JPS628379B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は複写機等における用紙搬送力制御装置
に関するものである。

（従来の技術） 従来、複写機等においては、機内の用紙の搬送
路を高速で搬送させる用紙を一時停止もしくは異
なる速度の搬送手段に転送する場合には、前記用
紙の搬送力をその直前停止もしくは転送に適した
搬送力に制御しないと用紙がオーバーランしてダ
メージを受け、紙ジヤム等のトラブルを起こす可
能性が高かつた。そのために従来は、搬送手段が
変わる箇所の直前に、例えば第１図に示すよう
に、レジストレーシヨンゲート１の直前にニツプ
力の弱い上下一対のスリツプロール２，２′を配
置し、該ロール２，２′間を用紙が通過する際に
スリツプさせてその搬送力を転送にした搬送力に
変えて用紙にダメージが発生することを防止して
いた。

しかしながらこのような用紙のダメージ防止手
段はロール２，２′間のニツプ力がたとえば厚紙
までスリツプさせることなく搬送できるほど弱い
ものであつても、たとえばトレーシングペーパー
等の薄紙を高速で搬送する場合には上記用紙にダ
メージを発生させることを避けることはできなか
つた。

（発明の目的） 本発明は上記従来の用紙搬送速度制御手段の欠
点を除去するためになされたものであつて、前記
上下一対のニツプ力の弱いロールを配置するかわ
りに搬送手段のかわり目直前の搬送路の下部に無
端回転式の搬送ベルトを搬送方向に沿つてプーリ
を用いて横状に配置し、該ベルトの上部には磁性
体の用紙ガイドをスプリング等を用いて釣り下
げ、用紙の搬送力はこの搬送ベルトと磁性体用紙
ガイドとによるニツプ力で発生させると共に、前
記磁性体用紙ガイドを搬送ベルト上に下降させる
手段としては搬送ベルトを回転させるための二つ
のプーリー間に電磁石を配置し、この電磁石の吸
着力を利用して行うと共に、該電磁石の操作は前
記搬送ベルトの一端並びに他端の外側の用紙の搬
送路の適所に用紙検知センサーを設け、これらの
センサーの検知信号に基づきコントローラーを介
して行うようにして、たとえ高速で薄紙等を搬送
する場合にも用紙の搬送速度は搬送手段の換わり
目直前で一時停止もしくは次の搬送手段に転送す
るのに最も適した速度に制御できるようにした用
紙搬送力制御装置を提供することを目的としても
のである。

（発明の構成） 以下本発明を図面に示す複写機のレジストレー
シヨン装置の手前に配置する場合を例に挙げて詳
細に説明する。

第２図は本発明の用紙搬送力制御装置の一実施
例を示す概略構成図である。

用紙の搬送路におけるレジストレーシヨンゲー
ト３の手前の適所の下部に、無端回転式の搬送ベ
ルト４を用紙の搬送方向に沿つてプーリー５，
５′を用いて横状に配置する。搬送ベルト４の上
部には用紙の入出部にあたる両端部を上方に彎曲
させた磁性体スキーガイド６をスプリング７，
７′を用いて常時上方に位置しているように釣り
下げる。そして、該磁性体スキーガイド６に対
し、搬送ベルト４のプーリー５，５′間には電磁
石８を配置して前記磁性体スキーガイド６をスプ
リング７，７′に抗して搬送ベルト４上に吸着さ
せるようにする。一方、前記搬送ベルト４の両端
外側の用紙の搬送路の適所には用紙検知センサー
９，１０を設け、用紙検知センサー９，１０は図
示省略コントローラを介して前記電磁石８の電源
回路に接続する。

尚、図中１１，１１′及び１２，１２′は用紙の
搬送路の適所に設けた搬送ロールである。

本発明は以上のように構成したものである。次
にその動作について説明する。

用紙は矢印に示す方向から搬送ロール１２，１
２′間を通つてレジストレーシヨンゲート３方向
へと搬送されて来る。このとき、搬送ベルトは回
転しているが電磁石８は作動していず、従つて磁
性体スキーガイド６はスプリング７，７′の弾力
によつて上方に引き上げられている。用紙検知セ
ンサー１０は前記進行して来る用紙の先端を検知
するとその信号を図示省略のコントローラーに送
る。コントローラーは前記信号に基づき電磁石８
の電源回路をONにする。これにより電磁石８に
吸着力を発生させ磁性体スキーガイド６を搬送ベ
ルト４上に下降させて用紙をニツプする。該ニツ
プにより用紙に対する搬送力を発生させて用紙を
レジストレーシヨンゲート３に向けて搬送する。
該用紙先端を用紙検知センサー９が検知すると、
その信号をコントローラーに送る。コントローラ
ーは該信号に基づき前記電源回路をOFFにして
電磁石８への電流を切つて吸着力を消滅させる。
該吸着力の消滅により磁性体スキーガイド６はス
プリング７，７′の復元力によつて元の位置に上
昇し、用紙に対するニツプ力が解放される。これ
にともない用紙に対する搬送力が失われて、用紙
は搬送ベルト４上に単に載置された状態で搬送方
向に搬送される。該用紙の先端をレジストレーシ
ヨンゲート３に突き当てて一時停止させる。この
とき搬送ベルト４は前記用紙の後端部を載置した
状態で回転を続けている。

次にレジストレーシヨンゲート３に対し、図示
省略のコントローラーから、これを解放するため
の信号を発して、これを開かせる。同時に該コン
トローラーからは前記電源回路に対し、これを
ONにする信号を発して電磁石８に再び電流を流
す。これにより前記電磁石８はその吸着力で磁性
体スキーガイド６を搬送ベルト４上に下降させ、
前記用紙の後端をニツプする。該ニツプより用紙
を前記レジストレーシヨンゲート３を越えて、搬
送ロール１１，１１′間へと送り出す。この送り
出しが済むとコントローラーは前記電磁石８の電
源回路を自動的にOFFにして磁性体スキーガイ
ド６を元の位置に戻す。

（発明の効果） 以上説明したように本発明は複写機等の用紙の
搬送路において、用紙を一時停止させるか、ある
いは異なる速度の搬送手段に転送する箇所の手前
に配置した搬送ベルト４と磁性体スキーガイド６
とによつて用紙の搬送速度を一時停止、または次
の搬送手段への転送に最も適した状態に自動調整
するようにしたものである。

したがつて本発明によれば普通紙や厚紙は勿
論、トレーシングペーパーのような薄紙を高速で
搬送させる場合にも、前記一時停止、または次の
搬送手段に転送するときに用紙ダメージを発生さ
せることはなくなり、複写機等の信頼性を大幅に
向上させることに役立つ。

（別の実施例） なお、本発明は上記実施例に限定されなければ
ならない理由はなく、たとえば搬送ベルト４上に
配置する磁性体用紙ガイドは上記スキーガイド６
のかわりにシユートを用いても良いことは云うま
でもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の複写機の用紙搬送力制御装置の
概略配置図、第２図はほん発明の用紙搬送力制御
装置の一実施例を示す概略構成図である。 図中４……搬送ベルト、５，５……プーリー、
６……磁性体スキーガイド、７，７……スプリン
グ、８……電磁石、９，１０……用紙検知センサ
ー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 複写機等における用紙の搬送路において、搬
   送中の用紙を停止または異なる速度にかえる搬送
   手段の手前の適所に、無端回転式の搬送ベルトを
   用紙の搬送方向に沿つてプーリー等を用いて配置
   し、該ベルトの上部には磁性体用紙ガイドを弾性
   体を用いて釣り下げ、また前記搬送ベルトの内側
   中間部には前記磁性体用紙ガイドを搬送ベルト上
   に吸着させるための電磁石を配置すると共に、該
   電磁石の操作は搬送ベルトの両端外側の搬送路の
   適所に用紙検知センサーをはいちし該センサーの
   検知信号で行うようにして、磁性体用紙ガイドを
   搬送ベルト上に下降させたときに用紙に対するニ
   ツプ力が発生して用紙の搬送力を得、上昇させた
   ときには失うようにして、高速で搬送する用紙を
   一時停止または速度の異なる次の搬送手段に転送
   するときに該用紙の搬送速度を適正速度に制御す
   るようにしたことを特徴とする用紙搬送力制御装
   置。