JPH0360599B2 - - Google Patents

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JPH0360599B2
JPH0360599B2 JP19430382A JP19430382A JPH0360599B2 JP H0360599 B2 JPH0360599 B2 JP H0360599B2 JP 19430382 A JP19430382 A JP 19430382A JP 19430382 A JP19430382 A JP 19430382A JP H0360599 B2 JPH0360599 B2 JP H0360599B2
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wire
sio
atmosphere
annealing
tank
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Taketomo Yamazaki
Yoshio Kanbe
Hiroshi Koyama
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Nippon Steel Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K35/00Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting
    • B23K35/40Making wire or rods for soldering or welding

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は送給性および耐スパツタ性にすぐれた
アーク溶接用鋼ワイヤの製造法に関し、更に詳し
くは送給性および耐スパツタ性にすぐれたアーク
溶接用鋼ワイヤとして内部酸化層を形成せしめ有
効酸素量として40〜300ppmを含有せしめた鋼ワ
イヤの製造法に係わるものである。 アーク溶接、特にCO2アーク溶接において、近
年とみにその溶接作業が高速化,複雑化および広
範囲化しつつあり、送給性および耐スパツタ性に
すぐれた鋼ワイヤが要望されている。 従来、アーク溶接に用いられている0.8〜2.4mm
φの溶接用鋼ワイヤを製造する場合の工程の概略
を記すと、(1)表面スケール除去工程、(2)荒引伸線
工程、(3)軟化焼鈍工程、(4)メツキ前処理(酸洗)
工程、(5)メツキ工程、(6)仕上線引工程、(7)巻取工
程、などがあげられる。 溶解、鍛造、熱延を経て5〜8mmφ程度に加工
された線材には、その表面に多量のスケールが付
着している。このスケールは荒引伸線工程で、ダ
イスを荒らす主原因となり、鋼ワイヤのを生産性
を極度に低下させるばかりでなく、線引によつて
スケールがワイヤ内部に楔状にくいこみ、これが
メツキ密着性を阻害するなどの問題となつてい
る。このためスケールを除去する工程は、製造工
程上重要であつて、機械的に剥離除去したのち、
さらに酸洗による化学的な除去手段がとられてい
る。 荒引伸線後の焼鈍は、製品ワイヤの引張強度を
調整する目的でおこなわれるので、焼鈍条件は目
標とする製品の機械的性質,製品径、あるいは素
材の化学的組成、線引加工によつて受ける硬化の
度合、などを考慮して選択されるのが普通であ
る。焼鈍の手段として通常実施されているもの
は、定置型の加熱炉で製造ラインと分離してオフ
ラインでおこなう場合や、製造ライン中の連続
炉、あるいは電気の直接通電などによつて連続的
におこなわれている。この時の加熱炉雰囲気は大
気中でおこなわれる場合が多いが、大気中加熱で
生成されるスケールによる酸化損失を防ぐ目的
や、鋼ワイヤを銅メツキしたあとで焼鈍する場合
には、酸化防止の意味から、窒素ガス、水素ガ
ス、あるいはその混合ガスなどの中性又は還元性
ガスが使用される。 大気中焼鈍によるスケールはもとより、中性ガ
ス雰囲気などの雰囲気中焼鈍による場合でも、焼
鈍後のワイヤ表面には伸線工程中に付着した潤滑
剤やその燃焼残渣物質が少からず残留している。
このようなワイヤ表面のスケールや残留物質はメ
ツキ工程のメツキ仕上りに多大の影響を及ぼすた
めにメツキ工程の前に酸洗工程を配している。 メツキ工程後の鋼ワイヤは所定の線径に線引加
工したのちに捲取られ、実用に供される。 以上、従来のアーク溶接用ワイヤ製造工程の概
略について述べたが、従来おこなわれてきた焼鈍
工程は加工硬化したワイヤの軟化のために実施さ
れており、その雰囲気も大気以外に中性ガスを用
いる場合でも、ただ単に生成スケールを出来る限
り抑えるのがその目的であつた。 本発明は従来実施されてきた上記のような通常
の焼鈍工程にかえて、30%以下のアルカリ金属、
またはアルカリ土金属炭酸塩水溶液を塗布し、乾
燥した後、雰囲気組成を制御した軟化焼鈍を施す
ことによつて、鋼ワイヤの材質調整を行うことと
同時により確実な内部酸化層を形成させ、送給性
および耐スパツタ性などの溶接作業性にすぐれた
アーク溶接用鋼ワイヤを得ることが可能であると
の新たな知見を得て本発明をなしたものである。 すなわち、本発明の要旨は、少くとも(a)熱延に
よつて生成された鋼ワイヤ表面のスケールを除去
する工程、(b)荒引伸線工程、(c)メツキ前処理工
程、(d)メツキ工程、(e)所定の線径に伸線する仕上
伸線工程、(f)伸線後の捲取工程、(g)焼鈍工程の(a)
〜(g)を実施するアーク溶接用鋼ワイヤの製造工程
において、前記焼鈍工程(g)の前に、30%以下のア
ルカリ金属炭酸塩またはアルカリ土金属炭酸塩の
1種または2種以上の水溶液を塗布し、乾燥する
工程(h)を加え、しかるのち焼鈍工程(g)をFe2SiO4
の解離酸素圧,ΠFe2SiO4、の4倍を上限とし、
1倍を下限とする酸素ポテンシヤルを有する制御
雰囲気中で加熱する熱処理工程とするとともに、
該工程(h)および(g)を前記各工程のうち(a)〜(e)のい
ずれかの後に挿入することを特徴とする送給性お
よび耐スパツタ性にすぐれたアーク溶接用鋼ワイ
ヤの製造法にある。 以下、本発明を詳細に説明する。 通常、熱延後の鋼ワイヤ表面には、Fe酸化物
(FeO,Fe3O4,Fe2O3など)からなる外部酸化層
が生成されているが、このような状態では雰囲気
の酸素ポテンシヤルを制御して加熱しても限られ
た焼鈍工程において内部酸化層を有効に形成する
ことは不可能である。すなわち、焼鈍工程におい
て内部酸化層を効果的に形成せしめるには外部酸
化層を除去したのち、加熱炉雰囲気を制御・調整
して、外部酸化層であるFeOより高級な酸化物
(Fe3O4,Fe2O3)を生成せしめないようにして焼
鈍をおこなう必要がある。 溶接作業性向上にもつとも効果のある鋼ワイヤ
を製造するためには、外部酸化層の発達していな
い内部酸化層を十分生成せしめる必要があり、理
論的にはFeO/Feの平衡酸素分圧に等しい雰囲
気酸素ポテンシヤルに設定しなければならない。 以上の観点から、本発明者らは極めて広範囲に
亘る研究をおこなつた結果、焼鈍炉雰囲気酸素ポ
テンシヤルはFeO/Feのそれよりも低いFe2SiO4
の解離酸素圧(ΠFe2SiO4)以上においてもつと
も有効であることを見出し、先にこれについて別
途提案を行なつた。即ち、通常、鋼ワイヤと同じ
組成を有する鉄鋼ではもつとも一般的な内部酸化
物はSiO2である。SiO2の内部酸化層を形成せし
めるには、制御雰囲気中の加熱工程において鋼材
表面の酸素濃度を外部酸化層を生成せしめない限
界まで一杯に高め、なおかつSi量はSiO2の外部
酸化層を形成せしめない程度に高濃度である必要
がある。それゆえ、制御雰囲気の酸素ポテンシヤ
ルはFeO/Feの平衡酸素分圧(800℃ではPo2
1.072×10-19atm)とし、鋼ワイヤのSi量は3.0%
以下であることが望ましいことが知られている。
しかしながら、本発明者らの先に述べた研究結果
では、Fe2SiO4の平衡解離圧(ΠFe2SiO4,Po2
8.97×10-21atm,800℃)以上に設定したときも
つとも効果的な内部酸化層が形成されることが判
明している。この場合、工業的に制御雰囲気の酸
素ポテンシヤルを制御するにはH2O/H2
CO2/CO比を調整するのがもつとも一般的であ
る。すなわち、FeO/Feの平衡酸素分圧に相当
するPH2O/PH2比、またはPCO2/PCO比は、800℃
においてはそれぞれ0.45,0.43である。Fe/
Fe2SiO4では800℃において0.130と0.156となる。
勿論、不活性ガスにO2をリークさせて、上記の
FeO/Fe,Fe2SiO4の平衡酸素分圧に設定しても
効果は同じである。第1表にCO−CO2−N2混合
雰囲気およびH2−H2O−N2混合雰囲気における
CO/CO2比およびH2/H2O比−酸素ポテンシヤ
ル(Po2)の温度変化を示す。
【表】 表の最下欄にΠFe2SiO4(Fe2SiO4の解離酸素圧)
を示した。これによつてSiO2の内部酸化層を形
成せしめるに必要な制御雰囲気の酸素ポテンシヤ
ルとCO−CO2−N2混合雰囲気のCO/CO2比をも
とめることができる。すなわち、700〜900℃の温
度域において、酸素ポテンシヤルはそれぞれ700
℃では約1×10-23atm、800℃では約1×
10-20atm、900℃では約1×10-18atmとなり、
CO/CO2比は大凡1/6であることがわかる。
そして許される上限は前述の酸素ポテンシヤルの
4倍とし、下限は1倍とする。 H2−H2O−N2混合雰囲気においても同様であ
り、ΠFe2SiO4に相当するH2/H2O比を有する雰
囲気である。 以上の場合、雰囲気中の酸素ポテンシヤルが
ΠFe2SiO4の4倍を超えると外部酸化層が生成さ
れ、1倍未満では内部酸化層の生成が不十分であ
る。 ところで、前述のように鋼材表面の酸素濃度の
上昇には10×ΠFe2SiO4以下と限度があるから、
この限られた酸素ポテンシヤルのもとで内部酸化
層を十分に生成させるためには酸素イオンの供給
を増大せしめる必要がある。そのためには、加熱
炉雰囲気の酸素ポテンシヤルを1×ΠFe2SiO4
Po210×ΠFe2SiO4と一定に保ち短時間で酸素の
供給を大ならしめる方法がもつとも効果的であ
る。その方法として本発明者らは種々検討をおこ
なつた結果、鋼材表面にアルカリ金属、またはア
ルカリ土金属の炭酸塩を塗布し乾燥したのち焼鈍
温度に加熱する方法を有効な手段として新たに見
出したものである。これによれば、炭酸塩は分解
してCO2を放出し、アルカリ金属、またはアルカ
リ土金属の酸化物が残留し、鋼材表面の酸化反応
を促進するものである。この効果は次のような実
験によつて見出された。 第2表は0.08%C,1.3%Si,2.0%Mn,0.02%
P,0.01%S,0.01%Cr鋼にK2CO3の10,20,30
%水溶液を塗布し、乾燥(自然乾燥)して、
CO2/COおよびH2O/H2=1/4,および1/
6の制御雰囲気中で800℃×5min加熱した結果で
ある。
【表】 K2CO3の濃度が30%をこえると、鋼の酸素量
は無塗布と同じかまたは下廻る値を示し、却つて
減少することがわかる。これに対し30%以下の範
囲では、10%で最大値となり、他の%でも塗布効
果の大きいことが知られる。また、CO2/CO比
およびH2O/H2比によつてもによつても、酸素
量が変化し、最大値を示すK2CO3の濃度での推
移を見ると、CO2+COガスの場合、1/6では
93ppm,1/4では129ppm,1/1では内部酸
化層は生成されず全て外部酸化層であつた。また
H2O+H2ガスの場合には、1/6で134ppm,
1/4では129ppm,1/1では同様に内部酸化
層の生成は認められなかつた。すなわち、CO2
CO比およびH2O/H2比が1/4をこえると、
K2CO3を塗布しなくても鋼表面に外部酸化層が
形成され、雰囲気の酸素ポテンシヤルの制御の必
要なことが明らかである。 ここで本発明にいうアルカリ金属炭酸塩または
アルカリ土金属炭酸塩とは前記K2CO3の他、
Li2CO3,Na2CO3,Rb2CO3,Cs2CO3,Fr2CO3
CaCO3,SrCO3,BaCO3,RaCO3を指し、これ
らの1種または2種以上を単独又は混合して水溶
液として用いるものである。 なお、これらの炭酸塩水溶液の濃度を30%以下
としたのは前述のとおり、濃度が30%をこえる
と、鋼ワイヤの有効酸素量が無塗布と同等か、又
はむしろこれを下廻る値を示し、望ましい内部酸
化層が形成されないからである。 また、本発明においては前記水溶液を塗布後乾
燥をおこなうものである。乾燥をおこなわずにそ
のまま次工程の焼鈍炉内に入れると付着水分が蒸
発して制御雰囲気中の酸素ポテンシヤルを乱し雰
囲気の制御が困難になるからである。 なお、乾燥の手段としては、ブロワー等で熱を
加えて積極的に乾燥しても良いが、自然乾燥でも
よいことはいうまでもなく、要は鋼ワイヤに塗布
された炭酸塩の水分を焼鈍工程にもちこまなけれ
ばいかなる乾燥手段でもよい。 溶接用鋼ワイヤに要求される内部酸化層を生成
するには、上記のように、アルカリ金属炭酸塩ま
たはアルカリ土金属炭酸塩を塗布し、上記のよう
に設定した制御雰囲気において加熱するのである
が、その前処理として、熱延ワイヤの表面のスケ
ールを除去しなければならない。このスケールを
除去する手段は機械的方法や酸洗による方法、電
解による方法など種々の方法があるが、いずれの
方法も使用できる。 また、内部酸化のための工程(h)と(g)を伸線工程
のあとにおく場合は、伸線後のワイヤ表面に残存
する潤滑剤の種類によつてそれに応じた手段を講
ずる必要がある。 伸線に使用する潤滑剤が石灰等の固型潤滑剤で
あれば除去する必要はないが、液体潤滑剤の場合
には、ワイヤ表面に比較的一様かつ多量に残るこ
とから、脱脂・酸洗等により完全に除去するのが
望ましい。しかし、実用上は伸線工程の最終ダイ
スの減面加工率を少なくしかつ潤滑剤の代りに水
を使用する、いわゆる水引き程度の処置で充分で
ある。 メツキ前処理後に加熱する場合のワイヤ表面
は、すでに残存付着物が完全に除去されているの
で、内部酸化層形成に最も好ましい条件にある。 この場合には加熱処理後のワイヤ表面にも多少
の酸化物が生成されるので、メツキ密着性をより
良くするために、軽い酸洗処理を加えることが望
ましい。 銅メツキ後の仕上伸線工程は、内部酸化熱処理
によつて軟化したワイヤの引張強度を、伸線加工
後の所定の線径において好ましい範囲に調整され
る目的で行なわれるものであるから、例えば
2.0φ,2.4φ等の比較的太径ワイヤの製造では、銅
メツキの光沢を増すためにわずかに加工される以
外にほとんど行なわれない場合が多い。 従つて実質的にアルカリ金属炭酸塩、またはア
ルカリ土金属炭酸塩を塗布したのちおこなう制御
雰囲気による加熱は、巻取り工程前のどこで行な
つても同様の効果が得られるものであるが、形成
された内部酸化層の深さは、その後の伸線加工に
よる減面程度に比例して薄くなるから、出来る限
り最終線径に近い位置で実施するのが効率的であ
る。 次に本発明の製造法を好適に実施しうるワイヤ
の製造装置の一例を図面により説明する。 第1図においてCO−CO2系制御雰囲気加熱の
例を述べる。1は所望の径に熱延された後の素線
材を巻戻して供給する供給スタンド、2は線材表
面のスケールを除去するデスケーラ、3は線材表
面を清浄化する前処理槽で、酸洗槽、水洗槽およ
び中和槽から構成される。4はワイヤ17を所定
の中間径寸法に伸線加工するための伸線材で、複
数のダイスを通して段階的に減面加工してゆく。
5はアルカリ金属などの炭酸塩水溶液の液槽で、
この中を通る間に鋼ワイヤ表面にアルカリ金属な
どの炭酸塩が塗布される。6a,6bは制御雰囲
気での加熱工程前後にワイヤを巻取り、巻戻すた
めのスタンド、6aから取りはずされた巻取りワ
イヤ7は、定置型加熱炉8にセツトされる。な
お、積極的乾燥手段を設ける場合には図示しない
乾燥手段をスタンド6aと加熱炉8の間に挿入す
る。所定の酸素ポテンシヤルに混合されたCO−
CO2系雰囲気ガスタンク9内のガスは、流量計1
0で流量調整された後、導入管11aを介して炉
内に導入される。 炉内に充たされた雰囲気ガスは排出管11bに
よつて炉外へ排出される。巻取りワイヤ7は、所
定の昇温速度で加熱,保持された後、炉冷する。
この間炉中雰囲気は所定の酸素ポテンシヤルに保
たれ、ワイヤ表面層には内部酸化層が形成される
とともに軟化される。 この工程の後、巻取りワイヤ7は、巻戻しスタ
ンド6bにセツトされ巻戻され、その後の工程に
供給される。12はメツキ前処理槽で、酸洗槽,
水洗槽,中和槽,湯洗槽で構成される。 13はCuメツキを施すためのメツキ槽とメツ
キ後の湯洗槽を示す。14はメツキされたワイヤ
17を最終的な径にまで伸線するための仕上伸線
機、15は伸線後の矯正ローラー、16は巻取り
機である。 以上、第1図は、ワイヤを焼鈍軟化させ、かつ
内部酸化層形成のためのアルカリ金属などの炭酸
塩塗布および加熱工程を伸線工程とメツキ前処理
工程間で行つた場合の例を示したものであるが、
定置型炉を使用するため工程が中断し、生産能率
の点で好ましくない。 第2図は、これを連続的に行なおうとする場合
のH2−H2O−N2系制御雰囲気加熱工程を実施す
るための一例を示すものである。 17はワイヤで、第1図4の伸線工程後5の液
槽および、6aのスタンドを介さずに連続的に供
給された状態を示す。 18は加熱炉本体で、炉内は任意の熱源により
所定の温度に保たれる。 19aは炭酸塩水溶液槽、19bは水槽で、炉
内雰囲気ガスの遮へいの他に、後述するいくつか
の重要な役割をはたす。19cは潤潤器で、これ
によつて所定の露点の雰囲気を調整する。なお積
極的乾燥手段を必要とする場合には、液槽19a
の液面上Aの位置で図示しない乾燥手段を用いて
実施する。20は雰囲気調整用H2−(H2O)−N2
混合ガスタンクで、21は供給ガスを均一に混合
するための混合タンク、22は混合フアンであ
る。 混合された雰囲気ガスは、26のガス分析器で
所定の酸素ポテンシヤルが保たれるに必要な調整
ガスが混合されたことが確かめられた上で、導入
管23を介して、湿潤器19c内で解放される。 なお、液槽19aは前記の通りアルカリ金属な
どの炭酸塩の水溶液槽で、この水温は、温度制御
装置29によつて所定の温度に保たれている。 炉内のガスは排出管24を介して冷却器25に
導かれ、ガス分析器で分析され混合タンク21に
入り循環する。炉内のガス圧は、圧力計28と電
磁弁27とによつて一定に保たれる。 一方ワイヤは炉内で所定の温度,時間加熱さ
れ、軟化および内部酸化層が形成された後、水槽
19bで冷却され連続的に後の工程に供給され
る。 次に実施例により本発明をさらに具体的に説明
する。 実施例 1 0.08%C,1.9%Si,1.5%Mn,0.02%P,0.01
%S,0.01%Al,0.01%Ti,0.0045%Oの化学組
成の試料を真空溶解し、鍛造伸線工程を経て2.2
mmφのワイヤに仕上げた。第2図に示す18の制
御雰囲気炉の30a,30bのバルブを閉じ、
CO/CO2比を1/1,4/1,および6/1に
なるように調製したCO−CO2混合ガスをその都
度20の混合ガスタンクに供給し、800゜および
900℃に保定した制御雰囲気炉18中に流し、1
9aの液槽にK2CO3を10,20および30%の濃度
に調合した水溶液を入れ、供試鋼ワイヤを通して
乾燥(19a液槽液面上Aの空間を通過中に乾
燥)し、内部酸化層を形成させた。同焼鈍工程を
通した鋼ワイヤは酸洗(10%HCl,60℃)後、銅
メツキを施し、1.2mmφに伸線し、溶接作業性を
評価した。すなわち内部酸化層の厚さ、有効酸素
量、銅メツキ性の難易(メツキ密着性)、ワイヤ
表面のワレの有無、送給性およびスパツタ量をも
とめた。 送給性はワイヤ送給モーターの電機子電流値を
測定し、2Aをこえるときは送給に難があると判
断し、不合格とした。スパツタ発生量はスパツタ
捕集箱でスパツタを捕集し、4.0gr/minをこえ
るものは不合格とした。溶接条件は第3表に示す
とおりである。
【表】 CO/CO2比が1/1,4/1および6/1で
ある制御雰囲気中で、800および900℃×5および
10分加熱したワイヤを第3表の溶接条件で溶接
し、その溶接作業性を評価した。その結果は第4
表に示すとおりである。CO/CO2が1/1の制
御雰囲気では、外部酸化層の生成が著しく、銅メ
ツキ性が極端に悪化し、銅メツキが斑点状となつ
た。 これに対し、Fe2SiO4の解離圧、すなわち
ΠFe2SiO4の4倍から1倍の範囲内の酸素ポテン
シヤルの制御雰囲気CO2/CO:1/4,1/6,
では外部酸化はおこらず、内部酸化のみとなり、
各評価項目の結果は第4表に示すとおり極めて満
足すべきものとなつた。
【表】 実施例 2 0.08%C,0.7%Si,1.57%Mn,0.02%P,0.01
%S,0.01%Cr,0.1%Alの化学組成の試料を真
空溶解し、鍛造,伸線工程を経て2.2mmφのワイ
ヤに仕上げた。これらのワイヤを第2図に示した
制御雰囲気炉18の30a,30bバルブを閉
じ、CO/CO2比が4/1になるように調製した
CO−CO2混合ガスを20の混合ガスタンクに供
給し、800℃に保定した制御雰囲気炉中に流し、
内部酸化層を形成させた。19aの液槽の炭酸塩
水溶液としてはNa2CO3,CaCO3,BaCO3
K2CO3+Na2CO3,K2CO3+CaCO3、及びK2CO3
+BaCO3を用いた。しかるのち酸洗(10%HCl,
60℃)後、銅メツキを施し、伸線し、1.2mmφの
ワイヤで溶接作業性を評価した。すなわち、内部
酸化層の厚さ、有効酸化槽、メツキ密着性、およ
びワイヤ表面のワレの有無,送給性、およびスパ
ツタ量をもとめた。送給性はワイヤ送給モータの
電機子電流値を測定し、その値が2A以下であれ
ば合格とした。スパツタ量はスパツタ捕集箱で採
取し、4.0g/minをこえるものは不合格とした。 CO/CO2比が4/1の制御雰囲気中で800℃×
5min800℃×10min加熱したワイヤを第3表の溶
接条件で溶接し、溶接作業性を評価した結果を第
5表に示す。
【表】 このように前記炭酸塩水溶液を塗布したのち、
Fe2SiO4の解離圧の1倍から4倍の範囲内の酸素
ポテンシヤルの制御雰囲気で加熱すると、いずれ
のワイヤとも有効に内部酸化層が形成され、送給
性,耐スパツタ性ともに良好で溶接作業性にすぐ
れた鋼ワイヤが得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明ワイヤの製造法を実施する製造
装置の一例を示す説明図、第2図は第1図におけ
る加熱工程を連続的におこなう装置の一例を示す
詳細図である。 1…供給スタンド、2…デスケーラ、3…前処
理槽、4…伸線材、5,19a…アルカリ金属ま
たはアルカリ土金属炭酸塩水溶液槽、6a,6b
…巻取り巻きもどしスタンド、7…巻取りワイ
ヤ、8…定置加熱炉、9…雰囲気ガスタンク、1
0…流量計、11a,11b…導入,排出管、1
2…メツキ前処理槽、13…メツキ槽、14…仕
上伸線機、15…矯正ローラー、16…巻取り
機、17…ワイヤ、18…加熱炉本体、19b…
水槽、19c…湿潤器、20…雰囲気調整用混合
ガスタンク、21…混合タンク、22…混合フア
ン、23…導入管、24…排出管、25…冷却
器、26…ガス分析器、27…電磁弁、28…圧
力計、29…温度制御装置、30a,30b…ガ
ス調整弁。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 少なくとも(a)熱延によつて生成された鋼ワイ
    ヤ表面のスケールを除去する工程、(b)荒引伸線工
    程、(c)メツキ前処理工程、(d)メツキ工程、(e)所定
    の線径に伸線する仕上伸線工程、(f)伸線後の捲取
    工程、(g)焼鈍工程の(a)〜(g)を実施するアーク溶接
    用鋼ワイヤの製造工程において、前記焼鈍工程(g)
    の前に、30%以下のアルカリ金属炭酸塩、または
    アルカリ土金属炭酸塩の1種または2種以上の水
    溶液を塗布し、乾燥する工程(h)を加え、しかる後
    に焼鈍工程(g)を、Fe2SiO4の解離酸素圧ΠFe2SiO4
    の4倍を上限とし、1倍を下限とする酸素ポテン
    シヤルを有する制御雰囲気中で加熱する熱処理工
    程とすると共に、該工程(h)および(g)を前記工程の
    うち(a)〜(e)のいずれかの後に挿入することを特徴
    とする送給性および耐スパツタ性に優れたアーク
    溶接用鋼ワイヤの製造法。
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