JPH0720512Y2 - 自動湯張り機能付バランス型風呂釜 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動湯張りスイッチをオンすると、自動的に
設定水位まで湯張りすることができるようにした自動湯
張り機能付バランス型風呂釜に関するものである。

〔従来の技術〕

従来から広く使用されているバランス型風呂釜は、すへ
て手操作によって浴槽への湯張りおよび追焚きを行なう
ように構成されている。

また、最近においては、マイコン制御部を内蔵し、リモ
コンに設定された条件に従って自動的に設定湯温，設定
水位の湯張りを行なう所謂全自動型の給湯器付風呂装置
が実用化されている。しかし、全自動型のものは、強制
給排気用のファンや給水側と浴槽側との縁切りのための
ホッパーまたは真空破壊弁が必要であると共に、器具本
体と浴槽との間の配管を行なわなければならないので、
構造が複雑で、バランス型風呂釜に比べるときわめて高
価になるという問題がある。

前記手操作のバランス型風呂釜と全自風呂装置との中間
のものとして、バランス型風呂釜に簡単なマイコン制御
部を内蔵させ、流水スイッチにより給湯栓が開かれたこ
とを検出すると自動的に給湯バーナを燃焼させて給湯管
から浴槽中へ直接注湯し、所望水位までの湯張りを行な
うことができる自動湯張り機能付バランス型風呂釜が提
案されている。

第３図は前記従来の自動湯張り機能付バランス型風呂釜
の概要を示すもので、図示を省略した簡単なマイコン制
御部を具備し、給湯栓１を開くと、水は給湯熱交換器
２、流水スイッチ３、給湯栓１、定量止水弁４を経由し
て給湯管５より浴槽６へ流れ、前記流水スイッチ３が流
水を検知すると、主ガス電磁弁７およびパイロットガス
電磁弁８が開弁してパイロットバーナ９へガスが流れ、
これと同時にイグナイター電極10より火花放電してパイ
ロットバーナ９に点火させ、このパイロットバーナの口
火をフレームロッド11が検知すると給湯ガス電磁弁12が
開き、給湯バーナ13へガスが流れ、給湯熱交換器２で加
熱した湯を浴槽へ落し込むように構成されている。

そして、前記定量止水弁４には湯量設定用のダイヤル4a
があり、これを浴槽６の大きさに合わせて湯量を設定し
ておき、浴槽６中へその設定湯量の湯張りを行なうと自
動的に止水するように構成されている。

なお、14は風呂ガス電磁弁、15は風呂バーナ、16は風呂
熱交換器で、風呂ガス電磁弁14を開くことにより浴槽６
中の湯（水）を追焚きすることができるように構成され
ている。

〔考案が解決しようとする課題〕

第３図に示す従来の自動湯張り機能付バランス型風呂釜
は、前記の如き構成よりなるので、バランス型風呂釜に
比較的簡単な制御部を付加するだけで自動湯張りを行な
うことができる。

しかし乍ら、第３図に示す従来の自動湯張り機能付バラ
ンス型風呂釜は、湯量設定用ダイヤルが零位置に復帰し
たとき止水するので、浴槽へ湯張りするたびに注湯量を
設定して給湯栓１を開かなければならないという煩わし
さがある。

また、バランス型風呂釜は、浴槽に隣接して設置され、
給湯管５は浴槽内への湯張り位置から洗い場側への給湯
位置との間に回動自在に取付けられているため、給湯管
５の吐出口が浴槽６に向いていないまゝ湯張り操作を行
なうと、いつまでたっても自動湯張り動作が続いて、ガ
スおよび水を無駄に消費するという問題がある。

本考案は、前記の如き従来技術の問題点を改善し、浴槽
へ湯張りするたびに注湯量を設定しなくても所望水位の
湯張りを行なうことができ、かつ、浴槽中に注湯されな
い状態が続くときには、早期にその状態を検出して自動
的に注湯を停止させることができる自動湯張り機能付バ
ランス型風呂釜を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、前記の如き目的を達成するため、ケース内部
に給湯熱交換器と風呂熱交換器を設け、そのそれぞれの
熱交換器の下部に給湯バーナと風呂バーナとを配設し、
前記給湯熱交換器の出湯管に流水スイッチを配設すると
共に、その流水スイッチの下流側の出湯管を給湯栓を介
して給湯管に接続し、前記流水スイッチにより給湯栓が
開かれたことを検出すると、給湯バーナを燃焼させて給
湯管から浴槽中へ直接注湯すべくなしたバランス型風呂
釜において、前記給湯熱交換器の出湯管を前記流水スイ
ッチの下流で分岐し、その分岐路の一方を前記給湯栓に
接続すると共に、分岐路の他方を水電磁弁を介して給湯
栓より下流の前記給湯管に接続し、かつ、前記風呂熱交
換器には浴槽中への注湯水位設定用圧力スイッチを配設
し、自動湯張りスイッチをオンすると、前記水電磁弁を
開いて給湯管を介し浴槽中に湯張りし、浴槽水位が前記
圧力スイッチに設定した水位に達したことを検出すると
前記電磁弁を閉じて湯張りを停止するように構成し、さ
らに、前記風呂熱交換器に空焚き防止用圧力スイッチを
配設し、かつ、該空焚き防止用圧力スイッチを、浴槽水
位が上部循環パイプ以上のとき風呂ガス電磁弁制御回路
が電源に接続され、浴槽水位が上部循環パイプに達しな
いとき水電磁弁駆動回路と並列に接続されたタイマー回
路が電源に接続されるように前記風呂ガス電磁弁制御回
路とタイマー回路との間に接続し、前記タイマー回路の
常閉接点を水電磁弁駆動回路に挿入して空焚き防止用圧
力スイッチを自動湯張り時の浴槽外注湯の検出用に兼用
したことを特徴とする。

〔作用〕

本考案は自動湯張り機能付バランス型風呂釜は、前記の
如き構成よりなるので、給湯栓は閉じたままで自動湯張
りスイッチを押すだけで浴槽への湯張りを行ない、か
つ、設定水位に達するとその受光を停止させるので、高
価な全自動風呂装置に近い使い勝手のよい廉価なバラン
ス型風呂釜を提供することができ、また、浴槽に対し正
常な自動湯張りを行なっているときはタイマー回路を電
源から切離して所定水位までの自動湯張りを行ない、タ
イマー回路に設定した時間を経過したにも拘らず空焚き
防止用圧力スイッチが切換らないときは水電磁弁回路を
遮断して注湯を自動停止させることができ、しかも、そ
の自動停止は、浴槽水位が上循環パイプに達するまでの
比較的短かい時間であるので、ガスおよび水や電気の無
駄な使用を最小限に止めることができる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を第１図および第２図について
説明する。

第１図において、第３図と同一機能を有する部分は第３
図と同一符号を付してその詳細な説明は省略する。

本考案においては、給湯熱交換器２の出湯管20を分岐
し、その一方の分岐路20aを給湯栓１に接続して給湯管
５またはシャワー17から給湯し得るようにすると共に、
他方の分岐路20bを水電磁弁18を介して給湯栓１より下
流の給湯管５へ接続し、また、風呂熱交換器16には浴槽
水位検出用の圧力スイッチ19を取り付け、設定水位で圧
力スイッチ19が開になるようにつまみ19aで調節し、圧
力スイッチ19が開くと水電磁弁18が閉弁するように構成
している。

すなわち、第２図は第１図に示すバランス型風呂釜の制
御回路であって、第２図に示す自動湯張りスイッチ21を
オンすると、水電磁弁駆動回路22が作動して水電磁弁18
を開弁し、これにより流水スイッチ３が閉じると、パイ
ロットバーナに着火させた後給湯ガス電磁弁駆動回路23
agが作動して浴槽中に注湯し、浴槽中の水位が上昇し、
それが設定水位に達すると圧力スイッチ19が開き、水電
磁弁18を閉じて自動湯張りを停止させるように構成して
いる。

また、考案においては、風呂熱交換器16に空焚き防止用
圧力スイッチ25を配設し、その圧力スイッチ25を自動湯
張り時の浴槽外注湯の検出用に兼用させる。すなわち、
空焚き防止用圧力スイッチ25は、一般に上循環パイプ内
に水があるかどうかを検出するものであるが、本考案に
おいては、上循環パイプ内に水がある水位であれば、第
２図に鎖線で示すように風呂ガス電磁弁駆動回路23bを
電源に接続し、上循環パイプ以下の水位のときには水電
磁弁駆動回路22と並列のタイマー回路26を実線で示すよ
うに電源に接続するように圧力スイッチ25を風呂ガス電
磁弁制御回路23bとタイマー回路26との間に接続し、か
つ、そのタイマー回路26に設定された時間が経過すると
水電磁弁駆動回路22を電源から遮断する常閉接点26aを
設ける。24は風呂追焚きスイッチである。なお、バラン
ス型風呂釜に使用する一般的な浴槽では、空焚き防止用
圧力スイッチが作動する水位H₁は上部循環パイプが満水
になる水位であり、自動湯張り停止用圧力スイッチ19が
作動する水位H₂はH₁の２倍ないし３倍の水位である。

本考案の自動湯張り機能付バランス型風呂釜は、前記の
ような構成よりなるので、浴槽の排水栓6aを閉めると共
に給湯管５の吐出口を浴槽へ向けた正常な状態で自動湯
張りスイッチ21をオンすると、水電磁弁駆動回路22が作
動して水電磁弁18を開弁し、給湯バーナ13によって給湯
熱交換器２で加熱された湯が浴槽６中に注湯され、それ
と同時に、タイマー回路26はカウントを開始するが、浴
槽中の水位が徐々に上昇し、それが空焚きを防止し得る
水位に達すると圧力スイッチ25が作動して第２図に示す
鎖線位置に反転することによりタイマー回路26は停止
し、タイマー接点26aは閉じたままで注湯を続け、自動
湯張り水位設定用圧力スイッチ19が作動してその接点が
開くと水電磁弁駆動回路22への電流は遮断されて水電磁
弁18を閉じ、自動湯張りを停止する。

ところが、浴槽の排水栓6aを閉め忘れたり、給湯管５の
吐出口が浴槽６の方を向いていないまま自動湯張りスイ
ッチ21をオンにすると、前記と同様にして注湯するが、
浴槽中の水位は上昇しないので、所定時間経過するとタ
イマー回路26はタイムアップしてその接点26aを開き、
水電磁弁駆動回路22を遮断して水電磁弁18を閉弁し、自
動湯張りを中止させる。

〔考案の効果〕

以上述べたように、本考案によれば、自動湯張りスイッ
チを押すだけで浴槽への湯張りを行ない、設定水位にな
ればその湯張りを自動的に停止させるので、使い勝手の
よい廉価なバランス型風呂釜を提供することができ、し
かも、空焚き防止用スイッチを自動湯張り時の浴槽外注
湯の検出用に兼用して、ガスおよび水や電気などを無駄
に消費するのを防止することができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施の一例を示す自動湯張り機能付バ
ランス型風呂釜の概要を示す図、第２図はその制御回路
図である。第３図は従来の自動湯張り機能付バランス型
風呂釜の概要を示す図である。 １…給湯栓、２…給湯熱交換器、３…流水スイッチ、５
…給湯管、６…浴槽、6a…排水栓、７…主ガス電磁弁、
８…パイロットガス電磁弁、９…パイロットバーナ、10
…イグナイター電極、11…フレームロッド、12…給湯ガ
ス電磁弁、13…給湯バーナ、14…風呂ガス電磁弁、15…
風呂バーナ、16…風呂熱交換器、17…シャワー、18…水
電磁弁、19…自動湯張り用圧力スイッチ、19a…圧力ス
イッチの調節用つまみ、21…自動湯張りスイッチ、22…
水電磁弁駆動回路、23a…給湯ガス電磁弁駆動回路、23b
…風呂ガス電磁弁駆動回路、24…追焚きスイッチ、25…
空焚き防止用圧力スイッチ、26…タイマー回路、26a…
タイマー接点。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ケース内部に給湯熱交換器と風呂熱交換器
   を設け、そのそれぞれの熱交換器の下部に給湯バーナと
   風呂バーナとを配設し、前記給湯熱交換器の出湯管に流
   水スイッチを配設すると共に、その流水スイッチの下流
   側の出湯管を給湯栓を介して給湯管に接続し、前記流水
   スイッチにより給湯栓が開かれたことを検出すると、給
   湯バーナを燃焼させて給湯管から浴槽中へ直接注湯すべ
   くなしたバランス型風呂釜において、前記給湯熱交換器
   の出湯管を前記流水スイッチの下流で分岐し、その分岐
   路の一方を前記給湯栓に接続すると共に、分岐路の他方
   を水電磁弁を介して給湯栓より下流の前記給湯管に接続
   し、かつ、前記風呂熱交換器には浴槽中への注湯水位設
   定用圧力スイッチを配設し、自動湯張りスイッチをオン
   すると、前記水電磁弁を開いて給湯管を介し浴槽中に湯
   張りし、浴槽水位が前記圧力スイッチに設定した水位に
   達したことを検出すると前記電磁弁を閉じて湯張りを停
   止するように構成し、さらに、前記風呂熱交換器に空焚
   き防止用圧力スイッチを配設し、かつ、該空焚き防止用
   圧力スイッチを、浴槽水位が上部循環パイプ以上のとき
   風呂ガス電磁弁制御回路が電源に接続され、浴槽水位が
   上部循環パイプに達しないとき水電磁弁駆動回路と並列
   に接続されたタイマー回路が電源に接続されるように前
   記風呂ガス電磁弁制御回路とタイマー回路との間に接続
   し、前記タイマー回路の常閉接点を水電磁弁駆動回路に
   挿入して空焚き防止用圧力スイッチを自動湯張り時の浴
   槽外注湯の検出用に兼用したことを特徴とする自動湯張
   り機能付バランス型風呂釜。