JPS6112519Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、蒸気や高温湯等の高温流体を浴槽貯
留水に混合させて浴槽貯留水を加熱する所謂追焚
と、給湯カランやシヤワー等に低温湯を供給する
一般給湯とを択一的に行えるようにした風呂用給
湯装置に関し、詳しくは、給水路からの供給水を
加熱する燃焼式の加熱装置を、浴槽の下部に配設
した吐出器に対して浴槽内貯留水加熱用の高温流
体を供給する追焚状態と、一般給湯用の出湯栓に
対して低温湯を供給する一般給湯状態とに択一的
に切換える操作具を設け、前記加熱装置に、種火
による加熱よつて熱電力を発生する熱電対と、そ
の熱電対の起電力により開弁状態を保持する閉じ
付勢型の安全燃料弁とを備える種火式安全装置を
付設し、加熱装置に燃焼不良や立ち消え等が生じ
たときには、それに伴う熱電対の起電力低下をも
つて、閉じ付勢型の安全燃料弁をその自己閉じ付
勢力で自動的に開弁作動させるようにした風呂用
給湯装置に関する。

〔従来の技術〕 従来、上記の如き風呂用給湯装置においては、
誤操作等により、浴槽貯留水が十分に無いにもか
かわらず、浴槽の下部に配設した吐出器から追焚
用の高温流体が吐出されてしまうことを防止する
ために、浴槽における貯留水位が設定以上である
ときに閉成するレベルスイツチを設けると共に、
そのレベルスイツチが閉成しているときにのみ種
火式安全装置における熱電対から閉じ付勢型安全
燃料弁への開弁保持用電力の供給が可能となるよ
うに、熱電対から安全燃料弁への電源回路にレベ
ルスイツチの接点を介装していた。

つまり、浴槽貯留水が十分に無いときには、レ
ベルスイツチの開成をもつて熱電対の起電力によ
る安全燃料弁の開弁保持を不能とすることで、加
熱装置での水加熱そのものを不能とし、それによ
つて、誤操作等に起因した追焚用高温流体の不測
の浴槽吐出を防止して安全を確保するようにして
いた（文献を示すことができない）。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、上述の如き従来装置にあつては、浴槽
貯留水が十分に無いときの追焚用高温流体の不測
の浴槽吐出は確実に防止できるものの、浴槽貯留
水が設定水位以上でないときにはレベルスイツチ
の開成により安全燃料弁の開弁保持を不能として
加熱装置の燃焼作動そのものを不能としてしまう
ために、浴槽貯留水位が設定以下の状態では、給
湯カランやシヤワー等の一般給湯用出湯栓に対し
て低温湯を供給する一般給湯までが不能となつて
しまい、浴槽に設定水位以上の貯留水がある状態
でしか一般給湯を行えないという使用上の不便さ
があつた。

本考案の目的は、種火式安全装置の電気回路に
対する合理的、かつ、簡単な改良により、浴槽貯
留水が十分に無いときの追焚用高温流体の不測の
浴槽吐出を確実に防止しながらも、浴槽貯留水の
有無にかかわらず、一般給湯を行えるようにする
点にある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案による風呂用給湯装置の特徴構成は、給
水路からの供給水を加熱する燃焼式の加熱装置
を、浴槽の下部に配設した吐出器に対して浴槽内
貯留水加熱用の高温流体を供給する追焚状態と、
一般給湯用の出湯栓に対して低温湯を供給する一
般給湯状態とに択一的に切換える操作具に対し
て、その操作具の切換状態が一般供給状態である
ときに閉成するように連動させたモードスイツチ
を設け、かつ、前記浴槽における貯留水位が設定
以上であるときに閉成するレベルスイツチを設
け、種火による加熱によつて起電力を発生する熱
電対と、その熱電対の起電力により開弁状態を保
持する閉じ付勢型の安全燃料弁とを備えた、前記
加熱装置に付設の種火式安全装置において、前記
レベルスイツチ、及び、モードスイツチの接点
を、それら接点の少なくとも一方の閉成により前
記熱電対から前記安全燃料弁への電力供給が可能
となり、かつ、それら接点の両方の開成により前
記熱電対から前記安全燃料弁への電力供給が不能
となるように並列配置して、前記熱電対から前記
安全燃料弁への電源回路に介装してあることにあ
り、その作用・効果は次の通りである。

〔作 用〕

つまり、加熱装置切換用の操作具が追焚状態側
に切換えられた状態においてはモードスイツチは
開成しており、そのモードスイツチ開成状態にお
いて浴槽貯留水位が設定以上であれば、レベルス
イツチの閉成により種火式安全装置において熱電
対から安全燃料弁への開弁保持用電力の供給が可
能となつて閉じ付勢型安全燃料弁の開弁保持が可
能となることから、先の操作具切換操作で追焚状
態側に切換えられた加熱装置で追焚用高温流体を
生成してそれを浴槽に付設の吐出器から吐出させ
る追焚が可能となる。

しかし、上述のモードスイツチ開成状態におい
て浴槽貯留水位が設定以下であれば、レベルスイ
ツチも開成することから、熱電対から安全燃料弁
への開弁保持用電力の供給は不能となり、それに
より、閉じ付勢型安全燃料弁の開弁保持が不能と
なつて加熱装置の燃焼作動そのものが不能とな
る。

したがつて、切換状態が追焚状態側であるにし
ても、浴槽貯留水が十分に無いときの追焚用高温
流体の不測の浴槽吐出は確実に防止される。

一方、操作具が一般給湯状態側に切換えられた
状態においては、モードスイツチは操作具との運
動により閉成している。

したがつて、切換状態が一般給湯状態側にある
ときには、レベルスイツチの開閉にかかわらず、
すなわち、浴槽貯留水の有無にかかわらず、熱電
対からの起電力供給による閉じ付勢型安全燃料弁
の開弁保持が可能になつて加熱装置の燃焼作動が
可能となり、一般給湯状態に切換えられた加熱装
置で低温湯を生成してそれを一般給湯用出湯栓に
供給する一般給湯が随時可能となる。

〔考案の効果〕

上述の結果、浴槽貯留水が十分に無いときの誤
操作等に起因した追焚用高温流体の不測の浴槽吐
出を確実に防止できて、火傷等に対する安全性を
確保できながらも、一般給湯は浴槽貯留水の有無
にかかわらず随時行えるようになり、浴槽貯留水
位が十分にあるときしか一般給湯を実施できなか
つた従来装置に比して使い勝手を大巾に向上でき
た。

又、レベルスイツチを備えた従来装置に対し
て、操作具と連動させたモードスイツチを付加す
るだけの簡単な改良であることから、製作面並び
にコスト面においても有利である。

〔実施例〕

次に本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図及び第２図は、風呂用給湯装置の全体構
成を示し、第１図は、給水路９からの供給水を加
熱して低温湯を生成し、その低温湯を一般給湯用
の出湯栓１９に供給している一般給湯状態を示
し、他方、第２図は、給水路９からの供給水を加
熱して高温流体の一例としての蒸気を生成し、そ
の蒸気を浴槽１６の下部に配設した吐出器１７か
ら噴出させて浴槽貯留水に混合させることにより
浴槽貯留水を加熱している追焚状態を示す。

給水路９からの供給水を加熱して一般給湯用の
低温湯、及び、追焚用の蒸気を択一的に生成する
加熱装置の主要部構成として、図中８は水加熱用
熱交換器、１はガスバーナである。

又、加熱装置の付属装置として、給水路９に
は、凍結防止用水抜栓１０、ストレーナ付き逆止
弁１１、及び、水ガバナ１２が介装されると共
に、一般給湯状態と追焚状態との切換用の給水弁
１５、流量制限用オリフイス１４、及び、追焚時
における給水量を安定させるための流量安定弁１
３の三者が並列に介装されており、他方、ガスバ
ーナ１に対する燃料ガス供給器２には、パイロツ
トバーナ１ａが適正燃焼状態にあるときにのみ開
弁状態に保持される閉じ付勢型の熱電対式安全燃
料弁３、点火用コツク４、水ガバナ１２との連動
により熱交換器８に対する給水状態が適正である
ときのみ開弁状態に保持される水圧応動ガス弁
５、並びに、ガスガバナ６が介装されると共に、
能力切換弁７として一般給湯状態及び追焚状態の
いずれにも開弁される定能力弁７ａと、追焚状態
においてのみ開弁される能力増大弁７ｂの両者が
並列に介装されている。

更に、図中２６は過圧安全弁、２７は凍結防止
エレメント内蔵の低温作動弁、２８は真空破壊弁
であり、夫々安全弁類である。

加熱装置からの吐出器、すなわち、熱交換器８
からの吐出路には、その吐出路を一般給湯用流路
２０を介して一般給湯用の出湯栓１９に連通させ
る一般給湯用流路状態と、追焚用流路１８を介し
て浴槽１６側の吐出器１７に連通させる追焚用流
路状態とに択一的に切換える流路切換弁２１を介
装してある。

浴室内に備えられた遠隔操作盤２５には、加熱
装置における給水弁１５及び能力増大弁７ｂと前
記の流路切換弁２１とに対して夫々連動させた切
換用ハンドル２４を装備してあり、一般給湯と追
焚との切換えを切換用ハンドル２４に対する操作
で行えるようにしてある。

つまり、切換用ハンドル２４が一般給湯側に切
換操作されると、給水弁１５が開弁されると共に
能力増大弁７ｂが閉弁されて、加熱装置に対する
給水量及び燃料ガス供給量（加熱能力）が、一般
給湯用の所定温度の低温湯の生成に見合つた量に
夫々切換えられ、かつ、流路切換弁２１が一般給
湯用流路状態側に切換えられるように、又、切換
用ハンドル２４が追焚側に切換操作されると、給
水弁１５が閉弁されると共に能力増大弁７ｂが開
弁されて、加熱装置に対する給水量及び燃料ガス
供給量が、追焚用の所定温度の蒸気の生成に見合
つた量に夫々切換えられ、かつ、流路切換弁２１
が追焚用流路状態側に切換えられるように構成し
てある。

第１図及び第２図において各弁のうち黒塗りの
ものが閉弁状態にある弁である。

加熱装置を、それに対する給水量切換、及び、
燃料ガス供給量切換で一般給湯状態と追焚状態と
に切換えることについて更に詳述すると、一般給
湯状態においては、給水弁１５が開弁状態にある
ことから、その給水弁１５を介して多量の供給水
が熱交換器８に連続供給され、それに対して、能
力増大弁７ｂが閉弁状態にあることから、燃料ガ
スは少量のみが定能力弁７ａを介してガスバーナ
１に供給され、その結果、多水量に対して小加熱
能力となることから一般給湯に適した所定温度の
低温湯が連続的に生成される。一方、追焚状態に
おいては、給水弁１５が閉じ状態にあることか
ら、供給水は流量制限用オリフイス１４及び流量
安定弁１３を介して少量のみが熱交換器８に連続
供給され、それに対して、燃料ガスは能力増大弁
７ｂが開弁状態にあることから定能力弁７ａ及び
能力増大弁７ｂの両方を介して多量がガスバーナ
１に供給され、その結果、小水量に対して大加熱
能力となることから浴槽貯留水を効果的に加熱で
きる高温の追焚用蒸気が連続的に生成される。

第１図ないし第３図に示すように、加熱装置に
おいてパイロツトバーナ１ａの燃焼炎により加熱
されて起電力を発生する熱電対SCを設けると共
に、閉じ付勢型に構成した前記安全燃料弁３を開
弁状態に保持する電磁コイルＫと熱電対SCと
を、熱電対SCの起電力により電磁コイルＫが励
磁されて安全燃料弁３が開弁状態に保持されるよ
うに接続し、もつて、加熱装置に燃焼不良が立ち
消えが生じた時にはそれに伴う熱電対SCの熱電
力低下に伴い安全燃料弁３をその自己閉じ付勢力
で自動的に閉弁させる種火式安全装置２２を構成
してある。

尚、遠隔操作盤２５には、点火用コツク４並び
に点火器と連動させた点火用ハンドル２３を切換
用ハンドル２４と共に装備してあり、この点火用
ハンドル２３に対する操作で加熱装置の点火操作
を浴室から行えるようにしてある。

浴槽貯留水の水位が設定以上であるときに閉成
するレベルスイツチLSを浴槽１６に付設し、一
方、切換用ハンドル２４が一般給湯状態側にある
ときに閉成するように切換用ハンドル２４に連動
させたリミツトスイツチ型式のモードスイツチ
SWを遠隔操作盤２５に付設すると共に、前記の
種火式安全装置２２において、それらレベルスイ
ツチLS及びモードスイツチSWの接点LS−ａ，
SW−ａを、それら接点LS−ａ，SW−ａの少な
くとも一方の閉成により熱電対SCから安全燃料
弁開弁保持用の電磁コイルＫへの電力供給が可能
となり、かつ、それら接点LS−ａ，SW−ａの両
の開成により熱電対SCから安全燃料弁開弁保持
用の電磁コイルＫへの電力供給が不能となるよう
に並列配置して、熱電対SCから安全燃料弁開弁
保持用電磁コイルＫへの電源回路に介装してあ
る。

つまり、この回路構成は下記の如く機能する。

すなわち、切換用ハンドル２４が追焚状態側に
切換えられた状態においてはモードスイツチSW
は開成しており、そのモードスイツチ開成状態に
おいて、浴槽貯留水位が設定以上であれば、レベ
ルスイツチLSの閉成により種火式安全装置２２
において熱電対SCから安全燃料弁開弁保持用電
磁コイルＫへの開弁保持用電力の供給が可能とな
つて閉じ付勢型安全燃料弁３の開弁保持が可能と
なることから、先のハンドル２４切換操作で追焚
状態側に切換えられた加熱装置で追焚用蒸気を生
成してそれを浴槽１６に付設の吐出器１７から吐
出させる追焚が可能となる。

しかし、上述のモードスイツチ開成状態におい
て浴槽貯留水位が設定以下であれば、レベルスイ
ツチLSも開成することから、熱電対SCから電磁
コイルＫへの開弁保持用電力の供給は不能とな
り、それにより、閉じ付勢型安全燃料弁の開弁保
持が不能となつて加熱装置の燃焼作動そのものが
不能となる。

したがつて、切換状態が追焚状態側であるにし
ても、浴槽貯留水が十分に無いときの追焚用蒸気
の不測の浴槽吐出は確実に防止される。

一方、切換用ハンドル２４が一般給湯状態側に
切換えられた状態においては、モードスイツチ
SWはハンドル２４との連動により閉成してい
る。

したがつて、切換状態が一般給湯状態側にある
ときには、レベルスイツチLS開閉にかかわら
ず、すなわち、浴槽貯留水の有無にかかわらず熱
電対SCからの起電力供給による閉じ付勢型安全
燃料弁３の開弁保持が可能となつて加熱装置の燃
焼作動が可能となり、一般給湯状態に切換えられ
た加熱装置で低温湯を生成してそれを一般給湯用
出湯栓１９に供給する一般給湯が随時可能とな
る。

〔別実施例〕

次に本考案の別実施例を説明する。

第４図は、前記バーナ１ａ及び１に対する点火
初期において、それまで電池２９を介して蓄えて
いた電流を瞬時に流すことによつて前記安全燃料
弁３を急速に開弁状態に保持し、もつて、熱電対
SCの立上り特性に起因する点火操作性の改善を
図つたもので、前記種火式安全装置の電気回路に
おいて、前記点火用ハンドル２３に連動する切換
スイツチ３０を介して蓄電器３１を前記安全燃料
弁３の開弁保持用電磁コイルＫに対して並列の状
態で接続したものである。この第４図中３２は過
熱防止スイツチである。

低温湯を供給する一般給湯との切換えで浴槽に
供給する追焚用の高温流体としては、蒸気の他
に、熱湯、あるいは、熱湯と蒸気との混合流体を
適用できる。

加熱装置を一般給湯状態と追焚状態との切換え
るための操作具２４は、ハンドル型式の他に種々
の型式を採用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案の実施例を示し、
第１図及び第２図は、夫々全体構成図、第３図は
電気回路図である。第４図は、本考案の別実施例
を示す電気回路図である。 ３……安全燃料弁、９……給水路、１６……浴
槽、１７……吐出器、１９……出湯栓、２２……
種火式安全装置、２４……操作具、LS……レベ
ルスイツチ、SW……モードスイツチ、LS−ａ，
SW−ａ……接点、SC……熱電対。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 給水路９からの供給水を加熱する燃焼式の加熱
   装置を、浴槽１６の下部に配設した吐出器１７に
   対して浴槽内貯留水加熱用の高温流体を供給する
   追焚状態と、一般給湯用の出湯栓１９に対して低
   温湯を供給する一般給湯状態とに択一的に切換え
   る操作具２４を設け、前記加熱装置に、種火によ
   る加熱よつて熱電力を発生する熱電対SCと、そ
   の熱電対SCの起電力により開弁状態を保持する
   閉じ付勢型の安全燃料弁３とを備える種火式安全
   装置２２を付設した風呂用給湯装置であつて、前
   記浴槽１６における貯留水位が設定以上であると
   きに閉成するレベルスイツチLS、及び、前記操
   作具２４の切換状態が一般供給状態である時に閉
   成するように前記操作具２４に連動させたモード
   スイツチSWを設け、それらレベルスイツチLS、
   及び、モードスイツチSWの接点LS−ａ，SW−
   ａを、それらの接点LS−ａ，SW−ａの少なくと
   も一方の閉成により前記熱電対SCから前記安全
   燃料弁３への電力供給が可能となり、かつ、それ
   ら接点LS−ａ，SW−ａの両方の開成により前記
   熱電対SCから前記安全燃料弁３への電力供給が
   不能となるように並列配置して、前記熱電対SC
   から前記安全燃料弁３への電源回路に介装してあ
   る風呂用給湯装置。