JPH10330899A - 熱延鋼板の溶融めっき方法および装置 - Google Patents

熱延鋼板の溶融めっき方法および装置

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JPH10330899A
JPH10330899A JP14671097A JP14671097A JPH10330899A JP H10330899 A JPH10330899 A JP H10330899A JP 14671097 A JP14671097 A JP 14671097A JP 14671097 A JP14671097 A JP 14671097A JP H10330899 A JPH10330899 A JP H10330899A
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hot
plating
steel sheet
pickling
rolled steel
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JP14671097A
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Inventor
Michitaka Sakurai
理孝 櫻井
Shuji Nomura
修二 野村
Takayuki Urakawa
隆之 浦川
Junichi Inagaki
淳一 稲垣
Masaru Sagiyama
勝 鷺山
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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  • Coating With Molten Metal (AREA)
  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱延鋼板の脱スケール酸洗工程を連続式溶融
めっきラインに組み込んで、生産コストを低減すると共
に、その際、酸洗後の鋼板の表面調整を同時に行って、
安価でめっき密着性に優れた溶融めっき鋼板を製造す
る。 【解決手段】 熱延鋼板を脱スケール酸洗処理後、引き
続いて連続する連続めっき工程に導入して、熱延鋼板に
亜鉛または亜鉛系合金を溶融めっきする方法において、
スケールの溶解により酸洗処理液中に供給されるFeイオ
ンを用いて、脱スケールした熱延鋼板に、電解により鉄
めっき処理する。脱スケールの際に残存したスケールや
スマットが鉄めっきにより被覆され、低温焼鈍してもめ
っき密着性がよい。また、スケールから溶解するFeイオ
ンを鉄めっきに用いるので、安価に鉄めっきできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱延鋼板に亜鉛又
は亜鉛系合金を溶融めっきする方法および装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、熱延下地溶融亜鉛めっき鋼板
は、熱間圧延ラインにおいて圧延された熱延鋼板を、コ
イルに巻き取り、常温まで冷却し、次いで、酸洗ライン
において80〜90℃程度の温度で酸洗して、熱延時に鋼板
表面に生成したスケールを除去した後、連続式溶融亜鉛
めっきラインに装入して、亜鉛または亜鉛系合金を溶融
めっきして製造される。
【0003】溶融連続式溶融亜鉛めっきラインの概略図
を図2に示す。連続溶融めっき装置2は、焼鈍炉3とめ
っき槽4を備える。溶融連続式溶融亜鉛めっきラインに
おいて、脱スケールされた熱延鋼板Sは、コイラー1か
ら繰り出され、所定の還元性雰囲気を保った焼鈍炉3内
で700 〜800 ℃程度の温度で還元焼鈍され、その雰囲気
を保ったまま溶融亜鉛または溶融亜鉛系合金からなるめ
っき浴5に浸漬して連続的に溶融めっきが施される。
【0004】700 〜800 ℃程度の高温の還元焼鈍は、め
っき浴浸漬時に鋼板の表面に酸化膜が多量に存在する
と、鋼板とめっき浴の反応が妨げられてめっき密着性が
劣化したり、亜鉛又は亜鉛系合金がはじかれて不めっき
を生じ、外観ならびに耐食性が低下するため、これらを
防止する意図からなされるものである。
【0005】したがって、熱延鋼板は、所要のめっき品
質を確保するために、酸洗ラインを経ることによって、
熱延時に鋼板表面に生成したスケールを完全に除去する
こと、連続式溶融亜鉛めっきラインにおいて、700 〜80
0 ℃程度の高温に加熱して、還元焼鈍することが不可欠
であった。
【0006】しかしながら、酸洗ラインを経ることは、
コイル搬送費ならびに酸洗ラインの運転費の増大を招く
ことになる。そこで、酸洗処理とめっき処理を同一ライ
ンで連続的に行うことが提案されている。
【0007】特公昭51-40018号公報では、熱延鋼板を硫
酸と塩酸の混酸よりなる酸洗処理液中を通してスケール
を除去し、引き続いて連続するめっき工程に通して亜鉛
めっきする技術(以下、従来技術1という)が開示され
ている。さらに、特開平4-304357号公報では、酸洗後に
バフロールによるブラッシングを施し、次いで溶融めっ
きする技術(以下、従来技術2という)、特開平8-8174
8 号公報では、酸洗後に電解清浄により脱スマットし、
次いで溶融亜鉛めっきする技術(以下、従来技術3とい
う)が開示されている。
【0008】また、酸洗処理を施すこと自体、その設備
の設置ならびに運転に莫大なコストと時間を要すること
になる。そこで、酸洗工程を省略するという考えに基づ
いた溶融めっき方法が提案されている。
【0009】特開昭54-133438 号公報では、熱延鋼板を
圧下率40%以上の冷間圧延を施した後、水素濃度4 %以
上の還元性雰囲気内で還元焼鈍して溶融亜鉛めっきする
技術(以下、従来技術4という)や、特開平6-279967号
公報では、熱延鋼板の表面酸化皮膜厚に合わせて、還元
処理条件を制御する技術(以下、従来技術5という)が
開示されている。
【0010】熱延鋼板は、材質上の観点からは、700 〜
800 ℃程度の高温焼鈍を必要としない。十分なめっき密
着性を得るのに必要な表面清浄性を確保するために、70
0 〜800 ℃程度の高温に加熱することは、膨大なエネル
ギーと長大な加熱炉を必要とし、操業コストの増加を招
く。また、高温に加熱後、めっき浴の温度(500 ℃程
度)近傍まで冷却することは熱エネルギーの多大な損失
となる。さらに、高温の水素雰囲気中では鋼板に水素が
吸蔵され、めっき後、この水素が鋼板とめっき皮膜の界
面に放出され、めっき皮膜に膨れ状欠陥を発生するとい
う問題もある。
【0011】これらの問題を解決する手段として、特開
平4-346645号公報では、熱延鋼板を酸洗後Niプレめっき
を行い、430 〜500 ℃に加熱後、溶融亜鉛めっきを施す
技術(以下、従来技術6という)が開示されている。
【0012】また、鋼板の機械的性質を改善するため
に、鋼中に多種の合金元素を添加する場合があるが、添
加した合金元素が、熱延時に表層に濃化する。濃化した
合金元素が酸洗後の鋼板表面に存在し、この濃化元素に
起因する不めっきやめっき密着性不良が発生するという
問題がある。このような濃化元素に起因する不めっきや
めっき密着性不良が発生しやすい難めっき鋼板を溶融亜
鉛めっきするに際して、例えば、特開昭57-70268号公開
公報では、溶融亜鉛めっきラインの入側で、電解処理に
より0.01〜1 μm のFeめっきを行い、鋼板中のめっき性
阻害元素であるAl、Si、Ti、B 、Mn、P 、Crの影響を排
除する技術(以下、従来技術7という)が開示されてい
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た従来技術1〜7には、個々に以下のような問題点があ
る。
【0014】従来技術1においては、酸洗によって熱延
鋼板を脱スケールすると、セメンタイトを主体とするス
マットが鋼板表面に残存し、還元焼鈍時に分解除去され
ないスマットに起因するめっきはじき(いわゆる、不め
っき)が発生するという問題がある。また、仮にスマッ
トなどが完全に除去されたとしても、熱延時に表層に濃
化した元素が酸洗後の鋼板表面に存在し、この濃化元素
に起因する不めっきやめっき密着性不良が発生するとい
う問題がある。
【0015】従来技術2においては、酸洗時に生成した
スマットはバフロールによる研削である程度除去される
ものの、鋼板が湾曲している場合や、鋼板表面にミクロ
凹凸が存在する場合、ブラシが均一に当たらないため、
局部的にスマットが残存しやすいので、不めっきの発生
を完全に防止することができない。また、ブラシロール
の毛抜けが、欠陥を発生させたり、ブラシロールの不均
一による線状ムラやチャーターマークなどが発生し、外
観を損なうなどの問題がある。また、前記従来技術1と
同様、表層の濃化元素に起因する不めっきやめっき密着
性不良の発生を防止できないという問題がある。
【0016】従来技術3においては、スマット残存の問
題は解決できるが、表層の濃化元素に起因する不めっき
やめっき密着性不良の発生を防止できない。
【0017】従来技術4においては、冷間圧延によりス
ケールを薄くして、還元焼鈍時のスケール還元を補助す
るものであるが、冷間圧延のための莫大な設備が必要で
あり、材質の変動が大きくなるという問題がある。ま
た、表層の濃化元素に起因する不めっきやめっき密着性
不良の発生を防止できない。
【0018】従来技術5は、通常のスケール厚さの熱延
鋼板についても適用可能であるが、還元処理温度の高温
化、処理時間とH2濃度の増加が必要になるので、操業コ
スト・設備コストが上昇するという問題がある。さら
に、鋼板に溶融めっきを施す前にスケール厚さを測定す
る必要があるが、これは連続処理を妨げ、生産性に悪影
響を与える。また、表層の濃化元素に起因する不めっき
やめっき密着性不良の発生を防止できない。
【0019】従来技術6においては、前処理としてNiプ
レめっきを電解処理により施すため、プレめっきのため
の薬液コストが高価になるという問題がある。
【0020】従来技術7は、そもそも対象とする鋼板が
冷延鋼板であり、また材質上の制約から高温焼鈍を必須
とするものであるという点において、本発明と技術分野
が異なる。また、プレめっき後の高温焼鈍時に、Si、Mn
等めっき性阻害元素が表面に拡散露出するため、プレめ
っきのめっき量が少ないと、めっき性阻害元素の影響を
抑えることができない。めっき性阻害元素の影響を抑え
るためには、電解処理によるFeプレめっきのめっき量を
比較的多量にすることが必要であること等により、設備
コストが増大し、またFeイオンを供給するための薬液コ
ストが高価であるという問題がある。
【0021】本発明は、前記した事情を考慮してなされ
たものであり、通常行われる熱延鋼板の脱スケール酸洗
工程を連続式溶融めっきラインに組み込んで、生産コス
トを低減すると共に、その際、酸洗後の鋼板の表面調整
を同時に行って、安価でめっき密着性に優れた溶融めっ
き鋼板を製造できるめっき方法と装置を提供することを
目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の、本発明の要旨は次のとおりである。 (1)第1発明は、熱延鋼板を脱スケール酸洗処理後、
引き続いて連続する連続めっき工程に導入して、熱延鋼
板に亜鉛または亜鉛系合金を溶融めっきする方法におい
て、スケールの溶解により酸洗処理液中に供給されるFe
イオンを用いて、脱スケールした熱延鋼板に、電解によ
り鉄めっき処理することを特徴とする熱延鋼板の溶融め
っき方法である。
【0023】(2)第2発明は、熱延鋼板を脱スケール
酸洗処理後、引き続いて連続する連続めっき工程に導入
して、熱延鋼板に亜鉛または亜鉛系合金を溶融めっきす
る方法において、新しい脱スケール酸洗処理液を脱スケ
ール酸洗工程の鋼板の入側から供給して脱スケール酸洗
処理するとともに、最終仕上げ槽において、電解により
鉄めっき処理することを特徴とする熱延鋼板の溶融めっ
き方法である。
【0024】(3)第3発明は、連続溶融めっき装置の
入側に脱スケール酸洗装置を配置し、前記脱スケール酸
洗装置では、鋼板の入側から新しい脱スケール酸洗処理
液が供給され、脱スケール酸洗処理液が鋼板の入側から
出側に流れるとともに、最終仕上げ槽に電解装置が配設
されていることを特徴とする熱延鋼板の溶融めっき装置
である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。
【0026】一般に、熱延鋼板を脱スケール酸洗する
と、部分的にスケールが残存したり、セメンタイトを主
成分とするスマットが付着していることがあり、この様
な場合には、溶融めっきの際に、ピンホール状の不めっ
きを生じやすく、品質および歩留の低下を招いていた。
【0027】この様な、残存スケールやスマットを除去
するために、現状では電解清浄法やブラシ研削などの機
械的除去法が採用されている。電解清浄法は、設備が莫
大で製造コストが増大する点で問題がある。ブラシ研削
などの機械的除去法では、ブラシの毛抜けにより欠陥を
生じたり、鋼板のミクロ凹凸によってブラシがあたらな
い部分が存在することなどにより、残存スケールやスマ
ットの除去の安定性に欠けている。また、仮にスマット
などが完全に除去されたとしても、熱延時に表層に濃化
した元素が酸洗後の鋼板表面に存在し、これらの濃化元
素の影響による不めっきの問題を解決できなかった。
【0028】本発明者らは、化学的な方法で、安定して
残存スケールやスマットを除去し、生産性が良く、良好
なめっき品質を得る方法について検討した。その結果、
熱延鋼板を脱スケール酸洗処理する際に、脱スケール酸
洗処理において、最終仕上げ槽において、脱スケール終
了後の鋼板に鉄をめっきすることにより、不めっきの問
題が解決することを見いだした。また、これまで、十分
なめっき密着性を得るために、連続溶融めっき装置で、
鋼板を700 〜800 ℃の高温に加熱し、還元焼鈍を行って
いたが、前記方法の採用により、めっき浴温程度までの
加熱で、十分なめっき密着性が得られることが判明し
た。
【0029】この理由は、残存スケール、残存スマット
が減少したこと、また、万一わずかにスケール、スマッ
トが残存していたとしても、最終仕上げ槽において鉄を
めっきすることにより、これらが純Feで被覆されるた
め、高温での還元を行わなくても、鋼板表面と溶融した
めっき金属の濡れ性あるいは反応性が良好であるため、
十分な密着性が得られたものと推定される。
【0030】また、析出した鉄によって鋼板表面が覆わ
れているため、熱延時に表層に濃化した元素の影響が皆
無になった。その結果、難めっき鋼板についても、従来
は、還元焼鈍に必要な温度と時間を確保するために、低
速での操業を余儀なくされていたが、本発明において
は、高速での操業を行っても十分なめっき密着性が得ら
れることが判明した。
【0031】本発明の方法は、連続溶融めっき装置の入
側に脱スケール酸洗装置を配置して、熱延鋼板の脱スケ
ール酸洗処理を行う際に、脱スケール酸洗装置の最終仕
上げ槽において、脱スケールした熱延鋼板に、電解によ
り鉄めっき処理することにより達成されるので、最終仕
上げ槽には、高濃度のFeイオンを常時供給する必要があ
る。必要なFeイオンを外部から供給すると薬液コストが
高価になるので、このFeイオンを安価に供給できること
が有利である。
【0032】一方、脱スケール酸洗処理の際のスケール
の溶解により、脱スケール酸洗処理液中にFeイオンが常
に供給される。脱スケール酸洗処理液中のFeイオンが増
加すると、脱スケール性を阻害する。酸洗処理液中のFe
イオン濃度が高濃度になると、酸洗処理液の廃棄が必要
になる。したがって、脱スケール処理の観点からは、酸
洗処理液中のFeイオンの増加は少ない方が望ましい。
【0033】脱スケール酸洗処理の際に、スケールの溶
解により脱スケール酸洗処理液中に供給されるFeイオン
を、電解による鉄めっき処理に必要なFeイオンとして利
用すると、外部からFeイオンの供給を行わなくてもすむ
ので、電解による鉄めっき処理の薬液コストを低減でき
る。また、脱スケールの観点からは、酸洗処理液中のFe
イオンの増加が抑えられるので、酸洗処理液の新しい脱
スケール酸洗液の使用量を低減できる。
【0034】本発明の方法においては、脱スケール酸洗
処理液中にスケールの溶解により供給されるFeイオンを
用いて、電解による鉄めっき処理を行うので、新しい酸
洗脱スケール処理液の使用量を低減でき、また、電解に
よる鉄めっき処理に必要なFeイオンを供給する薬液使用
量を低減できる。
【0035】また、還元焼鈍時の加熱温度をめっき浴温
度程度まで低下することにより、還元焼鈍時に、Si、Mn
等めっき性阻害元素が鉄めっき処理皮膜中に拡散するこ
とがなくなるので、鉄めっき処理のめっき量を少なくで
きる。したがって、鉄めっき処理コストが安価になる。
【0036】本発明の装置は、前記本発明の方法の実施
に適した装置である。本発明の装置では、脱スケール酸
洗装置の鋼板の入側から新しい脱スケール酸洗処理液を
供給し、脱スケール酸洗処理液は、鋼板の入側から出側
に流れる。その際、同時に、脱スケールが進行して、脱
スケール酸洗処理液中に、スケールの溶解によるFeイオ
ンの供給が行われるため、最終仕上げ槽ではFeイオンが
高濃度になる。最終仕上げ槽に配設された電解装置で電
解処理することにより、安価に鉄めっきを行うことがで
きる。
【0037】
【実施例】本発明の効果を確認するために、脱スケール
処理してない熱延鋼板を使用して、連続式溶融めっきラ
インで製造実験を行った。
【0038】図1に実験を行った溶融亜鉛めっきライン
の概略図を示す。図1において、1はコイラー、2は連
続溶融めっき装置で、焼鈍炉3とめっき槽4を備え、6
は第一酸洗槽、7は第二酸洗槽、8は処理液供給ポン
プ、9は処理液移送装置、10は処理液排出ポンプ、1
1は電極である。
【0039】この装置で、次のようにして、脱スケール
酸洗処理、電解による鉄めっき処理を行う。
【0040】新しい脱スケール酸洗処理液は、図示され
ていない処理液供給槽から、処理液供給ポンプ8を介し
て、第一酸洗槽6の鋼板の入側に供給される。第一酸洗
槽6の脱スケール酸洗処理液は、第一酸洗槽6の出側か
ら処理液移送装置9を経て、第二酸洗槽7の鋼板の入側
に流れる。同時に、脱スケールが進行して、脱スケール
酸洗処理液中に、Feイオンの供給が行われ、第二酸洗槽
7では、Feイオンが高濃度になる。
【0041】第二酸洗槽7の脱スケール酸洗処理液は、
必要があれば、処理槽の出側から処理液排出ポンプ10
を介して図示されていない処理液回収槽に排出される。
【0042】コイラー1から繰り出された脱スケール処
理してない熱延鋼板Sは、第一酸洗槽6で脱スケール酸
洗され、引続き第二酸洗槽7で脱スケール酸洗されて脱
スケール終了後、さらに、電極11を用いて電解により
鉄めっき処理される。
【0043】鉄めっき処理された熱延鋼板Sは、次いで
連続して設けられた焼鈍炉3 を経て、めっき槽4 のめっ
き浴5に浸漬され、所要の亜鉛や亜鉛系合金の溶融めっ
きが施される。
【0044】前記した装置を用いた実機試験の結果を以
下に示す。めっき母材として、通常の低炭素Alキルド鋼
の脱スケール処理してない熱延鋼板を使用した。板厚は
0.3mm である。
【0045】脱スケール酸洗は、塩酸100g/L、塩化第1
鉄250g/L、塩化第2鉄5g/L、インヒビターとしてヒビロ
ンA−5を3g/Lを含む酸液を用い、液温85℃で行った。
第二酸洗槽で、めっき時の電流密度を1 〜150A/dm2、通
電時間0.5 〜5 秒で電解鉄めっきを行った。
【0046】なお、塩酸以外の酸洗を評価するため、硫
酸酸洗による試験も一部行った。めっき浴組成はAlが0.
16wt% で残部Zn、めっき浴温は465 ℃、侵入板温は475
℃、めっき付着量は両面で150g/m2 以上とした。
【0047】製造条件を表1に示す。表1に記載されて
いない製造条件は、連続式溶融亜鉛めっきラインにおい
て同等材を通板するときの標準的な条件とした。
【0048】前記実験材について、2t曲げ試験を行い、
曲げ部外側のテープ剥離を行ってめっき密着性を評価し
た。皮膜が剥離しなかったものを、剥離したものを×と
した。
【0049】また、目視観察により、不めっきの程度を
評価した。不めっきがなかったものを○、不めっきが存
在し、少なかったものを△、多かったものを×とした。
【0050】めっき密着性、不めっきの程度の評価結果
を表1に併せて示す。
【0051】
【表1】
【0052】本発明例は、低温焼鈍であるにもかかわら
ず、いずれも皮膜の剥離がなく、めっき密着性が良好で
ある。また、不めっきについても、発生がなく、あるい
はあっても少ない。
【0053】比較例は、低温焼鈍の場合、皮膜剥離があ
り、めっき密着性が不良である。また、不めっきが多数
発生した。
【0054】本実施例の脱スケール酸洗および電解によ
る鉄めっき処理を、2つの酸洗槽を用いて別々に行った
が、酸洗槽の槽数は2つに限らず適宜選定することがで
きる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
次のような効果が得られる。
【0056】(1)通常行われる熱延鋼板の脱スケール
酸洗工程を連続式溶融めっきラインに組み込んでおり、
酸洗ラインを経ることがないので、コイル搬送費などの
生産コストを低減することができる。
【0057】(2)脱スケール酸洗処理の際、同時に、
電解による鉄めっき処理により、酸洗後の鋼板表面調整
を行うことにより、従来から問題になっていた酸洗後の
スマット残存などによる問題、還元焼鈍時の加熱温度低
下時の問題を同時に解決できるので、低温焼鈍をおこな
っても、不めっきの発生やめっき密着性不良の発生を低
減できる。したがって、焼鈍温度の低下、あるいはさら
に焼鈍温度の低下に加えて、高速操業が可能になり、操
業コストを低減することができる。
【0058】(3)電解による鉄めっき処理に必要な高
濃度のFeイオンの供給源に、スケールの溶解によるFeイ
オンを利用するので、Feイオン供給のための高価な薬液
が不要になり、また低温焼鈍が可能になるので、鉄めっ
き処理のめっき付着量を低減することができる。したが
って、鉄めっき処理コストが安価になる。
【0059】(4)以上の結果から、安価でめっき密着
性に優れた溶融めっき鋼板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の連続溶融亜鉛めっきラインの図。
【図2】従来の連続式溶融亜鉛めっきラインの図。
【符号の説明】
1 コイラー 2 連続溶融めっき装置 3 焼鈍炉 4 めっき槽 5 めっき浴 6 第一酸洗槽 7 第二酸洗槽 8 処理液供給ポンプ 9 処理液移送装置 10 処理液排出ポンプ 11 電極 S 熱延鋼板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲垣 淳一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 鷺山 勝 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱延鋼板を脱スケール酸洗処理後、引き
    続いて連続する連続めっき工程に導入して、熱延鋼板に
    亜鉛または亜鉛系合金を溶融めっきする方法において、
    スケールの溶解により酸洗処理液中に供給されるFeイオ
    ンを用いて、脱スケールした熱延鋼板に、電解により鉄
    めっき処理することを特徴とする熱延鋼板の溶融めっき
    方法。
  2. 【請求項2】 熱延鋼板を脱スケール酸洗処理後、引き
    続いて連続する連続めっき工程に導入して、熱延鋼板に
    亜鉛または亜鉛系合金を溶融めっきする方法において、
    新しい脱スケール酸洗処理液を脱スケール酸洗工程の鋼
    板の入側から供給して脱スケール酸洗処理するととも
    に、最終仕上げ槽において、電解により鉄めっき処理す
    ることを特徴とする熱延鋼板の溶融めっき方法。
  3. 【請求項3】 連続溶融めっき装置の入側に脱スケール
    酸洗装置を配置し、前記脱スケール酸洗装置では、鋼板
    の入側から新しい脱スケール酸洗処理液が供給され、脱
    スケール酸洗処理液が鋼板の入側から出側に流れるとと
    もに、最終仕上げ槽に電解装置が配設されていることを
    特徴とする熱延鋼板の溶融めっき装置。
JP14671097A 1997-06-04 1997-06-04 熱延鋼板の溶融めっき方法および装置 Pending JPH10330899A (ja)

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JP (1) JPH10330899A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1814678B2 (de) 2005-03-17 2014-08-27 SMS Siemag AG Verfahren und vorrichtung zum entzundern eines metallbandes

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