JPS63123389A - 酵素法リン脂質−d−セリン誘導体の製造法 - Google Patents

酵素法リン脂質−d−セリン誘導体の製造法

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JPS63123389A
JPS63123389A JP26972386A JP26972386A JPS63123389A JP S63123389 A JPS63123389 A JP S63123389A JP 26972386 A JP26972386 A JP 26972386A JP 26972386 A JP26972386 A JP 26972386A JP S63123389 A JPS63123389 A JP S63123389A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は酵素法によるリン脂質−d−セリン誘導体の製
造法、更に詳しくは基質となるリン脂質と受応体と成る
非天然型のd−セリンとを従来酵素法で使用されたキャ
ベツ由来のホスホリパーゼD等では生起しない転移反応
をホスホリパーゼDMの存在下に転移反応させ非天然型
のリン脂質−d−セリン誘導体を製造する方法に関する
尚、本発明に於いて、リン脂質−d−セリン誘導体とは
、出発基質であるリン脂質のリン酸構造部分と該リン脂
質の塩基、若しくはアルコール構造部分とのエステル結
合をホスホリパーゼDMの作用で加水分解すると同時に
上記反応に用いるd−セリンへ転移させて誘導した新し
いリン脂質誘導体を意味する。
〔従来の技術〕
ホスファチシールセリンはアミノ酸含有リン脂質として
特に脳、神経系、赤血球膜等に分布していることがよく
知られているが天然に存在するホスファチシールセリン
は全てホスファチジ−ルーl−セリンであり、このこと
は天然に存在するアミノ酸が全てl型であることと一致
している。従って天然には非天然型のd−セリンを含有
するホスファチジールーd−セリンの存在は知られてい
ない。ホスファチジ−ルーl−セリンを得る方法として
は上記したごとき生体より分離する以外にはキャベツ由
来のホスホリパーゼD転移反応によるレシチンとl−セ
リンからの酵素合成法が知られている。(P、 COM
FURIUS and R,F、A、 ZWAAL、旧
ochim、Biophys、  八cta、  48
8. 36(1977))、  (TAKAOTAKI
、 TAKASHI旧URA、and JULIAN 
N、KANFER,、Adv、Exp、Med、 Bi
ol、 101.301(1978))これに対してこ
れまで非天然型のd−セリン含有リン脂質に関しては何
も報告されておらず自然界に於いてはその存在は確認さ
れてはいないし、又酵素によって合成されたと言ったこ
と例も知られていない為、d−セリン含有リン脂質は生
化学的には生起しないものと考えられてきた。本出願人
は既にキャベツ由来のホスホリパーゼDとはその性質に
於いて著しく異なるホスホリパーゼDを生産する微生物
を発見しそのホスホリパーゼDの製造法に関して特開昭
58−63388.特開昭58−67183.特開昭6
0−164483に開示した。更に同出願人は、上記し
た微生物ホスホリパーゼDがキャベツ由来のホスホリパ
ーゼDとはアルコール化合物にリン脂質を転移反応させ
る能力において著しく異なることを発見しこのホスホリ
パーゼDを特にホスホリパーゼDMと命名しこのホスホ
リパーゼDMを用いたリン脂質誘導体の製造法に関して
特開昭59−187786.  特開昭59−1877
92.  特開昭59−187787.  特開昭60
−41494、特開昭61−88886.特開昭61−
88887.特開昭61−88888.特開昭61−8
8890.特開昭61−88891に開示した。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、従来天然には無く、又酵素合成でも生
起することが全く知られていないリン脂質−d−セリン
誘導体を効率よく製造する方法を提供することにある。
近年リン脂質誘轟体の界面化学特性や生理的、薬理的効
果が注目されており従来天然にはないリン脂質を酵素合
成することはリン脂質の新たな利用分野を開くものとし
て大変大きな意味がある。
〔問題を解決する為の手段〕
本発明者らはリン脂質のセリン誘導体として非天然型の
d−セリンを塩基に持つ非天然型の新規リン脂質−d−
セリン誘導体を効率よく製造する方法について鋭意研究
を重ねた結果、既に本発明者らによって発見されその製
造法に関して上記公報に開示したホスホリパーゼDMが
、従来知られるキャベツ由来ホスホリパーゼDでは生起
しない非天然型のリン脂質−d−セリン誘導体を多量生
成することを発見し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は下記式(1) 〔但し式中、Aは下記(i)、(ii)又は(iii 
)を示しここで、R+、 Rz及びR3は一〇〇〇R+
 1であるか及びRI!は同一でも異なっていてもよく
、R目はR+及びR1においてC1〜Co1t Rzに
於いてC8〜C2,。
RozはR,及びR3においてCb〜Czt 、R2に
おいて01〜CtZのそれぞれ飽和もしくは不飽和の脂
肪族炭化水素基を示し、A′はオキシドアニオン若しく
はヒドロキシを示し、Bは−(CHz) J+ (CH
I) 3.− (CHz) zNHz+ −CHIC)
12NH(CH3)、−CH2C)IJ(C1h)!、
−CH2CHOHCozou、若しくは−(CL)l、
lH(ここで、mは1〜5の数を示す〕、で表わされる
リン脂質と、d−セリンとをホスホリパーゼDMの存在
下に反応させることを特徴とする下記式(2) %式%(2) (但し式中、Aは上記したと同義であり、Hはlド。
NH貴、又は金属イオンを示し、Sはd−セリン残基)
で表わされるリン脂質d−セリン誘導体の製法に関する
かくして、繁雑かつ不利益な化学的合成手段を用いずに
極めて温和で容易な反応条件下において副反応を伴う恐
れもなしに、酵素法によってリン脂質−d−セリン誘導
体を製造出来る。
本発明方法で基質として利用する原料リン脂質は、市場
でも入手可能である他、公知の方法によって天然物より
抽出又は合成することが出来る。
そのような物としては例えば卵レシチン、大豆レシチン
、オキアミレシチン、などの動植物組織から得られる混
合リン脂質を初めこれ等から公知の手段で抽出分離、又
は合成されるリン脂質であってもよく例えば、ジアシル
型のリン脂質としてはレシチン、ケファリン、ホスファ
チシールグリセロール、ホスファチジン酸アルキルエス
テル等のリン脂質が、又グリセロリン脂質のアシル結合
の一つがアルキルエーテル結合やアルケニルエーテル結
合であるモノエーテルモノアシル型リン脂質としては、
例えば1−0−アルキル−2−アセチル−5n−グリセ
ロ−3−ホスホリルコリン、ブラスマローゲン等が、又
ジエーテル型リン脂質としては、例えばL−α−レシチ
ン−β、T−ジヘキサデシルが又シクロアルキルエーテ
ル型リン脂質として例えばL−α−レシチン−β、T−
ヘキサデシリジンなどのα型やβ型のリン脂質を例示出
来、又モノエーテル型リゾリン脂質としては例えば、L
−α−リゾレシチン−γ−ヘキサデシルが、又モノアシ
ル型リゾリン脂質としては例えばリゾレシチン、リゾケ
ファリンなどを例示出来る。
本発明に於いて、上記式(1)原料リン脂質とホスホリ
パーゼDMの存在下に転移反応せしめる受応体アルコー
ルのd−セリンは合成品が市販されているのでそのd、
l−混合体、望ましくはd一体を使用すればよい。
本発明方法で用いることの出来るホスホリパーゼDMと
しては例えば特開昭59−187786に開示されたノ
カルデオプシス(Nocardiopsis)属に属す
るホスホリパーゼDM生産菌、例えばノカルデオブシス
属患779株(PERM−BP 512 )や特開昭5
8−67183に開示されたアクチノマヂエーラ(Ac
tinoa+adura)属に属するホスホリパーゼD
M生産菌例えばアクチノマヂューラ属嵐362  (F
ERll−BP 511 )等を挙げることが出来る。
本発明で利用するホスホリパーゼDMはリン脂質例えば
レシチンとセリンとの転移反応に於いてd−セリン、!
−セリンいずれにも転移し誘導体を形成するのに対して
キャベツ由来のホスホリパーゼDなどはl−セリンにし
か転移せずこの点でも本発明で用いるホスホリパーゼD
Mとその他のホスホリパーゼDとを区別することができ
る。
本発明方法によれば、前記式(1)リン脂質とd−セリ
ンとを特開昭58−63388.特開昭58−6718
3、などにすでに詳しく述べたホスホリパーゼDMの存
在下に反応させることにより、前記式(2)で表わされ
るリン脂質−d−セリン誘導体を製造することが出来る
この際用いるホスホリパーゼDMは精製品でも粗製品で
も利用でき、更に適当な固定化担体例えばプロピレン膜
、各種強1弱イオン交換体吸着法、光硬化樹脂等による
包括法により固定化して利用することも出来る。
反応は、ホスホリパーゼDMの存在下で、好ましくは溶
媒の存在下に式(1)リン脂質とd−セリンとを接触せ
しめることにより行なうことが出来る。利用する溶媒の
例としては、水性溶媒及び水性溶媒と有機溶媒との混合
溶媒を例示することが出来る。又ホスホリパーゼDMの
酵素的触媒作用を阻害Cない任意の他の添加剤を含む溶
媒も利用出来、例えば該作用を促進したり、酵素、誘導
体の安定化に役立つ適当な添加剤を含有した溶媒である
ことが出来る。その様なものとしては、例えば牛血清ア
ルブミン蛋白、でんぷん等のWt、酢酸、クエン酸等の
有機酸及びその塩類、アミノ酸及びその塩類、塩酸、硫
酸、リン酸等の無機塩であり、そしてこれら上記の塩と
してはアンモニウム塩、Ha”、K”等のアルカリ金属
塩、Mg”+ Ca”。
Ha”、等のアルカリ土類金属塩、その他Fe”〜+1
゜Mn◆”、Zn令2.Al◆2〜◆2. cu+を等
の塩であることを例示することが出来る。そしてこれら
の塩類の添加濃度はリン脂質1モルに対して約0.1モ
ル以上含有した水性溶媒であることが出来る。更に有機
溶媒の例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなど
のごとき芳香族炭化水素類;アセトン、メチルイソプロ
ピルケトン、などのごときケトン類;ジメチルエーテル
、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどのご
ときエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのごとき
エステル類;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタ
ンなどのごときハロゲン化炭化水素類;第三級ブチルア
ルコール、第三級アミルアルコールなどのごとき第三級
アルコール類などを例示することが出来る。
水性溶媒を有機溶媒と混合溶媒の形で利用する場合の両
者の混 合比は適当に選択出来るが、例えば水性溶媒:
有機溶媒(v/v比)の比で50:1〜1:10のごと
き混 合比を例示することが出来る。
反応モル比、ホスホリパーゼDMの使用量、溶媒の使用
量などは適宜に選択出来るが、例えば、前記式(1)リ
ン脂質1モルに対しd−セリン約l:1〜1:100モ
ル比を例示することが出来る。
又、ホスホリパーゼDMの使用量としては、例えば、式
(1)リン脂質1g当り約10〜1000単位程度の使
用量を例示することが出来る。更に溶媒の使用量として
は、例えば、式(1)リン脂質に対して約2〜500倍
(容量)程度の使用量を例示出来る。反応は室温程度で
進行するので特に加熱、冷却の必要はないが例えば20
℃〜約60℃のごとき反応温度を例示することが出来る
。又反応時間も適宜に選択出来るが、例えば約1〜約9
6時間のごとき反応時間を例示することが出来る。必要
なら、例えばTLC(薄層クロマトグラフィー)などの
手法を利用し反応経過を追跡し、誘導体の生成を確認し
て反応時間を適宜決めてもよい。
ホスホリパーゼDMの存在下で式(1)リン脂質とd−
セリンとを接触せしめる態様は適宜に選択出来るが、攪
拌、もしくは振とう条件下で行なうのが普通である。又
、固定化酵素としてホスホリパーゼDMを利用する場合
にも固定化酵素膜、固定化酵素粒子層を介して反応組成
液を接触、循環させる態様により行なうことが出来る。
上述の反応において形成される式(2)リン脂質d−セ
リン誘導体は塩、又は遊離の形で回収、利用することが
出来る。誘導体の塩形成は反応時、水性溶媒に目的の上
記無機塩等を溶解することによっても形成させることが
出来る他、反応後反応液に塩を加えることでも形成出来
る。リン脂質誘導体は溶媒分画、ケイ酸カラムクロマト
、アルミナカラムクロマト、高速液体クロマト、遠心向
流分配抽出、ゲル濾過、吸着クロマト等の適当な方法を
用いて分離、精製することが出来る。本発明によれば、
上述した様にして、式(1)リン脂質とd−セリンとを
、ホスホリパーゼDMの存在下に反応させて式(2)リ
ン脂質d−セリン誘導体を製造することが出来る。
以下、実施例により本発明方法実施の態様について、更
に詳しく例示する。
〔実施例〕
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれにより何
隻制限されるものではない。
なお、ホスホリパーゼDMの活性測定法としては、下記
の方法を用いた。
5%卵黄レシチンエマルジョン(0,5g卵黄レシチン
10−蒸溜水の超音波乳化液)O,1m1. 0.IM
CaClz 0.05nf 、 7.5%Triton
X100溶液0.15m&、 pH5,50,IM T
ris−maleate緩衝液0.1−を混合し、これ
に酵素液0.1−を加え、37℃で10分間反応後、0
.05MEDTA−2Naを含むI M Tris−H
CI緩衝液(pH8,0)0.2 mlを加え、直ちに
5分煮沸して反応を完全に停止した。次にコリンエステ
ラーゼ測定用試薬〔日本商こと鵠製造〕のキットに含ま
れるコリン呈色溶解液に溶解した溶液4rn1を加え、
37℃で20分間反応後、500nmの吸光度を測定し
た。対照としては、あらかじめ熱失活した酵素液を用い
て同様に反応させたものの吸光度を測定した。そして、
1分間に1μmolのコリンを遊離する醇素を1単位と
した。
また、アクチノヂューラ属隘362株およびノカルデオ
ブシス属隘779株の生産するホスホリパーゼDMは、
本発明者らによって特開昭59−187792参考例1
に示したと同様な方法で培養及び精製を行った。
かくしてアクチノマヂエーラ属ホスホリパーゼDMの場
合には151の培養液(10u/d)から100−の精
製ホスホリパーゼDM(560u/mりを得、ノカルデ
オプシス属ホスホリパーゼDMの場合には、15βの培
養液(3u/mOから30−の精製ホスホリパーゼDM
溶液(560u / ml )を得た。
これらの精製ホスホリパーゼDMを下記実施例に使用し
た。
実施例1 下記(11〜α〔のリン脂質とd−セリンとを後掲TL
Cによる転移物確認方法に従って、ホスホリパーゼDM
の存在下で反応させ、リン脂質d−セリン誘導体の形成
を確認した。そのRf値を後掲第−表に示した。
基質(リン脂質) (1)L−α−レシチン、卵黄由来、(シグマ社)(2
)L−α−レシチン−β、γ−ジヘキサデカノイル(同
上) (3)L−α−ホスファチジルエタノールアミン、卵黄
由来、(同上) (4)L−α−ホスファチジルグリセロール、卵黄由来
、(同上) (5)L−α−リゾレシチン−γ−ヘキサデカノイル(
同上) (6)L−α−レシチン−β、γ−ジヘキサデシル(カ
ルビオケムーベーリング社) (7)L−α−レシチン−β、T−ヘキサデシリジン(
同上) (8)  β−レシチン−α、γ−ジヘキサデカノイル
(同上) (9)ホスファチジルコリンプラスマローゲン(フナコ
シ薬品) Qll−0−ヘキサデシル−2−o−アセチル−5n−
クリセロ−3−ホスホリルコリン(同上) TLCによるリン脂質d−セリン誘導体の生成確認法 下記組成 リン脂質         10  mgジエチルエー
テル     0.5− 0.1M酢酸緩衝液(pi45.5)   0.43 
tnlO,5M CaC1z         0.0
5 mfd−セリン        0.4g の反応液にホスホリパーゼDM水溶液0.02@Z (
11゜2u)を加え、30℃で24時間振とう反応した
。反応後0.05M EDTA 2 Na溶液1−を加
え更にクロロホルム−メタノール混液(2: lv/v
)5rdを加え激しく攪拌し生成物を抽出し静置した後
、下層のクロロホルム層を分取しTLCの試料とした。
このうち20μlをシリカゲル薄層(メルク社シリカゲ
ル60TLCプレート隘5721)にスポットし、クロ
ロホルム−アセトン−メタノール−酢酸−水(70: 
20 : 10 : 10 : 3v/v)を展開溶媒
として展開した。
スポットの検出には Zinzade試薬(リンの呈色
、Be1ss U、、 J、Chromatog、+ 
13+ 104+ 1964)とニンヒドリン試薬にニ
ンヒドリンの0.25%アセトン溶液、d−セリンのア
ミノ基の呈色)を用いた。検出されたスポットで未分解
の基質及びその加水分解物以外のスポットでニンヒドリ
ン呈色したスポットをリン脂質d−セリン誘導体と認め
そのRf値を第−表に示した。
第−表 リン脂質d−セリン誘導体のRf値実施例2 L−α−レシチン、卵黄由来(シグマ社)200■、ジ
エチルエーテル2Tn1、蒸溜水2−2−1NaC18
0、d−セリン0.6gにホスホリパーゼDM溶液0.
1+n/(56u)を加え、30℃で24時間振とう反
応を行った。反応後15rrIのクロロホルム−メタノ
ール(2: lv/v)を加え激しく振ってリン脂質を
抽出し、静置した後、下層のクロロホルム層を分取した
。このクロロホルム層を減圧乾固化した後1rn!のヘ
キサンに溶解した。この試料5μlをシリカゲル薄層(
メルク社シリカゲル60TLCプレートN[L5721
)にスポットし、クロロホルム−アセトン−メタノール
−酢酸−水(70: 20 : 10 : 10 : 
3 v/V)の溶媒系で展開したところ、3種類のリン
脂質が検出され、その2つはホスファチジン酸及びレシ
チンとRf値が一致し、残りはニンヒドリン試薬で呈色
したのでホスファチジルd−セリンであるとした。そこ
で、このリン脂質混合物を高速液体カラムクロマトグラ
フィーによる精製に供した。
カラムはラジアルバックカートリッジシリカ8mmx 
100111 (ウォーターズ社)溶離液はヘキサン−
イソプロパノ−ルー水(60: 80 : 12v/v
)ピークの検出には441型紫外線検出器及びR401
型示差屈折計(いずれもウォーターズ社)を用いた。試
料は0.2−づつ5回に分は注入し、ホスファチジン酸
、レシチン、ホスファチジルd−セリンの3成分を分取
した。得られたホスファチジルd−セリンはもう一度同
様な操作により精製し、精製ホスファチジルd−セリン
3■を得た。得られたホスファチジルd−セリンはTL
C上からは単一であった。
この化合物のIRスペクトルは日本分光A202型赤外
分光光度計を用い液膜法で測定した。この結果を第二表
に示した。(Run No 1 )次にL−α−レシチ
ン卵黄由来の代りにL−α−レシチン−β、T−ジヘキ
サデカノイル(シグマ社)又はL−α−レシチン−β、
γ−ジヘキサデシル(カルビオケムーベーリング社)を
用いて上記と同様に行い、精製し一α−ホスファチジル
d−セリンーβ、T−ジヘキサデカノイル及びL−α−
ホスファチジルd−セリンーβ、T−ジヘキサデシルを
得た。そのIRスペクトルを第2表に示した。(Run
患2,3) 第二表 リン脂質d−セリン誘導体のIR値実施例3 L−α−レシチン、卵黄由来(シグマ社)20■、ジエ
チルエーテル0.5 rBl、0.1M酢酸緩衝液(p
H5,5)0.43m#、0.5M CaC1z 0.
05 me、 d−セリンO14gの反応液にホスホリ
パーゼ0M水溶液0.02mF(11,2u)を加え3
0℃で24時間振とう反応した。
反応後0.05M BDTA 2 Na溶液1−を加え
更にクロロホルム−メタノール混液(2: lv/v)
 5−を加え激しく攪拌し生成物を抽出し静置した後、
下層のクロロホルム層を分取しホスファチジルd−セリ
ン生成量を求めその生成量を第三表に示した。
(Run阻1) 次にL−α−レシチン、卵黄由来の代りにL−α−レシ
チン−β、T−ジヘキサデカノイル(シグマ社)又はL
−α−ホスファチジルエタノールアミン、卵黄由来、(
同上)、L−α−ホスファチジルグリセロール、卵黄由
来、(同上)、L−α−レシチン−β、γ−ジヘキサデ
シル(カルビオケムーベーリング社)、1−o−ヘキサ
デシル−2−O−アセチル−5n−グリセロ−3−ホス
ホリルコリン(フナコシ 薬品)用い上記と同様に行い
リン脂質d−セリン誘導体の生成量を求めた。
その生成量を第三表に示した。(Run ll&12〜
6)さらに、上記に於いてホスホリパーゼDMO代りに
公知のキャベツ由来ホスホリパーゼD(ベーリンガー社
0.3 u/nw) 5nvを用いる他は上記と同様に
行いリン脂質d−セリン誘導体の生成量を求めた。その
生成量を第三表に示した。(RunNal〜6) 尚、ホスファチジルd−セリン及びリン脂質d−セリン
誘導体の生成量はイアトロスキャンにより求めた。即ち
、クロマロッド32(ヤトロン社シリカゲルロンド)に
リン脂質の2%クロロホルム溶液1μEをスポットし、
クロロホルム−アセトン−メタノール−酢酸−水(70
: 20 : 10 : 10 : 3v/v)を展開
溶媒として約Loan展開し、イアトロスキャン(ヤト
ロン社イアトロスキャンTHIO)にかけ、ピーク面積
比から成分の重量比を求めた。
(本頁以下余白) 第三表 リン脂質d−セリン誘導体の生成量第三表のイ
アトロスキャン分析の結果から、ホスファチジルd−セ
リン誘導体はホスホリパーゼDMでは生成するが、公知
のキャベツ由来ホスホリパーゼDでは生成しないことが
分かる。
実施例4 卵黄レシチン(キューピー社)10g、ジエチルエーテ
ル100 d、NaC14g、 d−セリフ30g、蒸
溜水100−、ホスホリパーゼ0M水溶液3 m (1
680U)を共栓付き三角フラスコに取り30℃にて2
4時間攪拌反応を行いホスファチジルd−セリンを調製
し、ホスファチジルd−セリン生成量を求めたところ7
0%だった。
尚、ホスファチジルd−セリンの生成量及び純度は実施
例3に示したイアトロスキャンにより求めた。
反応後静置しエーテル層を分取し、減圧下エーテルを除
去し、メタノールにてホスファチジルd−セリンを沈澱
させ、粗ホスファチジルd−セリン8gを得た。このホ
スファチジルd−セリンの純度は92%だった。次に粗
ホスファチジルd−セリン1gを10mfのヘキサン−
アセトン(2:1v/V)に溶解し10−のメタノール
を加え遠心分離を行い沈澱を得る操作を3回繰り返し、
乾固し・精製ホスファチジルd−セリン0.4gを得た
。この精製ホスファチジルd−セリンの純度は99%だ
った。
このようにホスファチジルd−セリンはヘキサン等に溶
解し、メタノール、エタノール、プロパツール、ブタノ
ール等のホスファチジルd−セリンを溶解しないアルコ
ールを加え沈澱させることにより精製できる。又ホスフ
ァチジル!−セリンも同様な方法により精製出来る。
〔発明の効果〕
本発明方法によれば、上述した様にして、式(1)リン
脂質とd−セリンとを、ホスホリパーゼDMの存在下に
反応させて、他のホスホリパーゼDでは生起したことが
ない式(2)リン脂質d−セリン誘導体を製造すること
ができる。
上記リン脂質誘導体はその構造からリポソーム形成基材
の他、乳化剤、分散剤、可溶化剤として食品、化粧品、
医薬品、農薬等に利用出来る。更に多くのリン脂質は特
異な生理活性を有することが知られているが、特にリン
脂質セリン誘導体にのみ認められ他のリン脂質では代用
出来ない薬理としてヒスタミン遊離作用(A、Goth
、 H,RAdams。
M、Knoohuizen、 5cience、 17
3.1034(1971))、 (J。
L、 Monger、 P 、 5vec、 Br、 
J、 Pharn+aco1. + 46+ 741 
(1972) ) +(A、Burni、 E、Big
on、 A、Batttstella、 E、Boar
ats。
L、Mietto、 G、Toffano、 Agen
ts Actions、14.619(1984))、
  脳エネルギー代謝調節作用、又はエネルギー消費抑
制作用(E、Bigon+ f!、Boarato、A
、Le−onG Toffano、 Br、J、Pha
rmac、 67、61H1979)、66゜167 
(1979) ) 、脳機能改善作用(G、Ca1de
rini、G、To−ffano、Internati
onal 5ociety for Neuroche
mist−ry 5atellite Meeting
、Page 36Jay 26−29(1985)+I
 ta l y)その他T−アミノ酪酸の脳への取込み
を促進することによる抗けいれん作用(ChwehA、
Y、 LescieS、W、、 J、Neuroche
m、38.691(1982))、(Taffano 
G。
Mazzari S、 Zanotti A、Brun
t A、+Neurochem、Res、+9、106
5(1984))などが知られている。これらの作用は
いずれも天然型のl−セリン誘導体において知られてい
ることではあるがその異性体である非天然型のd−セリ
ン誘導体においても同様の生理作用が期待できる。又、
d−セリン誘導体は生体内に於いての代謝変換として例
えば血液中でのホスホリパーゼA2の作用の受は方がl
−セリン誘導体とは同一ではなく緩慢であることも考え
られl−セリン誘導体とは異なる効果が加わることも予
想される。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、下記式(1) ▲数式、化学式、表等があります▼・・・(1) 〔但し式中、Aは下記(i)、(ii)又は(iii)
    ▲数式、化学式、表等があります▼・・・(i)▲数式
    、化学式、表等があります▼・・・(ii)▲数式、化
    学式、表等があります▼・・・(iii)を示しここで
    、R_1、R_2及びR_3は−OCOR_1_1であ
    るか若しくは−OR_1_2であるか、若しくはR_1
    とR_2、R_1とR_2は一緒になって▲数式、化学
    式、表等があります▼〔ここでnは11〜19の数を示
    す〕を表わし、上記に於いて、R_1_1及びR_1_
    2は同一でも異なっていてもよく、R_1_1はR_1
    及びR_3においてC_5〜C_2_1、R_2におい
    てC_1〜C_2_1、R_1_2はR_1及びR_3
    においてC_6〜C_2_2、R_2においてC_1〜
    C_2_2のそれぞれ飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化
    水素基を示し、A′はオキシドアニオン若しくはヒドロ
    キシを示し、Bは−(CH_2)_2N+(CH_3)
    _3、−(CH_2)_2NH_2、−CH_2CH_
    2NH(CH_3)、−CH_2CH_2N(CH_3
    )_2、−CH_2CHOHCH_2OH、若しくは−
    (CH_2)_m、H(ここで、mは1〜5の数を示す
    )を示す〕、で表わされるリン脂質と、d−セリンとを
    ホスホリパーゼDMの存在下に反応させることを特徴と
    する下記式(2)▲数式、化学式、表等があります▼・
    ・・(2) (但し式中、Aは上記したと同義であり、MはH^+、
    NH^+_3、又は金属イオンを示し、Sはd−セリン
    残基)で表わされるリン脂質d−セリン誘導体の製法。
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