JPS6313342Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は引違い窓に関するものである。

窓枠を構成する上下の横枠と左右の竪枠として
アルミ型材を使用する場合、かつてはその接合を
ビス止めで行なうのが普通であり、また竪枠と横
枠との接合端を斜め切りした状態で突き合わせて
接合するにはコーナー継手が使用されていたが、
近年ではアルミ溶接技術でこれら接合を行なうこ
とが可能となつている。このような溶接による接
合構造ではビス止めによる場合に比較して窓枠の
強度が著しく増大すると共にビスやコーナー継手
等の接合用部材が不要となり、更に接合部が封着
されるので水密性が向上し且つコーナー継手を挟
む斜め切り接合端のように厳密な端面精度が要求
されない等の利点がある。しかしながら、各枠材
を斜め切りした端部で突き合わせて溶接するに
は、溶接を行なう端面主要部が同一形状である必
要があり、引違い窓の場合は、窓下枠がレールを
備えることから上枠や左右枠と大きく異なる断面
形状であるために溶接による接合を採用できず、
従つて前述の溶接の利点を活かせなかつた。

本考案は、上述の状況に鑑みて鋭意検討を重ね
てなされたもので、溶接による接合を適用して且
つ安価で組立作業性に優れる引違い窓を提供する
ことを目的としている。

以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。この実施例は本考案を屋外へ張り出した出窓
形式の引違い窓に適用したものである。

窓枠１と上部横枠２と下部横枠３と左右竪枠
４，５および下部横枠３上に配設したレール下枠
６（第２図）とから構成されており、第１図で示
すように上下部横枠２，３と左右竪枠４，５とは
各々両端が45゜の角度で斜め切りされ、対応する
各端部を突き合わせて溶接することによつて方形
に接合されている。

上部横枠２と左右竪枠４，５とはそれぞれ同一
の断面形状を有する同一のアルミ型材より形成さ
れている。即ち、これら型材は、建屋外壁面方向
に沿う内端壁ａと、この内端壁ａの内側端部から
屋外側へ垂直に延びる内壁ｂと、内端壁ａの外側
端部から内壁ｂに対向して延び且つ屋外側へ至る
に従つて内壁ｂに接近するように傾斜した外壁ｃ
と、内壁ｂおよび外壁ｃを屋外側端部で連結する
外端壁ｄと、から中空部７を構成すると共に、内
端壁ａと、外壁ｃの屋外側端部に連続して屋内側
へ延出し且つ先端に取付片ｅを連設した外側裾壁
ｆと、内端壁ａの屋内側端部より窓中央側へ延出
して断面略Ｌ字状に屋内側へ曲折した内側裾壁ｇ
と、から断面略屋内側向きコ字状の取付枠部８を
構成し、また外壁ｃの屋外側端部に連続して窓中
央側へ突出する断面略屋内側向きコ字状の外縁枠
部ｈを備え、更に内壁ｂに窓中央側へ突出して互
いに平行な３本の突条片ｉが突設されてなるもの
である。

一方、下部横枠３は、３本の突条片ｉが存在し
ない点以外は上部横枠２および左右竪枠４，５と
同一の断面形状を持ち、この共通断面の斜め切り
端部で左右竪枠４，５に接合している。９，９は
下部横枠３の要所に穿設した水抜き孔である。

下部横枠３上には引違い障子１０，１０を摺動
させるためのレール下枠６が配置されている。こ
のレール下枠６は窓枠基端側の垂直片ｊと、内外
レールを構成する垂直片ｋ，ｌと、垂直片ｊとｋ
の両中央部を連結して屋外側へやや下向き勾配を
持つ水平片ｍと、垂直片ｋの基部と垂直片ｌの中
央部を連結して屋外側へやや下向き勾配を持つ水
平片ｎと、垂直片ｌの基部より屋外側へ延設され
て先端が下部横枠３の内壁ｂに当接する断面略Ｌ
字状の脚片ｏ、および脚片ｏから屋外側へ断面略
Ｔ字状に突設されて且つ水切り部ｐを有する外端
枠片ｑからなつており、断面略外向きコ字状の取
付用金枠１１を介してビス１２，１３にて下部横
枠３に固定されると共に、ビスホール１４，１５
に螺合するビス（図示省略）にて左右竪枠４，５
に第２図中の破線で示す板パテやパツキン等の板
状シール材１６を挟んで水密状態で固定されてい
る。１７は下部横枠３とレール下枠６との間隙に
配設したスペーサ用としてのアルミ板、１８はレ
ール下枠６の垂直片ｊと取付用金枠１１との間に
充填されたシール材である。

上記構成の窓枠１は、建物開口部１９に屋外側
へ張出すように設置されて開口部中央側に曲折し
た断面略Ｌ字状の取付用金枠２０とその内側に配
置した額縁２１に、上下部横枠２，３および左右
竪枠４，５の各取付枠部８を外嵌させてビス２
２，２３，２４にてそれぞれ固定している。２５
は建屋外壁２６と上下部横枠２，３および左右竪
枠４，５の各外側裾壁ｆとの間隙に充填されたシ
ール材、２７はその外面側を覆うコーキング材で
ある。

窓枠１の組立ては、第４図に示すようにまず上
部横枠２と左右竪枠４，５とを溶接しておき、こ
の状態でレール下枠６を左右竪枠４，５に板状シ
ール材１６を接面間に介挿してビス止めし、最後
に第５図に示すように下部横枠３を左右竪枠４，
５に溶接固定すると共にこれとレール下枠６とを
取付用金枠１１を介してビス止めする順序で行な
えばよい。

尚、上記実施例では出窓形式の引違い窓につい
て示したが、本考案は他の窓形式にも適用でき
る。

以上のように本考案の引違い窓は、断面主要部
が同一形状のアルミ型材からなり且つ両端が略
45゜の角度で斜め切りされた上下および左右の枠
材を溶接により各端部で突き合わせ接合して方形
の枠体を構成すると共に、この枠体の下枠材上に
引違い窓の下枠形状を備えた横枠を配設したもの
である。従つて、本考案によれば、レールを備え
ることから下枠の断面形状が異なる引違い窓にお
いて、窓枠を溶接による接合構造として強度増大
と水密性の向上を図ることが可能となる。また、
上記の下枠形状を備えた横枠は枠体とは別部材で
あるが、その両端と枠体の左右両枠材との接面間
に板状シール材を介在させていることにより、該
接面には良好な水密性が確保される。そして、こ
の板状シール材は上記横枠をビス止めする際に上
記接面に挟み込むだけでよいから、他の水密封止
手段を採用する場合に比較して作業性が極めて良
好である。更に、本考案によれば、引違い窓の左
右両枠および上枠形状は枠体の左右両枠材および
上枠材にて構成され、枠体とは別の枠材として上
記横枠以外は不要であるため、窓枠全体を二重枠
とする場合に比較して引違い窓の材料コストが格
段に少なくて済むと共に組立ても容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係る引違い窓の正面
図、第２図は第１図における−線の断面構造
図、第３図は第１図における−線の断面構造
図、第４図及び第５図は組立て順序を示す説明図
である。 １……窓枠、２……上部横枠、３……下部横
枠、４……左竪枠、５……右竪枠、６……レール
下枠（下枠形状を備えた横枠、１６……板状シー
ル材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断面主要部が同一形状のアルミ型材からなり且
   つ両端が略45゜の角度で斜め切りされた上下およ
   び左右の枠材を溶接により各端部で突き合わせ接
   合して方形の枠体を構成し、この枠体の下枠材上
   に、引違い窓の下枠形状を備えた横枠をその両端
   部と左右の枠材との接面に板状シール材を介在さ
   せてビス止めしてなる引違い窓。