JPS63135517A - 潜在抗ピル性ポリエステル繊維の製造法 - Google Patents

潜在抗ピル性ポリエステル繊維の製造法

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JPS63135517A
JPS63135517A JP27935486A JP27935486A JPS63135517A JP S63135517 A JPS63135517 A JP S63135517A JP 27935486 A JP27935486 A JP 27935486A JP 27935486 A JP27935486 A JP 27935486A JP S63135517 A JPS63135517 A JP S63135517A
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polyester
fiber
acid
phosphorus
reaction
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JP27935486A
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Fumikazu Yoshida
文和 吉田
Yoshio Araki
良夫 荒木
Masakatsu Oguchi
大口 正勝
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は潜在的な抗ピル性(いわゆる毛玉の生じ難い特
性)を有するポリエステル繊維を製造する方法に関する
ものである。
[従来の技術] ポリエステル繊維、殊にポリエチレンテレフタレート繊
維は、他の合成繊維に比べて高ヤング率、高弾性回復率
を示し、且つ耐久性、耐薬品性、耐摩耗性等においても
非常に優れたものであるところから、衣料用素材をはじ
めとして広く使 用されている。しかしながらこの繊維
は、引張強度(DT)、結節強度(KT)および耐摩耗
性が高いという特徴がかえってわざわいして、編織物と
しての用途においては、表面に露出している繊維の単糸
切れやほつれ等によって毛玉が発生し易く、且つ一旦生
じた毛玉は脱落しにくいため外観を著しく損なうという
欠点を有している。そのため高級衣料用としての適性を
欠くものとされている。
こうした難点を改善し抗ピル性を付与する方法として、
■極限粘度が0.45以下の低重合度ポリエステルを用
いて繊維強度を低くする方法、■高重合度ポリエステル
の使用によって高レベルの繊維強度を確保しつつ、抗ピ
ル性については繊維断面の異形化あるいは延伸法の改善
によって向上させようとする試み、更には■特開昭49
−26516号公報や特公昭51−43089号公報に
開示されている如く繊維強度を高める一方結節強度は低
めに抑えることによって抗ピル性を改善する方法等が知
られている。
[発明が解決しようとする問題点] ところが前記■の方法では、重合度の低下による強力低
下が避けられず、それに伴って製糸および後加工の操業
性が著しく低下するためコスト高となり、更には繊維に
要求される他の物性にも悪影響を及ぼすという問題があ
る。また前記■の方法は実験室規模で一応の効果が確認
されてはいるものの、工業的規模では現在のところ充分
な抗ピル性は得られていない。更に前記■の方法では、
低結節強度であることに対応して紡績段階でのカード通
過性は良好であるものの、低分子量重合体の使用による
紡糸・延伸操業性に問題が残されている。
また後加工段階で薬剤処理等により抗ピル性を付与する
方法も多数提案されているが、それらの方法は何れも生
産性が低く、且つ使用薬剤の後処理の問題(廃液処理に
よる高コスト化)がある他、染色トラブルを生ずるなど
、実用に即したものとは言い難い。
本発明はこの様な事情に着目してなされたものであって
、その目的は、上記従来技術で指摘される問題点を解消
し、殊にポリエステル繊維の製造工程を工夫することに
よって、染色加工等の後処理工程で優れた抗ビル性を発
現し得る様な、潜在抗ビル性を有するポリエステル繊維
の製造法を提供しようとするものである。
[問題点を解決するための手段] 上記の目的を達成することのできた本発明繊維の構成は
、テレフタル酸を主体とするジカルボン酸とエチレング
リコールを主体とするアルキレングリコールからポリエ
ステルを製造するに当たり、エステル化反応又はエステ
ル交換反応終了から重縮合反応終了までの任意の段階で
、りん酸、ホスホン酸及びこれらの誘導体よりなる群か
ら選択される少なくとも1種のりん化合物を添加し、得
られる含りんポリエステルを溶融紡糸後延伸して含りん
ポリエステル繊維とした後、190℃以上ポリエステル
の融点より10℃低い温度以下の温度で0.4秒以上熱
処理するところに要旨を有するものである。
[作用] 本発明で使用されるポリエステルは、主たる酸成分がテ
レフタル酸またはそのエステル形成性誘導体であり、ま
た主たるグリコール成分がエチレングリコールから成る
ものであるが、酸成分として20モル%程度以下の他の
酸成分、たとえば蓚酸、マロン酸、マレイン酸、グルタ
ル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサ
ンジカルボン酸、2.5−ノルボルナンジカルボン酸な
どの脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性
誘導体、フタル酸、イソフタル酸、5−(アルカリ金属
)スルホイソフタル酸、シフエニン酸、1.4−ナフタ
レンジカルボン酸、2.6−ナフタレンジカルボン酸、
1.2−ビス(フェノキシ)エタン−P、P’−ジカル
ボン酸などの芳香族ジカルボン酸またはこれらのエステ
ル形成性誘導体等を共重合成分として含むものであって
もよい。また酸成分の20モル%程度以下の量でP−(
2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸のようなオキシカル
ボン酸またはそのエステル形成性誘導体を含むこともで
きる。
グリコール成分についても20%程度以下がエチレング
リコール以外のグリコール、たとえばプロピレングリコ
ール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール
、1.4−ブタンジオール、1.6−ヘキサンジオール
、1.4−シクロヘキサンジメタツール、1.10−デ
カメチレングリコール、4.4’−ジヒドロキシビフェ
ニル、1.4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼ
ン、2,5−ナフタレンジオール、これらのグリコール
にエチレンオキシドが付加したグリコール、ポリエチレ
ングリコールなとであってもかまわない。
本発明においてポリエステル中に含有せしめられるりん
化合物はりん酸、ホスホン酸およびそれらの誘導体であ
り、誘導体としては重合体、エステル類、金属塩類、ア
ルキルまたはアリールホスホン酸およびそれらのエステ
ル類や金属塩類等が挙げられる。亜りん酸、亜ホスホン
酸およびそれらのお導体は灰色味の強いポリエステルを
与えるので好ましくない。尚りん化合物の添加量があま
り少ないと潜在抗ビル化効果が不十分で、逆にあまり多
いとポリエステルの物性を劣化させるので、重縮合反応
終了後のポリエステル中の含有量がりん原子換算で70
0〜1300ppm程度となる様に添加量を調整するこ
とが望まれる。
本発明では、前述のジカルボン酸とアルキレングリコー
ルを用いて常法によりポリエステルを製造するに当たっ
て、エステル化またはエステル交換反応が完了した後重
縮合反応が完結するまでの任意の段階で上記りん化合物
が配合される。りん化合物の添加による潜在抗ピル性改
善機構については後で詳述するが、りん化合物をエステ
ル化またはエステル交換反応の完了前に添加すると、生
成物中に多量のアルキレングリコールが残ってポリエス
テルの融点が低下し、溶融紡糸性が悪化するばかりでな
く繊維が強力不足となるので特に注意しなければならな
い。なお上記ポリエステルの製造に当たっては、必要に
よりエステル交換触媒、エステル化触媒、重縮合触媒あ
るいは通常の添加剤、たとえば艶消剤、光安定剤、帯電
防止剤、酸化防止剤等を使用することも勿論可能である
上記ポリエステルを繊維状とするための溶融紡糸は常法
に準じて実施することができるが、優れた潜在抗ピル性
及びその他の物性並びに生産性を確保するうえで好まし
い巻取速度は1000m/分以上、より好ましくは15
00m/分以上である。但し巻取速度が速過ぎると単糸
切れを起こし易くなるので3000m/分程度以下に抑
えるべきである。
また紡糸して得られる含りんポリエステル繊維の極限粘
度は0.5以上にすべきであり、0.5未満では紡糸の
際の溶融粘度が低くなり過ぎるために紡糸操業性が悪化
するほか、紡糸以降の工程でも様々のトラブルを生じ易
くなる。
この様にして得られる紡出糸は必要により延伸処理に付
される。延伸は従来公知の方法を採用することができ、
温浴中での温熱延伸、ホットプレート上での乾熱延伸の
いずれでもかまわない。
延伸温度は60〜160℃、好ましくは70〜130℃
とし、最大延伸倍率の50〜85%で延伸して伸度15
〜45%の範囲になるようにコントロールする。又紡糸
後未延伸糸を巻取らずに引続き延伸する延伸法を採用し
てもかまわない。
次いで行なわれる熱処理は繊維に潜在抗ビル性を与える
うえで重要な工程であり、ポリエステル繊維に結晶サイ
ズの増大と非晶部の無配向化に代表される構造変化を与
え、微細構造とすることによって繊維に適度なもろさを
与えて潜在抗ビル性をもたせると共に薬剤浸透性を与え
る。
この熱処理は緊張、定長、弛緩下の任意の方法で行なわ
れるが、次いで行なわれる染色加工等で薬剤の浸透性を
効率良く進めるうえでは弛緩熱処理が最も好ましく、弛
緩率は5〜10%が最適である。熱処理の際の加熱手段
としては、加熱気体又は加熱流体による方法、ホットプ
レート又はホットローラーによる方法、電磁波加熱によ
る方法等が考えられるが、コスト及び加熱効率の点で加
熱気体やホットプレートによる加熱方法が好ましい。本
発明の目的を達成するためには温度を190℃以上ポリ
エステルの融点より10を低い温度以下に設定しなけれ
ばならず、190℃未満である場合は充分な構造改質が
起こらず、繊維に十分なパもろさ゛を付与することがで
きない。
但し熱処理温度が高過ぎる場合、結晶サイズの生長・増
大により°′もろさパは助長されるものの、融着糸等が
発生するので当該ポリエステルの融点より10℃低い温
度までに抑えなければならない。
上記の構造改質効果を発現させるための好ましい熱処理
時間は0.4秒以上であり、0.4秒未満では十分な構
造改質効果が得られ難い。但し熱処理時間が長ずざると
引張強度が高くなりすぎて抗ビル性が低下傾向を示す様
になるので、3秒程度以下に抑えることが望まれる。
この様にして得られる熱処理繊維は優れた潜在抗ピル性
を有しており、この繊維を染色加工等の後処理に付すと
抗ビル性が顕出し、抗ピル性の高いポリエステル繊維が
得られる。尚抗ピル性を発現させるための後処理とは、
染色、精錬、減量、浸染、還元洗浄等を含めた広い概念
の処理を合名するが、何れにしても100〜180℃程
度の温度が30〜120分程度加わる後処理であれば、
当該処理によって抗ピル性が現われてくる。
但し発現する抗ビル性を優れたものとするためには、後
処理後のポリエステル繊維の極限粘度が0.40〜04
4程度となる様に重縮合条件や後加工条件を調整するこ
とが望まれる。その理由は、後処理後におけるポリエス
テル繊維の極限粘度が0.44を超える場合は潜在抗ビ
ル性が乏しく、一方0.40未満になると繊維が脆弱に
なって編織物としたときに破れや抜けが生じ易くなるか
らである。
本発明によって得られる潜在抗ビル性ポリエステル繊維
は、上記の様にジカルボン酸とアルキレングリコールか
らポリエステルを製造する際のある定められた時期にり
ん化合物を配合し、次いで溶融紡糸の後(あるいは更に
必要により延伸fi理の後)特定条件で熱処理すること
によって得られるが、これらの条件設定により潜在抗ビ
ル性が与えられる理由は次の様に考えられる。
繊維に°゛もろさ″を与えることによって抗ビル性が向
上することは知られており、その為の手段として高速紡
糸による繊維の高次構造改質が挙げられる。即ち高速紡
糸を行なうと分子配向、結晶性共に内層部よりも外層部
の方が高くなり、繊維の断面方向に不均一な高次構造を
発現することが知られている。このような構造上の不均
一性と、特に表層部における結晶サイズの増大が、繊維
に゛もろさ°を与え結節強度(KT)を相対的に低下さ
せて抗ビル性を高めるものと考えられている。しかしな
がら、単に高速紡糸しただけでは、結節強度、引張強度
ともに高くなって満足のいく抗ピル性は得られ難い。又
高速紡糸後に熱処理を施すと、表層結晶サイズは更に増
大し、°もろさ°゛は助長されるが、その様な工程を付
加したとしても十分な抗ピル性が得られるとは限らない
他方、繊維強度の低下により抗ビル性を改善する方法と
して後処理による分子鎖切断(IV低下)が挙げられる
が、未変性ポリエステルの場合、温和な条件下での糸質
変化は殆んど起こらず、また仮に強アルカリまたは強酸
性下の処理で糸質を低下させることができたとしても、
結節強度(KT)と引張強度(DT)の双方が低下する
ため(KT/DT)比は変化せず、本発明で意図する様
な抗ビル効果は得られない。ところがポリエステルの製
造工程でりん化合物を添加することによってポリエステ
ル中に易加水分解性のりん酸エチレングリコールエステ
ル単位を導入した後溶融紡糸し、次いで前述の条件で熱
処理を行なえば、その後に行なわれる染色加工等の熱処
理によって、繊維に適度の°もろさ°と薬剤浸透性を与
える微細構造が付与され、抗ビル性の良好なポリエステ
ル繊維となる。しかもこの潜在抗ピル性繊維は、染色加
工等の後処理条件の下でりん化合物の加水分解により繊
維表面で分子鎖切断を起こし、繊維表層の”もろさ°°
が助長されて卓越した抗ピル性能を発現する様にになる
この様に本発明では、りん化合物が加水分解の可能なト
リエチレングリコールエステルの形で導入されていると
鮒に最も優れた潜在抗ピル性を発揮するものであり、従
ってりん化合物としてはりん酸およびその話導体が最適
である。
本発明によって得られる潜在抗ピル性ポリエステル繊維
は、優れた潜在抗ビル性を生かして広汎の用途に適用す
ることができ、たとえばドレスシャツ、カジュアルシャ
ツ、婦人ブラウス、婦人スカート、肌着、スラックス、
メンズフォーマルウェア、レゾイスフォーマルウェア、
ニットウェア、スポーツウェア、コート、アウトウェア
一般、ベビーウェア、子供服全般、紳士スーツ、ジャケ
ット、ブルゾン、無塵衣、着物、和装肌着、和装裏地、
家庭用品(エプロン、テーブルクロス、手袋、帽子等)
、寝具または寝衣(布団、シーツ、布団カバー、パジャ
マ等)、自動車用内装天井材及び床材、インチリヤ用品
、カーペット他産業用資材等があるが、もちろんこれら
例示の用途に限定されるものではない。
[実施例] 以下に実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明はもとよりこれらに限定されるもので
はない。
なお、実施例における各測定項目は以下の方法によって
測定した。
極限粘度(IV) フェノール/テトラクロロエタン(6部4重量比)混合
溶媒に供試ポリエステル0.1000gを溶解させ25
m1とし、30±0.5℃の恒温槽中で相対粘度(ηr
el )を測定し、下式によりIVを算出した。
(W:試料採取量= 0.1000g ”)破断強度(
DT)および破断伸度(DE)テンシロンを用い、ゲー
ジ長200 +nm、伸長速伸長速度10公 で試料を伸長し、記録速度500mm/minで描いた
S−S曲線から破断時の強度および伸度を算出した。
結節強度(KT)および結節伸度(KE)JIS  L
1013−1981の方法に準じて測定した。
抗ピル性 JIS  L1076−1985のA法に準じて測定し
た。
実施例1 テレフタル酸1000部、エチレングリコール822部
、トリエチルアミン1.8部を精留塔付きの反応槽に仕
込み窒素ガスで槽内を2.5 Kg/ Cmに加圧し2
30〜240℃の温度で120分エステル化反応を行な
った。次いで、この反応生成物を重合反応槽に移送し、
トリメチルホスフェートをりん原子換算で1936pp
m /ポリマー及び三酸化アンチモン0.44部を添加
したのち、昇温、減圧し最終的には温度275℃、圧力
0.1 mmHgで1時間重縮合反応させ、極限粘度0
.609 、りん原子残存量930ppm,ジエチレン
グリコール含有量3.5モル%のポリエステルを得、こ
れを重合反応槽から押し出してポリエステルチップとし
た。このチップを乾燥機で乾燥した後溶融紡糸し250
0m /分で巻取り、次いで延伸後弛緩率8%、225
℃で1、6秒間熱処理を行ない極限粘度0.498、1
00デニール/48フイラメントの潜在抗ピル性ポリエ
ステルフィラメントを得た。この間紡糸フィルター詰ま
りや延伸ローラー巻き付き等の紡糸、延伸工程でのトラ
ブルはなく、良好に紡糸・延伸・熱処理を行なうことが
できた。
上記で得たポリエステルフィラメントをクリンパ−にか
けてクリンプ付与した後38n++nにカットした。こ
のカット綿を紡績糸としたあと筒編地にし、130℃で
60分間浸染々色した。染色前のポリエステル繊維の極
限粘度は0.498 、引張強度(DT)は2.98g
 / d 、引張伸度(DE)は15.5%、結節強度
(KT)は2.72g / d 、結節伸度(KE)は
11.9%、結節強度/引張強度比(KT/DT)は0
.91であり、抗ピル性は1級であったが、染色後の極
限粘度は0.429 、引張強度(DT)は2.67g
 / d、引張伸度(DE)は12.8%、結節強度(
KT)は1.38g/d,結節伸度は6、0%、結節強
度/引張強度比(KT/DT)は0、52であり、抗ビ
ル性は4−5級を示した。
実施例2 りん化合物としてエチルアシッドホスフェート(モノエ
チル体とジエチル体の混合物)をりん原子換算で127
4ppm /ポリマー添加した以外は実施例1と同様に
して、極限粘度0.573 、りん原子残秤量1107
0pp ・ポリマー、ジエチレングリコール含有量4.
1モル%のポリエステルを得た。以下実施例1と同一条
件下で製糸、紡績した後、筒編地とし130℃で60分
間浸染々色した。
結果は第1表に示す通りであり、紡糸・延伸等に悪影響
を及ぼすことなく、染色工程で優れた抗ビル性を発現さ
せることができた。
実施例3 実施例2と同様にして得たりん含有ポリエステルを用い
、溶融紡糸時の巻取り速度を1800m 7分とした他
は実施例1と全く同様にして製糸、紡績、筒編地加工及
び浸染4色を行ない抗ピル性等を調べた。
結果は第1表に示す通りであり、他に何ら問題を生じる
ことなく染色加工後の抗ビル性を著しく改良することが
できた。
実施例4 実施例2と同様にして得たりん含有ポリエステルを用い
、溶融紡糸時の巻取り速度を1300m 7分とした以
外は実施例1と全く同様にして製糸、紡績、筒編地加工
及び浸染4色を行ない抗ビル性等を調べた。
結果は第1表に示す通りであり、他に何ら問題を生じる
ことなく染色加工後の抗ピル性を改良することができた
実施例5 実施例2と同様にして得たりん含有ポリエステルを用い
、巻取り速度1800m 7分で溶融紡糸した後195
℃で熱処理した以外は実施例1と全く同様にして製糸、
紡績、筒編地加工及び浸染々色を行ない抗ピル性等を調
べた。
結果は第1表に示す通りであり、何ら問題なく染色加工
後の抗ピル性を改良することができた。
実施例6 実施例2と同様にして得たりん含有ポリエステルを用い
、巻取り速度1800m 7分で溶融紡糸した後、22
5℃で0.8秒間熱処理を行なった以外は実施例1と全
く同様にして製糸、紡績、筒編地加工及び浸染4色を行
ない抗ビル性等を調べた。
結果は第1表に示す通りであり、何ら問題なく染色加工
後の抗ピル性を改良することができた。
実施例7 実施例2と同様にして得たりん含有ポリエステルを用い
、巻取り速度1800m 7分で溶融紡糸した後、22
5℃で2.4秒間熱処理を行なった以外は実施例1と全
く同様にして製糸、紡績、筒編地加工及び浸染4色を行
ない抗ピル性等を調べた。
結果は第1表に示す通りであり、何ら問題なく抗ピル性
を改良することができた。
比較例1 りん化合物の添加を省略したほかは実施例1と全く同様
にして実験を行なった。
結果は第1表に示す通りであり、熱処理によって′°も
ろさ”は付与し得るものの、染色の前後でほとんど糸質
が変化しないため、抗ピル性改良効果は認められなかっ
た。
比較例2 実施例1と同様にして得たりん含有ポリエステルを用い
、2500m 7分の巻取り速度で溶融紡糸後、熱処理
を省略した以外は、実施例1と全く同様にして実験を行
なった。
結果は第1表に示す通りであり、熱処理による構造改質
効果ギ発現していないため、染色加工後抗ピル性改良効
果は認められなかった。
比較例3 熱処理時間を0.3秒にした以外は、実施例2と全く同
様にして実験を行なった。
結果は第1表に示す通りであり、熱処理による構造改質
効果が不十分であるため、潜在抗ピル性改良効果は認め
られなかった。
比較例4 熱処理温度を180℃にした以外は、実施例2と全く同
様にして実験を行なった。
結果は第1表に示す通りであり、充分な構造変化が発現
していないため、抗ビル性改良効果は認められなかった
[発明の効果〕 本発明は以上の様に構成されており、ポリエステルの製
造工程で特定のりん化合物を含有させると共に紡糸・延
伸後特定条件の下で熱処理を施すことによって、生産性
等に何ら支障を生じることなく、また他の繊維特性にも
あまり悪影響を及ぼすことなく潜在抗ピル性の優れたポ
リエステル繊維を提供することができた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)テレフタル酸を主体とするジカルボン酸とエチレ
    ングリコールを主体とするアルキレングリコールからポ
    リエステルを製造するに当たり、エステル化反応又はエ
    ステル交換反応終了から重縮合反応終了までの任意の段
    階で、りん酸、ホスホン酸及びこれらの誘導体よりなる
    群から選択される少なくとも1種のりん化合物を添加し
    、得られる含りんポリエステルを溶融紡糸後延伸して含
    りんポリエステル繊維とした後、190℃以上ポリエス
    テルの融点より10℃低い温度以下の温度で0.4秒以
    上熱処理することを特徴とする潜在抗ピル性ポリエステ
    ル繊維の製造法。
  2. (2)重縮合反応終了時点でのポリエステル中のりん化
    合物含有量をりん原子換算で700〜1300ppmと
    する特許請求の範囲第1項に記載の製造法。
  3. (3)溶融紡糸時の巻取速度を1000m/分以上とす
    る特許請求の範囲第1又は2項に記載の製造法。
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