JPS6259256B2 - - Google Patents

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Publication number
JPS6259256B2
JPS6259256B2 JP54077251A JP7725179A JPS6259256B2 JP S6259256 B2 JPS6259256 B2 JP S6259256B2 JP 54077251 A JP54077251 A JP 54077251A JP 7725179 A JP7725179 A JP 7725179A JP S6259256 B2 JPS6259256 B2 JP S6259256B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
austenite
phase
diffraction
intensity
rolled steel
Prior art date
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Expired
Application number
JP54077251A
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English (en)
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JPS563623A (en
Inventor
Takeshi Kitagawa
Takeshi Saito
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
Priority to JP7725179A priority Critical patent/JPS563623A/ja
Publication of JPS563623A publication Critical patent/JPS563623A/ja
Publication of JPS6259256B2 publication Critical patent/JPS6259256B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B38/00Methods or devices for measuring, detecting or monitoring specially adapted for metal-rolling mills, e.g. position detection, inspection of the product

Description

【発明の詳細な説明】
この発明は、圧延鋼板、なかでもフエライト相
およびオーステナイト相の2相混合組織状態にあ
る圧延鋼板のオーステナイト量を、該鋼板の製造
ライン走行中に有利に測定することができる方法
に関するものである。 この種鋼板の製造過程における素材中のオース
テナイト量を正確に把握し、適正範囲内に管理す
ることは、最適な材料特性をもつ製品を安定して
生産し、またその材料特性につき品質管理を実施
する上で極めて重要なことである。 たとえば最近、主として自動車外装用鋼板とし
て注目を集めている高抗張力二相合金冷延鋼板に
おいては、とくに焼鈍過程におけるオーステナイ
ト量を十分に精度よくコントロールして、この焼
鈍に引続く冷却後のマルテンサイト量を的確に目
標値に近づけることが重要なポイントである。 すなわち上記高抗張力二相合金冷延鋼板の製造
に当つては、圧延後の冷延鋼板を、Ac1〜Ac3
間の温度すなわち炭素―鉄状態図におけるフエラ
イトとオーステナイトの共存域の温度に加熱する
焼鈍を経て、所定のフエライト―オーステナイト
比となつた二相混合組織の状態から急冷してマル
テンサイト変態を生じさせ、フエライト相と分散
マルテンサイト相との二相混合組織鋼とするので
あるが、このときのマルテンサイト量は急冷前の
オーステナイト量によつて定まるのは明らかであ
る。 この種鋼板の特色は次の通りである。 (1) 降伏応力が低く引張り応力が高いいわゆる高
降伏比を示し加工後の形状性が良好である。 (2) 初期加工硬化率が大きい。 (3) 均一伸び、全伸びが大きい。 (4) 室温時効が起らずストレツチヤー・ストレー
インのトラブルが少い。 (5) 歪み時効硬化が大きい。 などであり、総合的にみてプレス成形性が良好で
ある。また塗装性も従来の冷延鋼板とあまり変ら
ず良好であり、スポツト溶接性も劣下せず、経済
的にも優れている。 上述の如き良好な特性を得るためには、マルテ
ンサイト量を適正な範囲内に制限する必要があ
り、そのためには急冷前におけるオーステナイ
ト、フエライト共存領域でのオーステナイト量に
ついて精度のよい測定および制御が重要な課題と
なるわけである。 しかしながら従来の製造工程においては、鋼板
中のオーステナイト量をオンラインすなわち鋼板
の製造ライン走行中に測定する適切な方法は開発
されてなく、主として素材より採取した小試験片
を対象としてオフラインすなわち製造ラインを離
れたところで測定を行ない、これを素材の代表値
として取扱うのが通例であつた。 しかも一般的に実用される鋼板には、程度の差
はあつても必ず優先方位を持つ集合組織を示し、
その影響を除去しないと正確なオーステナイトの
定量は不可能である。 そこでこの発明は、かような集合組織の補正を
含め、とくに製造ライン走行中の鋼板(鋼帯を含
む)をそのまま対象としてその鋼板中のオーステ
ナイト量を測定し、さらにはその結果を鋼中のオ
ーステナイト量の制御にも利用しようとするもの
である。 ここでオーステナイトの定量に有用なX線回折
の利用に関し、従来技術について概念することと
する。 一般に結晶は、原子が三次元空間に周期的に配
列し空間格子を形成している固体として定義され
る。これらの空間格子のすべての格子点は、格子
面と呼ばれる互いに平行で等間隔な一群の平面上
に配置することができ、空間における位置を問わ
ずに格子面の方位のみは、いわゆるミラー指数
(Miller index)で表示される。 ミラー指数表示で(hkl)面なる平面群の相隣
る面の間隔を格子面間隔と呼びdhklとする。鉄
の場合フエライト、オーステナイト相両相ともd
hklは dhkl=a/√222 ……(1) ここでa:格子定数 で表わされる。 いま波長λの特性X線がミラー指数(hkl)な
る格子面に対し入射角θ(面法線に対し90゜−
θ)で入射した場合、原子による散乱X線のうち
入射X線に対して2θの角度をなす方向、すなわ
ち回折角度方向に進むものが次の(2)式の条件を満
足すれば回折が生じる。 nλ=2dhklsinθ ……(2) (2)式はブラツグの法則として知られているとお
り、nは反射次数で1以上の正整数であり、sin
θ1の範囲で順次大きな値をとる。 この関数に従いX線デイフラクトメータを用い
て試料からの回折X線強度を測定し、多相混合結
晶物質の各相からの回折X線強度が、その回折に
寄与する相(あるいは成分)の濃度に依存すると
いう事実を利用してオーステナイトの定量分析を
行う鉄鋼における応用例は既知であり、この場合
オーステナイトの定量は次のようにして行なわれ
る。 フエライトとオーステナイトとの両相における
ブラツグ角θの、互いに近接した積分回折強度を
I〓,I〓とし、それぞれの相の濃度を〔α〕,
〔γ〕、それぞれが単相の場合のランダム強度(集
合組織を持たない試料の回折強度)をI〓〓,I〓〓
とすると、 I〓=〔α〕・I〓〓,I〓=〔γ〕・I〓〓,〔α〕+〔γ〕=1 …(3) の関係式が成り立つ。従つて次式(4)が導かれる。 このRはインテンシテイフアクタ(intensity
factor)と呼ばれる。 また(3)式より が得られ、(4),(5)式いずれも(I〓〓/I〓〓)が与
えられれば、オーステナイトの定量が可能であ
る。そしてこのランダム強度比I〓〓/I〓〓値は実
用上知られている。 α―鉄(フエライト)、γ―鉄(オーステナイ
ト)の無秩序配向試料すなわち結晶粒が配向性を
もたない試料に関する各結晶格子面による回折X
線強比は次表のとおりである。
【表】 しかしながら通常の実用材料は何らかの集合組
織をもつのが普通であるから、オーステナイトの
定量を行なう場合には、集合組織の影響を補正す
る必要がある。 それというのは結晶物質にX線を照射して、得
られる回折線相互の強度比と、結晶格子面間隔d
hklの組み合わせはその物質固有のものであり、
この事実はX線回折による未知物質の同定に利用
されているが、試料中に集合組織があると上記強
度比が変化するからである。 ところで集合組織の補正の方法として今までに
報告された主たるものは次に述べる二つである。 その一つは、α,γ各相よりできるだけ多くの
回折格子面における回折強度を測定し、各相につ
い測定強度の和を計算し、ランダム試料の相対強
度比に等しくなるように比例配分して補正する方
法である。 この方法では、補正強度を次のようにして求め
る。 (hkl)面の補正強度をI hkl,同じく(hkl)面
の実測積分強度およびランダム試料の相対強度を
それぞれ、Ihkl,I hklとすると次の(6)式 I hkl=(ΣIhkl)×(I hkl/ΣI
kl
)……(6) のように表わされ、この(6)式より次の(7)式が導か
れる。 〔γij〕:フエライトの(hkl)i回折格子面
と、オーステナイトの(hkl)j
折格子面からの各補正強度より求
めたオーステナイト量 I〓:フエライトの(hkl)i回折格子面か
らの補正強度 I〓:オーステナイトの(hkl)j回折格子
面からの補正強度 各〔γij〕の値を平均化することにより精度の
よいオーステナイトの定量を行なうものである。 他の1つは正極点図の測定の場合と同様、回折
角度2θhklを一定にしたまま試料をシエルツ回
転試料台と同様の振幅を行なわせて、回折強度そ
のものを平均化し、補正強度とする方法である。 しかしながらこれらの方法はいずれも測定すべ
き素材よりサンプルを採取してから、試験装置に
て十分な時間をかけて定量し、その値をもつて素
材の代表値とするものであるためオンラインの連
続的測定法としては不適当である。 一方、たとえばCr―K〓特性X線を用い、フ
エライト相の(211)面、オーステナイト相の
(220)面の回折強度を測定し、これらによりオー
ステナイトを製造ラインで定量しようとする方法
もあるが、この場合集合組織の影響を除くため
に、X線入射角の揺動機構を必要とする。 そればかりでなく上記の如き測定方法は、常温
被検体を対象に測定を行なうものであつて焼鈍中
あるいは焼鈍後の冷却前における高温材料の測定
は事実上不可能であつた。 従来のようにX線入射角を揺動し、ランダム化
された回折強度を測定することにより集合組織の
影響を除く方法は、簡便でありオンライン測定と
して実用可能とはいうものの、揺動機構が複雑と
なり、またオンライン測定といつても間けつ的測
定に使用する場合に利用できる程度であつて、常
時測定用としては装置保全の立場からも極めて不
完全なものである。ましてや熱処理工程における
ようなオンライン測定の場合には、雰囲気、温度
条件などに十分の考慮を払う必要があり、またヘ
ツド部そのものの寸法が大きくなるので設置場所
に十分な余裕がないと事実上使用不可能であつ
た。 この発明は、このような従来の難点を解消し
て、精度のよい集合組織補正を行いながら熱処理
工程中においても鋼板のオーステナイト量をオン
ラインで連続的に測定できる方法を提案するので
ある。 この発明では、平行ビーム状の特性X線を、そ
の照射光路を含みかつ試料表面と直交する平面内
で該試料面上のX線照射領域中心を中心とする円
弧上を一定の角度範囲にわたつて回動するX線源
から、試料に対して照射し、試料中のフエライト
相およびオーステナイト相それぞれの各結晶格子
面からの回折X線を、上記X線照射領域中心にお
ける板面法線に対し照射側とは反対側でかつ上記
円弧とは同心の円弧に沿つて配置した位置敏感型
X線検出器(以後単にPSPCと略す)にて検出
し、その波形解析を行なうことにより各結晶格子
面からの回折X線強度を短時間に算出することを
可能ならしめる。 すなわちこの発明にもとづく方法は、事実上測
定可能なフエライト相およびオーステナイト相に
おける最大限の結晶格子面からの各回折強度をほ
ぼ同時に計数し、各相ごとに各回折強度を加算処
理し、得られた各相の総回折強度の比より、事前
に作成せる較正曲線にもとづいてオーステナイト
量を精度よく定量するものであり、検出器に
PSPCを利用することによつて初めてしかも容易
にオンライン・リアルタイムの定量が可能になつ
たのである。 PSPCとは、一本の陽極を芯線とし、この芯線
上における回折X線の入射位置で回折X線による
「電子なだれ」を生じさせ、該芯線をとり囲む陰
極面に発生した誘導電荷がたとえばこの陽極に結
合された遅延線に流れ込み、この遅延線の両端に
到達する時間から最終的には回折X線の入射位置
を標定する検出器である。このような方法による
ものを「遅延線読み出しによるPSPC」と称する
が、他の方法も読出し形式は異なつても何らかの
手段で芯線上の回折X線入射位置を精度よく標定
することを目的としている。 この発明では、従来の角度分散法においてデイ
フラクトメータを走査させていた円周軌跡上に、
測定対称の格子面によつて定まる回折角度位置に
応じて複数個に角度領域を分割してそれぞれ
PSPCを配置するか、あるいは検出すべき回折線
の最小角度から最大角度まで十分カバーできるよ
うな湾曲した或いは折線状の単一の検出面を有す
るPSPCを配置する。 またこの発明の目的のためには、たとえばフエ
ライト、オーステナイト両相の格子面間隔(dhk
)としては、d(420)=0.64Å〜d(111)〓=2.08Å
の範囲で測定できれば十分であり、特性X線とし
てMo―K〓線を用いた場合には、ブラツグ角
(θ)の範囲はθ(111)〓=9.84゜〜θ(420)=33.73
゜となる。 従つて少くとも上記の角度範囲にわたり特性X
線を照射する必要があり、この照射に当つてX線
管球を所定角度位置に必要本数だけ配置してもよ
いが、通常はX線管球を一定角度範囲で連続ある
いはステツプ走査することにより行なう。 なおこの明細書中でX線管球の連続あるいはス
テツプ走査とは、X線管球を試料面上の照射領域
中心を中心とする円弧に沿う一定角度範囲にわた
り連続的あるいは断続的に回動させることをい
う。 さてこの発明の光学系を第1図に具体的に示
す。この例は、検出器として単一の湾曲になる検
出陽極を有するPSPCを用た場合である。 図より明らかなように、X線管を所定の角度範
囲内で連続あるいはステツプ走査させても湾曲型
PSPCを用いることにより、単一の光学系ですべ
ての回折X線が検出できるためヘツド部の構造が
著しく簡単になる。 このとき測定装置の実装上の配置で、θの低角
側の測定が不可能な場合には、複数個の特性X線
を使用すればよい。すなわち表2にMo―K〓お
よびCo―K〓特性X線の両者を用いた場合の格
子面間隔(dhkl)と回折角(θ)との関係につ
いて示したとおり、Mo―K〓特性X線にてオー
ステナイト(220)面からフエライト(420)面ま
でを測定し、Co―K〓線にてオーステナイト
(111)面からフエライト(211)面までを測定す
る。そして重複して測定されるオーステナイト
(220)面もしくはフエライト(211)面からの回
折X線強度により両測定系の強度補正を行なうの
である。
【表】 さて前記したところにおいて静的(実験室的)
に集合組織の影響を除去してオーステナイトを定
量する方法の一つは、各相から出来るだけ多くの
回折格子面についてのX線強度を測定し、各相に
ついて測定された強度の和を求め、これらをラン
ダム試料の相対強度比に等しくなるように比例配
分して強度補正する方法であつた。このことから
も銅中オーステナイト量は、フエライト相、オー
ステナイト相各相の総回折X線強度に依存するの
であり、かような補正の手段はこの発明で次のよ
うに踏襲する。 いま、フエライト相の任意の回折面(hkl)の
補正強度をI〓、オーステナイト相の任意の回折
面(h′k′l′)の補正強度をI〓とし、ジヨイント
コミツテイオンパウダーフラクシヨンスタンダー
ズ(JCPDS)カードなどで広く認められている
ランダム試料の相対強度比、より好ましくはこの
発明に係る測定装置によつて実際にランダム試料
を測定して得られた該測定装置に特有のランダム
試料の相対強度をそれぞれ、I〓,I〓とする
と、求めるオーステナイト量は(5)または(7)式およ
び(6)式より となる。 ここで、
【式】さらに(I〓/ΣI〓) (I〓/ΣI〓)は定数となるので、これをk2
おくと、 (ここで、K=kik2,フエライトの総回折強度:
【式】オーステナイト相の総回折強度:
【式】とする。)で表わされる。 (9)式より、鋼中オーステナイト量が、フエライ
トと、オーステナイト各相からの総回折強度に依
存することは、発明者らが行なつた測定結果から
実証された。 従つてフエライト、オーステナイト各相ごとの
総回折X線強度が迅速に測定できれば集合組織の
悪影響を受けることなしに精度の良い鋼中オース
テナイト量の定量がオンラインで有利に実現され
るわけである。 そこでこの発明では、PSPCを用いた角度分散
方式回折法により、オーステナイト、フエライト
各相につき可能な限り多くの回折面からの回折X
線強度を製造ライン走行中の鋼板についてオンラ
インにて検出、計数し、ついで各相ごとに回折強
度を加算して各相の総回折強度を求め、これらの
比を上記(9)式にもとづいてあらかじめ作成した較
正曲線と照合することにより、集合組織の影響に
有利に排除して鋼中オーステナイトを定量するの
である。 さて第2図にPSPCにより検出した回折波形の
一例を示す。フエライト相(222)面とオーステ
ナイト相(331)面の格面間隔は非常に近接して
いるため、それぞれの格子面からの回折線は、そ
の回折波形がかなり重複している。しかしながら
これらの波形も、後段の信号処理の際、電子計算
機にてたとえば高速フーリエ変換F.F.T(FAST
FOURIER TRANSFORM)などの手法により波
形解析を行なうことによつて容易に素波形に分離
できる。 この方法により、実用上十分な精度でオーステ
ナイトを定量するために必要な最小限の回折格子
面の数を求めると第3図のようになる。各相につ
いて相対強度比の大きい順に、すなわちフエライ
ト相については、(110),(200),(211),(310)

…の順に、オーステナイト相については(111),
(200),(220),(311),……の順にそれぞれ所定
の個数づつとつて算出したオーステナイト量が図
中の白印、黒印の点である。この図の二例で示し
たように一般にフエライト相については5個、オ
ーステナイト相については6個の各相回折強度を
考慮に入れれば十分であることが分かる。これら
選択する回折面としては、分離困難な(331)〓,
(222)〓を除いても同等の精度が得られた。 すなわちフエライト相については、(110),
(200),(211),(310),(321)の5面、オーステ
ナイト相については(111),(200),(220),
(311),(331),(420)の6個の回折強度を各相ご
とに加算しその比を求めて、第4図に示す検量
線、すなわち前記(9)式に基づき作成した較正曲線
と照合することによりオーステナイト量を高精度
で算出できる。 以上のようにこの発明では、測定領域における
全回折X線をほぼ同時に検出、計数できるため、
信号処理を含めても短時間でオーステナイト量の
オンライン測定が、集合組織の影響を受けること
なく可能となる。 以下具体的な実施態様について一層詳細な説明
を行なう。 第5図は複数個のローラ8で支持されて走行す
る鋼板7のオーステナイト量をオンライン・リア
ルタイムで測定するための測定系の例であり、第
6図にそのヘツド部1の具体構成を示す。 X線発生装置2から管電流、管電圧を分光室1
―0に収納されているX線管1―1に供給する。
分光室1―0はX線管1―1のほかスリツト1―
2系PSPC1―3などを収納し、かつこれらを周
囲からの熱、ほこり、腐食性雰囲気に対し保護す
るようにしや断する。なおさらにX線通路を、該
通路中でのX線の減衰を軽減するために真空雰囲
気にする機構を備えることがより望ましい。ヘツ
ド部1は分光室1―0のほか真空ポンプ、耐熱用
水冷管(図示せず)などを含み、必要により内爆
式防爆構造とし、これは水素ガスなどを含む雰囲
気中での焼鈍中の鋼板のオーステナイトの定量の
ときに有利である。 X導管1―1から発生する特性X線は、入射ソ
ーラスリツト1―2およびK〓線をカツトするフ
イルタ箔1―2′を経て平行ビーム状となし、X
線管1―1を所定角度範囲で連続あるいはステツ
プ走査して、該平行ビームを試料に照射する。入
射した平行X線のうちブラツグの法則を満足する
回折X線が(hkl)面の回折線として、試料法線
に対し入射ソーラスリツト1―2と対称位置にお
かれたPSPCにて検出される。なお測定装置の構
造上の理由からブラツグ角の低角側が検出下可能
な場合は、前述のように波長に異なる特性X線を
複数個用いる。 さてPSPC1―3に到達した回折X線は、ブラ
ツグ角の低角側の回折線から時系列的に、あるい
は検出された信号から時分割システムとして若干
増幅された後、信号処理演算機能を持つ電子計算
機5に送られる。このとき一定時間ある角度位置
にて回折X線を積算する方式(F.T.M.:Fixed
Time Mode)の場合は、積算後の計数値を信号
処理系に転送する。 電子計算機5による主たるデータ処理プロセス
は、第7図に示すとおりである。同図に示すよう
にデジタルのまま処理した計数信号、あるいは適
当な時期にA/D変換した信号を、移動平均法な
どの手段により波形を平滑化してからバツクグラ
ンドを求め、原波形からバツクグランドを除去す
る。さらに前述の高速フーリエ解析法など効果的
な波形処理法により素波形に分離して独立した回
折強度を算出し、フエライト相、オーステナイト
相の各相波形を弁別してから各相別に回折強度を
加算して、各相ごとの総回折強度T・I〓,T・
I〓を求め、これらの比T・I〓/T・I〓をあ
らかじめ作成した前記(9)式に従う較正曲線と照合
してオーステナイト量を定量する。 このときフエライト相およびオーステナイト相
における総回折強度は、それぞれフエライト相に
ついては5個の、オーステナイト相については6
個の最適組み合わせの回折結晶格子面からの回装
X線により算出する。 なお第7図に示すデータ処理方式によれば、第
2図に示したようなエネルギー準位が接近してい
る(222)〓,(331)〓のプロフイルの波形分離も
容易であり、これらの面からの回折強度を考慮に
入れて算出するとも可能である。 また鋼板中に集合組織が弱いとき、もしくは高
い精度でのオーステナイト相の定量をさほど必要
としないときには、第7図における波形分離(積
分強度算出)後、各相の回折強度加算前の段階に
おいて、 (a) 前記(6),(7)式によつて算出する方法と同様
に、オーステナイト、フエライト各相の任意の
それぞれ一格子面からの回折強度を(6)式に従つ
てランダム化補正後これらを組み合わせて定量
すること、 あるいは (b) オーステナイト相の任意の一格子面からの回
折強度についてそのまま、あるいは(6)式に従つ
てランダム化補正後の回折強度について、あら
かじめ回折強度とフエライト体積率〔α〕の検
量線を作成しておき、 ここに、I〓〓:オーステナイト単相試料のラ
ンダム強度 I〓:測定試料の回折強度 上記(10)式より〔γ〕=1−〔α〕としてオース
テナイト量を求めること、またはフエライト相
の任意の一格子面の回折強度について上と同様
より定量すること、など他のより簡便な方法を
適用できることはいうまでもない。 なお第5図中4はトラバースであり、ヘツド1
を試料の幅方向に対して駆動し、板幅方向のオー
ステナイト量を測定するために設けるを可とす
る。得られたオーステナイト量の情報により熱処
理条件たとえば焼鈍温度や焼鈍時間などを実時間
でフイードバツク制御できるようになり、そのた
め製品の特性のバラツキが減少し製品歩留りも飛
躍的に向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、湾曲型PSPCを用いたこの発明の光
学系の説明図、第2図はフエライト、オーステナ
イト2相混合試料における回折波形の重なりを示
した図、第3図は、オーステナイト定量値のバラ
ツキと、計算に用いる回折格子面数との関係を示
したグラフ、第4図はT・I〓/T・I〓より算
出した較正曲線を示したグラフ、第5図は実施態
様を示すブロツク図、第6図はヘツド部の構成を
示す説明図、第7図は電子計算機によるデータ処
理プロセスの説明図である。 1……ヘツド部、1―0……分光室、1―1…
…X線管、1―2……入射ソーラスリツト、1―
2′……フイルター箔、1―3……PSPC、2…
…X線発生装置、3……制御部、4……トラバー
ス制御駆動部、5……電子計算機、7……板材、
8……ローラ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 フエライト相とオーステナイト相との2相混
    合組織状態にある圧延鋼板中のオーステナイト量
    を、製造ラインにて該圧延鋼板走行中に測定する
    に当り、平行ビーム状にした特性X線を、その照
    射光路を含みかつ圧延鋼板表面と直交する平面内
    で該圧延鋼板面上のX線照射領域中心を中心とす
    る円弧上を一定の角度範囲にわたつて回動するX
    線源から、該圧延鋼板に対して照射し、該圧延鋼
    板のフエライト相およびオーステナイト相それぞ
    れの各結晶格子面からの回折X線を、上記X線照
    射領域中心における板面法線に対し照射側とは反
    対側でかつ上記円弧とは同心の円弧に沿つて配置
    した位置敏感型X線検出器により検出し、得られ
    た回折X線の波形を解析してフエライト、オース
    テナイト両相の各結晶格子面からの回折X線強度
    をそれぞれ測定し、ついで各相ごとに回折X線強
    度を加算して各相の総回折X線強度をそれぞれ求
    め、両者の比から鋼板中のオーステナイト量を定
    量することを特徴とする、製造ライン走行中にお
    ける圧延鋼板中のオーステナイト量の測定方法。
JP7725179A 1979-06-19 1979-06-19 On-line measuring method of austenite contained in rolled steel sheet Granted JPS563623A (en)

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