JPH051999A - 集合組織の測定方法及び装置 - Google Patents

集合組織の測定方法及び装置

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JPH051999A
JPH051999A JP3180282A JP18028291A JPH051999A JP H051999 A JPH051999 A JP H051999A JP 3180282 A JP3180282 A JP 3180282A JP 18028291 A JP18028291 A JP 18028291A JP H051999 A JPH051999 A JP H051999A
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ray
rays
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incident angle
sample
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JP3180282A
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English (en)
Inventor
Chizuko Gotou
千寿子 後藤
Michio Katayama
道雄 片山
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JFE Steel Corp
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Kawasaki Steel Corp
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  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 多結晶からなる各種材料に対し、材料を加工
することなく短時間で且つ簡単に同一位置における厚さ
方向の結晶配向度の分布を測定する。 【構成】 測定する格子面(hkl )を指定し、複数の入
射角θ1 〜θn を演算装置16に入力する。ゴニオメー
タ10に支持した試料Sに対し、X線発生装置12から
入射角θ1 〜θn でX線を照射し、各入射角について回
折X線強度を半導体検出器14で測定する。その際、各
入射角において試料Sの面上でX線照射幅が一定となる
ように発散スリット20の幅を調整し、受光スリット2
2の幅とその位置を適切に制御する。次いで、試料Sと
同一組成の無秩序配向試料について同一条件の下で回折
X線を測定する。上記両試料で得られた各入射角での測
定結果に基づき、試料Sの特定深さにおけるランダム強
度比を求め、この強度比から厚さ方向について格子面の
配向度分布を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、集合組織の測定方法及
び装置、特に多結晶材料、例えば金属の厚さ方向の集合
組織を非破壊で且つ迅速に測定することができる、エネ
ルギ分散法による集合組織の測定方法及び装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】多結晶材料、特に金属の集合組織は加工
特性や磁気特性に大きな影響を及ぼすので、集合組織を
制御することは製品の品質向上を図る上で有効な手段で
ある。
【0003】例えば、一方向性珪素鋼板の磁気特性向上
をもたらす二次再結晶粒の(110)[001]方位へ
の集積度の向上は、鋼板表面から板厚の1/10〜1/
5深さ位置における(110)[001]方位の一次再
結晶集合組織の発達が必要である。
【0004】又、低炭素鋼板の塑性歪み比(r 値)を向
上させるためには、{111}方位の集合組織を板厚方
向に均一に生成させなければならない。
【0005】更に、フェライト系ステンレス冷延鋼板の
リジング防止のためには、{110}〈001〉方位の
再結晶集合組織を鋼板表面の奥深くまで発達させ、{1
00}〈011〉方位の圧延組織の生成を抑制すること
が重要である。
【0006】このように集合組織を高度に制御するため
には、材料表面の集合組織を測定することが必要である
ことは言うまでもなく、特に、厚さ方向の集合組織の分
布を測定することが不可欠である。
【0007】集合組織は、材料の結晶配向性を評価した
ものであり、その測定は、試料面のX線回折測定から逆
極点図又は正極点図を作成して行うのが最も一般的であ
る。
【0008】X線を試料面に照射する場合、X線は、試
料と相互作用して、そのエネルギに依存して数μm 〜数
百μm の試料内部まで浸透するので、X線回折測定から
得られる極点図には試料表面から回折X線の脱出深さま
での情報が含まれている。
【0009】ところで、板厚方向の集合組織の分布を求
めるには、特定の深さ位置での結晶配向性の測定が必要
である。そのため、従来は、測定を行う各深さ位置で、
試料を研磨等により加工し、数十μm 厚さの薄い試片を
作成しなければならなかった。
【0010】又、板厚方向の集合組織を簡便に評価する
別の手段としては、試料断面のエッチピットから推定す
る方法がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように各測定深さ位置における材料から研磨等により試
片を作成する方法は、その試片の作成に多大な労力を必
要とする上に、この方法では、材料面の同一位置から測
定試料を採取できないため、測定結果に材料面内の場所
によるばらつきが含まれるという問題がある。
【0012】又、上記のようにエッチピットから推定す
る方法は、加工歪みのある試料では、エッチピットが転
位以外の領域では現われ難く、又、エッチピットのサイ
ズが材料組成、腐食液組成、浸漬時間等で敏感に変化す
るため、材料組織に応じたサイズ制御が難しいという欠
点がある。又、この方法では、結晶配向性を定量的に評
価することができないという問題もある。
【0013】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、多結晶からなる各種材料に対し、白
色(連続)X線を用いたエルネルギ分散型X線回折法に
より、材料を加工することなく短時間で且つ簡便に同一
位置における厚さ方向の結晶配向度の分布を測定するこ
とができる集合組織の測定方法及び装置を提供すること
を課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、測定試料面に
所定の入射角で連続X線を照射し、該測定試料面の法線
に対して入射X線と対称の位置で回折X線を検出する集
合組織の測定方法において、上記連続X線を測定試料面
に対して2種類以上の入射角で照射し、各入射角に入射
X線について検出された回折X線をエネルギ分光して特
定の格子面からの回折X線強度を求めると共に、上記測
定試料と同一組成の無秩序配向試料について同一の条件
で上記特定の格子面からの回折X線強度を求め、上記各
入射角について得られる、上記無秩序配向試料の回折X
線強度に対する上記測定試料の回折X線強度の比から、
これら各入射角に対応する特定深さ位置におけるランダ
ム強度比を算出し、上記ランダム強度比から厚さ方向に
ついて上記特定の格子面の配向度の分布を求めることに
より、前記課題を達成したものである。
【0015】本発明は、又、上記集合組織の測定方法に
おいて、測定試料面に連続X線を照射する際、各入射角
について該測定試料面上に照射されるX線の拡がり幅を
同一にすることにより、同様に前記課題を達成したもの
である。
【0016】本発明は、又、測定試料を支持し且つX線
の入射角を調整する機能を有するゴニオメータと、上記
測定試料面に照射するX線を発生するX線発生装置と、
上記測定試料面の法線について上記X線発生装置と対称
の位置に配されたエネルギ分散計数装置と、該エネルギ
分散計数装置で測定した回折X線強度に基づいて所定の
演算を行う演算装置とを備えた集合組織の測定装置であ
って、上記X線発生装置には、上記測定試料面に対する
X線の入射角の変化に連動してスリット幅が制御される
発散スリットが設けられ、上記エネルギ分散計数装置に
は、上記X線の入射角の変化に連動して回折X線の受光
位置に平行移動する受光スリットが設けられていること
により、同様に前記課題を達成したものである。
【0017】本発明は、又、上記集合組織の測定装置に
おいて、上記発散スリットのスリット幅が、X線の入射
角の変化にかかわらず測定試料面上におけるX線の拡が
り幅が一定になるように制御され、上記受光スリットの
スリット幅が、測定試料面上に拡がり幅が一定で照射さ
れたX線に基づく回折X線の幅に制御されるようにする
ことにより、同様に前記課題を達成したものである。
【0018】
【作用】まず、本発明の原理について詳細に説明する。
【0019】平板の多結晶試料に入射角θn で白色X線
が入射し、エネルギEhkl の入射X線に対し2θn の方
向に回折するとき、深さtにある厚みdtの体積中の
(hkl)格子面からの回折X線強度は次の(1)式で記
述される。
【0020】 ΔI(θn )={Io (θn )So (θn )/ sinθn }・dt ×fhkl (t)L(θn )T(θn )Phkl hkl 2 × exp{−2μ(Ehkl )t/ sinθn } …(1) ここで、Io (Ehkl ):Thomsonの弾性散乱強度式 So (θn ) :入射X線の断面積 fhkl (t) :試料面に平行に(hkl )面が配向する結晶粒の体積 分率 L(θn ) :ローレンツ因子 T(θn ) :デバイ・ウォーラー温度因子 Phkl :(hkl )面の多重度 Fhkl :(hkl )面の構造因子 μ(Ehkl ) :エネルギーEhkl のX線に対する試料の線吸収係数
【0021】今、(hkl )回折面の格子面間隔をdhkl
とすると、エネルギ分散X線回折では次の(2)式が成
立するから、上記(1)式のμは入射角θn の関数で表
わされる。
【0022】Ehkl =6.2/(dhkl sinθn
…(2)
【0023】十分に厚い試料の場合、実際に測定される
回折強度は、上記(1)式の深さtを0から∞まで積分
した次の(3)式で与えられるI(θn )に相当する。
【0024】
【数1】
【0025】上記(3)式で、G(θn )は深さtに依
存しない項であり、S(θn )は次の(4)式で与えら
れる。
【0026】S(θn )=2μ(θn )/ sinθn
…(4)
【0027】なお、このときの情報深さ、即ち回折X線
の脱出深さtn は、次の(5)式に示すようにθn に依
存して変化する。
【0028】tn =−ln (1−K)/S(θn )…
(5)
【0029】ここで、Kはキャリブレーション定数で、
通常0.632から0.99が使用される。
【0030】又、前記(4)式のμ(θn )は、Victo
reenの経験式(International Tables for X−ray
Crystall0graphy III ,Kynoch Press,Birmingha
m ,(1962),p 157)により次の(6)式のよ
うに計算できる。
【0031】 μ(θn )/ρ=C(6.2/Ehkl 3 −D(6.2/Ehkl 4 +BσK-N …(6) ここで、ρ :密度 C,D,B:原子の種類と吸収端に依存する定数 σK-N :Klein−Nishinaの自由電子の散乱断面積の式
【0032】一例として、α−Fe の各結晶格子面の入
射角に対する情報深さを、図5に示す。
【0033】入射角θを6°、4°、3°、2°と順次
小さくすることにより、情報深さは(110)面ではそ
れぞれ34μm 、72μm 、118μm 、210μm と
なり、(200)面ではそれぞれ92μm 、183μm
、276μm 、403μm となり、いずれの場合も入
射角θが小さくなるに従って深くなることがわかる。
【0034】結晶格子面(hkl )の配向度の厚さ方向の
分布を求めることは、情報深さの異なる各入射角θで測
定した回折強度I(θ)を用い、前記(3)式からf
hkl (t)を求めることに帰結する。
【0035】今、入射角をθ1 、回折角を2θ1 に固定
して回折強度を測定したとすると、回折強度I(θ1
は前記(3)式から次の(7)式のように表わすことが
できる。
【0036】
【数2】
【0037】ここで、前記(3)式の積分の上限は、実
質的に回折X線の脱出深さt1 の位置となる。試料表面
からt1 までの(hkl)面の体積分率をfhkl (t1
(一定)とすると、fhkl (t1 )は上記(7)式から
次の(8)式のように計算できる。
【0038】 fhkl (t1 )={I(θ1 )S(θ1 )/G(θ1 )}・K …(8)
【0039】次に、入射角をθ1 より小さいθ2 とした
とき、情報深さはt1 より深いt2 となる。深さt1
2 の間の(hkl )面の体積分率をfhkl (t2 )とす
ると、回折強度I(θ2 )は、同様に次の(9)式とな
るから、体積分率fhkl (t2 )は下記(10)式で与
えられる。
【0040】
【数3】
【0041】 fhkl (t2 )=〔I(θ2 )S(θ2 )/G(θ2 ) −fhkl (t1 ){1− exp(−S(θ2 )t1 )}〕 /{ exp(−S(θ2 )t1 )−1+K} …(10)
【0042】入射角をθ1 ,θ2 ,・・・θn まで順次
小さくして対称反射法で回折X線強度の測定を行うこと
により、深さtn-1 とtn の間の(hkl )面の体積分率
hkl (tn )を、次の(11)式のように求めること
ができる。
【0043】但し、n ≧2、tの添字0 (j =1のと
き)=0である。
【0044】
【数4】
【0045】以上詳述したと同じ測定を無秩序配向試料
についても実行する。
【0046】無秩序配向試料では、板厚方向の結晶配向
度の分布が一定であるから、(hkl)面の体積分率f
hkl (t)=c (一定)である。よって、入射角θn
回折角2θn で測定した無秩序配向試料の回折強度IR
(θn )は次の(12)式となる。
【0047】 IR (θn )=c KG(θn )/S(θn ) …(12)
【0048】上記(12)式を前記(11)式に代入す
ると、深さtn-1とtn の間の、無秩序配向試料に対す
る試料の体積分率の比(特定深さでのランダム強度比)
hkl (tn )は、G(θn )を求めることなく次に示
す(13)式によって決定することができる。
【0049】
【数5】
【0050】ここで、Rhkl (θn )は、入射角θn
おける測定試料と無秩序配向試料の(hkl )面の回折強
度の比である。
【0051】上記(13)式により、特定深さ位置での
ランダム強度比を計算で求めることにより、厚さ方向に
ついて特定の格子面の配向度の分布を求めることができ
る。
【0052】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳
細に説明する。
【0053】図1は、本発明に係る一実施例の集合組織
の測定装置を示す概略構成図である。
【0054】本実施例の集合組織の測定装置は、測定試
料を支持し、且つ該試料の表面に照射するX線の入射角
を調整する機能を有するゴニオメータ10と、高出力且
つ高エネルギの白色X線を発生させることができる回転
対陰極型X線発生装置12と、上記試料からの回折X線
を測定する半導体検出器(エネルギ分散計数装置)14
と、該半導体検出器14で検出された回折X線について
所定の演算を行う演算装置16とを備えている。
【0055】上記ゴニオメータ10にはゴニオメータ制
御装置18が接続され、上記演算装置16からの指令に
より、X線の入射角θを任意に変更することが可能とな
っている。
【0056】又、上記半導体検出器14は、測定試料S
の測定面の法線について上記X線発生装置12と対称の
位置に配設されており、上記測定面に対して入射角θで
Xが照射されると、回折角2θの回折X線を受光し、検
出することが可能となっている。
【0057】上記X線発生装置12には、前記測定試料
Sの表面に照射するX線幅を絞るための可変型発散スリ
ット20が付設され、又、上記半導体検出器14には受
光する回折X線に応じてスリット幅とその位置を平行移
動する可変型受光スリット22が付設されている。これ
ら発散スリット20と受光スリット22は、前記演算装
置16から入力される信号に基づいてスリット制御装置
24により適切に制御されるようになってる。
【0058】又、上記半導体検出器14で検出した信号
は、前置増幅器26及び多重型波高分析器28を介して
前記演算装置16に入力されるようになっている。
【0059】上述した本実施例装置では、測定試料Sの
面上でX線照射領域の幅が一定になるように、各入射角
に連動して上記発散スリット20及び上記受光スリット
22のスリット幅が変化するように制御されてる。
【0060】具体的には、例えば集中ビーム法の場合で
あれば、X線照射領域の幅Wに対する発散スリット20
及び受光スリット22の幅δは、次の(14)式の関係
を満たすようにパルスモーター等で変化させればよい。
【0061】 W={ sin-1(θn +Δ)+ sin-1(θn −Δ)} × cosΔ{fl2 +δ(l1 +l2 )}/2l1 …(14) ここで、f :X線源の実効焦点 l1 :X線源の焦点と発散スリット間の距離 l2 :発散スリットとゴニオメータ中心間の距離 Δ= tan-1〔{δ/2}{l1 −fl1 /(f+δ)}〕
【0062】次に、上記測定装置を用いて行う本実施例
方法を、図2、図3のフローチャートに従って説明す
る。
【0063】まず、測定条件を決めるために、測定する
格子面(hkl )を指定し、前記(6)式の定数C,D,
B、密度ρ及び入射角θ1 〜θn を演算装置16に入力
する(ステップ110〜114)。
【0064】次に、前記(6)式から各入射角における
試料の線吸収計数μ(θ1 )〜μ(θn )を計算し(ス
テップ116)、更に前記(4)及び(5)式から測定
する厚さ方向の深さ位置t1 〜tnを計算する(ステッ
プ118)。算出した深さtの条件が適切であるか否か
を判断し、それが不適切のときには、上記ステップ11
4に戻って入射角θを入力し直し、再度深さtを計算す
る(ステップ120、122)。
【0065】上記深さtの条件が適切であれば、その入
射角を測定条件とし、最大の入射角θ1 からX線回折測
定を開始する。その際、まず、θ1 >θ2 >・・・>θ
n であることを確認する(ステップ124)。
【0066】次いで、ゴニオメータ10を所定の入射角
θ(最初はθ1 )に設定し(ステップ126)、その入
射角θに応じて発散スリット20及び受光スリット22
の幅を設定した後(ステップ128)、回折X線強度の
計数(測定)を実行する(ステップ130)。
【0067】その後、入射角θが最小の入射角θn であ
るか否かを判定し(ステップ132、134)、θ=θ
n でない場合は上記ステップ126に戻り、ゴニオメー
タ10を次の入射角に設定し、同様の操作を実行する。
【0068】θ=θn であれば、即ち試料について入射
角が最大のθ1 から最小のθn までのX線回折の測定が
終了したら、上記測定試料と同じ組成を持つ無秩序配向
試料に交換し(ステップ136)、該試料について、測
定試料と同じ条件でステップ126〜134に従ってX
線回折の測定を行う。
【0069】上述の如く、測定試料と無秩序配向試料に
ついて各入射角θ1〜θn で測定した回折強度は、前記
多重型波高分析器28によって、指定した(hkl )面の
積分強度(ピーク面積)又はピーク高さとして読み取
り、その結果を演算装置16に記憶させる。
【0070】X線回折測定が全て終了した後(ステップ
140)、上記演算装置16において前記(13)式か
ら深さt1 〜tn 位置におけるランダム強度Phkl (t
1 )〜Phkl (tn )の計算を行い、所定の(hkl )面
の厚さ方向の配向度分布を出力することにより、集合組
織の測定が終了する(ステップ142、144)。
【0071】表1には、本実施例方法を、一方向性珪素
鋼板の脱炭・一次再結晶焼鈍後の試料に適用した場合の
測定条件とその結果を、(110)面について表1に、
(200)面について表2にそれぞれ示した。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】又、図3には(110)面及び(200)
面の板厚方向の配向度分布の出力結果をそれぞれ示し
た。
【0075】以上詳述した如く、本実施例によれば、試
料を特別に加工することなく。即ち、非破壊で、短時間
で且つ簡便に、同一位置における厚さ方向について、多
結晶材料の任意の格子面の結晶配向度を求めることがで
きる。
【0076】以上、本発明について具体的に説明した
が、本発明は、前記実施例に示したものに限られるもの
でなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であ
る。
【0077】例えば、前記多重型波高分析器28で回折
強度を測定する場合は、試料からの蛍光X線を計数しな
いように、該多重波高分析器28のエネルギ・ウィンド
ウ幅を必要最小限に設定しておけば、半導体検出器14
の検出効率を上げることができると共に、計数値の読み
取り時間も早くすることができることは言うまでもな
い。
【0078】又、測定される回折X線に試料からの蛍光
X線が重なるときは、受光スリット22の直前又は直後
に、又、X線管球からの固有X線が重なるときは、発散
スリット20の直前又は直後に、それぞれ適切なフィル
タを設置してもよい。
【0079】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、多
結晶材料を加工することなく短時間で且つ簡便に、同一
位置における厚さ方向について任意の格子面の結晶配向
度の分布を求めることができるという優れた効果が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る一実施例の集合組織の測
定装置を示す概略構成図である。
【図2】図2は、本発明に係る一実施例方法の前段部分
を示すフローチャートである。
【図3】図3は、上記実施例方法の後段部分を示すフロ
ーチャートである。
【図4】図4は、上記実施例による板厚方向における配
向度分布の測定結果を示す線図である。
【図5】図5は、入射角θと情報深さの関係を示す線図
である。
【符号の説明】
10…ゴニオメータ、 12…X線発生装置、 14…半導体検出器、 16…演算装置、 20…発散スリット、 22…受光スリット、 28…多重型波高分析器。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】測定試料面に所定の入射角で連続X線を照
    射し、該測定試料面の法線に対して入射X線と対称の位
    置で回折X線を検出する集合組織の測定方法において、
    上記連続X線を測定試料面に対して2種類以上の入射角
    で照射し、各入射角の入射X線について検出された回折
    X線をエネルギ分光して特定の格子面からの回折X線強
    度を求めると共に、上記測定試料と同一組成の無秩序配
    向試料について同一の条件で上記特定の格子面からの回
    折X線強度を求め、上記各入射角について得られる、上
    記無秩序配向試料の回折X線強度に対する上記測定試料
    の回折X線強度の比から、これら各入射角に対応する特
    定深さ位置におけるランダム強度比を算出し、上記ラン
    ダム強度比から厚さ方向について上記特定の格子面の配
    向度の分布を求めることを特徴とする集合組織の測定方
    法。
  2. 【請求項2】請求項1において、測定試料面に連続X線
    を照射する際、各入射角について該測定試料面上に照射
    されるX線の拡がり幅を同一にすることを特徴とする集
    合組織の測定方法。
  3. 【請求項3】測定試料を支持し且つX線の入射角を調整
    する機能を有するゴニオメータと、上記測定試料面に照
    射するX線を発生するX線発生装置と、上記測定試料面
    の法線について上記X線発生装置と対称の位置に配され
    たエネルギ分散計数装置と、該エネルギ分散計数装置で
    測定した回折X線強度に基づいて所定の演算を行う演算
    装置とを備えた集合組織の測定装置であって、上記X線
    発生装置には、上記測定試料面に対するX線の入射角の
    変化に連動してスリット幅が制御される発散スリットが
    設けられ、上記エネルギ分散計数装置には、上記X線の
    入射角の変化に連動して回折X線の受光位置に平行移動
    する受光スリットが設けられていることを特徴とする集
    合組織の測定装置。
  4. 【請求項4】請求項3において、上記発散スリットのス
    リット幅が、X線の入射角の変化にかかわらず測定試料
    面上におけるX線の拡がり幅が一定になるように制御さ
    れ、上記受光スリットのスリット幅が、測定試料面上に
    拡がり幅が一定で照射されたX線に基づく回折X線の幅
    に制御されることを特徴とする集合組織の測定装置。
JP3180282A 1991-06-25 1991-06-25 集合組織の測定方法及び装置 Pending JPH051999A (ja)

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