JPH0134042Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、洗面用、シヤワー用、台所用等の一
般給湯のみならず、主として浴槽内に高温温水又
は蒸気混じりの高温温水を直接に噴出させてその
浴槽水を加熱昇温（追焚き）させる場合等の高温
給湯をも選択的に行なえるようになされた瞬間給
湯器で、詳しくは、水加熱用熱交換器への給水量
を大小二段に切替可能な流量切替機構と、前記熱
交換器を一般給湯用流路と高温給湯用流路とに択
一的に接続切替可能な流路切替機構とが備えられ
ている一般給湯・高温給湯切替式瞬間給湯器に関
する。

従来のこの種の一般給湯・高温給湯切替式瞬間
給湯器においては、一般給湯・高温給湯の切替操
作具に対して、前記の両切替機構がワイヤ等を介
して機械的に連係されていたが、これによるとき
は、次のような欠点があつた。

つまり、高温給湯から一般給湯に切替える際切
替操作具の切替えに連動して両切替機構を直ちに
切替作動させるべく構成すると、一般給湯の切替
状態において給湯カランやシヤワー栓等を開いた
とき、熱交換器からの出湯路内に残留の高温温水
が不測にその給湯カランやシヤワーノズルから噴
出して、使用者等が火傷を負うなどの危険があ
る。このように、高温給湯から一般給湯への切替
え時の安全を期するには、切替操作具の切替えに
連動して両切替機構を直ちに一般給湯の状態に切
替作動させることなく、流量切替機構が大流量側
に切替わり、その大流量故の温度希釈作用によ
り、残留温水温度が一般給湯温度又はそれに近い
温度にまで低下した後に流路切替機構が一般給湯
用流路への接続状態に切替わるように、時間的に
相前後して両切替機構が連動作動されることが肝
要である。然し乍ら、切替操作具に対して両切替
機構が機械的に連動されている従来のものでは、
その機械式連動機構をもつて、流路切替機構を前
記のように遅延切替作動させるべく構成すること
が構造的、技術的に非常にむずかしい。そのた
め、一般には、先に本考案者等が提案したよう
に、切替操作具が一般給湯位置に操作されても出
湯温度が一般給湯温度に低下するまでは一般給湯
用流路との接続状態への切替えを阻止するワツク
スペレツトなど感温具利用の切替牽制機能等の遅
延機能を有するものに前記の流路切替機構を構成
していたが、この場合は、流路切替機構全体が構
造複雑で、かつ、高価なものになる欠点があり、
更に、機械的連係故に使用に伴なう経年的な摩耗
や損傷等に起因して遅延作動に狂いが生じ、低温
一般給湯といつた本来作用を長年月にわたつて維
持することがむずかしい欠点があつた。

本考案は、上記従来欠点を解消しようとする点
に目的を有する。

上記目的達成のために講じた本考案による一般
給湯・高温給湯切替式瞬間給湯の特徴構成は前記
両切替機構がともに電動式に構成されているとと
もに、一般給湯・高温給湯の切替操作具の高温給
湯位置から一般給湯位置への切替操作に連動し
て、前記流量切替機構を大流量状態に自動切替え
し、この切替えから設定時間経過後に前記流路切
替機構を一般給湯用流路への接続状態に自動切替
えする電気式連動機構が設けられている点にあ
る。

上記特徴構成を有する本考案の作用、効果は次
の通りである。

つまり、両切替機構が電動式であるとともにこ
れら両切替機構と切替操作具との連動機構が電気
式であるから、その連動のための電気回路に遅延
回路を組込むなどの極く簡単な回路技術の応用に
より切替操作具と両切替機構との連動関係を自由
に、かつ適切に設定することが容易であり、ま
た、その設定された順位、タイミングでの切替作
動を長年月にわたつて確実、正確に維持すること
ができる。従つて、切替操作具と両切替機構とを
機械的に連動させていた従来のものに比較して、
切替操作具と両切替機構とを高温給湯から一般給
湯への切替え時に、給湯カランやシヤワーノズル
等から不測に高温温水が噴出することなく、給湯
栓やシヤワー栓等が開かれたときには、そこから
確実に一般給湯温度又はそれに近い温度の温水を
出湯させて使用上の安全性を確保することができ
る状態で、連動させるための機構を、構造簡単、
安価に構成でき、かつ、上述の使用安全効果を長
年月使用に際して確実に保持できる効果を奏する
に至つた。

以下、本考案構成の実施例を図面に基いて説明
する。

水加熱用熱交換器１と、水加熱用燃焼部２と強
制給排気フアン３とを備えた強制給排気型の瞬間
給湯器であつて、これは、前記熱交換器１への給
水量を大小二段に切替可能な流量切替機構４を備
えるとともに、前記熱交換器１からの出湯路１Ａ
を給湯カラン５やシヤワーノズル６等への一般給
湯用流路a₁に接続させる第１状態と、浴槽７内に
浴槽水を加熱するための高温温水を噴出供給する
高温給湯用流路a₂に前記出湯路１Ａを接続させる
第２状態とに切替可能な流路切替機構８を備え、
かつ、これら両機構４，８を操作具９の切替動作
に連動して自動切替えする電気式連動機構Ａを備
えている。

前記燃焼部２は、メインバーナ２Ａとパイロツ
トバーナ２Ｂとサブパイロツトバーナ２Ｃ及び点
火プラグ２Ｄとを備えていて、前記燃焼部２への
燃料ガス供給路ｂには、点火操作具１０の点火操
作により開作動し、かつ、前記パイロツトバーナ
２Ｂの燃焼炎により加熱される熱電対１１の起電
力をもつてその開作動状態に保持される、つま
り、パイロツトバーナ２Ｂが消火したとき、全バ
ーナ２Ａ，２Ｂ，２Ｃへのガス供給を自動停止す
るセフテイバルブ１２と、前記メインバーナ２Ａ
へのガス供給路部分を開閉するメイン電磁弁１３
と、ガスガバナ１４及び、前記メインバーナ２Ａ
へのガス供給量を大・中・小の三段階に切替える
ガス量調節装置１５とが介装されている。前記ガ
ス量調節装置１５は、オリフイス１５ａと、この
オリフイス１５ａにバイパス接続する二つの通路
を夫々、開閉する電磁弁１５Ａ，１５Ｂとを設
け、もつて、両電磁弁１５Ａ，１５Ｂの閉により
小ガス量状態を、第１電磁弁１５Ａのみの開によ
り中ガス量状態を両電磁弁１５Ａ，１５Ｂの開に
より大ガス量状態を夫々現出すべく構成されてい
る。

前記流量切替機構４は、熱交換器１への給水路
１Ｂに、水ガバナ４Ａと、オリフイス４ａ付きの
小流路４Ｂと、これにバイパス接続する大流路４
Ｃ及び、この大流路４Ｃを開閉する電磁弁４Ｄと
を介装し、もつて、電磁弁４Ｄの開により大小両
流路４Ｂ，４Ｃを介して大流量給水を行ない、か
つ、電磁弁４Ｄの閉により小流路４Ｃのみを介し
て小流量給水を行なうべく構成されている。

前記流路切替機構８は、モータ８Ａを介して駆
動される三方切替弁８Ｂを設けるとともに、この
三方切替弁８Ｂの回転軸８ａに付設のカム８ｂで
操作されることにより、三方切替弁８Ｂが第１状
態及び第２状態になつたとき、前記モータ８Ａを
自動停止するスイツチS₁を設けて構成されてい
る。前記スイツチS₁は、前記三方切替弁８Ｂが第
２状態にあることを検出するセンサーを兼用する
ものである。

もつて、瞬間給湯器は、流量切替機構４を大流
量状態に切替えするとともに、ガス量調節装置１
５を大・中・小いずれかのガス量状態に選択切替
えすることにより、一般給湯用の高温又は中温若
しくは低温温水を発生させ、流量切替機構４を小
流量状態に切替えするとともに、前記ガス量調節
装置１５を中ガス量状態に切替えすることによ
り、高温給湯用の高温温水を発生させるべく構成
され、かつ、前記流量切替機構４に連動した流路
切替機構８の切替作動により、一般給湯と高温給
湯とを択一的に行なえるべく構成されている。

前記電気式連動機構Ａは、前記切替操作具９の
高温給湯位置から一般給湯位置への切替に連動し
て可逆的にOFFする切替スイツチS₂と、この切
替スイツチS₂のOFFにより、前記流量切替機構
４の電磁弁４Ｄを自動開作動させ、この電磁弁４
Ｄの開作動から設定時間T₁経過後に前記流路切
替機構８のモータ８Ａを第１状態側に自動作動さ
せる一方、前記切替操作具９の一般給湯位置から
高温給湯位置への切替えに伴なう前記切替スイツ
チS₂のONにより、前記モータ８Ａを第２状態側
に自動作動させ、この自動作動で三方切替弁８Ｂ
が第２状態に切替わつて前記のセンサースイツチ
S₁がONすることにより、前記電磁弁４Ｄを自動
閉作動させる機能を備えたコントローラA′とを
備えている。

前記コントローラA′は、両切替機構４，８を
制御する前記の機能に加えて、次に列記する機能
を備えている。

(1) 前記点火操作具１０の点火操作により可逆的
にONする点火スイツチS₃のONによつて点火
プラグ２Ｄに対するイグナイターを点火作動さ
せる機能。

(2) ガス量調節具１６の３位置切替操作により前
記ガス量調節用の両電磁弁１５Ａ，１５Ｂを開
閉させる機能。

(3) 前記熱交換器１への給水により可逆的にON
する水流スイツチFSのONによつて、前記メイ
ン電磁弁１３を開作動させるとともに、前記強
制給排気フアン３を作動させ、かつ、前記ガス
量調節具１６に優先して前記ガス量調節用両電
磁弁１５Ａ，１５Ｂを設定時間T₂にわたつて
閉作動状態に保持する機能。

(4) 前記水流スイツチFSのOFFにより、メイン
電磁弁１３及びガス量調節用両電磁弁１５Ａ，
１５Ｂを閉作動させるとともに、スイツチ
OFFから設定時間T₃後に前記フアン３を停止
させる機能。

図中１７は、給水量を変更して給湯温度を調節
するための温調ハンドルであり、S₅は、電源スイ
ツチであり、１８は浴槽水の給湯器への逆流を防
止するバキユームブレーカである。

上記実施例構成によれば、点火→一般給湯使用
→消火の運転モードでは、第３図に示すように動
作し、点火→高温給湯使用→消火の運転モードで
は、第４図に示すように動作し、一般給湯使用→
高温給湯使用→一般給湯使用の運転モードでは、
第５図に示すように動作する。

つまり、(イ)点火にあつては、ガス量小での緩点
火が行なわれ、(ロ)一般給湯から高温給湯への切替
えにあつては、流路切替機構８が高温給湯用流路
a₂への接続状態に切替作動したことの確認をもつ
て、流量切替機構４が小流量側に切替わり、か
つ、ガス量調節用第１電磁弁１５Ａが開作動し、
(ハ)高温給湯から一般給湯への切替えにあつては、
流量切替機構４が大流量状態に切替作動してから
設定時間T₁が経過したときに、流路切替機構８
が一般給湯用流路a₁への接続状態に切替わる。

従つて、(イ)により安全点火を行なえ、(ロ)によ
り、流路切替機構８が一般給湯用流路a₁への接続
状態に切替わつている状態での高温給湯や流路切
替機構８の故障等により、この切替機構８が確実
に高温給湯用流路a₂への接続状態に切替わつてい
ない状態での高温給湯といつた、給湯カラン５や
シヤワーノズル６から高温温水が出湯される可能
性がある危険使用を確実に回避することができ、
(ハ)により、残留高温温水が給湯カラン５やシヤワ
ーノズル６から出湯される危険を確実に回避でき
る。

前記各設定時間T₁，T₂，T₃の実数値例を挙げ
ると、T₁＝15±５秒、T₂＝３±１秒T₃＝10±４
秒であるが、T₁は、給水量や配管長さ等に応じ
て、流路切替機構８が切替作動したときには、そ
の流路切替機構８の位置まで一般給湯温度の温水
が達しているように設定される。

尚、セフテイバルブ１２は、開作動初期の設定
時間T₄（実数値例を挙げると、20±５秒である。）
にわたつては、点火操作具１０を介する手動操作
によつて開作動状態に保持されるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は概念図、第２図は要部の拡大断面図、
第３図乃至第５図はタイムチヤートである。 １……水加熱用熱交換器、４……流量切替機
構、a₁……一般給湯用流路、a₂……高温給湯用流
路、８……流路切替機構、９……切替操作具、Ａ
……電気式連動機構。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 水加熱用熱交換器１への給水量を大小二段に
   切替可能な流量切替機構４と、前記熱交換器１
   を一般給湯用流路a₁と高温給湯用流路a₂とに択
   一的に接続切替可能な流路切替機構８とが備え
   られている一般給湯・高温給湯切替式瞬間給湯
   器において、前記両切替機構４，８がともに電
   動式に構成されているとともに、一般給湯・高
   温給湯の切替操作具９の高温給湯位置から一般
   給湯位置への切替操作に連動して、前記流量切
   替機構４を大流量状態に自動切替えし、この切
   替えから設定時間経過後に前記流路切替機構８
   を一般給湯用流路a₁への接続状態に自動切替え
   する電気式連動機構Ａが設けられている一般給
   湯・高温給湯切替式瞬間給湯器。 前記流路切替機構８が、高温給湯用流路a₂へ
   の接続状態にあることを検出するセンサーS₁を
   備えたものである実用新案登録請求の範囲第
   項に記載の一般給湯・高温給湯切替式瞬間給湯
   器。 前記流路切替機構８が、前記切替操作具９の
   高温給湯位置への切替操作に連動して、高温給
   湯用流路a₂への接続状態に自動切替えされるも
   のであり、前記流量切替機構４が、前記流路切
   替機構８のセンサーS₁の検出作動に連動して小
   流量状態に自動切替えされるものである実用新
   案登録請求の範囲第項に記載の一般給湯・高
   温給湯切替式瞬間給湯器。