JPS6310607Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の技術分野 本考案は片口金ハロゲン電球に係り、特に内部
リード線と単コイル状フイラメント脚部との接続
支持および封止構造の改良に関する。

従来技術 管球の一端に形成した封止（ピンチシール）部
を通して管球の内部に長短２本の内部リード線を
導入し、それら内部リード線の内端部間に２重コ
イル形フイラメントを架張するとともに管球内部
に不活性ガスおよびハロゲンを封入して成る電球
本体と、この電球本体の前記ピンチシール部側に
装着された口金とを具備する片口金ハロゲン電球
は既に知られている。

ところでこの種片口金ハロゲン電球についてそ
の製造乃至構造の簡易化を目的としてハロゲン電
球を第１図に示す如く構成したものが開発されて
いる。即ち長短２本の内部リード線１，２の内端
部を二重コイル形フイラメント３の単コイル状脚
部４，５に挿通させ、このコイル状脚部４，５の
一部をかしめてフイラメント固定部６，７を作り
且つこのフイラメント固定部６，７を管球８の排
気管封止部９およびピンチシール部１０にそれぞ
れ溶封して成るものが知られている。尚、図にお
いて１１，１２は内部リード線１，２の一端に接
続したモリブデン箔、１３，１４はモリブデン箔
１１，１２に一端が接続した外部リード線であ
る。また第２図は第１図の排気管封止部９の構造
を一部拡大して示す断面図である。

従来技術の問題点 第１図構成のハロゲン電球本体においては、構
造の簡易化乃至組立の容易化などを図り得るが、
尚次のような欠点がある。即ち、排気管封止部９
においてクラツクが生じリークを招いたり、点灯
時の破裂を招くなど不都合を問題がある。

本考案者はこのような事故につき、実験、検討
を重ねた結果、上記排気管封止部９のクラツク発
生は、この排気管封止部９に溶封埋設されている
単コイル状フイラメント脚部４の切断端面４′の
バリの存在によることを見出した。

考案の目的 本考案は上記ハロゲン電球本体の排気管封止部
９のクラツク発生原因の追求に基づき、排気管封
止部９のクラツク発生を全面的に防止しリークや
点灯時において破損（破裂）の恐れもなく安全に
実用に供しうる片口金ハロゲン電球を提供しよう
とするものである。

考案の要点 本考案は片口金ハロゲン電球において、特にハ
ロゲン電球の排気管封止部における内部リード線
と単コイル状フイラメント脚部との接続、封止の
構造を次のようにしたことをもつて特徴付けられ
る。即ち内部リード線のうち長いリード線の内端
部は略Ｕ字形に折り返され、当該Ｕ字形の内端部
全域にて前記単コイル状のフイラメント脚部を挿
通支持するとともに、前記単コイル状のフイラメ
ント脚部の先端をハロゲン電球本体の管内空間に
露出させて前記内部リード線のＵ字形の内端部お
よび前記単コイル状のフイラメント脚部をハロゲ
ン電球本体の排気管封止部に溶封埋設したもので
ある。

考案の実施例 本考案に係る片口金ハロゲン電球が具備するハ
ロゲン電球本体は基本的には第１図示の場合と同
様の構造を成しており、石英ガラスのような耐熱
透光性材料からなる管球８の一端にはピンチシー
ル部…封止部…１０が、また他端には排気管封止
部９が形成してある。しかしてピンチシール部１
０を通して管球８内部には長短２本の内部リード
線１，２が導入されており、排気管封止部９に延
びた長い方の内部リード線１はその先端部が内側
に略Ｕ字形に折り返してある。また上記内部リー
ド線１，２の内端部には二重コイル形フイラメン
ト３の両端にそれぞれ形成された単コイル状脚部
４，５に挿通し、フイラメント３を固定支持して
いる。これらフイラメント３の固定部６，７はそ
れぞれ管球８の排気管封止部９およびピンチシー
ル部１０に溶封してある。特に本考案において
は、長い方の内部リード線１側のフイラメント固
定部６の排気管封止部９は第３図に拡大して断面
的に示す如く構成してある。即ち内部リード線１
のＵ字形に折り返した部分全体に単コイルフイラ
メント脚部４を嵌合させ、且つその単コイル状フ
イラメント脚部４先端４′を管球８内空間に露出
させた状態で溶封させてある。

本考案の片口金ハロゲン電球は上記構成のハロ
ゲン電球本体を常套手段により口金と組合せるこ
とによつて構成される。

考案の効果 上記の如く管球８の排気管封止部９の構成を改
良した本考案に係る片口金ハロゲン電球によれば
排気管封止部９にフイラメント脚部４端面４′が
封止されていないためフイラメント脚部４端面に
存在するバリなどの影響、作用がなくなり、従つ
て排気管封止部９にクラツクが発生する恐れも全
面的に除去される。しかもこの排気管封止部９に
溶封された内部リード線１のＵ字形部分にはフイ
ラメント脚部が全域に亘つて嵌合されているこお
に伴ない点灯時の温度変化による熱膨張変化も上
記溶封されているフイラメント脚部４が吸収して
クラツク発生、強いては管球８のリークや破損の
抑制にも寄与する。このフイラメント脚部４が排
気管封止部９全域に存在することによる上記熱膨
張変化の吸収作用はこのハロゲン電球本体の製
造、組立工程において非常に有利でこれら工程の
自動化にも適すると云う効果を併せ有している。
さらに上記排気管封止部９の構成に伴ない封止工
程時残排気管内の空間を極小に管理することも容
易なため、点灯時の局所的低温部発生もなくな
り、早期黒化を容易に防止できるし、この早期黒
化防止の効果は管壁負荷が小さくなる程大きく、
管壁負荷約35W／cm以下の場合特に顕著である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の片口金ハロゲン電球が備えてい
るハロゲン電球本体の構成例を示す断面図、第２
図は第１図示のハロゲン電球本体の排気管封止部
を拡大して示す断面図、第３図は本考案に係る片
口金ハロゲン電球が具備するハロゲン電球本体の
排気管封止部の構成例を拡大して示す断面図であ
る。 １，２……内部リード線、３……二重コイルフ
イラメント、４，５……単コイル状フイラメント
脚部、８……ハロゲン電球の管球、９……排気管
封止部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 長短２本の内部リード線、この内部リード線の
   内端部を単コイル状のフイラメント脚部に挿通し
   固定支持された二重コイルフイラメントおよび前
   記内部リード線を封止導出したハロゲン電球本体
   と、前記リード線の封止導出側に装着した口金と
   を具備する片口金ハロゲン電球において、前記内
   部リード線のうち長いリード線の内端部は略Ｕ字
   形に折り返され、当該Ｕ字形の内端部全域にて前
   記単コイル状のフイラメント脚部を挿通支持する
   とともに、前記単コイル状フイラメント脚部の先
   端をハロゲン電球本体の管内空間に露出させて前
   記内部リード線のＵ字形の内端部および前記単コ
   イル状のフイラメント脚部をハロゲン電球本体の
   排気管封止部に溶封埋設したことを特徴とする片
   口金ハロゲン電球。