JPS628761Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は抽斗、機器類等が前方の所定位置まで
引き出された状態で、後方への移動が簡単な構造
で阻止される事により、機器類の点検中不用意に
抽斗あるいは機器類が本体内に収納される事な
く、機器類の点検、修理等が容易に行えるスライ
ド装置を提供する事を目的とする。

以下本考案を図面に基づいて説明する。

第１図は本考案のスライド装置Ａの要部分解斜
視図であり、１は抽斗、機器類等がとりつけられ
る移動側アウターメンバー、２は本体側に取りつ
けられる固定側アウターメンバー、３は上記両メ
ンバー１，２間に摺動自在に嵌挿されたインナー
メンバー、４，４′は上記両アウターメンバー
１，２とインナーメンバー３間にもうけられたボ
ールリテーナーである。移動側アウターメンバー
１は、帯状金属板の上下端部を、内向き円孤状ま
たはＶ字状に彎曲せしめて形成した内面長手方向
にボール案内溝１１，１１を有する上下折曲縁１
２，１２と、基板１３より断面Ｃ字型に形成して
いる。そして、基板１３の前端を上下折曲縁１
２，１２と同寸法内方に折り曲げて前端ストツパ
ー１４と、後端を上下折曲縁１２，１２の約２分
の１の寸法を内方に折り曲げて、リテーナー後端
ストツパー１５を形成している。１６は基板１３
の前方の一部を内方に突出せしめたリテーナー前
端ストツパー、１７…は抽斗等の取付孔である。
５は移動ストツパー、７は移動ストツパーの回転
軸、８は回転軸７の保持部材である。固定側アウ
ターメンバー２は、移動側アウターメンバー１と
同長で、内面長手方向にボール案内溝２１，２１
を有する上下折曲縁２２，２２と、基板２３から
なり基板２３の前端に、前記リテーナ後端ストツ
パー１５と同様にリテーナー前方ストツパー２４
を、後端に前記前端ストツパー１４と同様に後端
ストツパー２５をもうけている。２６は基板２３
の後方の一部を内方に突出せしめたリテーナー後
方ストツパー、２７は本体等への取付孔である。
９は前記移動ストツパー５に対応するスライド収
納時ストツパーである。インナーメンバー３は、
帯状金属板にて、上記両アウターメンバー１，２
に挿入可能な大きさで、ほぼ同長の基板３３と上
下折曲縁３２，３２からなる断面略Ｃ字形に形成
した２つの部材の基板３３同士を固着して断面ほ
ぼＩ字形とし、上下左右の折曲縁３２，３２，３
２′，３２′を構成している、上下左右折曲縁３２
…は外向きに断面円孤状またはＶ字状に彎曲させ
て、その外面長手方向にボール案内溝３１…を形
成すると共に、基板３３の前端部の移動側アウタ
ーメンバー１側にリテーナー前部ストツパー３４
を、後端部の固定側アウターメンバー２側にリテ
ーナ後部ストツパー３５を形成している。ボール
リテーナー４，４′は同形のものを対向せしめて
おり、帯状金属板にて上記両アウターメンバー
１，２、インナーメンバー３との間に挿入可能な
大きさで、かつ、両アウターメンバー１，２、イ
ンナーメンバ３の半分以下の長さで、基板４１，
４１′と上下折曲片４２，４２，４２′，４２′か
らなり、基板４１，４１′は中央部をコ字状に折
り曲げ、そして上下両折曲片４２…の長手方向の
数個所にそれぞれボール４３…を上下両側に突出
せしめた状態で回転自在に保持している。尚、図
面ではボールリテーナー４，４′の上下折曲片４
２，４２，４２′，４２′は前後に連設した形状を
有しているが、重量を軽減させるため、ボール４
３…を保持する個所以外を切り落した形状であつ
てもよい。移動ストツパー５は、中央部にコイル
バネ５１の装着部５２をもうけ、上端を巻き込ん
で形成したストツパ片取付部５４，５４を、移動
側アウターメンバ１の上折曲縁の上方に臨ませて
取りつけたストツパー片支持部５５と、基板５６
の端部中央部に、上記ストツパー片取付部５４，
５４の前後両端に位置する様、切り欠き５７をも
うけて、両端を巻き込んだストツパー片回転部５
８，５８と、該ストツパー片回転部５８の後部に
切り欠きをもうけて形成した回転軸支持部５９
と、基板５６を断面略くの字形に折り曲げて形成
した頂部５６１と、操作部５６２からなるストツ
パー片５６３から構成されている。回転軸７は後
端を折りまげて、回転軸折曲部７１を形成してい
る。そして、移動ストツパー５は、あらかじめ移
動側アウターメンバー１に固着された、ストツパ
ー片支持部５５に、ストツパー片５６３の切り欠
き５７を位置せしめ、コイルバネ５１の一端をコ
イルバネ支持孔５４１内に、他端を基板５６の上
面に位置せしめた状態で、回転軸７をストツパー
片取付部５４，５４、回転部５８、コイルバネ５
１及び、ストツパー片取付部材５４と同様に上端
を巻き込んだ形状で、移動側アウターメンバ１の
上折曲縁１２の上方に臨まして、アウターメンバ
ー１に固着された保持部材８内に挿通せしめた
後、回転軸折曲部７１を前記回転軸支持部５９及
び、頂部５６１の内面に嵌合せしめた後、回転軸
支持部５９を操作部５６２側に折り曲げて回転軸
７が後方に抜け出るのを阻止せしめると共に、回
転軸折曲部７１と、ストツパー片５６２を１体化
せしめている。そして、同時に回転軸７の前端
を、抽斗等の正面板の前方に突出せしめ、操作つ
まみ１０を取りつける。５７２は、ストツパ片５
６３の上方への回動範囲を規制する突起である。
固定側アウターメンバー２の上折曲縁２２の上面
に固着されたスライド収納時ストツパー９は、前
端をテーパー面９１となし、後部の移動側アウタ
ーメンバー１側を上方に突出せしめてスライド収
納時突起９２をもうけた構成としている。

上記の如く構成されたスライド装置Ａは、移動
側アウターメンバー１に、取付孔１７…を介して
ビス等にて抽斗、機器類等を取り付け、一方固定
側アウターメンバー２を取付孔２７…を介して、
ビス等にて抽斗、機器類等の本体に取りつけられ
る。そして、抽斗、機器類等を収納した状態、す
なわちスライド装置Ａの移動側アウターメンバ１
の前端ストツパー１４がインナーメンバー３のリ
テーナー前部ストツパー３４の外面に、かつボー
ルリテーナ４の前端が、移動側アウターメンバー
１のリテーナー前端ストツパー１６に、インナー
メンバー３のリテーナ後部ストツパー３５の後面
が、固定側アウターメンバー２の後端ストツパー
２５に、ボールリテーナー４′の後端が固定側ア
ウターメンバー２のリテーナー後方ストツパー２
６に当接している。そして、移動ストツパー５の
頂部５６１は、固定側アウターメンバー２の上折
曲縁２２の上面に接触し、かつストツパー片５６
３の前端は、固定側アウターメンバー２にもうけ
たスライド収納時ストツパー９の後部に位置して
いる。（第４図の状態。）この状態から、抽斗、機
器類等を引き出す場合、まず、抽斗等の正面に突
出した操作つまみ１０を第４図の矢印方向にまわ
し、回転軸７を回転させストツパー片５６３を上
方に回動せしめ、頂部５６１をスライド収納時ス
トツパー９の上方に移動させる。この移動は、突
起５７２と、基板５６の当接によつて停止する。
一旦、この様にストツパー片５６３を回動せしめ
て抽斗等を引き、操作つまみ１０を離すと、コイ
ルバネ５１の弾撥力によりストツパ片５６２、は
元にもどり、頂部５６１は、スライド収納時スト
ツパー９の前方の、固定側アウターメンバー２の
上折曲縁２２の上面に接触しながら移動側アウタ
ーメンバ１（抽斗等）と共に前方に移動する。こ
れにともなつて、ボールリテーナ４も移動側アウ
ターメンバ１の移動距離の２分の１づつ前方に移
動し、やがて、ボールリテーナー４の前端はイン
ナーメンバー２のリテーナー前部ストツパー３４
に当接し、これと同時に移動側アウターメンバ１
のリテーナー後端ストツパー１５は、ボールリテ
ーナー４の後端に当接する。これによつて、次に
移動側アウターメンバ１はインナーメンバー３と
共に前方に移動し、ボールリテーナ４′もインナ
ーメンバー３の移動距離の２分の１づつ前方に移
動し、やがて、ボールリテーナー４′の前端は固
定側アウターメンバー２のリテーナー前端ストツ
パー２４に、インナーメンバー３のリテーナー後
部ストツパー３５はボールリテーナー４′の後端
に当接し、移動側アウターメンバー１の移動は停
止する。この時、移動ストツパー５は固定側アウ
ターメンバー２の前方に位置するので、ストツパ
片５６３はコイルバネ５１の弾撥力によつてイン
ナーメンバー３方向に回転し、頂部５６１はイン
ナーメンバー３の上折曲縁３２′のボール案内溝
３１に当接する。すなわち、ストツパー片５６３
の後端は固定側アウターメンバー２の上折曲縁２
２の前方に位置する。（第３図の状態。）これによ
つて、移動側アウターメンバー１は後方に不測に
移動する事はなく、機器類等の点検、抽斗等内の
収納物の出し入れが容易に行なえる。次に抽斗等
を収納する場合、操作つまみ１０を第３図の矢印
方向に回動して、ストツパー片５６３を上方に移
動して、抽斗等を後方に移動せしめる。すると、
前述と反対に、移動側アウターメンバー１、ボー
ルリテーナー３が後方に移動し、次にインナーメ
ンバ３、ボールリテーナー４′が後方に移動し、
やがて、ストツパー片５６３の頂部５６１は、ス
ライド収納時ストツパー９の前端に接触するが、
前端をテーパー面９１となしているので、自然と
ストツパー片５６３は上方に回動し、スライド収
納時突起９２を乗り込えた後、元にもどり第４図
に示す状態となる。本実施例では、回転軸７を抽
斗等の正面板まで延長せしめているが、これは、
抽斗等の寸法が大きい場合に有効で、単に回転軸
７を移動ストツパー５の部分だけにすれば、抽斗
等の突出状態で移動ストツパー５を指先で操作す
る事となる。

また、本実施例では移動ストツパー５を固定側
アウターメンバー２の前端面に当接せしめている
が、スライド収納時ストツパー９と同形の部材
を、固定側アウターメンバー２の上折曲縁２２の
上面に反対方向にもうける様にしても同様の目的
を遂行する事が出来る。又、スライド装置Ａを第
５図の如くアウターメンバー１，２、インナーメ
ンバー３を連結した状態で下方に複数個もうけて
もよい。

以上の如く、本考案は実施例にとらわれる事な
く本スライド装置が使用される個所によつて随時
変更可能である。すなわち本考案は、上記の如
く、移動側アウターメンバーに、固定側アウター
メンバー側に突出し、常にインナーメンバー側に
弾性的に変移可能な移動ストツパーをもうけた点
にあり、抽斗、機器類等が前方に所定位置まで引
き出された状態で後方への移動を阻止せしめ、機
器類の点検を容易となし、又、簡単な操作で停止
状態を解除できる等実用に即した有益な考案であ
る。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示し、第１図は、本考案
の要部分解斜視図、第２図は移動ストツパーの要
部拡大斜視図、第３図は抽斗等の引き出した状態
の要部斜視図、第４図は抽斗等を収納した状態の
要部斜視図、第５図は他の実施例を示す縦断面図
である。 １……移動側アウターメンバー、１２，１２…
…上下折曲縁、２……固定側アウターメンバー、
２２，２２……上下折曲縁、３……インナーメン
バー、４，４′……ボールリテーナー、４３……
ボール、５……移動ストツパー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 少なくとも断面略Ｃ字型の移動側アウターメン
   バーと、該移動側アウターメンバーに対向しても
   うけた断面略Ｃ字型の固定側アウターメンバー
   と、上記両メンバー間に摺動自在に嵌挿された断
   面略Ｉ字形のインナーメンバーと、上記両アウタ
   ーメンバーとインナーメンバーの上記折曲縁間で
   ボールを回転自在に保持する２つのボールリテー
   ナーからなる抽斗等のスライド装置において、移
   動側アウターメンバーの上折曲縁後部上面に、固
   定側アウターメンバーの上折曲縁上面に突出し、
   常にインナーメンバー側に変位する様弾性を付与
   された移動ストツパーをもうけ、移動側アウター
   メンバーが所定位置まで引き出された時、アウタ
   ーメンバーの一部に、後端面が当接し、移動側ア
   ウターメンバーの後方への移動を阻止した事を特
   徴とする抽斗等のスライド装置。