JPS63149093A - ガスシ−ルド溶接用ワイヤ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はに溶接用ワイヤに関する。更に詳述すると、本
発明はＣＯ２ガスシールド自動・寥自動溶接等のガスシ
ールド溶接に用いて好適な溶接ワイヤに関する。

［従来方法］ 粒界酸化層を適当量残存させることで、粒界酸化層中の
酸素の働きにより溶滴の移行特性をスムーズにすること
及び粒界酸化層により生じる横溝により送給ローラでの
スリップを防止し、安定したワイヤ送給速度、つまり良
好な送給性を得ようとする試みは従来試されている（特
開昭５８−１２８２９４、特開昭５９−６１５９２）。

しかし、このタイプの溶接用ワイヤを製造する場合は適
切に調整された雰囲気中に行なう焼鈍工程により均一な
粒界酸化層と表面スケール層を形成し、その後の耐洗工
程により表面スケール層を完全に除去し、かつ最適量の
粒界酸化層を均一に残存させる必要がある。しかし、粒
界酸化層を均一に残存させることは、極めて困難である
。

即ち、酸洗条件が弱いと部分的に焼鈍スケールが残存し
、後の銅メッキの密着性が著しく劣化する。このため、
溶接中にコンジットケーブル内、トーチ内、通電チップ
内に銅粉が蓄積して送給不良を生じ、溶接が継続できな
くなる。

このスケール残存状ｙＥを参考図第１図の顕微鏡写真に
示す。

一方、酸洗条件が強すぎると、粒界酸化層が部分的に溶
解し、跡に横１１■のみが形成される。この場合、良好
な送給性は確保できるが粒界酸化層中の酸素の効果が得
られないため、良好な溶滴の移行性を常に均一な状態で
確保することが出来ず、スパッタの多発を招く。

参考図第２図の顕微鏡写真に部分的に溶解している一例
を示す。

一方、溶接アークの安定性を改みする別の方法として、
ワイヤ表面にアルカリ金属を付着させる提案もなされて
いる。

その一つとして、アルカリ金属の脂肪酸塩や、炭酸塩を
塗付する方法がある（特開昭５８−３７９７）。

さらに、具体的な方法としては、ステアリン酸カリを含
んだ乾式潤滑剤を用い、伸線工程においてワイヤ表面に
固着させる方法がある（特開昭６Ｏ−２３１５９９）。

又、潤滑剤としてカリ分を含有した油により伸線するこ
とで付着させる提案もなされている（特開昭６ｌ−１２
６９９５）。

これらの提案にある様に、例えば微量のカリ分をワイヤ
　表面に付着させることにより、溶接アークの安定性は
改善できる。

［発明が解決しようとする問題点］ しかしながら、実生産においての問題は、この様く微量
のカリ分をどの様にして均一に付着させるかどうかであ
り、またそのような溶接用ワイヤを安定した品質で工業
的に大量に確保できるか否かにある。

またカリの付着においても上述の出願はいずれも満足の
いくものではない。

例えば、特開昭５８−３７９７は具体的に均一なアルカ
リ金属を付着させる方法が明示させていない点で不充分
であるが、さらに、本発明者らはアルカリ金属の中では
特にカリが溶接アークの改りに′Ｓり一する効果が大き
いこと、及びカリ源としては炭酸カリは、吸湿性が高く
、ワイヤ表面に極〈微ｊ−付着させることで、著しく、
ワイヤ表面が錆やすく１通常、製造後数箇月から数年を
経て使用される溶接ワイヤには不向きであることを見い
出した。

また特開昭６０−２３１５９９にはカリ源として工業相
ステアリン酸カリ粉末を用い溶接用ワイヤの最終伸線工
程において、ワイヤ１０　ｋ　ｇ　当たり０．２〜１０
ｇの脂肪酸カリ塩を付着している、そして、その付着手
段として、乾式伸線にて、最終製品径まで伸線する際、
ダイス数を１個に限り減面（１３０％以下で０．２〜１
０ｇの星をコントロールするようにしている。この；１
旨士ステアリン酸カリとしてカリ分を求めると２．４〜
１２１ｐｐｍに相当する。

本発明者らは、この様な方法によって得られた溶接用ワ
イヤは次の欠点があることを見い出した即ち、ワイヤ１
０　ｋｇ　＝、す、約２ｇ（カリ分としては２４ｐｐｍ
）以上の潤滑性物質であり、かつ吸湿性の高い物質であ
るステアリン酸カリがワイヤ表面に付着すると、送給ロ
ーラでワイヤがスリップし、均一な速度でワイヤを送給
することができず、溶接電流、電圧が大巾に変動し安定
した溶接アークが得られず、スパッターが多発する。

またワイヤ送給用コンジットケーブルが長い又は強く曲
げて使われる場合には、送給不能となる。

詳細は後述するワイヤＮｏ３，４，５．６の試験結果で
示しているが、ワイヤＮｏ５．（カリ付着％ｌ：２８ｐ
ｐｍ、ステアリン酸カリとしては２．３ｇ／ワイヤｔｏ
ｋｇ、）、　ワイヤＮｏ６（カリ付着１ｉ）６１ｐｐｍ
、ステアリン酸カリとしては５゜０ｇ／ワイヤｔｏｋｇ
、）では緩やかな送給系（コンジット配置・Ａ）でも不
具合が生じる。又は長時間使用しているとコンッジト内
にステアリン酸カリが蓄積固化し、送給を妨げる。しか
もワイヤの耐錆性を劣化させ実用に供しえない。

又、極微量で溶接アークを改善する効果のあるカリ分が
２．４〜１２１ｐｐｍの広い範囲を変動すると溶接アー
クの拡がりが箸しく変化し、適切な溶接電流、゛市川の
関係を設定しきれないという現象が生じる。

一方、伸線■二程では、伸線ダイスが新しいうちは、良
好な伸線性を示し、多量の潤滑剤が付１、′するが、継
続して使用されるにつれて、付着Ｉ１１：は減少するた
め、乾式伸線で付着させたカリ分をより均一　な範囲で
調整したワイヤが必要となる。

さらに、特開昭６１−１２６９９５にはカリ分を油中に
混合することによりワイヤ表面にカリを付着させる提案
がある。しかし、油や水溶性潤滑剤を用いた伸線方法は
ワイヤの表面を美しく仕りげる場合に多用されているこ
とから判る用に液加■二材の表面に、潤滑剤をできるだ
け残さない方法である。従ってアークの安定性に充分寄
与できるｊｌｌのカリ分を伸線ダイスの形状や、減面率
を種々変更しても付着させることは難しい。

以りの如く、カリを付着させることは、カリを均一に付
着させることが難しいのみでなく、たとえカリを適量付
着させてアーク安定性に効果を出しても、粒界酸化の横
溝の如く、送給ローラでのスリップを防止するには効果
なく、送給系がきつくなる、あるいは長尺コンジットで
使用されると、安定したワイヤの送給速度が得られず、
送給不良が生じ、良好なアークが得られず、スパッター
が多くなり、さらにひどくなるとアーク不安定を生じ溶
接欠陥が生じる。

［本発明の目的］ 本発明は１以上に述べた従来の粒界酸化による横溝形成
とカリ付着の各々の提案のもつ不具合をｔｉ善するため
、酸洗条件が強すぎて、粒界酸化層中に酸素がなくなり
、横溝のみが残存した時でも、この横溝の空洞部へ新た
に、酸素の代りに溶滴移行性を数片する物質を補充する
ことにより、安定して優れた溶滴移行性を示す溶接ワイ
ヤを提供することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ かかる目的を達成するため、本発明のガスシールド溶接
用ワイヤは、＃４素地表面に粒界酸化による横溝を右し
、訪描溝中にカリ分を合力させス上うにしている。

また１本発明のガスシールド溶接用ワイヤは、鋼素地面
に粒界酸化による横溝を右し、銅メッキ層中にカリ分を
含有させるようにしている。

１−述の構成の溶接ワイヤは、種々の実験の結果、アル
カリ金属のうち、特にカリを横溝中へ補充することによ
って、常に安定した送給性を確保でき、かつアークも安
定し、スッパタの発生も少ないことが判明した。

［発明の実施例］ 以下実施例を参照して本発明の溶接ワイヤを詳細に説明
する。

本発明の溶接ワイヤは、次のようにして製造される。

粒界酸化層を酸洗で調整後、工業用ステアリン酸カリを
含有させた乾式潤滑剤で１段以ヒ伸録することにより、
粒界酸化の残存部あるいは、粒界酸化の溶解部とも横溝
を形成しつつ、その横溝中にに業用ステアリン酸カリを
圧入する。伸線前にすでに酸洗で前処理されているため
ワイヤ表面は洗節化されているので、乾式伸線後のメッ
キ前処理で必要な酸洗、中和による表面活性化処理は極
〈短時間で良く、横溝中に保有させたカリ分を溶出する
ことはない。

さらにメッキ後乾式伸線を行なっても、メッキ層は伸線
中に鋼素地の横溝に沿って亀裂が生じ、カリ分はその中
へ侵入する。

以上の如く工業用ステアリン酸カリを含んだ潤滑剤での
乾式伸線は、メッキ前のみ、メッキ後のみ、あるいはメ
ッキ前後のいずれでも良く、その結果、従来の適当に粒
界酸化層を残存させることができたワイヤ以上に良好な
送給性とアークの安定性を保有した優れた溶滴移行性を
発揮するワイヤを得ることができた。

製造方法についてさらに詳述する。

焼鈍によって粒界醸化とともに表面スケールが発生した
ワイヤを酸洗によって、表面スケールは少なくとも完全
に除去し、粒界酸化部の酸化物が残存又は溶解により空
洞化した溶接ワイヤを次工程の伸線工程で工業用ステア
リン酸カリを用いた乾式伸線で横溝を形成しつつ、その
横溝中に、工業用ステアリン酸カリを圧入する。

なお、酸洗と、伸線工程の間にメッキ玉程を入れても良
い、また、伸線工程は全ブロック乾式伸線として潤滑剤
に工業用ステアリン酸カリを用いても又湿式伸線後少な
くとも１段以−ヒの乾式伸線を施こし、その際、ステア
リン酸カリを用いてもよい。

その後、ワイヤ表面にステアリン酸カリが付着したまま
（木発１１の伸線工程では、はぼ工業用ステアリン酸カ
リ１００％の潤滑剤を用いればこの時２００〜５００ｐ
ｐｍのカリが付着している。

）つづいて減面率５〜２５％の範囲で油スキンパスによ
り製品径まで仕ヒげる。

こうすることにより、ワイヤ表面のカリ付着量を大Ｉｌ
ｌに減じ且つ８ｐｐｍの範囲でコントロールすることが
できる。

さらに精度よくコントａ−ルするためには総減面率５〜
２５％の中で２回の油スキンパスを行なえば、４ｐｐｍ
の範囲でコントロールすることができる。

さらに総減面率５〜２５％の中で適当な値を選定するこ
とにより、平均カリ付着量を１〜１２ｐｐｍの間に設定
することができる。

しかも、総減面率を５〜２５％のいずれの値に設定して
も且つ２回の油スキンパスを施しても最低カリ付着％０
　、５　ｐ　ｐｍは確保することができる。

そしてバラツキも含めた０、５〜２０ｐｐｍの賃は溶接
アークを改善するに充分な量であり、且つ送給不良や耐
錆性の劣化は生じない。

以りの製法により、粒界酸化部の横溝中へ、ステアリン
酸カリを含んだ乾式潤滑剤を圧入し、溶接ワイヤに０．
５〜２０ｐｐｍのカリを含有させることができた。

一方、カリを含有させる別手段としては銅メッキ液とし
て青化カリ液を用いる方法がある。

従来と全く同じ製造工程の中で単に銅メッキ液を従来一
般に使わている前止ソーダと前止銅を主成分とするメッ
キ液から、前止カリと前止銅を主成分とするメッキ液に
変更する、あるいはピロリン酸カリメッキをすことで、
ワイヤ全体として０．５〜２０ｐｐｍのカリをａ！して
メッキ層中に含有させることができる。従ってカリの所
在位置はメッキ層を形成する゛重着粒子の中に取り込ま
れたもの、即ち、′ｎ４メッキ層中及び横溝中に含有さ
れている。従来、＋ｉ化ソーダ、ｔｉ化カリ、ｎ化銅な
どを主成分とする電気メッキでは、銅のみが析出し、推
定ではあるが銅粒子の間にメッキ液が閉じこめられるど
ういうことは考えていなかった。

［発明の効果］ 以りの説明よりＩｊｌらかように本発明のワイヤは銅素
地表面に粒界酸化による横溝を設け、該横溝中にカリ分
を含有するか、あるいは銅メッキ層中にカリ分を含有さ
せるようにしているので、酸洗条件が強過ぎて粒界酸化
層中に１１素がなくなり横溝のみが残存したときでも、
カリ分の補充によって安定かつ優れた溶滴移行性を確保
できる。

このことは、以−トの製造方法で製作した表１に示す種
々のワイヤを用いて、送給系を変化させた条件の基でＣ
Ｏ２溶接を行ない、アークの安定性、スパッタの発生量
を調査した結果よりも明らかである。

・使用した素線の化学成分 ｙｃｗ−ｔｔ　　　ワイヤ径１．２ｍｍφ・ワイヤの化
学成分 Ｃ：　０．０？。

Ｓ　ｉ　：　０．７９、 Ｍ　ｎ　：　１．５５、 Ｐ　：　０．０１５、 Ｓ　：　０．０１０、 Ｔ　ｉ　：　０．１５゜ 一溶接試験方法 ■ワイヤ　　ＹＧＷ−１１１，２ｍｍφ■溶接条件　２
８０〜３ＧＯＡ−３０〜３２Ｖ−３０ｃｐｍ■方法　　
　ビードオンプレート溶接 （トーチ固定、台車走行） ■母材　　　３Ｍ４１　Ｂ　（ｌｆｌｍｍ　ｔ　）■Ｅ
ｘｔｅｎｓｉｏｎ　　２０〜２５　ｍ　ｍ（６）シール
ドガス　　１００％ＣＯ２０Ｊ１　／　ｍ　ｉｎ（′１
．）使用コンジット及び配置 １）３ｍコンジット（送給系は緩やか）スプールよりワ
イヤをストレートに 送給　（第１図） ２）６ｍコンジット（送給系はきつい）スプールよりワ
イヤを１回転（３００ ｍｍφループ）させてから送給　（第 ２図） 前記溶接要領でアークの安定性、スパッタの発生量等を
調査した結果を表２に示す。

【図面の簡単な説明】

第１図、及び第２図はコンジットの配置図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １　鋼素地表面に粒界酸化による横溝を有し、該横溝中
   にカリ分を含有することを特徴とするガスシールド溶接
   用ワイヤ。 ２　カリ源が工業用ステアリン酸カリであることを特徴
   とする特許請求の範囲第１項に記載のガスシールド溶接
   用ワイヤ。 ３　カリ源をピロリン酸カリメッキ液から供給すること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項に記載のガスシール
   ド溶接用ワイヤ。 ４　カリ源をシアン化カリ銅メッキ液から供給すること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項に記載のガスシール
   ド溶接用ワイヤ。 ５　ワイヤ全体に対して０．５〜２０ｐｐｍのカリを付
   着含有することを特徴とする特許請求の範囲第１項ない
   し第４項のいずれかに記載のガスシールド溶接用ワイヤ
   。 ６　鋼素地表面に粒界酸化による横溝を有し、銅メッキ
   層中にカリ分を含有することを特徴とするガスシールド
   溶接用ワイヤ。 ７　カリ源をピロリン酸カリメッキ液から供給すること
   を特徴とする特許請求の範囲第６項に記載のガスシール
   ド溶接用ワイヤ。 ８　カリ源をシアン化カリ銅メッキ液から供給すること
   を特徴とする特許請求の範囲第６項に記載のガスシール
   ド溶接用ワイヤ。 ９　ワイヤ全体に対して０．５〜２０ｐｐｍのカリを付
   着含有することを特徴とする特許請求の範囲囲第６項な
   いし第８項のいずれかに記載のガスシールド溶接用ワイ
   ヤ。