JP2009299207A - 多層構造織編物および繊維製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】織編物を衣料などとして使用すると発汗時や降雨時に衣料が肌にべとつかず快適な着心地を保つことができる、べとつき感が少ない多層構造織編物および該多層構造織編物を用いてなる繊維製品を提供する。
【解決手段】2層以上の多層構造を有する多層構造織編物であって、表裏の最外層のうち少なくともどちらか一方に、特定の変性シリコーン化合物をポリマー重量に対し2.0〜20.0重量%含有するポリエステルからなる撥水性ポリエステル繊維が含まれる多層構造織編物、および該多層構造織編物を用いてなる繊維製品。
【選択図】なし

Description

本発明は、2層以上の多層構造を有する多層構造織編物であってべとつき感が少ない多層構造織編物および該多層構造織編物を用いてなる繊維製品に関する。
従来、合成繊維や天然繊維などからなる織編物を、スポーツ用衣料やインナー用衣料などとして使用すると、肌からの発汗によりぬれ感やベトツキ感が発生するという問題があった。
かかる対策として、異形断面形状の合成繊維を用いて、織編物の吸水量を向上させる方法や、汗を肌面から表面に素早く移行させ、肌面をドライな状態に保つことができる特殊多層構造の織編物が提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5参照)。
しかしながら、これらの織編物では、発汗初期に見られるような少量の発汗に対しては有効であるものの、多量に発汗した場合にはあまり効果が発現されなかった。
また、特許文献6では、撥水加工された糸条を外気側の表面層に配した片面撥水性多層構造織編物が提案されているが、かかる織編物では洗濯を繰りかえすうちに、撥水性が低下するという問題があった。
なお、本出願人は、特願2007−149357号において、特定の変性シリコーン化合物を含有するポリエステルからなる撥水性ポリエステル繊維を提案した。
特開平11−107138号公報 特開平3−185159号公報 特開平4−41750号公報 特開平5−331747号公報 特開平11−124717号公報 特開2007−92190号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、織編物を衣料などとして使用すると発汗時や降雨時に衣料が肌にべとつかず快適な着心地を保つことができる、べとつき感が少ない多層構造織編物および該多層構造織編物を用いてなる繊維製品を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、2層以上の多層構造を有する多層構造織編物であって、表裏の最外層のうち少なくとも一方に、特定の変性シリコーン化合物を含有するポリエステルからなる撥水性ポリエステル繊維を配すと、べとつき感が少ない多層構造織編物が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「2層以上の多層構造を有する多層構造織編物であって、表裏の最外層のうち少なくともどちらか一方に、下記一般式(1)で示される変性シリコーン化合物をポリマー重量に対し2.0〜20.0重量%含有するポリエステルからなる撥水性ポリエステル繊維が含まれることを特徴とする多層構造織編物。」が提供される。
Figure 2009299207
[上記式(1)中、R1、2、は同一もしくは異なっても良く、一部もしくは全部がハロゲン原子で置換されていても良い炭素数18個以下のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基又はアルキルアリール基を表す。R、R、Rは同一もしくは異なっても良い炭素数10個以下のアルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基又はアルキルアリーレン基を表す。Rは炭素数10個以下のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基又はアルキルアリール基を表わし、Xはカルボキシル基及び水酸基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の基であり、nは1〜100である。]
その際、前記撥水性ポリエステル繊維の総繊度が10〜200dtexの範囲内であることが好ましい。また、前記撥水性ポリエステル繊維が仮撚捲縮加工糸であることが好ましい。また、多層構造織編物に、前記撥水性ポリエステル繊維以外の他の繊維が含まれることが好ましい。その際、前記の他の繊維において、単糸繊度が2.0dtex以下であることが好ましい。
本発明の多層構造織編物において、表裏の最外層のうち少なくとも一方の表面において、前記撥水性ポリエステル繊維のみで構成される部分(X部)と他の繊維のみで構成される部分(Y部)とが存在していることが好ましい。また、前記X部とY部とが、それぞれ1mm以上の巾でストライプ状またはボーダー状に交互配列していることが好ましい。また、表裏の最外層のうち少なくともどちらか一方の表面において、0.1mm以上の高低差を有する凹凸があり、該凹凸の凸部が前記X部であり、かつ凹部が前記Y部であることが好ましい。また、織編物の目付けが150g/m以下であることが好ましい。また、織編物全体に吸汗加工が施されていることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の多層構造織編物を用いて、前記撥水性ポリエステル繊維を含む最外層表面が肌側に位置するよう縫製してなる、スポーツ用衣料、インナー用衣料、おしめや介護シーツの医療・衛生用品、および寝装寝具からなる群より選択されるいずれかの繊維製品が提供される。
本発明によれば、織編物を衣料などの繊維製品として使用すると発汗時や降雨時に衣料が肌にべとつかず快適な着心地を保つことができる、べとつき感が少ない多層構造織編物および該多層構造織編物を用いてなる繊維製品が得られる。また、かかる多層構造織編物および繊維製品は、洗濯を繰り返してもその効果が維持される。
本発明において、撥水性ポリエステル繊維は、撥水剤として前記式(1)の構造を有する変性シリコーン化合物を、ポリエステル組成物重量を基準として、2.0〜20.0重量%含有させたポリエステル組成物からなる。含有量が下限未満では、得られるポリエステル繊維を織編物としたときに十分な撥水性が発現されがたく、他方上限を越えると、得られるポリエステル繊維の強度が乏しくなり、糸切れが発生しやすくなる。好ましい変性シリコーン化合物の含有量は、5.0〜15.0重量%、さらに7.0〜12.0重量%の範囲である。なお、本発明における変性エシリコーンが含有されているとは、変性シリコーン化合物がポリエステルに対して化学結合により分子鎖に取り込まれて共重合されている状態と、ポリエステルとは化学結合せずにブレンド状態で存在する状態の両方を意味する。
本発明で使用される変性シリコーン化合物は、前述の式(1)で示されるものであり、上記式(1)中、R1、2、は同一もしくは異なっても良く、一部もしくは全部がハロゲン原子で置換されていても良い炭素数18個以下のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基又はアルキルアリール基を表す。また、R4、、Rは同一若しくは異なっても良い炭素数10個以下のアルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基又はアルキルアリーレン基を表す。Rは炭素数10個以下のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基又はアルキルアリール基を表わし、Xはカルボキシル基または水酸基を表し、nは1〜100である。
公知の変性シリコーン化合物には、上記の片末端二反応性官能基変性型構造のほかに、長鎖状に延びているシロキサン構造の両末端にそれぞれ1個のカルボキシル基又はヒドキシル基等のポリエステル原料と反応しうる官能基を有する両末端変性型、同シロキサン構造の片末端に1個の上記の官能基を有する片末端一反応性官能基変性型、側鎖に複数個の官能基を有する側鎖変性型があるが、両末端変性型はポリエステル主鎖に直線上に組み込まれるため、成形した際にポリエステル成形品表面に撥水機能を有する官能基が現れにくいことから、望むべき撥水性を得ることができない。また、片末端一反応性官能基変性型及び側鎖変性型は、重縮合反応に関与する官能基と、変性シリコーン化合物の末端又は側鎖と反応するため、重縮合反応を阻害することがある上、ポリエステルと相溶性が悪く、均一にブレンドすることが困難であるため、製糸時の断糸発生や、毛羽の原因となり好ましくない。さらにブリードアウトしやすいという問題を有しているため好ましくない。
また、上記一般式(1)においてR〜Rが上記のような官能基でない場合には、望むべき撥水性を得ることができなかったり、変性シリコーン化合物がポリエステルと充分に混和しないことがある。また混合できても、当該ポリエステル組成物を紡糸した繊維を染色他加熱加工、洗濯処理をしている間に変性シリコーン化合物がポリエステル組成物からブリードアウトしたりする事があるので好ましくない。これらの官能基の中でもR〜Rは置換されていない炭素数1〜6個のアルキル基であること、R、R、Rは置換されていない炭素数1〜4個のアルキレン基であること、Rは炭素数4個以下のアルキル基であることが好ましい。
該変性シリコーン化合物の数平均分子量は10000以下が好ましく、更に好ましくは300以上8000以下、特に好ましくは500以上6000以下である。数平均分子量が上限より大きい場合は、ポリエステルとの相溶性が悪化し、ポリエステル中に均一にブレンドすることが困難であり、ポリエステル繊維とした場合に断糸、毛羽、ブリードアウトなどの問題を有しており好ましくない。
また、ポリエステル組成物中に含有されている変性シリコーン化合物は、変性シリコーン化合物の重量を基準として、20〜50重量%が、ポリエステルに共重合されていることが好ましい。共重合されている変性シリコーン化合物の量が下限より少ないとポリエステル組成物中でブレンドされている変性シリコーン化合物の分散性が悪化しやすく、他方上限より多い場合は得られるポリエステルの強度などの機械的物性が、同じ含有量対比では低くなりやすい。好ましい共重合されている変性シリコーン化合物の割合は、20〜50重量%の範囲である。
共重合されている変性シリコーン化合物とブレンド状態にある変性シリコーン化合物の量および構造は後述のように、H−NMR測定により区別・特定する事ができる。また上述の片末端二反応性官能基変性型、すなわち変性シリコーン化合物のシロキサン構造の片末端に2つの反応性官能基がある構造であることは、特開2002−48777号公報に記載されているように分子中に3個のイソシアネート基を有するポリイソシアネートとを反応させて得られるポリウレタン樹脂反応物をゲル浸透クロマトグラフィーにて分析することなど確認することができる。
本発明において、撥水性ポリエステル繊維を構成するポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの芳香族ポリエステルを好ましく挙げることができ、これらのなかでも機械的性質、成形性等のバランスのとれたポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートが好ましい。なお、これらのポリエステルは、本発明の効果を損なわない範囲で、目的に応じて他の成分が共重合されていても良い。例えば、共重合成分としては、イソフタル酸、5−ナトリウムイソフタル酸、アジピン酸、トリメリット酸、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールまたはペンタエリスリトールなどを挙げることができる。また、トリメリット酸、トリメシン酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、トリメリット酸モノカリウム塩などの多価カルボン酸、グリセリン、ジメチロールエチルスルホン酸ナトリウム、ジメチロールプロピオン酸カリウムなどの多価ヒドロキシ化合物、p−ヒドロキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸などを共重合してもよい。
本発明におけるポリエステルの製造方法としては、公知の任意の方法で合成すればよい。例えば、ジカルボン酸成分がテレフタル酸の場合、テレフタル酸とアルキレングリコールとを直接エステル化反応させる方法、テレフタル酸ジメチルのようなテレフタル酸の低級アルキルエステルとアルキレングリコールとをエステル交換反応させる方法、またはテレフタル酸とアルキレンオキサイドを反応させる方法によってテレフタル酸のグリコールエステルを生成させる第一段の反応を行い、引続いて重合触媒の存在下に減圧加熱して所望の重合度になるまで重縮合させる第二段の反応によって製造できる。なお、上述の変性シリコーン化合物の添加時期は、前述のような共重合の割合を満足させる観点から、このポリエステルの重縮合反応の前から重縮合反応の終了以前に行なうのが好ましく、複数回に分けて添加しても良い。そして、この添加時期や添加量によって上記共重合している変性成シリコーン化合物の割合を調整することができる。
なお、第一段階の反応がエステル交換反応の場合、反応温度は180〜230℃であり、反応圧力は常圧〜0.3MPaの範囲が好ましく、また第二段階の反応(重縮合反応)時の反応温度は200〜260℃、反応圧力は60〜0.1kPaの範囲であることが好ましい。このようなエステル交換反応および重縮合反応は一段で行っても、複数段階に分けて行っても良い。
これらの反応段階で用いるエステル交換触媒としては、ナトリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属塩、チタン、亜鉛またはマンガン等の金属化合物を使用するのが好ましい。重縮合触媒としては、ゲルマニウム化合物、アンチモン化合物、チタン化合物、コバルト化合物またはスズ化合物を使用するのが好ましい。触媒の使用量は、エステル交換反応、重縮合反応を進行させるために必要な量であるならば、特に限定されるものではなく、また複数の触媒を併用することも可能である。また第一段階の反応が直接エステル化反応の場合、触媒を用いなくでも直接エステル化反応を進行することもできるが、必要に応じて上記の触媒を用いても良い。
また、第一段階の反応の途中、第二段階の反応の途中若しくは反応終了後のいずれかにおいて安定剤を添加することも好ましい。その安定剤としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類、トリフェニルホスファイト等の亜リン酸エステル類、メチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、モノブチルホスフェート等の酸性リン酸エステル、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、若しくはポリリン酸等のリン化合物、ヒンダートフェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤が好ましい。
重縮合段階においては溶融粘度のモニターすること等の手法により目的とするポリエステルの重合度(分子量、固有粘度)であることを確認できるまで、上記の条件にて重縮合反応を行う。そして目的とする分子量に到達したことを確認した後、重縮合反応を終了し、反応槽から吐出し冷却後チップ状にカットすることによりポリエステルを得ることができる。そのチップを乾燥後、後述のポリエステル繊維等の製造に用いる事ができる。また一旦チップ状に成形することなく、重縮合反応終了後のポリエステルからそのままポリエステル繊維を製造しても良い。
ところで、本発明のポリエステル繊維は、繊維とした状態での固有粘度(溶媒:1,1,2,2−テトラクロルエタン40重量%とフェノール60重量%の混合溶媒)が0.61以上であることが必要である。好ましい固有粘度の下限は0.63dl/g以上である。他方、固有粘度の上限は特に制限はされないが、紡糸安定性などの点から0.80dl/g以下であることが好ましく、さらに固相重合などの追加の固有粘度を高くする工程を省略または時間を短縮できることから0.70dl/g以下であることが好ましい。そして、本発明の特徴の一つは、固有粘度を下限以上にすることで、前述の変性シリコーン化合物を含有させたことによる強度などの機械的物性の低下を抑制でき、実用に十分な、すなわち製造工程や使用時の糸切れなどを防ぐのに十分な強度などを得られる繊維に具備させたことにある。このような繊維とした状態での固有粘度を満足させるには、一つには繊維状に押出す際の溶融押出機での温度をなるべく低くし、かつそこでの滞留時間を短くして、ポリマーの固有粘度の低下を小さくすることが挙げられるが、そのような条件を採用したとしても0.2〜0.3dl/gの固有粘度の低下は避けられないことから、さらに使用するポリマーの固有粘度を繊維とした状態での固有粘度よりも0.3dl/g以上高いものとすることが好ましい。
本発明に係る撥水性ポリエステル繊維は、それ自体公知の方法で製造することができる。例えば、紡糸方法も特に限定はなく、例えば前述のようにして得られたポリエステル組成物を溶融状態で繊維状に押出し、それを500〜3500m/分の速度で溶融紡糸し、延伸、熱処理する方法、1000〜5000m/分の速度で溶融紡糸し、延伸、仮撚加工を同時に又は続いて行う方法、5000m/分以上の高速で溶融紡糸し、用途によっては延伸工程を省略する方法などが好ましく挙げられる。また、そのようにして得られる繊維を所望の長さに切断して短繊維としても良いし、さらにスパンボンドやメルトブロー紡糸といった方法も好ましく採用できる。繊維の断面形状は特に限定されるものではなく、円形断面のほか、楕円形断面、三角断面、星型断面であってもよい。また、本発明における撥水性ポリエステル繊維は、前述の変性シリコーン化合物を含有するポリエステル組成物だけを用いて紡糸した繊維に限られず、該変性シリコーン化合物を含有するポリエステル組成物が得られる繊維の表面配置するように、例えば該変性シリコーン化合物を含有するポリエステル組成物が鞘に、該変性シリコーン化合物を含有しないか鞘のポリエステル組成物よりも含有量が少ないポリエステル組成物を芯に配置した芯鞘構造の複合繊維であってもよいし、芯が多数ある海島型の複合繊維であってもよい。このような複合繊維化は、繊維の機械的物性をさらに保持しやすいことから好ましい。
前記撥水性ポリエステル繊維は、前述のとおり、変性シリコーン化合物を含有することにより優れた撥水性を有する。ここで、織編物とした際に、十分な撥水性を発現させる観点からは、ポリエステル繊維の表面の水との接触角は110°以上、さらに好ましくは115°以上であることが好ましい。このような高い接触角をポリエステル繊維自体に具備させることで、織編物にしたときに優れた撥水性を発現させることができる。
また、前記撥水性ポリエステル繊維は、撥水性とその後の加工工程などの取扱い性の観点から、単糸繊度は0.5〜5.0dtexの範囲、さらには1.0〜3.0dtexの範囲にあることが好ましい。また、長繊維として用いる場合は、同様な理由から繊維束としての総繊度(単子繊度×単糸数)が10〜200dtex、さらには50〜100dtexの範囲にあることが好ましい。また、前記撥水性ポリエステル繊維は仮撚捲縮加工糸であることが好ましい。
前記撥水性ポリエステル繊維は、変性シリコーン化合物を含有することにより優れた撥水性を有する。特に布帛とした際に、十分な撥水性を発現させる観点からは、ポリエステル繊維の表面の水との接触角は110°以上、さらに好ましくは115°以上であることが好ましい。このような高い接触角をポリエステル繊維自体に具備させることで、織編物にしたときにべとつき感を低減させることができる。
本発明の多層構造織編物は、2層以上の多層構造を有する多層構造織編物であって、表裏の最外層のうち少なくともどちらか一方に、前記の撥水性ポリエステル繊維が含まれる。ここで、前記の撥水性ポリエステル繊維が含まれる最外層において、当該層の重量対比30重量%以上(より好ましくは40重量%以上)含まれることが好ましい。
また、前記の撥水性ポリエステル繊維は表裏の最外層の両方に含まれていてもよいが、表裏の最外層のうちどちらか一方にのみ配されていることが好ましい。撥水性ポリエステル繊維を含む最外層が肌側に、撥水性ポリエステル繊維を含まない最外層が外気側に位置するように織編物を衣料などの繊維製品として使用すると、肌側面で吸った汗が速やかに外気側に移行するためべとつき感が低減する。
また、前記の他の繊維において、単糸繊度が2.0dtex以下(より好ましくは0.00001〜1.5dtex)であることが好ましい。このように細繊度繊維を外気側最外層に配すと、毛細管現象により汗が肌側面から外気側面に速やかに移行するため、べとつき感がさらに低減する。かかる他の繊維の種類としては、変性シリコーン化合物を含有しないこと以外は前記撥水性ポリエステル繊維と同様のポリエステル繊維であることが好ましい。
本発明の織編物において、織編組織は特に限定されず、通常の2層以上の多層構造を有する多層構造織編組織でよい。層数は、製造の容易さから2層または3層が好ましく、2層が特に好ましい。織編組織としては特に限定されないが、織物では、たて二重織、よこ二重織等の片二重織組織、完全二重織組織、ダブルサテン組織織物、完全三重組織織物、編物では、ハニカムメッシュ編、ダブルコード編、ハーフトリコット編などが例示される。
また、表裏の最外層のうち少なくともどちらか一方の表面(好ましくは使用の際に肌側に配される表面のみ)において、前記撥水性ポリエステル繊維のみで構成される部分(X部)と他の繊維のみで構成される部分(Y部)とが存在していることが、べとつき感を低減させる上で好ましい。特に、前記X部とY部とが、それぞれ1mm以上の巾でストライプ状またはボーダー状に交互配列しているとより一層べとつき感が低減され好ましい。格子パターンでもよい。また、表裏の最外層のうち少なくともどちらか一方の表面(好ましくは使用の際に肌側に配される表面のみ)において、0.1mm以上の高低差を有する凹凸があり、該凹凸の凸部が前記X部であり、かつ凹部が前記Y部であるとさらにべとつき感が低減され好ましい。
本発明の多層構造織編物は前記の撥水性ポリエステル繊維と必要に応じて他の繊維とを用いて常法により製編織することにより得ることができる。また、かかる織編物には、常法の染色仕上げ加工、起毛加工、吸汗加工、撥水加工、さらには、紫外線遮蔽あるいは制電剤、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する各種加工を付加適用してもよい。特に織編物全体に吸汗加工が施されていると、肌側面から外気側面に水分が移行しやすく、べとつき感の低減に有効であり好ましい。
かくして得られた多層構造織編物において、織編物の目付けが150g/m以下(より好ましくは10〜150g/m)であることが好ましい。該目付けが150g/mよりも大きいと汗などの乾燥速度が遅くなるおそれがある。
次に、本発明の繊維製品は、前記の多層構造織編物を用いて、前記撥水性ポリエステル繊維を含む最外層表面が肌側に位置するよう縫製してなる、スポーツ用衣料、インナー用衣料、おしめや介護シーツの医療・衛生用品、および寝装寝具からなる群より選択されるいずれかの繊維製品である。かかる繊維製品は前記の多層構造織編物を用いているので、あまりべとつかず快適な使用感がある。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)固有粘度:
1,1,2,2−テトラクロルエタン40重量%とフェノール60重量%の混合溶媒中に試料を溶解して定法に従って35℃にて測定した。
(2)強度・伸度
20℃、65%RHの雰囲気下で引張試験機により、試料長20cm、速度20cm/分の条件で破断時の強度および伸度を測定した。測定数は10とし、その平均をそれぞれの強度および伸度とした。
(3)接触角:
後述の(6)撥水性の試験において、アルカリ減量する前の試験片から単糸を採取し、協和界面科学(株)社製 自動微小接触角測定装置「MCA−2」を使用し、蒸留水500ピコリットルを使用して単糸表面の接触角を測定した。接触角が大きいほど、撥水性に優れると判断した。
(4)含有シリコーン化合物量:
H−NMR法にてポリエステル組成物中に含有している変性シリコーン量を定量した。更にポリエステル試料を適切な溶媒に溶解させて貧溶媒を加えて再沈殿操作を行い、濾過により得られた固形物についてもH−NMR測定を行った。後者の再沈殿操作後の測定結果の値からポリエステル中に共重合している変性シリコーン化合物の量を定量し、前者の再沈殿前の測定結果の値と、後者の測定結果の値との差からブレンドしているシリコーン化合物量を定量した。また変性シリコーン化合物の化学構造においてはブレンドしている成分については再沈殿操作の溶媒中の成分を回収成分を、共重合されている成分については再沈殿後のポリエステルを加水分解後の残渣成分を測定することにより行うことができる。
(5)紡糸性:
紡糸工程における紡糸性について、以下の4段階評価で表した。
◎:毛羽発生・糸切れが無く、非常に良好。
○:やや毛羽の発生があるものの糸切れが無く良好。
△:やや毛羽の発生があり、糸切れが発生(1〜2回/hr)
×:毛羽が発生・糸切れが多発(3回/hr以上)
これらの評価の中で○以上が実用的に使用可能な評価結果である。
(6)撥水性:
各実施例および比較例で得られたポリエステル繊維を経糸及び緯糸に使用して、平織物を製織し、この布帛を常法により精錬、乾燥したのち、180℃でヒートセットした。また、その一部を常法により減量率が30重量%となるようにアルカリ減量した。このようにして得られたアルカリ減量後の布帛を、JIS−L−1092(スプレー法)(1992)により測定した。その測定後の布帛の状態から該JIS規格に記載の以下の基準で0〜100点の点数で評価を行った。
100点:表面に湿潤や水滴の付着が無いもの。
90点:表面に湿潤しないが、小さな水滴の付着を示すもの。
80点:表面に小さな個々の水滴状の湿潤を示すもの。
70点:表面の半分以上に湿潤を示し、小さな個々の湿潤が布を浸透する状態を示すも
の。
50点:表面全体に湿潤を示すもの。
0点:表面及び裏面が全体に湿潤を示すもの。
(7)織編物の目付け
JIS L1096により測定した。
(8)べとつき性
直径8cmの金属ローラーに長さ15cm、幅6cmの編地を載せ、一端をストレス・ストレイン・ゲージに取り付け、編地のもう一端に重さ9.8cN(10gf)のクリップを取り付ける。次に金属ローラーを7cm/secの表面速度で回転させながら注射器で金属ローラーと編地の間に5cmの水を注入し、この時編地にかかる張力をストレス・ストレイン・ゲージにて測定し、その最大値でベトツキ性を評価した。
(9)拡散面積
JISL1907−5.1.1(滴下法)により生地裏面より水滴1滴を摘下し3分経過した後の、表面と裏面の拡散面積(mm)を測定した。なお、n数は5とし、平均値を求めた
[参考例1]
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール60重量部、変性シリコーン化合物(一般式(1)で示され、Xが水酸基、R乃至Rがメチル基、Rがトリメチレン基、R及びRがメチレン基、Rがエチル基、n=9である化合物:チッソ株式会社製、商品名:FM−DA11、平均分子量:1000)2重量部、酢酸マンガン4水塩0.031部を反応器に仕込み、窒素ガス雰囲気下で3時間かけて140℃から240℃まで昇温して、生成するメタノールを系外に留出しながらエステル交換反応を行った。エステル交換反応を終了させた後、安定剤としてリン酸0.024部及び重縮合反応触媒として三酸化アンチモン0.04部を添加した後、285℃まで昇温して、減圧下で重縮合反応を実施してポリエステル組成物を得た。このポリエステル組成物の固有粘度を測定した所、0.654dl/gであった。また、該ポリエステル組成物中の含有変性シリコーン化合物量は2重量%であった。 該ポリエステル組成物を乾燥させた後、一軸押出機にて285℃で溶融し、孔径0.3mmφのランド長0.6mmの丸孔押出ノズルホールを24個を有する紡糸口金から紡糸押出し温度290℃でトータル吐出量24g/分の条件で吐出させ、1000m/分の速度で引き取り、未延伸糸を得た。この得られた未延伸糸を80℃で3.3倍に延伸し、180℃で熱処理を施し、77.6dtex/24フィラメントのポリエステル繊維を得た。
得られたポリエステル組成物、ポリエステル繊維および布帛の特性を表1に示す。
[参考例2および3、参考例8および9]
変性シリコーン化合物の含有量を表1に記載の量となるように変性シリコーン化合物(FM−DA11)の添加量を調整したこと以外は、実施例1と同様な操作を繰り返した。
得られたポリエステル組成物、ポリエステル繊維および布帛の特性を表1に示す。
[参考例10]
参考例1において、変性シリコーン化合物を分子鎖の末端に1官能のカルボン酸基を有
する変性シリコーン化合物(信越化学株式会社製、商品名:X22−3710)に変更し
、その含有量が10重量%になるように添加量を変更した以外は、参考例1と同様な操作
を繰り返した。
得られたポリエステル組成物、ポリエステル繊維および布帛の特性を表1に示す。
[参考例11]
参考例1において、変性シリコーン化合物を分子鎖の分子の両末端に2官能のカルボン酸有する変性シリコーン化合物(信越化学株式会社製、商品名:X22−162C)に変更し、その含有量が10重量%になるように添加量を変更した以外は、参考例1と同様な操作を繰り返した。
[参考例4および5]
参考例2において、ポリマーの固有粘度を0.672dl/gおよび0.615dl/gとした以外は、実施例2と同様な操作を繰り返した。
[参考例6]
参考例2において、変性シリコーンの平均分子量を5000の変性シリコーン化合物チッソ株式会社製、商品名:FM−DA21(一般式(1)で示され、Xが水酸基、R乃至Rがメチル基、Rがトリメチレン基、R及びRがメチレン基、Rがエチル基、n=約63である化合物:チッソ(株)社製、平均分子量5,000))とした以外は、参考例2と同様な操作を繰り返した。
[参考例7]
参考例2において、変性シリコーン化合物の添加量を5重量部とした以外は、参考例2と同様な操作を繰り返した。
[参考例12]
参考例2において、ポリマーの固有粘度を0.602dl/gとした以外は、参考例2と同様な操作を繰り返した。
[参考例13]
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール60重量部、酢酸マンガン4水塩0.031部を反応器に仕込み、窒素ガス雰囲気下で3時間かけて140℃から240℃まで昇温して、生成するメタノールを系外に留出しながらエステル交換反応を行った。エステル交換反応を終了させた後、安定剤としてリン酸0.024部及び重縮合反応触媒として三酸化アンチモン0.04部を添加した後、285℃まで昇温して、減圧下で重縮合反応を実施してポリエステル組成物を得た。このポリエステル組成物の固有粘度を測定した所、0.641dl/gであった。該ポリエステル組成物を乾燥させた後、一軸押出機にて285℃で溶融し、孔径0.3mmφのランド長0.6mmの丸孔押出ノズルホールを24個を有する紡糸口金から紡糸押出し温度290℃でトータル吐出量24g/分の条件で吐出させ、1000m/分の速度で引き取り、未延伸糸を得た。この得られた未延伸糸を80℃で3.3倍に延伸し、180℃で熱処理を施し、81.1dtex/24フィラメントのポリエステル繊維を得た。
[参考例14]
参考例13において、ポリマーの固有粘度を0.605dl/gとした以外は、参考例13と同様の操作を繰り返した。
Figure 2009299207
[実施例1]
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール60重量部、エステル反応性シリコーン化合物(一般式(1)で示され、Xが水酸基、R乃至Rがメチル基、Rがトリメチレン基、R及びRがメチレン基、Rがエチル基、n=9である化合物:チッソ株式会社製、商品名:FM−DA11、平均分子量:1000)10重量部、酢酸マンガン4水塩0.031重量部を反応器に仕込み、窒素ガス雰囲気下で3時間かけて140℃から240℃まで昇温し、精製するメタノールを系外に除去しながらエステル交換反応を行った。エステル交換反応を終了させた後、安定剤としてリン酸0.024重量部および重縮合反応触媒として三酸化アンチモン0.04重量部を添加した後、285℃まで昇温して、減圧下で重縮合反応させ、シリコーン含有ポリエステルを得た。得られたポリエステルの固有粘度は0.65であった(35℃、オルソクロロフェノール中)。
このポリエステルを、水分率70ppm以下となるまで乾燥した後、溶融温度300℃で押出機にて溶融し、48孔の円形の吐出孔を有する口金を用い、紡糸速度1000m/分にて引き取った後、一旦巻き取ることなく、予熱温度90℃、熱セット温度120℃、延伸倍率3.7倍で延伸し、3700m/分の速度で巻き取り、延伸糸を得た。得られた撥水性ポリエステル繊維は、繊度84dTexであった。この撥水性ポリエステル繊維に仮撚り加工を行い84dTex36フィラメントの仮撚捲縮加工糸とした。
次いで、28ゲージの丸編ダブル機を使用して、上記撥水性ポリエステル捲縮加工糸(A)と通常のポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸84dtex/72fil(B)を用いて、図1に示す編組織に従って、ハニカムメッシュ編地を編成した。次いで、上記編地に通常の染色仕上げ加工(130℃かつ30分間の高圧染色、最終セットとして170℃の乾熱セット)を施した。得られた編地(多層構造織編物)は、裏面が撥水性ポリエステル捲縮加工糸のみで構成され、表面がポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸84dtex/72filのみで構成された2層構造の編地であった。この編地は目付け152g/m、べとつき性51cN(52g)で、拡散面積が表87mm、裏15mmで、裏面で吸った汗を表面に移動させ、裏面と肌とのべとつき感が少ない編地であった。
また、該編地を用いて、前記撥水性ポリエステル繊維を含む最外層表面が肌側に位置するようスポーツ用衣料(Tシャツ)を縫製し着用したところ発汗してもべとつかず、また、繰り返し洗濯してもその効果が低下することがなかった。
[実施例2]
シリンダー側ニットとして、実施例1で用いた撥水性ポリエステル捲縮加工糸(A)と通常のポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸84dtex/72fil(B)を10本交互で給糸する以外は実施例1と同様にして得られた編地は、裏面が撥水性ポリエステル捲縮加工糸とポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸84dtex/72filがボーダー状(前者の巾5mm、後者の巾5mm)に配され、表面がポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸84dtex/72filのみで構成された2層構造の編地であった。この編地は目付け157g/m、べとつき性74cN(76g)で、拡散面積が表75mm、裏27mmで、裏面で吸った汗を表面に移動させ、裏面と肌とのべとつき感が少ない編地であった。
[比較例1]
実施例1で用いた撥水性ポリエステル捲縮加工糸の代わりに通常のポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸84dtex/36filを用いる以外は実施例1と同様にして得られた編地は、裏面がポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸84dtex/36filのみで構成され、表面がポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚捲縮加工糸84dtex/72filで構成された2層構造の編地であった。この編地はべとつき性225cN(230g)で、拡散面積が表63mm、裏52mmで、裏面で吸った水の表面への移動が不十分で、裏面と肌とのべとつき感が高く不満足な編地であった。
本発明によれば、織編物を衣料などの繊維製品として使用すると発汗時や降雨時に衣料が肌にべとつかず快適な着心地を保つことができる、べとつき感が少ない多層構造織編物および該多層構造織編物を用いてなる繊維製品が提供される。また、かかる多層構造織編物および繊維製品は、洗濯を繰り返してもそのべとつき低減効果が維持され、その工業的価値は極めて大である。
実施例1で用いた編組織図である。

Claims (11)

  1. 2層以上の多層構造を有する多層構造織編物であって、表裏の最外層のうち少なくとも一方に、下記一般式(1)で示される変性シリコーン化合物をポリマー重量に対し2.0〜20.0重量%含有するポリエステルからなる撥水性ポリエステル繊維が含まれることを特徴とする多層構造織編物。
    Figure 2009299207
    [上記式(1)中、R1、2、は同一もしくは異なっても良く、一部もしくは全部がハロゲン原子で置換されていても良い炭素数18個以下のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基又はアルキルアリール基を表す。R、R、Rは同一もしくは異なっても良い炭素数10個以下のアルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基又はアルキルアリーレン基を表す。Rは炭素数10個以下のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基又はアルキルアリール基を表わし、Xはカルボキシル基及び水酸基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の基であり、nは1〜100である。]
  2. 前記撥水性ポリエステル繊維の総繊度が10〜200dtexの範囲内である、請求項1に記載の多層構造織編物。
  3. 前記撥水性ポリエステル繊維が仮撚捲縮加工糸である、請求項1または請求項2に記載の多層構造織編物。
  4. 多層構造織編物に、前記撥水性ポリエステル繊維以外の他の繊維が含まれる、請求項1〜3のいずれかに記載の多層構造織編物。
  5. 前記の他の繊維において、単糸繊度が2.0dtex以下である、請求項4に記載の多層構造織編物。
  6. 表裏の最外層のうち少なくとも一方の表面において、前記撥水性ポリエステル繊維のみで構成される部分(X部)と他の繊維のみで構成される部分(Y部)とが存在している、請求項4または請求項5に記載の多層構造織編物。
  7. 前記X部とY部とが、それぞれ1mm以上の巾でストライプ状またはボーダー状に交互配列している、請求項4〜6のいずれかに記載の多層構造織編物。
  8. 表裏の最外層のうち少なくともどちらか一方の表面において、0.1mm以上の高低差を有する凹凸があり、該凹凸の凸部が前記X部であり、かつ凹部が前記Y部である、請求項4〜6のいずれかに記載の多層構造織編物。
  9. 織編物の目付けが150g/m以下である、請求項1〜8のいずれかに記載の多層構造織編物。
  10. 織編物全体に吸汗加工が施されている、請求項1〜9のいずれかに記載の多層構造織編物。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の多層構造織編物を用いて、前記撥水性ポリエステル繊維を含む最外層表面が肌側に位置するよう縫製してなる、スポーツ用衣料、インナー用衣料、おしめや介護シーツの医療・衛生用品、および寝装寝具からなる群より選択されるいずれかの繊維製品。
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