JP2000280088A - ガスシールドアーク溶接用鋼ワイヤの製造方法 - Google Patents

ガスシールドアーク溶接用鋼ワイヤの製造方法

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JP2000280088A
JP2000280088A JP11090974A JP9097499A JP2000280088A JP 2000280088 A JP2000280088 A JP 2000280088A JP 11090974 A JP11090974 A JP 11090974A JP 9097499 A JP9097499 A JP 9097499A JP 2000280088 A JP2000280088 A JP 2000280088A
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Tadami Adachi
忠美 足立
Hiroshi Fujii
弘志 藤井
Joji Ogami
丞治 大上
Tadamori Kumada
忠盛 熊田
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Nippon Steel Welding and Engineering Co Ltd
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Nippon Steel Welding and Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接時に長尺のコンジットケーブルがS字あ
るいはJ字状に曲げられて長時間使用される場合におい
ても、ワイヤ送給ローラとワイヤ間のスリップが少な
く、かつコンジットチューブ内での摩擦抵抗が少ないな
ど、ワイヤ送給性が極めて良好で、スパッタの発生が極
めて少ないガスシールドアーク溶接用鋼ワイヤの製造方
法を提供する。 【解決手段】 ガスシールドアーク溶接用鋼ワイヤの製
造方法において、熱延鋼線材を原線とし、該原線表面の
脱スケール、一次伸線し、金属炭酸塩を塗布した後、加
熱帯、均熱帯および冷却帯を備えた連続焼鈍炉により、
少なくとも加熱帯および均熱帯の雰囲気を酸素量100
ppm以下の非酸化性雰囲気とし、加熱帯の露点を0℃
以下、均熱帯の露点を−15℃以下で焼鈍し、酸洗、次
いでめっき、仕上げ伸線加工を施す。また、均熱帯は温
度が650℃以上、かつ保持時間が1分以上である。さ
らに、焼鈍、酸洗およびめっきはワイヤをループ状にし
て実施する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はワイヤ送給性および
溶接作業性の優れたガスシールドアーク溶接用鋼ワイヤ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスシールドアーク溶接用鋼ワイヤを製
造する一般的な方法は、図2に示すように(1)熱延鋼
線材(原線)のスケールを除去する工程、(2)2〜5
mm径までローラダイスあるいは孔型ダイスで伸線する
工程(一次伸線)、(3)焼鈍工程、(4)酸洗工程、
(5)めっき工程、(6)最終サイズ径まで伸線する工
程(仕上げ伸線)、(7)スプール巻またはペイルパッ
クに装填する巻取り工程によって行われる。
【0003】これらの方法によって製造されたガスシー
ルドアーク溶接用鋼ワイヤ(以下、ワイヤという。)
は、溶接の自動化、溶接ロボットの普及やコンジットケ
ーブルの長尺化等に伴って、ワイヤの送給性および溶接
作業性の向上要求が一層高まっている。
【0004】そこで従来、ワイヤ送給性を改善するため
に、ワイヤには、一般に特公昭50−3256号公報に
代表されるように微量の動植物油あるいは鉱物油の単独
またはそれらの混合潤滑剤が、前述の(6)の仕上げ伸
線工程でワイヤ表面に塗布されており、この潤滑剤がワ
イヤの送給性を良好にしている。
【0005】また、長さ6〜20mの長尺のコンジット
ケーブルを使用し、かつ狭隘な現場での溶接において
は、コンジットケーブルをS字あるいはJ字状に曲げて
使用されることが多々ある。この場合、コンジットケー
ブル内のコンジットチューブと内部を通過するワイヤと
の接触摩擦部が増えて送給抵抗が増加し、また、ワイヤ
送給ローラで溶接ワイヤがスリップしてワイヤ送給性が
悪くなる。そのため、特開昭61−27198号公報の
ように、ワイヤの表面に平均粒径50〜750μmのシ
ョットを用いてショットブラスト加工を行い凹部を付与
し、その後潤滑油を塗布する方法や特公平1−1535
6号公報のように、ワイヤ表面を多孔度5〜50%の多
孔質めっき層で被覆し、このめっき層に潤滑油を含ませ
たものが開示されている。
【0006】しかし、前述の特開昭61−27198号
公報にあっては、ワイヤ表面にショットブラスト加工で
所定の凹凸形状にしながらの連続加工性に問題がある。
また、ワイヤ表面が加工硬化しているので屈曲したコン
ジットチューブ内で摩擦抵抗が大きくなる。一方、特公
平1−15356号公報にあっては、めっき被覆のコン
トロールが難しく製造工程も複雑となる。また、ワイヤ
素地表面が平坦な状態でめっき層を多孔質としたもので
あるから、ワイヤ送給ローラでの送給力とコンジットチ
ューブ内での摩擦抵抗の両方のバランスによって定まる
良好なワイヤ送給性を維持することができない。さら
に、これらのワイヤでは溶接作業性、特にスパッタの低
減効果は得られない。
【0007】溶接時に長尺のコンジットケーブルがS字
あるいはJ字状に曲げられて使用される場合においても
ワイヤ送給性が優れ、かつスパッタ発生量が少ないワイ
ヤは、特開平9−141487号公報や特公平4−52
197号公報に提案してあるように、焼鈍工程(3)で
ワイヤ表層部に粒界酸化層を形成させ、仕上げ伸線工程
(5)でその粒界酸化を起点としてめっき表面に線状の
亀裂を発生させ、その亀裂部に液体潤滑剤を保持させて
ワイヤの送給性を向上させ、また、粒界酸化によってワ
イヤ表面層に酸素を富化させた酸素の作用によって溶滴
が微細になってアークが安定しスパッタ発生の低減を図
っている。
【0008】しかし、前述の特開平9−141487号
公報の粒界酸化層を形成する焼鈍工程(3)で水蒸気と
酸素を含む酸化性雰囲気中で焼鈍して製造する方法で
は、焼鈍雰囲気が酸化性であるので、また、特公平4−
52197号公報の粒界酸化層を形成する焼鈍工程
(3)で酸素量2%以下、露点0〜30℃の非酸化性ガ
ス雰囲気で焼鈍して製造する方法では、酸素量および露
点が高いので、これらはいずれもワイヤ表面の鉄酸化物
(FeO、Fe34)の被膜層(外部酸化層)が厚くな
って、酸洗工程(4)で外部酸化層を剥離しきれずにめ
っき工程(5)でめっきの密着性が悪くなる。したがっ
て、溶接時にコンジットチューブ内でめっきが剥離し
て、長時間溶接しているとコンジットチューブ内に剥離
しためっきが蓄積されて摩擦抵抗が大きくなり送給性が
不良となって、アークが不安定となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、溶接時に長
尺のコンジットケーブルがS字あるいはJ字状に曲げら
れて長時間使用される場合においても、ワイヤ送給ロー
ラとワイヤ間のスリップが少なく、かつコンジットチュ
ーブ内での摩擦抵抗が少ないなど、ワイヤ送給性が極め
て良好で、スパッタの発生が極めて少ないガスシールド
アーク溶接用鋼ワイヤの製造方法を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、ガスシ
ールドアーク溶接用鋼ワイヤの製造方法において、熱延
鋼線材を原線とし、該原線表面の脱スケール、一次伸線
し、金属炭酸塩を塗布した後、加熱帯、均熱帯および冷
却帯を備えた連続焼鈍炉により、少なくとも加熱帯およ
び均熱帯の雰囲気を酸素量100ppm以下の非酸化性
雰囲気とし、加熱帯の露点を0℃以下、均熱帯の露点を
−15℃以下で焼鈍し、酸洗、次いでめっき、仕上げ伸
線加工を施す。
【0011】また、均熱帯は温度が650℃以上、かつ
保持時間が1分以上である。
【0012】さらに、焼鈍、酸洗およびめっきはワイヤ
をループ状にして実施するガスシールドアーク溶接用鋼
ワイヤの製造方法にある。
【0013】
【発明の実施の形態】図1に本発明のワイヤの製造工程
例を示す。熱延鋼線材(原線)のスケールをショット
ブラストや酸洗して除去する工程、2〜5mm径まで
ローラダイスあるいは孔型ダイスで伸線する工程(一次
伸線)、コイラーでループ状にする工程、非酸化性
雰囲気で焼鈍する工程、酸洗工程、めっき工程、
最終サイズ径まで伸線する工程(仕上げ伸線)、スプ
ール巻またはペイルパックに装填する巻取り工程によっ
て製造される。なお、金属炭酸塩は一次伸線工程で、も
しくは焼鈍工程の前に塗布されるが、塗布する金属炭酸
塩は、一次伸線の潤滑剤中に混合しても、また焼鈍
前に金属炭酸塩の水溶液として塗布しても良い。
【0014】本発明においては、焼鈍を加熱帯、均熱帯
および冷却帯に分けて、焼鈍炉内を実質的に非酸化性雰
囲気として酸素量を少なく露点を低くして高温で短時間
保持して焼きが入らないように冷却して軟化焼鈍ととも
にワイヤ表面の外部酸化層を薄くして、ワイヤ表層部の
粒界を酸化させる。非酸化性のガスとしては、アルゴン
ガス、窒素ガスまたは一酸化炭素と二酸化炭素の混合ガ
ス等の中性または還元性ガスを使用できるが、ランニン
グコスト、安全性を考慮して窒素ガスを用いることが好
ましい。
【0015】焼鈍工程でワイヤ表面に塗布された金属
炭酸塩は、触媒作用によってワイヤ表層部の粒界酸化を
促進する。粒界酸化層は、ワイヤ表面からほぼ20μm
以内に主に鉄の酸化物からなる粒界酸化物を生成する。
【0016】なお、金属炭酸塩としては、炭酸カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸石灰、炭酸マグネシウム、炭
酸リチウム等が使用できる。また、ワイヤ表面への金属
炭酸塩の塗布量はワイヤ100mm2当たり0.03〜
1.55mgが好ましい。
【0017】前記焼鈍工程でワイヤ表層部に粒界酸化
層を生成したワイヤは、酸洗工程で、ワイヤ表面の外
部酸化層を除去し、めっき工程でワイヤ表面に銅めっ
きした後、仕上げ伸線でワイヤ表層部の粒界酸化を起
点として線状の亀裂がめっき表面に生成され、該亀裂部
に液状潤滑剤を保持した製品ワイヤとなる。
【0018】また、ワイヤはループ状で焼鈍工程、酸
洗およびめっき工程へ搬送されて処理するので高能
率に生産することができる。
【0019】このようにして製造されたワイヤは、図3
に示すワイヤ送給工程によって溶接に供される。すなわ
ち、ワイヤ1はワイヤ送給装置(図示せず)にセットさ
れた状態から送給モータ(図示せず)の駆動によりワイ
ヤ送給部の平型加圧送給ローラ2およびV溝付送給ロー
ラ3によって順次送給され、コンジットケーブル4から
溶接トーチ5を通って溶接部に送給される。この時、ワ
イヤ1表面は、線状の亀裂、例えば亀甲状の亀裂部を均
一に有するので平型加圧送給ローラ2とV溝付送給ロー
ラ3間でグリップ力が働いてスリップが発生しない。ま
た、例えば長さ6〜20mのコンジットケーブル4の中
のコンジットチューブ(図示せず)内を通過するが、ワ
イヤ表面の線状の亀裂部に液体潤滑剤を保有しているの
でワイヤ1とコンジットチューブとの摩擦抵抗が非常に
小さくなってワイヤ送給性を極めて良好にしている。さ
らに、ワイヤ表層部には粒界酸化層および若干の粒内酸
化層を有する、すなわちワイヤ表層部には酸素が富化さ
せているので、溶接アークが非常に安定してスパッタ発
生量が極めて少ない。
【0020】焼鈍炉内の酸素量は100ppm以下とす
る。焼鈍炉内の酸素量が100ppmを超えると、ワイ
ヤ表面の外部酸化層が厚くなって、酸洗工程で外部酸化
層を剥離しきれずにめっき工程でめっきの密着性が悪く
なる。したがって、溶接時にコンジットチューブ内でめ
っきが剥離して、長時間溶接しているとコンジットチュ
ーブ内に剥離しためっきが蓄積されて摩擦抵抗が大きく
なり送給性が不良となって、アークが不安定となる。
【0021】加熱帯の露点は0℃以下とする。加熱帯の
露点が0℃を超えると、均熱帯に比べ炉内温度は低温で
あるが、雰囲気中の水分によって酸化が促進されワイヤ
表面の外部酸化層が厚くなって、酸洗工程で外部酸化層
を剥離しきれずにめっき工程でめっきの密着性が悪くな
る。したがって、溶接時にコンジットチューブ内でめっ
きが剥離して、長時間溶接しているとコンジットチュー
ブ内に剥離しためっきが蓄積されて摩擦抵抗が大きくな
り送給性が不良となって、アークが不安定となる。
【0022】均熱帯の露点は−15℃以下とする。均熱
帯の露点が−15℃を超えると、ワイヤ表面の外部酸化
層が厚くなって、酸洗工程で外部酸化層を剥離しきれず
にめっき工程でめっきの密着性が悪くなる。したがっ
て、溶接時にコンジットチューブ内でめっきが剥離し
て、長時間溶接しているとコンジットチューブ内に剥離
しためっきが蓄積されて摩擦抵抗が大きくなり送給性が
不良となって、アークが不安定となる。
【0023】なお、均熱帯の露点の下限は−35℃であ
ることが、粒界酸化層の形成および非酸化性ガスの消費
量増大によるコスト高から好ましい。
【0024】また、均熱帯の温度は650℃以上で1分
以上保持する。均熱帯の温度が650℃未満、または保
持時間が1分未満になると、粒界酸化層生成量が少なく
なる。したがって、仕上げ伸線でめっき表面に線状の亀
裂が生成されず、溶接時に送給ローラ部でワイヤがスリ
ップしたり、コンジットチューブ内での摩擦抵抗が大き
くなってアークが不安定となる。さらに、ワイヤ表層部
の酸素富化量が少ないのでスパッタ発生量が多くなる。
【0025】なお、均熱帯の温度および保持時間の上限
は特に制限しないがエネルギーコストを考えれば温度は
950℃以下、保持時間は15分以下が好ましい。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。
【0027】まず、ワイヤ原線はJIS Z3312
YGW11の5.5mm径を用いた。前記ワイヤ素線を
図1に示す製造工程で、まずワイヤ原線のスケール除去
工程で酸洗してスケールを除去し、孔型ダイスを用い
て一次伸線した。次いでコイラーでワイヤをループ
状にした後、ワイヤ表面に炭酸カリウム水溶液(25%
濃度)を塗布し、窒素雰囲気中で表1に示す焼鈍条件
(加熱帯の露点、均熱帯の露点、温度および保持温度)
で焼鈍した。焼鈍後外部酸化層を酸洗して、銅めっ
きし、仕上げ伸線で表1に示す製品径まで伸線して
粒界酸化を起点としてめっき表面に線状の亀裂を付与し
た後、20kg巻のスプール巻ワイヤとした。なお、巻
き取る前に液体潤滑剤をワイヤ100g当たり0.3〜
1.0mg程度ワイヤ表面に塗布した。
【0028】
【表1】
【0029】ワイヤ送給性の調査は図3に示す装置で6
m長さのコンジットケーブル4を用い、図4に示すコン
ジットケーブル4をループ径D150mmを2回付し
て、表2に示す溶接条件でワイヤ各10kgを溶接し
た。
【0030】ワイヤ送給性は、ワイヤ送給モータの電機
子電流の測定により調べた。なお、電機子電流が3.5
Aを超えるとアーク長が変化してアークが不安定にな
る。
【0031】また、ワイヤ送給ローラ部でのワイヤスリ
ップは、ワイヤ送給ローラの周速(T)とワイヤ送給ロ
ーラ出口のワイヤ速度(W)を測定し、下記式でスリッ
プ率を算出して調べた。ワイヤのスリップ率は5%を超
えると、ワイヤ送り速度に緩急が生じてワイヤの送給む
らによってアークが不安定となる。
【0032】スリップ率=(T−W)/T×100
【0033】
【表2】
【0034】なお、スパッタ発生量は、前記ワイヤ送給
性の調査とは別に銅製の捕集箱を用いて、ワイヤ送給性
の調査と同一の溶接条件で3回溶接(1回の溶接時間
1.5min)して捕集したスパッタ量を1分間の発生
量に換算して測定した。スパッタ発生量は2g/min
以下がアークが安定して良好である。それらの結果を表
1にまとめて示す。
【0035】表1において、試験No.1〜5が本発明
例、試験No.6〜10が比較例である。
【0036】本発明例の試験No.1〜5は、焼鈍炉内
の酸素量、加熱帯の露点および均熱帯の露点が適正で、
また均熱帯の温度および保持時間が適正で、さらに焼
鈍、酸洗およびめっき処理はワイヤをループ状にして実
施したので、焼鈍での外部酸化層が少なく、粒界酸化を
生成することができ、仕上げ伸線でめっき表面に均一な
線状の亀裂を有し、該亀裂部に液体潤滑剤を保持させた
ワイヤを高能率に製造することができた。したがって、
長尺のコンジットチューブを曲げて長時間溶接しても、
ワイヤ送給ローラ部でのワイヤスリップ率が低く、コン
ジットチューブ内での摩擦抵抗も少なくて電機子電流が
低くアークが安定しており、かつスパッタ発生量が少な
く、極めて満足な結果であった。
【0037】比較例中試験No.6は、焼鈍炉内の酸素
量が高く、試験No.7は、加熱帯の露点が高く、また
試験No.8は、均熱帯の露点が高いので、いずれもワ
イヤ表面の外部酸化層が厚くなって、酸洗工程で外部酸
化層を剥離しきれずにめっき工程でめっきの密着性が悪
くなったので、溶接時にコンジットチューブ内でめっき
が剥離して、長時間溶接時に摩擦抵抗が大きく電機子電
流が高くなって、アークが不安定となった。
【0038】試験No.9は、均熱帯の温度が低く、ま
た試験No.10は、均熱帯での保持時間が短いので、
いずれも焼鈍による粒界酸化層の生成量が少なくなっ
て、仕上げ伸線においてもめっき表面の線状の亀裂が少
なくなり、溶接時に送給ローラ部でのスリップ率が高
く、またコンジットチューブ内での摩擦抵抗が大きく電
機子電流が高くなってアークが不安定となった。さら
に、ワイヤ表層部の酸素富化量も少ないのでスパッタ発
生量も多くなった。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のガスシー
ルドアーク溶接用鋼ワイヤの製造方法によれば、溶接時
に長尺のコンジットケーブルがS字あるいはJ字状に曲
げられて長時間使用される場合においても、ワイヤ送給
ローラとワイヤ間のスリップが少なく、かつコンジット
チューブ内での摩擦抵抗の少ないなど、ワイヤ送給性が
極めて良好で、スパッタの発生が極めて少ないガスシー
ルドアーク溶接用鋼ワイヤを高能率に生産できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスシールドアーク溶接用鋼ワイヤ製
造ラインの概要図である。
【図2】従来のガスシールドアーク溶接用鋼ワイヤ製造
ラインの概要図である。
【図3】ワイヤ送給の工程を示す説明図である。
【図4】本発明の実施例に用いたコンジットケーブルの
ループ部を示す図である。
【符号の説明】
1 ワイヤ 2 平型加圧送給ローラ 3 V溝付き送給ローラ 4 コンジットケーブル 5 溶接トーチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大上 丞治 山口県光市浅江四丁目2番1号 日鐵溶接 工業株式会社光工場内 (72)発明者 熊田 忠盛 山口県光市浅江四丁目2番1号 日鐵溶接 工業株式会社光工場内 Fターム(参考) 4K043 AA02 DA05 EA02 EA03 FA03 FA09 HA02 HA03 HA07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスシールドアーク溶接用鋼ワイヤの製
    造方法において、熱延鋼線材を原線とし、該原線表面の
    脱スケール、一次伸線し、金属炭酸塩を塗布した後、加
    熱帯、均熱帯および冷却帯を備えた連続焼鈍炉により、
    少なくとも加熱帯および均熱帯の雰囲気を酸素量100
    ppm以下の非酸化性雰囲気とし、加熱帯の露点を0℃
    以下、均熱帯の露点を−15℃以下で焼鈍し、酸洗、次
    いでめっき、仕上げ伸線加工を施すことを特徴とするガ
    スシールドアーク溶接用鋼ワイヤの製造方法。
  2. 【請求項2】 均熱帯は温度が650℃以上、かつ保持
    時間が1分以上であることを特徴とする請求項1記載の
    ガスシールドアーク溶接用鋼ワイヤの製造方法。
  3. 【請求項3】 焼鈍、酸洗およびめっきはワイヤをルー
    プ状にして実施することを特徴とする請求項1または請
    求項2記載のガスシールドアーク溶接用鋼ワイヤの製造
    方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008105057A (ja) * 2006-10-25 2008-05-08 Kobe Steel Ltd ガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤ
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