JPS6310429Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 産業上の利用分野 この考案はガス熱源の熱交換器で導入水を加熱
温水化して溶槽中に給湯したり、蒸気化してこの
蒸気を湯沸しに利用したり、あるいは導入水の流
量調節にて上記給湯用の温水と追焚き用蒸気の両
方を生じさせるようにしたガス風呂における熱交
換水の供給停止装置に利用される。

ロ 従来技術 従来におけるこの種ガス風呂にあつては、湯沸
しもしくは追焚きの停止の際、水元栓が閉止する
ことにより熱交換器のメインバーナが消火するよ
うになつている。従つて上記停止の直後には熱交
換器内の水回路中に高温水もしくは蒸気が残留
し、利用されないまま冷えるにまかされることに
なり、この残留量が例えば一般的な家庭用ガス風
呂で約２〜３にもなることから、熱エネルギー
的に大きな損失となり、省資源の観点からも好ま
しくない。

ハ 考案の目的 この考案は上記従来の欠点を解消するためにな
されたもので、湯沸しもしくは追焚きの停止時に
水元栓が遅延して閉止することにより、熱交換器
内に高温水もしくは蒸気を残留させずに溶槽へ送
り込んで熱的損失を少なくするようにしたガス風
呂用熱交換水の供給停止装置を提供するものであ
る。

ニ 考案の構成 この考案は、ガス熱源の熱交換器で導入水を加
熱して温水または／および蒸気として溶槽に供給
する構成のガス風呂において、水導入口から熱交
換器に至る水回路中に弁室を設け、この弁室内に
表裏面の差圧により作動するダイヤフラム弁を弁
体とした水元栓を形成し、ダイヤフラム弁表面側
を通り水元栓にて開閉される流路を主流路とする
と共に、この主流路の上流側より分岐してダイヤ
フラム弁裏面側を通り主流路の下流側に合流する
副流路を設け、この副流路の合流位置手前に、当
該副流路を開閉する水元栓誘導弁を取付けてな
り、誘導弁が開放し、これに伴なう副流路側の減
圧にてダイヤフラム弁が作動して水元栓が開放さ
れ、ガス熱源が着火すると共に、誘導弁が閉止
し、これに伴なう副流路側の増圧にてダイヤフラ
ム弁が作動して水元栓が遅延して閉止し、且つガ
ス熱源を消火させることを特徴とするガス風呂用
熱交換水の供給停止装置に係る。

ホ 実施例 第１図において、１は浴室、２は浴室１内に設
置された浴槽、３は浴室１の壁面に嵌装された操
作パネル、４は浴室１外に設置された湯沸装置本
体、５は本体４内に設置された熱交換器、６はガ
ス入口６ａよりガスを導入してパイロツトバーナ
７とサブパイロツトバーナ８とメインバーナ９と
にガスを送るガス供給回路、１０は水入口１０ａ
より導入した水を熱交換器５へ送る水供給回路、
１１は熱交換器５にて加熱された温水または蒸気
を浴槽２内へ送る搬送管である。

操作パネル３の前面には、点火用押釦１２、湯
沸用押釦１３、停止用押釦１４、タイマー１５、
バツテリーチエツカー１６、点火確認表示器１７
が配されている。また操作パネル３の内側には、
湯沸用押釦１３とタイマー１５とを操作不能に維
持するロツク機構１８が配設され、これは点火用
押釦１２の押し込みによつてロツク解除されると
共に停止用押釦１４の押し込みにてロツク状態に
復帰する。１９はタイマースイツチ、２０は湯沸
時安全スイツチ、２１は電路スイツチ、２２は浴
湯２３の水位が定レベルに達した際に作動するレ
ベルスイツチ、２４はレベルスイツチ２２に浴湯
２３の水頭圧を伝える受圧管、２５はストツパー
である。２６ａ，２６ｂ，２６ｃはそれぞれリモ
コンワイヤを内蔵したリモコンケーブルで、操作
パネル３の操作を本体４に伝達するものである。

ガス供給回路６は、ガス入口６ａ側からフイル
ター２７、ガス用電磁弁２８、点火用押釦１２に
より操作される弁軸２９が配設され、弁軸２９の
配設位置で上流側から順にパイロツトバーナ用ガ
ス通路３０、スプリング付きガス弁３１にて開閉
されるサブパイロツトバーナ用ガス通路３２、弁
軸２９にて開閉されるメインバーナ用ガス通路３
３の３つのガス通路に分岐している。しかしてメ
インバーナ用ガス通路３３には上流側から水圧駆
動するガス弁３４、ガバナ３５、季節による水温
変動に対応してガス流量を調整する能力切替つま
み３６が配され、出口端にノズル３７を形成した
マニホールド３８が設けてある。

一方、水供給回路１０は、水入口１０ａ近傍に
フイルター３９および逆止弁４０を設けてその下
流側に弁室４１を形成している。この弁室４１内
には、第２図で示す如く水路を該弁室４１の入口
４１ｂ部分で主流路４２と副流路４３とに分岐さ
せる形で略円盤状のゴム等の弾性材料からなるダ
イヤフラム弁４４が装着されている。このダイヤ
フラム弁４４は、主流路４２側へ凸状となつた厚
肉の中央部４４ａとその周囲の薄肉部４４ｂとか
らなり、周縁部４４ｃで壁体４１ａに嵌着され、
また薄肉部４４ｂが副流路４３側へ環状に膨出し
ていることと表面側で主流路４２の閉止を行うこ
とにより閉止時は副流路４３側すなわち裏面が主
流路４２側すなわち表面よりも広面積となつてい
る。しかして主流路４２ではダイヤフラム弁４４
を弁体とした水元栓４５が構成されている。一
方、副流路４３はダイヤフラム弁４４の裏面側を
通つて弁室４１外へ導出され、水元栓４５の出口
側で主流路４２に合流しており、この合流位置手
前にタイマー１５からのリモコンケーブル２６ｃ
に接続した水元栓誘導弁４６が介装されている。
４７は副流路４３の入口部分に配された流量調節
用ニードル弁である。

弁室４１より下流には、ガス弁３４に一体化さ
れてその駆動部を構成するダイヤフラム型水圧弁
３４ａが配され、続いて温水−蒸気切換室４８が
設けてある。この切換室４８では、水路が入口側
オリフイス部４９ａに流量調整用ニードル弁５０
を備えて且つばね５１にて押圧付勢されたダイヤ
フラム５２の環状溝５２ａを通る蒸気化用流路４
９と、該流路４９より広く且つ湯沸用押釦１３か
らのリモコンケーブル２６ｂに接続した切換弁５
３にて開閉する温水化用流路５４とに分岐し、且
つ両流路４９と５４は切換室４８の出口側で合流
している。尚、切換室４８におけるダイヤフラム
５２はスタビライザとして機能する。５５，５６
はそれぞれ水元栓誘導弁４６と切換弁５３とに取
付けられた連動機構を示す。

５７は水供給回路１０に対して水元栓４５の下
流側で接続した排水回路で、排水口５７ａに至る
流路途上に上流側から、ガス弁３４に連動する排
出弁５８と、外気温を検知して所定温度以下、例
えば外気温が１０℃以下に下降した場合に開放す
るようになされた温度検知弁５９とが配設されて
いる。６０は熱交換器５内の加熱用配管部１０ｂ
と搬送管１１との接続部１１ａ手前に設けられた
過圧安全弁、６１は上記接続部１１ａに設けられ
た真空破壊弁である。

次に電気系統について示す。６２は弁軸２９の
テーパー部２９ａの接触にてスイツチオンする点
火用スイツチ、６３は電池、６４は点火用スイツ
チ６２と同時にスイツチオンしてガス用電磁弁２
８を作動させるクイツク用スイツチ、６５はコン
デンサ、６６は点火用スイツチ６２に接続したト
ランス、６７はトランス６６に接続してサブパイ
ロツトバーナ８に点火する点火プラグ、６８はパ
イロツトバーナ７の点火による熱を受けて起電力
を生じる熱電対、６９は接続部１１ａにおける温
度スイツチ、７０は過加熱を生じた時に回路遮断
する温度ヒユーズ、７１は湯沸装置本体４と操作
パネル３との間の電気配線をまとめた接続コード
である。

上記構成のガス風呂において、浴槽２に浴湯２
３を供給するには、先ず点火用押釦１２を押し込
む。この操作により、ロツク機構１８が外れて湯
沸用押釦１３とタイマー１５とがそれぞれセツト
可能になると共に、リモコンケーブル２６ａのワ
イヤの押圧力で弁軸２９が駆動し、ガス用電磁弁
２８の弁体２８ａが押し上げられてガス入口６ａ
よりガスが流入し、同時にガス弁部２９ｂにてメ
インバーナ用ガス通路３３が閉じ、パイロツトバ
ーナ用ガス通路３０およびサブパイロツトバーナ
用ガス通路３２が開いて、ガスがパイロツトバー
ナ７とサブパイロツトバーナ８に供給される。一
方、弁軸２９の作動により点火用スイツチ１２が
入り、電池６３より点火トランス６６に通電さ
れ、サブパイロツトバーナ８と点火プラグ６７間
に火花が連続的に発生し、サブパイロツトバーナ
８が点火し、これに続いて近接のパイロツトバー
ナ７にも点火する。この点火の状況は、点火トラ
ンス６６から分岐した電路を介して操作パネル３
に伝えられ、バツテリーチエツカー１６が点滅す
ることにより浴室１内で確認される。この時、電
池６３の容量が低下している場合はバツテリーチ
エツカー１６が点滅しないことにより、電池交換
時期が知らされる。また、弁軸２９の作動により
クイツク用スイツチ６４が入り、コンデンサ６５
より電流が流れ、ガス用電磁弁２８の弁体２８ａ
が瞬時に開路状態で吸着保持され、更にパイロツ
トバーナ７の着火による熱電対６８の起電力で自
己保持し、且つ点火確認表示器１７の表示色が変
化し、該着火が浴室１内で検知される。この着火
を確認してから、点火用押釦１２の押圧を解除す
ると弁軸２９が戻り、これに伴なつてサブパイロ
ツトバーナ用ガス通路３２がスプリング付きガス
弁３１にて閉止してサブパイロツトバーナ８は消
火し、点火プラグ６７の放電も停止するが、パイ
ロツトバーナ７は燃焼を継続し、また弁体部２９
ａの離脱によりメインバーナ用ガス通路３３の入
口部分が開放される。

次にタイマー１５をセツトすれば、リモコンケ
ーブル２６ｃのワイヤの押圧力により水元栓誘導
弁４６が第２図示一点鎖線の如く開弁する。この
時、弁室４１内では副流路４３側が減圧して圧均
衡が破れ、ダイヤフラム弁４４が第２図示一点鎖
線の如く副流路４３側へ変位し、水元栓４５が開
放されて主流路４２にも水が導通する。続いて水
圧弁３４ａが水圧により作動して一体のガス弁３
４が開放され、メインバーナ９へガスが供給さ
れ、パイロツトバーナ７の焔にてメインバーナ９
が着火し、また排水回路５７の排水弁５８がガス
弁３４に連動して閉止状態となる。一方、切換弁
５３は開放状態にあり、水供給回路１０を流れる
水は切換室５２内で主として温水化用流路５４を
通る。しかして熱交換器５内でメインバーナ９に
て加熱されて温水化し、搬送管１１を通して浴槽
２内へ供給される。

所要時間の給湯が終了してタイマー１５が停止
すると、即座にタイマースイツチ１９が開放さ
れ、熱電対６８からの起電力が遮断されてガス用
電磁弁２８がガス回路６を閉止してパイロツトバ
ーナ７及びメインバーナ９が消火し、同時にリモ
コンケーブル２６ｃのワイヤの引張力により水元
栓誘導弁４６が閉弁し、弁室４１における副流路
４３が閉止する。この時、弁室４１内のダイヤフ
ラム弁４４は、表裏面の面積差に基いて副流路４
３側から受ける圧力が主流路４２側からの圧力よ
りも大となり、この差圧により副流路４３内への
水の充満を伴ないつつ閉弁作動し、水元栓４５を
閉止する。従つて水元栓４５は水元栓誘導弁４６
の作動に遅延して作動することになり、この遅延
過程で冷水が送られ熱交換器５内の加熱用配管部
１０ｂおよび搬送管１１内にあつて既に高温化し
ている温水が浴槽２内へ送り込まれ、両管１０
ｂ，１１には冷水が置換される。

更に上記給湯後に追焚きを行なう場合、先ず点
火用押釦１２を押込んでパイロツトバーナ７を点
火させ、点火確認後、湯沸用押釦１３を押し込
む。この操作によりリモコンケーブル２６ｂのワ
イヤの押圧力で切換弁５３が作動して切換室５２
における温水化用流路５４が閉止され、これと同
時に連動機構５５，５６により水元栓誘導弁４６
が開弁し、前述と同様に水元栓４５およびガス弁
３４が開弁してメインバーナ９に着火する。この
場合、水供給回路１０を流れる水は、切換室５２
において狭い蒸気化用流路４９を通つて流量制限
される結果、熱交換器５内で定量の水に対する加
熱熱量が大きくなつて加熱用配管部１０ｂ内で蒸
気化して搬送管１１を通り、レンサ７３より微細
な気泡として吐出され、浴湯２３と熱交換する。
しかして所要の追焚きが終了して湯沸用押釦１３
を復帰させると、切換弁５３が復帰して温水化用
流路５４を開放し、これと同時にガス弁３４を閉
弁してメインバーナ９を消火させる。他方水元栓
誘導弁４６も閉弁し、前記と同様に水元栓４５が
遅延して閉弁する。この遅延作用により加熱用配
管部１０ｂおよび搬送管１１内の蒸気は置換する
冷水によつて浴槽２内へ送り出される。

停止用押釦１４を押すとガス用電磁弁２８が閉
弁作動してガス供給回路６が閉止され、これと共
にパイロツトバーナ７が消火し、ロツク機構１８
もロツク状態に復帰し、運転が停止される。

尚、上記実施例では特定型式のガス風呂につい
て説明したが、この考案は種火点火機構、湯沸機
構、追焚き機構等が種々異なるガス風呂について
も同様に適用できる。

ヘ 考案の効果 この考案によれば、熱交換器へ水を送る水供給
回路の水元栓が湯沸しおよび追焚きの停止に遅延
して作動するので、該停止時に熱交換器内で既に
高温化している温水または蒸気が上記遅延過程で
流入する冷水にて浴槽内へ押し出される。従つて
熱交換器内で温水または蒸気が残留せず、ガス風
呂の熱の利用効率が著しく向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例に係るガス風呂用
熱交換水の供給停止装置を適用した湯沸装置とそ
の操作部を示す縦断面図、第２図は上記湯沸装置
における水供給回路の要部を示す縦断面図であ
る。 ２……浴槽、５……熱交換器、９……メインバ
ーナ（ガス熱源）、１０……水供給回路、４１…
…弁室、４２……主流路、４３……副流路、４４
……ダイヤフラム弁、４５……水元栓、４６……
水元栓誘導弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ガス熱源の熱交換器で導入水を加熱して温水ま
   たは／および蒸気として浴槽に供給する構成のガ
   ス風呂において、熱交換器への水供給回路に弁室
   を設け、この弁室内に表裏面間の差圧にて作動す
   るダイヤフラム弁を弁体とした水元栓を形成する
   と共に、該水元栓にて開閉するダイヤフラム弁表
   面側を主流路とし、この主流路の上流側から分岐
   してダイヤフラム弁裏面側を通り主流路の下流側
   に合流する副流路を設け、且つ副流路内に当該副
   流路を上記合流位置手前で開閉する水元栓誘導弁
   を取付けてなり、ガス熱源の着火状態下で該誘導
   弁と水元栓とが開放し、該誘導弁がガス熱源の消
   火と同時に閉止するに伴ない水元栓が遅延して閉
   止することを特徴とするガス風呂用熱交換水の供
   給停止装置。