JPS625989Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は後車体に対し前車体が上下動及び回動
を行う如き原動機付三輪車等の前車体揺動式車両
における可動部の配管装置に関するものである。

前一輪、後二輪で原動機を備える三輪車が提案
され、かかる三輪車は前車体が後車体に対し左右
方向に揺動（回動）、即ちローリング運動を行う
とともに、上下方向に揺動、即ちスイング動を行
う。かかる三輪車において、エンジンを含むパワ
ーユニツトを後車体に、燃料タンクを前車体に設
けた場合、前車体の燃料タンクと後車体のエンジ
ンとの間を可撓性のゴムチユーブ等で連結し、燃
料供給を行う必要がある。ゴムチユーブで相互間
を連結する場合、ゴムチユーブ一端を燃料タンク
の導出パイプに、他端をエンジン側の気化器導入
パイプに各嵌着等することとなるが、可撓性ゴム
チユーブには上下方向の揺動とともに回動方向の
揺動の三次元の運動が働き、この結果ゴムチユー
ブの導入パイプ接続部にねじりが働き好ましくな
い。

本考案者はかかる可動部のゴムチユーブ接続に
おける以上の如き不都合を改善すべく本考案をな
したもので、その目的とする処は、燃料タンク等
の導出パイプの如き剛体に一端を連結したゴムチ
ユーブと気化器等の導入パイプの如き剛体に一端
を連結したゴムチユーブの各他端をＬ型の剛体か
らなる中間チユーブの両端に各連結し、且つ中間
チユーブ及びゴムチユーブは回転中心より半径方
向の一方に偏位させる如くし、ゴムチユーブ間に
働く回動力をこれの上下方向運動に略変換して二
次元運動に近い運動を与え、ゴムチユーブの連結
部へのねじり作用を可及的に抑制、減少し、燃料
供給用ゴムチユーブ等の保護、連結部の確実な連
結を企図し得る如くした前車体揺動式車両におけ
る可動部の配管装置を提供するにある。

次に本考案の好適一実施例を添付図面に従つて
詳述する。

第１図は本考案が実施される前車体揺動式車両
としての原動機付三輪車の側面図で、三輪車１の
前車体２の本体３はパイプ材等で成形され、前車
体２の前部下にはフロントフオーク４で支持され
た前車輪５が配設され、前車体２の前部に形成し
たフロントフエンダ部６上のハンドルポスト７上
に設けたハンドル８とフロントフオーク４とは連
結され、操向を行う。本体３後部３ａは上方に折
曲起立され、これの外側をシートポストカバー９
で覆い、これの上端にはシート１０が設けられ、
本体３後部下には上下に揺動するスイングジヨイ
ント１１の前端部がリンク１２を介して垂下枢着
されている。スイングジヨイント１１の後部上部
は本体後部起立部とリヤクツシヨンユニツト１３
で連結され、且つジヨイント１１はローリングジ
ヨイントをなすシヤフト１４を介して後車体１５
に連結され、後車体１５にはエンジンを含むパワ
ーユニツト１６を搭載し、パワーユニツト１６は
左右の後車輪１７，１７に連結されてこれにより
駆動輪を構成し、図中１８はパワーユニツトのカ
バーを兼ねるリヤフエンダである。

以上の三輪車１は後車体１５がスイングジヨイ
ント１１のリンク１２枢着部を支点として上下動
し、リヤクツシヨンユニツト１３で緩衝され、又
後車輪１７の前後動はリンク１２の揺動で追従動
が円滑になされ、更に前車体２はシヤフト１４を
中心にして左右に回動、即ちローリング動する。

以上において前車体２の本体３の折曲起立部３
ａに燃料タンク１９を支持せしめ、タンク１９は
コツク２０、連結管２１を介して起立部側の剛性
のジヨイント２２に連結する。ジヨイント２２は
縦に垂下された第１の可撓性連結管２３、例えば
ゴムチユーブの一端２３ｂに嵌着等して連結し、
ゴムチユーブ２３の他端はＬ型の中間連結管２４
の一端に嵌着等して連結する。Ｌ型の中間連結管
２４は金属パイプをＬ型に折曲した如き剛体で形
成され、これの縦部２４ａ端がチユーブ２３の端
部２３ａに嵌着されている。中間連結管２４の横
部２４ｂ端は略前後方向に設けられた第２の可撓
性連結管２５の一端２５ａに嵌着され、これ２５
はゴムチユーブ等で形成する。第２のゴムチユー
ブ２５の他端２５ｂはＬ型の剛体よりなるガイド
連結管２６の一端２６ａに連結し、連結管２６の
上方に延出された縦部上端２６ｂと気化器２７と
はゴムチユーブ２８の如き連結管で連結され、燃
料タンク１９、コツク２０、管系２１，２３，２
４，２５，２６及び２８でエンジンの燃料供給装
置である気化器２７に送られる。

以上の管系２３，２４及び２５は第３図、第４
図及び第６図に示される如くジヨイント１１，１
４、後車体１５の一側方に偏位した位置に設けら
れ、ガイド連結管２６の下部は第３図、第４図で
示される如く後車体１５の一側に設けたクリツプ
２９で保持される。

次にその作用、効果を説明すると、ジヨイント
１１，１４、そして後車体１５の第３図で示され
る如き上下動は、実線Ａに対して鎖線Ｂで示され
る如く各部が許容されたθの範囲内で上下動し、
第５図の如く第２のチユーブ２５の上下動は中間
連結管２４に伝えられ、この端部２４ｂを持ち上
げつつ引き、他端部２４ａを介して第１のチユー
ブ２３は斜め前後方向に運動するだけで管２３，
２４，２５の嵌着部にねじり力は働かない。

一方、前車体２側のジヨイント１１、リヤクツ
シヨンユニツト１３は後車体側のシヤフト１４、
後車体１５に対して第４図に示される如く許容さ
れたθ_１の範囲内で回動し、回動状態をＣで示し
た。この場合チユーブ２３，２５はＬ型の剛性中
間連結管２４を介して連結され、後車体１５側の
チユーブ２５は左右方向且つ上下方向に振られ、
これに伴つて管２４も振られ、チユーブ２３は振
られる。従つてチユーブ２５，２３にはねじり力
がさ程働かないが、特にこれらは既述の如く回転
中心から外方に偏位しているため、第６図に示さ
れる如く剛体の管２４は回動中心Ｏを支点として
所定の半径の軌跡Ｄを画いて上下動且つ回動し、
この合成された運動において軌跡Ｄに沿つた上下
方向から横方向の運動を管２４は行うこととな
る。従つて管２４はねじられないか、或いはねじ
りは極めて少なく、この結果チユーブ２３，２５
の連結部は略二次元運動類似の運動を行うことと
なり、連結部へのねじり力の働きは可及的に抑
制、減少し、従つて連結部での回動等を抑制する
ことができる。

以上で明らかな如く本考案によれば、後車体に
対して前車体が揺動する前車体揺動式車両におい
て、上下動及び回動を行う可動部間をゴムチユー
ブ等で連結するさい連結部へのねじりを可及的に
抑制、減少せしめ、特に燃料の供給系の如く確実
性を完全に期待される可動部の連結に用いるに好
都合であり、以上を企図する構造もゴムチユーブ
等の中間にＬ型剛性管を介設するだけのため簡単
である等多大の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は原動機付三輪車の側面図、第２図は同要部の拡
大側面図、第３図及び第４図はスイング及びロー
リングの可動部の説明的斜視図、第５図及び第６
図はスイング及びローリング時の配管部の説明図
である。 尚図面中、２３，２５は可撓性管体、２４は中
間連結管、１１，１４，１５は可動部である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 原動機を備えるとともに左右一対の後二輪を支
   持する後車体と少くなくとも１つの操向輪を備え
   る前車体とを、車体の前後方向に配設されるジヨ
   イントを介して連結し、後車体に対して前車体を
   ローリング運動およびスイング運動可能に結合し
   た前車体揺動式車両において、 前記前車体に上下方向に配設された可撓性管体
   と、前記後車体に車体前後方向に配設された可撓
   性管体と、前記各可撓性管体の各端部間を連結す
   る剛体から成る略Ｌ字型の中間連結管とからな
   り、これら管体を前記ジヨイントの上下、回動可
   動部の回転中心より外方に偏した部位に配設した
   ことを特徴とする前車体揺動式車両における可動
   部の配管装置。