JPH10330900A - 熱延鋼板の溶融めっき方法 - Google Patents

熱延鋼板の溶融めっき方法

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JPH10330900A
JPH10330900A JP14671197A JP14671197A JPH10330900A JP H10330900 A JPH10330900 A JP H10330900A JP 14671197 A JP14671197 A JP 14671197A JP 14671197 A JP14671197 A JP 14671197A JP H10330900 A JPH10330900 A JP H10330900A
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JP
Japan
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hot
steel sheet
pickling
rolled steel
plating
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Application number
JP14671197A
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English (en)
Inventor
Michitaka Sakurai
理孝 櫻井
Shuji Nomura
修二 野村
Junichi Inagaki
淳一 稲垣
Masaru Sagiyama
勝 鷺山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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  • Coating With Molten Metal (AREA)
  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱延鋼板の脱スケール酸洗工程を連続式溶融
めっきラインに組み込んで、生産コストを低減し、さら
に、安価でめっき密着性に優れた溶融めっき鋼板を製造
する。 【解決手段】 熱延鋼板を脱スケール処理後、鉄よりも
貴な金属イオンを含有する酸洗液で処理後、亜鉛または
亜鉛系合金を溶融めっきする。鉄よりも貴な金属イオン
を含有する酸洗液が、Cd、Co、Ni、Sn、Pb、Cuの中から
選ばれた1種又は2種以上の金属イオンを含有する酸洗
液であり、または酸洗液が塩酸であることが好ましい。
脱スケール速度が上昇し、酸洗後の鋼板表面の残存スケ
ールおよび残存スマットが減少し、また酸洗時に、鉄よ
りも貴な金属イオンが鋼板の表面に析出するため、めっ
き金属との反応性が良好になり、密着性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱延鋼板に亜鉛又
は亜鉛系合金を溶融めっきする方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、熱延下地溶融亜鉛めっき鋼板
は、熱間圧延ラインにおいて圧延された熱延鋼板を、コ
イルに巻き取り、常温まで冷却し、次いで、酸洗ライン
において80〜90℃程度の温度で酸洗して、熱延時に鋼板
表面に生成したスケールを除去した後、連続式溶融亜鉛
めっきラインに装入して、亜鉛または亜鉛系合金を溶融
めっきして製造される。
【0003】溶融連続式溶融亜鉛めっきラインの概略図
を図3に示す。連続溶融めっき装置2は、焼鈍炉3とめ
っき槽4を備える。溶融連続式溶融亜鉛めっきラインに
おいて、脱スケールされた熱延鋼板Sは、コイラー1か
ら繰り出され、所定の還元性雰囲気を保った焼鈍炉3内
で700 〜800 ℃程度の温度で還元焼鈍され、その雰囲気
を保ったまま溶融亜鉛または溶融亜鉛系合金からなるめ
っき浴5に浸漬して連続的に溶融めっきが施される。
【0004】700 〜800 ℃程度の高温の還元焼鈍は、め
っき浴浸漬時に鋼板の表面に酸化膜が多量に存在する
と、鋼板とめっき浴の反応が妨げられてめっき密着性が
劣化したり、亜鉛又は亜鉛系合金がはじかれて不めっき
を生じ、外観ならびに耐食性が低下するため、これらを
防止する意図からなされるものである。
【0005】したがって、熱延鋼板は、所要のめっき品
質を確保するために、酸洗ラインを経ることによって、
熱延時に鋼板表面に生成したスケールを完全に除去する
こと、連続式溶融亜鉛めっきラインにおいて、700 〜80
0 ℃程度の高温に加熱して、還元焼鈍することが不可欠
であった。
【0006】しかしながら、酸洗ラインを経ることは、
コイル搬送費ならびに酸洗ラインの運転費の増大を招く
ことになる。そこで、酸洗処理とめっき処理を同一ライ
ンで連続的に行うことが提案されている。
【0007】特公昭51-40018号公報では、熱延鋼板を硫
酸と塩酸の混酸よりなる酸洗処理液中を通してスケール
を除去し、引き続いて連続するめっき工程に通して亜鉛
めっきする技術(以下、従来技術1という)が開示され
ている。さらに、特開平4-304357号公報では、酸洗後に
バフロールによるブラッシングを施し、次いで溶融めっ
きする技術(以下、従来技術2という)、特開平8-8174
8 号公報では、酸洗後に電解清浄により脱スマットし、
次いで溶融亜鉛めっきする技術(以下、従来技術3とい
う)が開示されている。
【0008】また、酸洗処理を施すこと自体、その設備
の設置ならびに運転に莫大なコストと時間を要すること
になる。そこで、酸洗工程を省略するという考えに基づ
いた溶融めっき方法が提案されている。
【0009】特開昭54-133438 号公報では、熱延鋼板を
圧下率40%以上の冷間圧延を施した後、水素濃度4 %以
上の還元性雰囲気内で還元焼鈍して溶融亜鉛めっきする
技術(以下、従来技術4という)や、特開平06-279967
号公報では、熱延鋼板の表面酸化皮膜厚に合わせて、還
元処理条件を制御する技術(以下、従来技術5という)
が開示されている。
【0010】熱延鋼板は、材質上の観点からは、700 〜
800 ℃程度の高温焼鈍を必要としない。十分なめっき密
着性を得るのに必要な表面清浄性を確保するために、70
0 〜800 ℃程度の高温に加熱することは、膨大なエネル
ギーと長大な加熱炉を必要とし、操業コストの増加を招
く。また、高温に加熱後、めっき浴の温度(500 ℃程
度)近傍まで冷却することは熱エネルギーの多大な損失
となる。さらに、高温の水素雰囲気中では鋼板に水素が
吸蔵され、めっき後、この水素が鋼板とめっき皮膜の界
面に放出され、めっき皮膜に膨れ状欠陥を発生するとい
う問題もある。
【0011】これらの問題を解決する手段として、特開
平4-346645号公報では、熱延鋼板を酸洗後Niプレめっき
を行い、430 〜500 ℃に加熱後、溶融亜鉛めっきを施す
技術(以下、従来技術6という)が開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た従来技術1〜6には、個々に以下のような問題点があ
る。
【0013】従来技術1においては、酸洗によって熱延
鋼板を脱スケールすると、セメンタイトを主体とするス
マットが鋼板表面に残存し、還元焼鈍時に分解除去され
ないスマットに起因するめっきはじき(いわゆる、不め
っき)が発生するという問題がある。また、仮にスマッ
トなどが完全に除去されたとしても、熱延時に表層に濃
化した元素が酸洗後の鋼板表面に存在し、この濃化元素
に起因する不めっきやめっき密着性不良が発生するとい
う問題がある。
【0014】従来技術2においては、酸洗時に生成した
スマットはバフロールによる研削である程度除去される
ものの、鋼板が湾曲している場合や、鋼板表面にミクロ
凹凸が存在する場合には、ブラシが均一に当たらないた
め、局部的にスマットが残存しやすいため、不めっきの
発生を完全に防止することができず、また、ブラシロー
ルの毛抜けが、欠陥を発生させたり、ブラシロールの不
均一による線状ムラやチャーターマークなどが発生し、
外観を損なうなどの問題がある。また、前記従来技術1
と同様、表層の濃化元素に起因する不めっきやめっき密
着性不良の発生を防止できないという問題がある。
【0015】従来技術3においては、スマット残存の問
題は解決できるが、表層の濃化元素に起因する不めっき
やめっき密着性不良の発生を防止できない。また、電解
設備が必要になり、設備コストや操業コストの増大を招
く。
【0016】従来技術4においては、冷間圧延によりス
ケールを薄くして、還元焼鈍時のスケール還元を補助す
るものであるが、冷間圧延のための莫大な設備が必要で
あり、材質の変動が大きくなるという問題がある。ま
た、表層の濃化元素に起因する不めっきやめっき密着性
不良の発生を防止できない。
【0017】従来技術5は、通常のスケール厚さの熱延
鋼板についても適用可能であるが、還元処理温度の高温
化、処理時間とH2濃度の増加が必要になるので、操業コ
スト・設備コストが上昇するという問題がある。さら
に、鋼板に溶融めっきを施す前にスケール厚さを測定す
る必要があるが、これは連続処理を妨げ、生産性に悪影
響を与える。また、表層の濃化元素に起因する不めっき
やめっき密着性不良の発生を防止できない。
【0018】従来技術6においては、前処理としてNiプ
レめっきを電解処理により施すため、プレめっきの設備
コストが増大するという問題がある。
【0019】本発明は、前記した事情を考慮してなされ
たものであり、通常行われる熱延鋼板の脱スケール酸洗
工程を連続式溶融めっきラインに組み込んで、生産コス
トを低減すると共に、さらに、電解処理のような設備コ
ストの大きい手段によることなく、酸洗後の鋼板の表面
調整を同時に行って、安価でめっき密着性に優れた溶融
めっき鋼板を製造できるめっき方法を提供することを目
的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの第1の発明は、熱延鋼板を脱スケール処理後、連続
溶融めっき装置に導入して、熱延鋼板に亜鉛または亜鉛
系合金を溶融めっきする方法において、連続溶融めっき
装置に導入する前に鉄よりも貴な金属イオンを含有する
酸洗液で処理することを特徴とする熱延鋼板の溶融めっ
き方法である。
【0021】第2の発明は、熱延鋼板を脱スケール処理
後、引き続いて連続する連続溶融めっき装置に導入し
て、熱延鋼板に亜鉛または亜鉛系合金を溶融めっきする
方法において、脱スケール酸洗処理の少なくとも最終酸
洗槽において、鉄よりも貴な金属イオンを含有する酸洗
液で処理することを特徴とする熱延鋼板の溶融めっき方
法である。
【0022】第3の発明は、前記第1発明乃至第2発明
における鉄よりも貴な金属イオンを含有する酸洗液が、
Cd、Co、Ni、Sn、Pb、Cuの中から選ばれた1種又は2種
以上の金属イオンを含有する酸洗液であることを特徴と
する熱延鋼板の溶融めっき方法である。
【0023】第4の発明は、前記第1発明乃至第3発明
において、酸洗液が、塩酸であることを特徴とする熱延
鋼板の溶融めっき方法である。
【0024】第5の発明は、前記第1発明乃至におい
て、酸洗液への鉄よりも貴な金属イオンの供給を、鉄よ
りも貴な金属の、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物
を酸洗液に溶解して行うことを特徴とする熱延鋼板の溶
融めっき方法である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。
【0026】一般に、熱延鋼板を脱スケール酸洗する
と、部分的にスケールが残存したり、セメンタイトを主
成分とするスマットが付着していることがあり、この様
な場合には、溶融めっきの際に、ピンホール状の不めっ
きを生じやすく、品質および歩留の低下を招いていた。
【0027】この様な、残存スケールやスマットを除去
するために、現状では電解清浄法やブラシ研削などの機
械的除去法が採用されている。電解清浄法は、設備が莫
大で製造コストが増大する点で問題がある。ブラシ研削
などの機械的除去法では、ブラシの毛抜けにより欠陥を
生じたり、鋼板のミクロ凹凸によってブラシがあたらな
い部分が存在することなどにより、残存スケールやスマ
ットの除去の安定性に欠けている。また、仮にスマット
などが完全に除去されたとしても、熱延時に表層に濃化
した元素が酸洗後の鋼板表面に存在し、これらの濃化元
素の影響による不めっきの問題を解決できなかった。
【0028】本発明者らは、電解処理を行わない化学的
な方法で、安定して残存スケールやスマットを除去する
方法について検討した。その結果、熱延鋼板を脱スケー
ル酸洗処理の際に、脱スケール酸洗処理の少なくとも最
終酸洗槽において、鉄よりも貴な金属イオンを含有する
酸洗液で処理すると、脱スケール速度が上昇し、スケー
ルおよびスマットが除去され易いことが判明した。
【0029】また、これまで、十分なめっき密着性を得
るために、連続溶融めっき装置で、700 〜800 ℃の高温
に鋼板を加熱し、還元焼鈍を行っていたが、前記方法の
採用により、めっき浴温程度までの加熱で、十分なめっ
き密着性が得られることを知見した。
【0030】この理由は、残存スケール、残存スマット
が減少したこと、酸洗時の鉄溶解と同時に、鉄よりも貴
な金属イオンが鋼板の表面に析出するため、高温での還
元を行わなくても、鋼板表面と溶融しためっき金属の濡
れ性あるいは反応性が良好であるため、十分な密着性が
得られたものと推定される。
【0031】また、析出した鉄よりも貴な金属によって
鋼板表面が覆われているため、熱延時に表層に濃化した
元素の影響が皆無になった。その結果、難めっき鋼板に
ついても、従来は、還元焼鈍に必要な温度と時間を確保
するため、低速での操業を余儀なくされていたが、高速
での操業を行っても十分なめっき密着性が得られること
が判明した。
【0032】次に、本発明者らは、上記脱スケール酸洗
処理の少なくとも最終酸洗槽において、鉄よりも貴な金
属イオンを含有する酸洗液で処理する方法について、さ
らに検討を行った。その結果、鉄よりも貴な金属イオン
には種々の金属があるが、効果・コスト・扱いの容易さ
等の観点から、Cd、Co、Ni、Sn、Pb、Cuの中から選ばれ
た1種又は2種以上の金属イオンを含有する酸洗液で処
理することが有効であることを知見した。
【0033】また、前記脱スケール酸洗処理の少なくと
も最終酸洗槽において、鉄よりも貴な金属イオンを含有
する酸洗液が、塩酸である場合、より効率的な脱スケー
ル酸洗処理が可能であることが判明した。
【0034】さらに、前記鉄よりも貴な金属イオンを酸
洗液に供給する方法として、鉄よりも貴な金属の、フッ
化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物を酸洗液に溶解した場
合、より効率的な脱スケール酸洗処理ならびに鉄よりも
貴な金属のより効率的な析出が可能であることが判明し
た。
【0035】この理由は、酸洗時に、鉄の溶解と同時に
鉄よりも貴な金属が鋼板の表面に析出するが、その際、
フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン
が存在すると、これらのイオンが析出金属に吸着して、
析出金属への電子の授受を促進するため、鉄よりも貴な
金属の析出速度が格段に上昇することによるものと推定
される。
【0036】本発明は、熱延鋼板の脱スケール酸洗処理
の際に、脱スケール酸洗処理の少なくとも最終酸洗槽に
おいて、鉄よりも貴な金属イオンを含有する酸洗液で処
理することにより達成される。前記処理は脱スケール速
度を促進する作用があるので、全ての酸洗槽に適用して
も良いが、鉄よりも貴な金属を鋼板表面に析出させて、
低温還元焼鈍でも十分なめっき密着性を得ることが本発
明の主目的であるから、最終酸洗槽において本発明が規
定する処理を行うことが望ましい。
【0037】また、本発明は、脱スケール処理した熱延
鋼板を、鉄よりも貴な金属イオンを含有する酸洗液で処
理した後、連続溶融めっき装置に導入して溶融めっきを
施すことにより達成される。鉄よりも貴な金属イオンを
含有する酸洗液での処理は、連続式溶融亜鉛めっきライ
ンに装入前、装入後のいずれでもよい。すなわち、本発
明では、脱スケール処理と鉄よりも貴な金属イオンを含
有する酸洗液で処理した熱延鋼板を連続式溶融亜鉛めっ
きラインに装入してもよく、脱スケール処理した熱延鋼
板を溶融連続式溶融亜鉛めっきラインに装入し、溶融連
続式溶融亜鉛めっきラインで鉄よりも貴な金属イオンを
含有する酸洗液で処理してもよく、また、溶融連続式溶
融亜鉛めっきラインに装入後、脱スケール処理と鉄より
も貴な金属イオンを含有する酸洗液で処理してもよい。
【0038】溶融連続式溶融亜鉛めっきラインに装入
後、脱スケール処理と鉄よりも貴な金属イオンを含有す
る酸洗液で処理すると、酸洗ラインを経ることが不要に
なるので、コイル搬送費などの生産コストを低減でき、
溶融亜鉛めっき鋼板をより安価に製造できるので、より
好ましい。
【0039】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 (実施例1)本発明の鉄よりも貴な金属イオンを含有す
る酸洗液による処理の効果を確認するために、脱スケー
ルされた熱延鋼板を用いて、連続式溶融めっきラインで
製造実験を行った。
【0040】実験を行った溶融亜鉛めっきラインの概略
図を図1に示す。図1において、1はコイラー、2は連
続溶融めっき装置で、焼鈍炉3とめっき槽4を備え、6
は鉄よりも貴な金属を含有する酸洗液の入った処理槽で
ある。
【0041】この装置では、コイラー1より繰りだされ
た脱スケール処理された熱延鋼板Sは、処理槽6で処理
された後、連続して設けられた焼鈍炉3 を経てめっき槽
4 のめっき浴5に浸漬されて連続的に所要の溶融めっき
が施される。
【0042】前記した装置を用いた実機試験の結果を以
下に示す。めっき母材には、脱スケール処理された通常
の低炭素Alキルド鋼の熱延鋼板を使用した。板厚は3.0m
m である。
【0043】鉄よりも貴な金属イオンを含有する酸洗液
として、塩酸100g/L、塩化第1鉄250g/L、塩化第2鉄5g
/L、インヒビターとしてヒビロンA−5を3g/Lを含み、
鉄よりも貴な金属イオンとして塩化物(NiCl2) を10〜50
0g/l溶解した酸液を用い、液温85℃で処理した。
【0044】めっき浴組成はAlが0.16wt% で残部Zn、め
っき浴温は465 ℃、侵入板温は475℃、めっき付着量は
両面で150g/m2 以上とした。
【0045】製造条件を表1に示す。表1に記載されて
いない製造条件は、連続式溶融亜鉛めっきラインにおい
て同等材を通板するときの標準的な条件とした。
【0046】前記で得た実験材について、2t曲げ試験を
行い、曲げ部外側のテープ剥離を行ってめっき密着性を
評価した。皮膜が剥離しなかったものを、剥離したもの
を×とした。
【0047】また、目視観察により、不めっきの程度を
評価した。不めっきがなかったものを○、不めっきが存
在し、少なかったものを△、多かったものを×とした。
【0048】めっき密着性、不めっきの程度の評価結果
を表1に併せて示す。
【0049】
【表1】
【0050】本発明例は、焼鈍温度が低温であるにもか
かわらず、いずれも皮膜の剥離がなく、めっき密着性が
良好である。また、不めっきがなく、あるいは不めっき
があっても少ない。
【0051】比較例は、低温焼鈍の場合、皮膜剥離があ
り、めっき密着性が不良である。また、不めっきが多数
発生した。
【0052】(実施例2)脱スケール処理後に鉄よりも
貴な金属イオンを含有する酸洗液による仕上げ処理を行
った場合の本発明の効果を効果を確認するために、脱ス
ケール処理していない熱延鋼板を用いて、連続式溶融め
っきラインで製造実験を行った。
【0053】実験を行った溶融亜鉛めっきラインの概略
図を図2に示す。図2において、図1に示された部分と
同じ部分には同じ符号を付している。また、図1の処理
槽6に替えて、酸洗液の入った第一酸洗槽7と鉄よりも
貴な金属イオンを含有する酸洗液の入った最終酸洗槽8
が設けられている。
【0054】この装置では、コイラー1より繰りだされ
た脱スケール処理された熱延鋼板Sは、第一酸洗槽7で
酸洗され、次いで最終酸洗槽8で鉄よりも貴な金属イオ
ンを含有する酸洗液で処理された後、焼鈍炉3 を経てめ
っき槽4 のめっき浴5に浸漬されて連続的に所要の溶融
めっきが施される。
【0055】前記した装置を用いた実機試験の結果を以
下に示す。めっき母材には通常の低炭素Alキルド鋼の脱
スケール処理していない熱延鋼板を使用した。板厚は3.
0mm である。
【0056】酸洗は、塩酸100g/L、塩化第1鉄250g/L、
塩化第2鉄5g/L、インヒビターとしてヒビロンA−5を
3g/Lを含む酸液を用い、液温85℃で第一酸洗槽7で処理
した。
【0057】仕上げ処理は、上記酸液に、鉄よりも貴な
金属イオンとしてフッ化物(CdF2 、CoF2、 NiF2 、Cu
F2) 、塩化物(CdCl2、CoCl2 、NiCl2 、SnCl2 、PbCl
2 、CuCl 2)、臭化物(CdBr2、CoBr2 、NiBr2 、PbBr2
CuBr2)、ヨウ化物(CdI2 、CoI2、NiI2、PbI2、CuI2) を
100g/l程度溶解し、最終酸洗槽8で処理した。
【0058】なお、塩酸以外の酸洗を評価するため、硫
酸酸洗による試験も一部行った。めっき浴組成はAlが0.
16wt% で残部Zn、めっき浴温465 ℃、侵入板温475 ℃、
めっき付着量は両面で150g/m2 以上とした。
【0059】製造条件を表2に示す。表2に記載されて
いない製造条件は、連続式溶融亜鉛めっきラインにおい
て同等材を通板するときの標準的な条件とした。
【0060】前記で得た実験材について、実施例1の場
合と同様の方法で、めっき密着性、不めっきの程度につ
いて評価した。めっき密着性、不めっきの程度の評価結
果を表2に併せて示す。
【0061】
【表2】
【0062】本発明例は、焼鈍温度が低温であるにもか
かわらず、いずれも皮膜の剥離がなく、めっき密着性が
良好である。また、不めっきがなく、あるいは不めっき
があっても少ない。
【0063】比較例は、低温焼鈍の場合、皮膜剥離があ
り、めっき密着性が不良である。また、不めっきが多数
発生した。
【0064】なお、実施例2の脱スケール酸洗ならびに
仕上げ処理は、2つの処理槽を用いて別々に行ったが、
処理槽の槽数は2つに限らず適宜選択することができ
る。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
次のような効果が得られる。
【0066】(1)脱スケール酸洗処理の際、同時に、
酸洗後の鋼板表面調整を行うことにより、従来から問題
になっていた酸洗後のスマット残存などによる問題、還
元焼鈍時の加熱温度低下時の問題を同時に解決できるの
で、低温焼鈍をおこなっても、不めっきの発生やめっき
密着性不良の発生を低減できる。したがって、焼鈍温度
の低下、あるいはさらに焼鈍温度の低下に加えて、高速
操業が可能になり、操業コストを低減することができ
る。
【0067】(2)本発明のFeよりも貴な金属イオンを
含む酸洗液で処理する鋼板の表面調整方法は、脱スケー
ル速度が促進でき、また、電解処理に比べて安価であ
る。
【0068】(3)通常行われる熱延鋼板の脱スケール
酸洗工程を連続式溶融めっきラインに組み込むと、酸洗
ラインを経ることがなくなるので、さらにコイル搬送費
などの生産コストを低減することができる。
【0069】(4)以上の結果から、安価でめっき密着
性に優れた溶融めっき鋼板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に使用した連続溶融亜鉛
めっきラインを示す図。
【図2】本発明の第2の実施例に使用した連続溶融亜鉛
めっきラインを示す図。
【図3】従来技術の連続溶融亜鉛めっきラインを示す
図。
【符号の説明】
1 コイラー 2 連続溶融めっき装置 3 焼鈍炉 4 めっき槽 5 めっき浴 6 処理槽 7 第一酸洗槽 8 最終酸洗槽 S 熱延鋼板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鷺山 勝 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱延鋼板を脱スケール処理後、連続溶融
    めっき装置に導入して、熱延鋼板に亜鉛または亜鉛系合
    金を溶融めっきする方法において、連続溶融めっき装置
    に導入する前に鉄よりも貴な金属イオンを含有する酸洗
    液で処理することを特徴とする熱延鋼板の溶融めっき方
    法。
  2. 【請求項2】 熱延鋼板を脱スケール処理後、引き続い
    て連続する連続溶融めっき装置に導入して、熱延鋼板に
    亜鉛または亜鉛系合金を溶融めっきする方法において、
    脱スケール酸洗処理の少なくとも最終酸洗槽において、
    鉄よりも貴な金属イオンを含有する酸洗液で処理するこ
    とを特徴とする熱延鋼板の溶融めっき方法。
  3. 【請求項3】 鉄よりも貴な金属イオンを含有する酸洗
    液が、Cd、Co、Ni、Sn、Pb、Cuの中から選ばれた1種又
    は2種以上の金属イオンを含有する酸洗液であることを
    特徴とする請求項1乃至2に記載の熱延鋼板の溶融めっ
    き方法。
  4. 【請求項4】 酸洗液が、塩酸であることを特徴とする
    請求項1乃至3に記載の熱延鋼板の溶融めっき方法。
  5. 【請求項5】 酸洗液への鉄よりも貴な金属イオンの供
    給を、鉄よりも貴な金属の、フッ化物、塩化物、臭化
    物、ヨウ化物を酸洗液に溶解して行うことを特徴とする
    請求項1乃至4に記載の熱延鋼板の溶融めっき方法。
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