレ
ツトラクトン、マラカイトグリーンラクトン、3
−ジメチルアミノ−6−メトキシフルオラン、3
−ジメチルアミノ−6−メチル−7−クロロフル
オラン、3−ジメチルアミノ−5−メチル−7−
ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−7−クロロフルオラン、3−モルホリノ−
5,6−ベンゾフルオラン、3−エテル−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、2−アニリノ−
6−ジエチルアミノフルオラン、ベンゾイルロイ
コメチレンブル−、N−フエニルロータミンβラ
クタム、ベンゾ−β−ナフトスピロラン、等が挙
げられる。
また上記フエノール類としては、ビスフエノー
ルA、2−クロロフエノール、2−メチルフエノ
ール、2−tert−ブチルフエノール、P−フエニ
ルフエノール、αナフトール、βナフトール、ノ
ボラツク型フエノール樹脂、タンニン酸、没食子
酸ブチル、フエノールフタレイン、ビスフエノー
ルS等が挙げられる。
上記カルボン酸類としては、酢酸、プロピオン
酸カプロン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、クロ
トン酸、オレイン酸、リノール酸、コハク酸、リ
ンゴ酸、マレイン酸、フマール酸、バニリン酸、
トリメリツト酸、フタル酸等が挙げられる。
上記酸アミドとしては、プロピオン酸アミド、
ラウリン酸アミド、パルチミン酸アミド、オレイ
ン酸アミド、ステアリン酸アミド、ミリスチン酸
アリニド、ステアリン酸アニリド、ラウリン酸N
−ブチルアミド、ジステアリン酸アミド、マレイ
ン酸アミド、リシノール酸アミド、マロン酸N−
メチルアミド、等が挙げられる。
また、上記有機溶剤としては、エチレングリコ
ール、n−オクチルアルコール、ベンジルアルコ
ール、ヘキシレングリコール等のアルコール類、
酢酸エチル、プロピオン酸エチル、ステアリン酸
エチル、フタル酸ジブチル等のエステル類、エチ
ルブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソ
ブチルケトン、アセトン等のケトン類等が挙げら
れる。
熱変色性材料(i)は上記したロイコ染料を呈色材
として、それにフエノール類、もしくはカルボン
酸類、あるいはフエノール類とカルボン酸類を併
用して必要に応じ酸アミド、有機溶剤を組み合せ
たもので、呈色(熱変色)する温度、呈色時の色
相等に応じて上記ロイコ染料、フエノール類、カ
ルボン酸類、酸アミド、有機溶剤のそれぞれの群
より1種類または2種類以上を選択し適宜配合し
たものである。
以上本発明に使用する熱変色性材料について詳
述したが、該熱変色性材料を模様部塗料(ロ)に含有
せしめるにあたり、該熱変色性材料が常温で粉末
状組成物のもの、もしくは液状組成物のもの、ま
たは、粉末状単一成分系のものをそのまゝ用いる
ことも可能であるが、それをマイクロカプセルに
封入したものを熱変色性材料として模様部塗料中
に含有せしめることもできる。マイクロカプセル
に上記粉末状組成物、もしくは液状組成物、また
は粉末状単一成分系のものを封入する方法には、
界面重合法、液中硬化被覆法、水溶液系からの相
分離法、液中乾燥法、粉床法、スプレドライング
法、真空蒸着被覆法等の公知の技術があり、それ
を用いればよい。なお、近藤朝士か「マイクロカ
プセル」誌(1970年)中、35頁から158頁にわた
り記載していることが参考になる。
特に常温において液状の組成物はマイクロカプ
セルに封入するのが望ましい。これは組成物中の
成分が蒸発により散逸するを防ぐためである。
しかしながら、常温以上の温度(例えば90℃)
に上昇すると液状、または気体状を呈するような
熱変色性材料を必ずしもマイクロカプセルに封入
する必要がないのは本発明の特長の一つである。
なぜならば、該熱変色性材料を含む模様部塗料は
塗膜形成要素を含む溶媒部材に乾燥後も包含され
ているため、その後、温度の上昇に伴い模様部塗
料中の成分が液状、または気体状になつても、包
含する溶媒部塗料の塗膜が障壁となり散逸するの
を防ぐからである。
本発明に使用する熱変色性材料は、模様部塗料
(ロ)中の熱変色性材料を除いた全固型分100重量部
に対して5〜200重量部の範囲で、含有せしめる
ことが好ましい。5重量部以下では、熱変色性材
料による特定温度における呈色性が悪くなり200
重量部以上では、溶媒部塗料中に該模様部塗料(ロ)
が分散されたとしても、熱変色性材料が溶媒部塗
料中に溶出もしくは散逸し、その結果として、呈
色効果がなくなつてしまう恐れがある。
本発明の熱変色性多彩模様塗料の製造方法は、
(A)模様部塗料の製造工程、(B)溶媒部塗料の製造工
程、(C)溶媒部塗料中に模様部塗料を分散せしめる
製造工程の3つより基本的に成り、そのうち(A)の
工程は、多彩模様の色相の数に応じて複数の工程
となり、前述したようにその内の少なくとも、1
工程に、熱変色性材料が含有される模様部塗料の
製造工程が存在する。
模様部塗料を製造するには、公知の塗料製造技
術を応用すればよく、ハイスピードミル、ボール
ミル、アトライザー、サンドミル、コロイドミル
等の分散装置を使用し、塗膜形成要素と諸添加剤
と本発明でいう必須成分の所定量を順次添加して
混合分散せしめればよい。熱変色性材料が配合さ
れる模様部塗料も同様にして製造できる。
溶媒部塗料の製造方法も公知の塗料製造技術を
応用すればよく、ハイスピードミル、ボールミ
ル、アトライザー等の分散装置を使用し、塗膜形
成要素と諸添加剤の所定量を順次添加して製造す
る。また、電解質物質を模様部塗料、若しくは溶
媒部塗料中のどちらかに上記諸添加剤と同様にし
て添加分散させる。また、塗料粘度の調整の目的
で水を上記製造工程中に配合せしめて差し支えな
い。溶媒部塗料中に模様部塗料を分散せしめる方
法はまず、剪断力が働くような撹拌羽根を持つた
分散装置を有する溶器中に溶媒部塗料を入れてお
き、撹拌羽根を回転させつゝ模様部塗料を該溶媒
部塗料中に添加すれば、撹拌羽根による剪断力が
働き模様部塗料が裁断され分散される。分散され
た模模様部塗料の大きさは、撹拌羽根の回転数と
回転時間によつて調整すればよい。
本発明における該塗料の塗装は、ローラー塗り
コテ塗り、スプレー塗り等の方法を用いて行う。
また、該塗料の塗装に先だつて、あらかじめ所望
する色の不塗り塗料を施しておくと、不塗り塗料
の色が粒状、もしくは斑点状等の多彩模様を有す
る上塗りした該塗料の透明な溶媒部塗料の皮膜を
通して現出し、一層効果的な色彩を与える。かゝ
る下塗り塗料としては、金属の被塗面の場合は金
属用のものが、木工の被塗面の場合は木工用のも
のが、コンクリートやモルタルの被塗面の場合は
建築用のものが適宜選択され得る。また、該下塗
り塗料は水性であつても油性であつても一向に差
し支えない。
本発明の熱変色性多彩模様塗料においては、被
塗面となつた物体表面の温度分布を目視により容
易に知ることができるばかりでなく、高価な熱変
色性材料を多彩模様として点在させることにより
飛躍的に価格を下げる一方、被塗面の温度分布に
バラツキがあつたとしても、点在する熱変色性材
料を含む部分のみが色の変化を呈するだけなの
で、全体として従来の示温塗料のように色ムラと
ならず美観を保持するものである。また、本発明
の該塗料は水性のために塗料作業者の健康管理の
面でも有利である。さらに、熱変色性材料がある
特定温度で液状、または気体状になつたとしても
溶媒部塗料によつて包含されているため散逸して
効果が失なわれることがないことも本発明の大き
な特長の一つである。
次に実施例にて詳述する。なお、実施例中の配
合値は全て「重量部」である。
実施例 1 赤色の模様部塗料(イ)の配合 水 50 分散剤 0.2 着色材料(ベンガラ) 5 体質顔料(炭酸カルシウム) 10 グアーガム(商品名ジヤガーC13:スタインホ
ール社製) 1 消泡剤 0.2 防腐剤 0.2 塗膜形成要素(アクリル酸エステルエマルシヨ
ン樹脂50%) 50 緑色の模様部塗料(イ)の配合 水 50 分散剤 0.2 着色材料(酸化クロム) 5 体質顔料(炭酸カルシウム) 10 グアーガム(商品名ジヤガーC13:スタインホ
ール社製) 1 消泡剤 0.2 防腐剤 0.2 塗膜形成要素(アクリル酸エステルエマルシヨ
ン樹脂50%) 50 35℃で熱変色する模様部塗料(ロ)の配合 水 50 分散剤 0.2 体質顔料(炭酸カルシウム) 5 グアーガム(商品名ジヤガーC13:スタインホ
ール社製) 1 消泡剤 0.2 防腐剤 0.2 塗膜形成要素(アクリル酸エステルエマルシヨ
ン樹脂50%) 50 熱変色性材料・D(注1) 8 (注1)熱変色性材料・Dはクリスタルバイオ
レツトラクトン(新白曹化工社製)100重量
部にDLリンゴ酸200重量部とオレイン酸アミ
ド300重量部およびフタル酸ジブチル50重量
部を加え140℃で加熱溶融し均質に混合した
ものを室温(20℃)まで冷却し固型状態とな
し、それをポールミルで100〜200メツシユの
粉末にしたものである。
このもの自体の予備試験では、35℃以下で
無色35℃以上では青を呈するものであつた。
溶媒部塗料の配合 塗膜形成要素(アクリル酸エステルエマルシヨ
ン樹脂50%) 500 造膜助剤(ブチルカルビトールアセテート) 15 増粘剤(メチルセルロース) 5 消泡剤 2 防腐剤 2 紫外線吸収剤 2 電解質物質(三酸化ホウ素) 1 上記した配合比に従つて〜の模様部塗料お
よびの溶媒部塗料をハイスピードミルを用いて
それぞれ製造する。次いでの溶媒部塗料500重
量部を鋭利な刃先のついた撹拌羽根を有する分散
装置の容器に移し入れ、該装置を50R.P.Mの速度
で撹拌させつつ、〜の模様部塗料をそれぞれ
30重量部ずつ添加する。なお、この際〜の模
様部塗料は該容器中でそれぞれ15分間ずつ撹拌を
受けるようにする。かくして熱変色性多彩模様塗
料を得た。
次で、この塗料をあらかじめ白色の下塗り塗料
(商品名:キクスイコートリシン骨抜き)菊水化
学工業社製を塗料しておいたモルタル内壁面にシ
リンガンを用いて空気圧3Kg/cm2でスプレー塗装
したが、乾燥後には白色の背景色と赤と緑の砂粒
大から親指大の粒状、もしくは斑点状の多彩模様
が形成された。この時の塗壁面の温度分布を表面
温度計(HP−4F型安立計器社製)を用いて複数
個所で測定してみると、20〜30℃であつた。その
後、この室内の温度をエアーコンデシヨナル装置
を用いて一定時間昇温させた後、再び塗装した面
を観察してみると、中央から天井付近にかけての
塗壁面において新たに粒状、もしくは斑点状の青
色の模様が加わつていた。一方、中央から床付近
にかけては昇温させる以前と模様の色はなんら変
化していなかつた。この時の塗壁面の温度分布を
前記表面温度計を用いて測定してみると、新たに
青色の模様が加わつた個所は、いずれも35〜40℃
であり、変色しなかつた個所は30〜34℃であつ
た。
実施例 2 実施例1中の溶媒部塗料の配合において、塗
膜形成要素のアクリル酸エステルエマルシヨン樹
脂(50%)を酢酸ビニル・アクリル酸エステル共
重合エマルシヨン樹脂(50%)に置き換え、実施
例1と同様な方法で熱変色性多彩模様塗料を得て
から同様に塗装し観察したが実施例1と同様な結
果を得た。
実施例 3 実施例1中の模様部塗料〜の配合中グアー
ガムをカラギーナン(商品名:ゲニユビスコJ、
デンマーク:コペンハーゲンペクチン社製)に置
き換え同様の比率で実施例1と同様にして熱変色
性多彩模様塗料を得てから同様に塗装し観察した
が、実施例1と同様な結果を得た。
実施例 4 実施例1中の模様部塗料(ロ)の配合中の熱変色
性材料Dをリン酸カリウムコバルト(CoKPO4
H2O)に置き換え同様にして熱変色性多彩模様
塗料を得た。なお、リン酸カリウムコバルトそれ
自体は、140℃以下でバラ色、140℃以上で青色を
呈するものである。該塗料を電動モーターの金属
性の外皮部分にスプレー塗装したが乾燥後には赤
色と緑色とバラ色の三色の色相を有した多彩模様
が形成された。実施例1と同様にして塗装面の温
度分布を測定すると25〜26℃であつた。その後、
上記電動モーターを24時間負荷運転させ、運転中
に塗装面を観察すると中央部分においてバラ色の
斑点状の模様部分が青に変化しているのが一目で
わかつた。この部分の表面温度は140〜160℃と測
定された。また何ら変化のみられない個所は60〜
140℃と測定された。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 水性塗料(以下「溶媒部塗料」と呼ぶ)中
    に、着色された水性塗料(以下「模様部塗料」と
    呼ぶ)が、複数色で分散されている多彩模様塗料
    において、複数色の内の少なくとも1色を構成す
    る複様部塗料中に熱変色性材料を含有せしめ、か
    つ、模様部塗料中に、グアーガム、カラギーナ
    ン、ザンサンガム、ローカストビーンガム、ペク
    チン、アルギン酸塩のうちから選んだ1種、また
    は2種以上を必須成分として含有せしめることを
    特徴とする熱変色性多彩模様塗料。
JP1925181A 1981-02-12 1981-02-12 Thermochromic coating compound with colorful pattern Granted JPS57133170A (en)

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