JP3248432B2 - 溶融めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

溶融めっき鋼板の製造方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術野】この発明は、酸洗処理を施さな
い熱延鋼板を素材とし、Alを2〜15重量%含有する
溶融Al−Zn系合金めっき層を有する溶融めっき鋼板
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、連続溶融めっき設備で製造される
溶融Al−Zn系合金めっき鋼板は、熱延鋼板の表面に
生成している酸化膜(スケール)を予め酸洗工程で除去
し、めっき設備において還元処理を経た後、溶融めっき
することにより製造されてきた。このように溶融めっき
前に酸洗によるスケール除去を行うのは、鋼板のめっき
浴浸漬時にスケールがめっき金属をはじくことよって不
メッキを生じさせたり、鋼板とめっき金属との反応が妨
げられることによりめっき密着性が劣化するためであ
り、このため従来の溶融Al−Zn系合金めっき鋼板の
製造ではめっき前に鋼板を酸洗処理し、スケールを完全
に除去することが不可欠であるとされてきた。しかし、
酸洗工程を設置するには莫大な設備コストがかかり、ま
た酸洗を行うことは操業コストの増大につながるため、
酸洗工程の簡略化若しくは工程そのものを省略できる技
術の開発が望まれていた。
【0003】このような背景の下で、特開昭54−14
7125号や特開平6−279967号等では、酸洗工
程を省略するための熱延鋼板の処理方法ないしは溶融め
っき鋼板の製造法が提案されている。これらのうち、特
開昭54−147125号が提案する熱延鋼帯の処理方
法は、熱間圧延されたスケール付着量1mg/cm2
下の鋼帯を、還元性ガス雰囲気の連続焼鈍炉において5
00℃以上で60秒以上保持して焼鈍することによりス
ケール除去を行う方法である。また、特開平6−279
967号が提案する溶融めっき鋼帯の製造方法は、熱延
鋼帯を酸洗処理することなく、還元性ガス雰囲気中にお
いて還元温度、還元時間及び水素濃度をスケール厚さに
応じて制御した還元処理を行った後、連続的に溶融めっ
きを行う製造法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらのうち
前者の処理法はスケール付着量が1mg/cm2以下と
極めて薄い場合にのみ適用可能であり、したがって、通
常得られる3〜5mg/cm2(スケール厚で5.7〜
9.5μm)程度のスケール付着量の熱延鋼板にそのま
ま適用することは不可能であり、あえて適用しようとす
ると薄スケール化のための付帯設備が必要となり、コス
トの増大を招く。また、後者の製造法は通常のスケール
厚さを有する熱延鋼板にも適用可能な方法であるが、ス
ケールを還元処理するために必要とされる温度、時間、
水素濃度が増すため、操業コストや設備コストが増大す
るという欠点がある。
【0005】したがって本発明の目的は、通常の工程で
得られる熱延鋼板を素材とし、酸洗等の脱スケール処理
工程を経ることなく且つ操業コストや設備コストを増大
させることなく、めっき密着性に優れた溶融Al−Zn
系合金めっき鋼板の製造方法を提供することにある。ま
た、本発明の他の目的は、優れためっき密着性だけでな
く、不めっき等のない良好な表面外観を有する溶融Al
−Zn系合金めっき鋼板の製造方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな課題を解決するため種々の実験と検討を行い、その
結果、以下に述べるような知見を得た。まず、表面にス
ケールが生成した熱延鋼板を還元性ガス雰囲気中で熱処
理した場合、スケール表層から還元が進行し、鋼板面に
還元Fe層が形成されるが、通常行われるような操業条
件での還元処理では、スケールを完全に還元することは
難しい。しかしながら、このように未還元スケールが残
存した状態でも、還元処理条件によってめっき密着性や
不めっき等に対する特性が大きく左右され、還元処理条
件を適切に制御することにより、優れためっき密着性と
不めっき等のない良好な表面外観が得られることが判っ
た。
【0007】また、特にめっき密着性については、未還
元スケール層に生じているクラック(微細な割れ)がそ
の特性の向上に大きく寄与していることが判明した。す
なわち、熱延鋼板表面に生成したスケールは母材鋼板と
は異なる物理的性質(密度)を有するため、熱間圧延→
巻取→冷却の過程において鋼板に機械的加工や冷却など
による変形応力が加わるとスケールは微細に破壊し、無
数のクラックを有するようになる。このようなスケール
層を有する鋼板を連続溶融めっきラインで還元処理する
と、スケール層の表層側から還元が進行するだけでなく
クラックに沿って還元が進行し、還元されたFeが母材
鋼板(地鉄)とスケール表層とを連絡(連結)する還元
Feの連絡路を形成することが判った。そして、この鋼
板が溶融めっき浴に浸漬されると、還元Feの連絡路が
合金相を介して地鉄とめっき皮膜とを連絡(連結)する
ことになるため、優れためっき密着性が得られることが
判った。またこの還元Feの連絡路は、より高密度に形
成されるほど母材鋼板とめっき皮膜との密着性が高まる
こと、そして、還元処理条件により還元Feの連絡路の
形成密度を制御できることが判った。
【0008】そして、以上の知見事実に基づきさらに検
討を重ねた結果、還元処理後に未還元スケール層が残存
した状態でも優れためっき密着性と不めっき等のない良
好な表面外観性を得るには、連続溶融めっきラインの熱
処理炉で還元処理する際に、還元帯での最高到達板温を
還元帯の長さ及びライン速度に応じて特定の範囲に制御
することが有効であることが判明した。また、還元Fe
の連絡路が形成されるスケール層のクラックをより積極
的に導入するには、熱間圧延を特定の条件で実施するこ
と、具体的には熱延仕上げ最終圧延スタンドにおける圧
下率と熱延仕上温度及び熱延巻取温度を特定の関係に規
制することが特に有効であることが判った。
【0009】本発明はこのような知見に基づきなされた
もので、その特徴とする構成は以下の通りである。 [1] 連続溶融めっきラインにおいて熱延鋼板にAlを2
〜15重量%含有する溶融Al−Zn系合金めっきを施
すに当り、表面にスケール層を有する熱延鋼板を脱スケ
ール処理することなく連続溶融めっきラインに装入し、
熱処理炉内の還元性ガス濃度がH :5〜30vol%
である還元性ガス雰囲気中において下記(1)式を満足
する条件で地鉄表面の未還元スケール層の平均厚さが
3.5μm以下になるまで還元処理した後、溶融めっき
を施すことを特徴とする溶融めっき鋼板の製造方法。 (60×RL)/LS+0.4×RT≧370 … (1) 但し RT:熱処理炉の還元帯での最高到達板温(℃) RL:熱処理炉の還元帯の長さ(m) LS:ライン速度(mpm)
【0010】[2] 連続溶融めっきラインにおいて熱延鋼
板にAlを2〜15重量%含有する溶融Al−Zn系合
金めっきを施すに当り、表面にスケール層を有する熱延
鋼板を脱スケール処理することなく連続溶融めっきライ
ンに装入し、熱処理炉内の還元性ガス濃度がH :5〜
30vol%である還元性ガス雰囲気中において下記
(2)式を満足する条件で地鉄表面の未還元スケール層の
平均厚さが3.5μm以下になるまで還元処理した後、
溶融めっきを施すことを特徴とする溶融めっき鋼板の製
造方法。 (60×RL)/LS+0.4×RT≧400 … (2) 但し RT:熱処理炉の還元帯での最高到達板温(℃) RL:熱処理炉の還元帯の長さ(m) LS:ライン速度(mpm)
【0011】[3] 上記[1]または[2]の製造方法におい
て、還元性ガス雰囲気中で還元されるスケールの平均厚
さが0.5μm以上であることを特徴とする溶融めっき
鋼板の製造方法。 [4] 上記[1]、[2]または[3]の製造方法において、 スラ
ブを下記(3)式を満足する条件で熱間圧延し、該熱延鋼
板を脱スケール処理することなく連続溶融めっきライン
に装入し、還元性ガス雰囲気中で還元処理した後、溶融
めっきを施すことを特徴とする溶融めっき鋼板の製造方
法。
【数2】
【0012】
【発明の実施の形態】本発明が製造の対象とする溶融め
っき鋼板は、Alを2〜15重量%含有する溶融Al−
Zn系合金めっき層を有する溶融Al−Zn系合金めっ
き鋼板であり、所謂5%Al−Zn合金めっき鋼板が最
も代表的なものとして知られている。本発明の製造法で
は、連続溶融めっきラインにおいて熱延鋼板にAlを2
〜15重量%含有する溶融Al−Zn系合金めっきを施
すに当り、表面にスケール層を有する熱延鋼板を脱スケ
ール処理することなく連続溶融めっきラインに装入し、
ライン内熱処理炉の還元性ガス雰囲気中において、以下
に述べるような条件で還元処理し、引き続き溶融めっき
を施す。
【0013】熱処理炉での還元処理条件については、優
れためっき密着性を確保するためには下記(1)式を満足
する条件で、またこれに加えて溶融めっきにおける不め
っきを防止するためには下記(2)式を満足する条件で、
それぞれ還元処理を行う必要がある。 (60×RL)/LS+0.4×RT≧370 … (1) (60×RL)/LS+0.4×RT≧400 … (2) 但し RT:熱処理炉の還元帯での最高到達板温(℃) RL:熱処理炉の還元帯の長さ(m) LS:ライン速度(mpm)
【0014】優れためっき密着性を得るためには、還元
処理条件を制御することにより、未還スケール層に生成
しているクラックを利用して地鉄とめっき皮膜を連絡す
る還元Feの連絡路を適切に形成させる必要がある。図
1は、スケール層が付着したままの熱延鋼板を熱処理炉
の還元帯の長さが100mの連続溶融めっきラインに装
入し、還元性ガス雰囲気(5%H2−N2)中で還元処理
を行った後、溶融Al−Zn合金めっき(4.5%Al
−Zn)を施して製造された溶融Al−Zn系合金めっ
き鋼板について、そのめっき密着性を還元帯での最高到
達板温とライン速度で整理して示したものであり、上記
(1)式を満足しない条件で還元処理を実施した場合には
めっき密着不良を生じていることが判る。
【0015】また、先に述べたようにスケールの還元に
より生じた還元Fe層は還元処理条件によってめっきは
じきや不めっきに対する特性が大きく左右される。図2
は、スケール層が付着したままの熱延鋼板を熱処理炉の
還元帯の長さが100mの連続溶融めっきラインに装入
し、還元性ガス雰囲気(5%H2−N2)中で還元処理を
行った後、溶融Al−Zn合金めっき(4.5%Al−
Zn)を施して製造された溶融Al−Zn系合金めっき
鋼板について、その表面外観性を還元帯での最高到達板
温とライン速度で整理して示したものであり、上記(2)
式を満足しない条件で還元処理を実施した場合には不め
っき等による外観不良を生じていることが判る。また、
より高度なめっき密着性を確保するためには、還元処理
後の未還元スケール層の平均厚さを3.5μm以下に制
御することが好ましい。未還元スケール層の平均厚さが
3.5μmを超えると、鋼板に曲げ歪みを与えた場合に
スケール−地鉄界面に割れが発生し、容易にめっき剥離
を生じる。
【0016】連続溶融めっきラインに装入する原板(熱
延鋼板)としては、スケール層の平均厚さが2.0〜
7.0μmの熱延鋼板を用いることが好ましい。原板の
スケール層の平均厚さが7.0μmを超えると、未還元
スケール層の厚さを上述した3.5μm以下とするため
に連続溶融めっきライン内で還元しなければならないス
ケール厚が3.5μmを超え、これを実現するためには
長時間の還元処理が必要となる等、設備や製造上のコス
トが大幅に増大するため好ましくない。一方、スケール
層の平均厚さが2.0μm未満の熱延鋼板を得るには、
熱間圧延およびコイル巻取りを非酸化雰囲気で行ったり
或いは巻取り後の鋼板スケールを研削する等の特別な処
理が必要になり、これも設備は製造上のコスト増大を招
く。
【0017】また本発明では、原板である熱延鋼板が還
元処理された状態で、所定の厚さの未還元スケール層が
残存し、且つ表層にスケールの還元によるFe層が生成
していることが必要であるが、このFe層の厚さ、すな
わち還元されるスケールの平均厚さが0.5μmを下回
ると不めっきが発生するおそれがあり、このため、還元
されるスケールの平均厚さは0.5μm以上とすること
が好ましい。上述したように通常の操業条件(還元温
度、還元時間、還元ガス濃度)による還元処理では熱延
鋼板のスケール層の全部を完全に還元することは難し
く、本発明の製造法も還元処理後に未還元スケール層が
不可避的に残存することを前提としている。
【0018】したがって、本発明の製造法では還元ガス
濃度や還元時間及び温度等の操業条件は特別なものとす
る必要はない。還元温度は、還元時間との関係で処理効
率を考慮して決められるが、一般にはめっき浴温度との
関係から500℃以上とされる。また、還元性ガス雰囲
気中の還元性ガス濃度もあまり高くする必要はなく、H
2の場合で5〜30vol%程度の濃度で十分である。
また、このような還元性ガス雰囲気中における上記還元
温度での処理時間(還元時間)は50〜100秒程度と
することが適当である。
【0019】優れためっき密着性を得るためには、未還
元スケール層中のクラック内に生じる還元Feの連絡路
がなるべく高密度に形成されることが好ましい。このた
めにはめっき原板である熱延鋼板のスケール層に、上記
還元Feの連絡路を形成し得るようなクラックをなるべ
く高密度に生じさせておく必要がある。具体的には、ク
ラック(特に好ましくは、スケール層の表面から地鉄ま
で達するようなクラック)をスケール層表面の合計長さ
で500cm/cm2以上の密度で形成させることが好
ましい。
【0020】先に述べたように、通常の条件で製造され
る熱延鋼板に生成するスケール層にも、製造時及び製造
後に作用する変形応力によって多数のクラックが生じて
いるが、このようなクラックをより確実且つ高密度に形
成するためには、下記(3)式の条件を満足するよう熱間
圧延を実施することが好ましく、これにより、スケール
層に高い形成密度(500cm/cm2以上)でクラッ
ク、それもスケール層を厚さ方向で貫通して地鉄まで達
するようなクラックを適切に形成させることができる。
【数3】 熱延仕上げ最終圧延スタンドにおける圧下率R(%)と
熱延仕上温度FT(℃)及び熱延巻取温度CT(℃)が
上記(3)式の条件を満足しないと、スケール層に導入さ
れるクラックの高密度化が十分でない。
【0021】
【実施例】
[実施例1]低炭素Alキルド鋼を転炉にて精錬した
後、連続鋳造してスラブとし、これを再加熱後、熱間圧
延した。この熱間圧延における上記(3)式の左辺の値は
0.85〜0.95の範囲とした。熱延巻取り後の鋼板
を常温まで冷却した後、酸洗処理し若しくは酸洗処理す
ることなく連続溶融めっきラインに装入した。この連続
溶融めっきラインでは、熱処理元炉の還元性ガス雰囲気
(N2−10%H2)中で鋼板の還元処理を行い、引き続
き溶融Al−Zn系合金めっきを施した。溶融めっき条
件は、浴組成:4.5%Al−Zn−M.M.、浴温:
460℃、浸入板温:570℃、めっき付着量(両面の
合計付着量):250g/m2とした。また、本実施例
で用いた連続溶融めっきラインの熱処理炉還元帯の長さ
(RL)は100mであった。なお、他の製造条件は連
続溶融めっき設備で通常採用される標準的な条件とし
た。得られた溶融Al−Zn系合金めっき鋼板につい
て、表面外観及びめっき密着性の評価を行った。その結
果を、酸洗処理工程の有無、溶融めっき条件、還元処理
前後のスケール層の厚さ等とともに表1及び表2に示
す。
【0022】なお、めっき表面外観性の評価は、めっき
後の外観を観察し、外観の美麗さ及び不めっきの有無等
を評価することにより行った。その評価基準は以下の通
りである。 ○:不めっきは皆無で、均一な外観を有する △:不めっきが1〜5個/m2で、外観の一部にムラが
有る ×:不めっきが6個/m2以上で、外観の一部にムラが
目立つ また、めっき密着性の評価は、めっき鋼板に0Tの18
0°の曲げを加え、曲げを加えた面でのクラック発生の
有無を調べるとともに、その面にテープ剥離試験を実施
することにより行った。その評価基準(但し、t:板厚
[mm])は以下の通りである。 ◎:曲げ先端部のめっき表面のクラックは皆無で、めっ
き剥離も無し ○:曲げ先端部のめっき表面にクラックが1〜5本/π
t(mm)生じたが、めっき剥離は無し △:曲げ先端部のめっき表面にクラックが6〜10本/
πt(mm)生じ、めっき剥離も若干有り ×:曲げ先端部のめっき表面にクラックが11本/πt
(mm)以上生じ、顕著なめっき剥離を生じた
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】[実施例2]実施例1と同じ組成のスラブ
を熱延条件を変化させて熱間圧延し、この熱延鋼板を酸
洗処理することなく実施例1と同じ連続溶融めっきライ
ンに装入して還元処理し、引き続き実施例1と同じ条件
で溶融めっきを実施した。得られた溶融Al−Zn系合
金めっき鋼板について、実施例1と同様の方法及び評価
基準により表面外観及びめっき密着性の評価を行った。
その結果を、熱延条件、溶融めっき条件、還元処理前後
のスケール層の平均厚さ等とともに表3に示す。
【0026】
【表3】
【0027】
【発明の効果】以上述べたように本願の請求項1に係る
発明によれば、通常の工程で得られる熱延鋼板を素材と
して、酸洗工程を経ることなく且つ操業コストや設備コ
ストを増大させることなく、めっき密着性に優れた溶融
Al−Zn系合金めっき鋼板を製造することができる。
また、本願の請求項2に係る発明によれば、通常の工程
で得られる熱延鋼板を素材として、酸洗工程を経ること
なく且つ操業コストや設備コストを増大させることな
く、表面外観とめっき密着性がともに優れた溶融Al−
Zn系合金めっき鋼板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スケール層が付着したままの熱延鋼板を素材と
して製造された溶融Al−Zn系合金めっき鋼板のめっ
き密着性を、還元帯での最高到達板温とライン速度との
関係で示すグラフ
【図2】スケール層が付着したままの熱延鋼板を素材と
して製造された溶融Al−Zn系合金めっき鋼板の表面
外観性を、還元帯での最高到達板温とライン速度との関
係で示すグラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鷺山 勝 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 2/00 - 2/40

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続溶融めっきラインにおいて熱延鋼板
    にAlを2〜15重量%含有する溶融Al−Zn系合金
    めっきを施すに当り、表面にスケール層を有する熱延鋼
    板を脱スケール処理することなく連続溶融めっきライン
    に装入し、熱処理炉内の還元性ガス濃度がH :5〜3
    0vol%である還元性ガス雰囲気中において下記
    (1)式を満足する条件で地鉄表面の未還元スケール層の
    平均厚さが3.5μm以下になるまで還元処理した後、
    溶融めっきを施すことを特徴とする溶融めっき鋼板の製
    造方法。 (60×RL)/LS+0.4×RT≧370 … (1) 但し RT:熱処理炉の還元帯での最高到達板温(℃) RL:熱処理炉の還元帯の長さ(m) LS:ライン速度(mpm)
  2. 【請求項2】 連続溶融めっきラインにおいて熱延鋼板
    にAlを2〜15重量%含有する溶融Al−Zn系合金
    めっきを施すに当り、表面にスケール層を有する熱延鋼
    板を脱スケール処理することなく連続溶融めっきライン
    に装入し、熱処理炉内の還元性ガス濃度がH :5〜3
    0vol%である還元性ガス雰囲気中において下記
    (2)式を満足する条件で地鉄表面の未還元スケール層の
    平均厚さが3.5μm以下になるまで還元処理した後、
    溶融めっきを施すことを特徴とする溶融めっき鋼板の製
    造方法。 (60×RL)/LS+0.4×RT≧400 … (2) 但し RT:熱処理炉の還元帯での最高到達板温(℃) RL:熱処理炉の還元帯の長さ(m) LS:ライン速度(mpm)
  3. 【請求項3】 還元性ガス雰囲気中で還元されるスケー
    ルの平均厚さが0.5μm以上であることを特徴とする
    請求項1または2に記載の溶融めっき鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】 スラブを下記(3)式を満足する条件で熱
    間圧延し、該熱延鋼板を脱スケール処理することなく連
    続溶融めっきラインに装入し、還元性ガス雰囲気中で還
    元処理した後、溶融めっきを施すことを特徴とする請求
    項1、2または3に記載の溶融めっき鋼板の製造方法。 【数1】
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