JPS6253971B2 - - Google Patents

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JPS6253971B2
JPS6253971B2 JP22516782A JP22516782A JPS6253971B2 JP S6253971 B2 JPS6253971 B2 JP S6253971B2 JP 22516782 A JP22516782 A JP 22516782A JP 22516782 A JP22516782 A JP 22516782A JP S6253971 B2 JPS6253971 B2 JP S6253971B2
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JP
Japan
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echo
circuit
signal
filter
probability
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Application number
JP22516782A
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English (en)
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JPS59134927A (ja
Inventor
Akira Kanemasa
Kunihiko Niwa
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NEC Corp
Original Assignee
Nippon Electric Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nippon Electric Co Ltd filed Critical Nippon Electric Co Ltd
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Priority to US06/562,846 priority patent/US4621172A/en
Priority to CA000443976A priority patent/CA1221430A/en
Priority to DE8383112914T priority patent/DE3376177D1/de
Priority to EP83112914A priority patent/EP0111938B1/en
Publication of JPS59134927A publication Critical patent/JPS59134927A/ja
Publication of JPS6253971B2 publication Critical patent/JPS6253971B2/ja
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    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B3/00Line transmission systems
    • H04B3/02Details
    • H04B3/20Reducing echo effects or singing; Opening or closing transmitting path; Conditioning for transmission in one direction or the other
    • H04B3/23Reducing echo effects or singing; Opening or closing transmitting path; Conditioning for transmission in one direction or the other using a replica of transmitted signal in the time domain, e.g. echo cancellers
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B3/00Line transmission systems
    • H04B3/02Details
    • H04B3/20Reducing echo effects or singing; Opening or closing transmitting path; Conditioning for transmission in one direction or the other
    • H04B3/23Reducing echo effects or singing; Opening or closing transmitting path; Conditioning for transmission in one direction or the other using a replica of transmitted signal in the time domain, e.g. echo cancellers
    • H04B3/238Reducing echo effects or singing; Opening or closing transmitting path; Conditioning for transmission in one direction or the other using a replica of transmitted signal in the time domain, e.g. echo cancellers using initial training sequence

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は2線/4線変換回路におけるインピー
ダンスの不整合により生じるエコーを消去するた
めのエコーキヤンセラーの収束時間短縮化の方法
に関する。 エコーキヤンセラーは、衛生回線、長距離回線
等のような伝送遅延の大きい電話回線で生じる耳
ざわりなエコーを消去するため、あるいは音声帯
域を利用して双方向のデータを同時伝送する(全
二重モデム)ために応用されている。さらに、ペ
ア線を用いて、2線双方向ベースバンド・データ
伝送を実現するための手段としてエコーキヤンセ
ラーを適用することも可能であり、構内網あるい
は公衆網の加入者アクセスの伝送路のデイジタル
化を実現するための一手段として検討されてい
る。 ここでは、エコーキヤンセラーの適用例とし
て、2線双方向ベースバンド・データ伝送を対象
として説明するが、後で述べるように本発明は、
音声用エコーキヤンセラーあるいはモデム用エコ
ーキヤンセラーにも適用できる。 第1図は、従来のエコーキヤンセラーの一構成
例を示したブロツク図である。同図において、参
照数字1及び2はそれぞれ入力端子及び出力端
子、参照数字3は送信部、参照数字4は受信部、
参照数字5はアダプテイブ・デイジタルフイルタ
(ADF)、参照数字6はD/Aコンバータ
(DAC)、参照数字7は減算器、参照数字8はサ
ンプルホートルド(SH)、参照数字9はA/Dコ
ンバータ(ADC)、参照数字10は係数を2α
(αは定数)とする乗算器、参照数字11は低域
通過フイルタ(LPF)、参照数字12はハイブリ
ツド回路(HYB)、参照数字13は2線伝送路を
それぞれ示す。 今、第1図の回路は2線伝送路を介して対向で
接続されているものとする。加入者ケーブルを対
象とすれば、一方が局側、他方が加入者側に設置
されている。さらに、ここでは説明を簡単にする
ために、ベースバンド伝送を仮定し、加入者側装
置として説明する。 加入者端末からの送出信号は、入力端子1を介
して送信部3及びアダプテイブ・デイジタルフイ
ルタ5に入力される。ここで、受信信号との相関
がないように、送出信号は既にスクランブラー操
作を施してあるものとする。送信部3は、加入者
端末と、2線伝送路13とのインタフエース回路
であり、必要に応じてユニポーラ/バイポーラ変
換回路、帯域制限フイルタ、バツフアーアンプ等
から構成される。送信部3の出力は、ハイブリツ
ド回路12を介して2線伝送路13に送出される
と同時に、ハイブリツド回路12の回路不全、イ
ンピーダンス不整合等の原因によりエコーとなつ
てLPF11にも入力される。 一方、2線伝送路13及びハイブリツド回路1
2を介して、相手側(ここでは局側)から送出さ
れた受信信号もLPF11に入力される。今、エコ
ー信号をe(k)(但しkは時刻を示すインデツク
ス)、受信信号をs(k)、受信信号s(k)が2線伝送
路13で受ける雑音をn(k)とすれば、LPF11の
出力信号u(k)は次式のように表わされる。 u(k)=e(k)+s(k)+n(k) ……(1) ここでエコーキヤンセラーの目的は式(1)におけ
るエコー信号e(k)のレプリカe(k)を生成し、エコ
ー信号を消去することである。第1図において、
アダプテイブ・デイジタルフイルタ5、D/Aコ
ンバータ6、減算器7、サンプルホールド8、
A/Dコンバータ9及び乗算器10から成る閉ル
ープ回路を用いて、適応的にエコー・レプリカe
(k)を生成することにより、サンプルホールド8の
出力信号として、次式に示すr(k)を得ることがで
きる。 r(k)=e(k)―e(k)+s(k)+n(k) ……(2) ここでe(k)は、D/Aコンバータ6の出力信号
であり、減算器7に入力される。また、式(2)にお
いて{e(k)−e(k)}は残留エコーと呼ばれる。受
信部4は必要に応じてバイポーラ/ユニポーラ変
換回路、ナイキストフイルタ、線路等化器、バツ
フアアンプ等から構成される。 第2図は第1図に示したアダプテイブ・デイジ
タルフイルタ5の一構成例を示したものである。
第2図において、参照数字50及び51は入力端
子、参照数字50,52,…,52N-2は遅
延素子、参照数字53,53,…,53N-1
は係数発生回路、参照数字54,54,…,
54N-1は乗算器、参照数字55は加算器、参照
数字56は出力端子をそれぞれ示す。第2図にお
いて、入力端子50に供給される入力信号a(k)、
入力端子51に供給される入力信号r′1(k)及び出
力端子56に供給される出力信号e′(k)はそれぞれ
第1図のアダプテイブ・デイジタルフイルタ5の
入出力信号であるa(k),r′(k)及びe′(k)に対応して
いる。入力端子50に供給された入力信号a(k)は
遅延素子52,乗算器54及び係数発生回路
53に同時に供給される。一方遅延素子52
,52,…,52N-2は、この順に縦続接続
されており、その接続点においては第2図に示す
ような構成になつている。即ち遅延素子52mの
出力信号a(k−m−1)は遅延素子52n+1
乗算器54n+1及び係数発生回路53n+1に同時に
供給される。但し、mは自然数である。また、入
力端子51から供給されるr′(k)は、係数発生回路
53,53,…,53N-1に同時に入力され
る。さらに係数発生回路53mは入力信号r′(k)及
びa(k−m)を受け、係数Cm(k)を出力し乗算
器54mの入力信号となる。また、N個の乗算器
54,54,54,…,54N-1の出力信
号は、加算器55ですべて加算されてe′(k)となり
出力端子56に供給される。このようにして誤差
信号r′(k)の値を基にして入力信号a(k)よりエコー
レプリカe′(k)を生成することができる。遅延素子
52,52,…,52N-2の遅延量は送出デ
ータ速度を同一でT秒であり、実際にはフリツプ
フロツプにより実現できる。係数発生回路Amで
は最急降下法等の適応アルゴリズムにより、誤差
信号r′(k)を最小にするように係数の更新が行なわ
れる。なお第2図は、基本的にはトランスバーサ
ル・フイルタの構成であり、係数が収束した時点
では、各係数は第1図における送信部3、HYB
12及びLPF11から成るエコーパスのインパル
ス応答を近似したものになつている。 第2図において係数発生回路Amでは次式に示
すような演算が実行される。 Cn(k)=Cn(k−1) +r′(k−1)・a(k−m) ……(3) 上式においてr′(k)は次式のように表わされる。 r′(k)=2α・R〔r(k)〕 ……(4) 但し、R〔・〕はr(k)をnビツトに量子化する
ことを意味し、A/Dコンバータの量子化操作を
表わす。式(3)及び式(4)に基づいて、トランスバー
サルフイルタのタツプ係数Cm(k)の値が更新さ
れ、kの増加即ち時間の経過と共にエコーパスの
インパルス応答に近づくような適応動作を行な
う。 ところで第1図に示したA/Dコンバータ9
は、従来、8ビツト程度の精度が必要とされてお
り、データ速度が速くなるに伴いサイズが大きく
なり、消費電力も増大してしまう。従つて、A/
Dコンバータは将来、第1図に示した全体の回路
の1チツプLSI化を実現する際のネツクなると考
えられる。そこで、A/Dコンバータの代わりに
極性判定回路を用いる方法が提案されている。こ
の方法は、アダプテイブ・フイルタのタツプ係数
の修正を誤差信号の符号を用いて実現する一種の
近似アルゴリズムであり、sign algorithmと呼ば
れている。この時式(4)は次式のように書き換えら
れる。 r′(k)=2α・sign〔r(k)〕 ……(5) 但し、sign〔・〕は、r(k)の符号のみを取り出
すことを意味する。即ち、 が成立するものとする。今、式(3)及び式(5)を用い
たsign algorithmを採用した時、A/Dコンバー
タ6を使用した場合と同等のS/Nを得るために
は、式(5)におけるαは式(4)におけるαと比べて十
分小さく選ぶ必要がある。どの程度小さくすべき
かは受信信号レベルに依存するが、現実には1/10
0程度の値を選択する必要がある。従つて、式(3)
より明らかな様に、1回毎のタツプ係数の修正量
が小さいので、収束時間は約100倍にもなるとい
う問題が生ずる。 そこで本発明の目的は、2線双方向データ伝送
用エコーキヤンセラーにおいて、収束時間を短縮
化する方法を提供することにある。 本発明は、2線双方向データ伝送用エコーキヤ
ンセラーにおいて、極性判定回路出力とエコーレ
プリカ信号の符号を乗算し、該乗算出力を平均化
した後該平均化の絶対値に応じて、アダプテイ
ブ・フイルタのタツプ修正係数の大きさを適応的
に変化させることにより、収束時間の短縮化を可
能とすることを特徴とする。次に、図面を参照し
て本発明について詳細に説明する。 第3図は、本発明の一実施例を示したブロツク
図である。同図において、参照数字1,2,3,
…,13は、それぞれ第1図の同一の参照数字の
ものと同一の機能を示している。但し、第3図に
おいて参照数字9′は極性判定回路(第1図にお
いてA/Dコンバータ9のビツト数を1にした場
合に相当)、参照数字10′は適応的に変化する修
正係数を乗算するための乗算器(第1図におい
て、固定の修正係数を乗算するための乗算器10
に対応)をそれぞれ示す。また、第3図におい
て、参照数字14は乗算器、参照数字15は符号
検出回路、参照数字16は平均化回路、参照数字
17は絶対値回路、参照数字18は乗算器をそれ
ぞれ示す。 第3図において、極性判定回路9′の出力は乗
算器10′に入力されると共に乗算器14にも入
力されている。アダプテイブ・デイジタルフイル
タ5の出力信号であるエコーレプリカe′(k)の符号
を符号検出回路15にて取り出して極性判定回路
9′の出力と乗算し、該乗算結果を平均化回路1
6に入力する。平均化回路16の出力は絶対値回
路17に入力され絶対値を得る。乗算器18にて
定数2αと絶対値回路17の出力を乗算し、2α
に重み付けを行なう。さらに、乗算器10′に
て、コンバータ9′の出力と乗算器18の出力を
乗算して誤差信号r′(k)を得、r′(k)をアダプテイ
ブ・デイジタルフイルタ5に入力する。 本発明の原理は、タツプ修正係数を常に一定に
するという従来の方法と異なり、誤差信号とエコ
ー信号の符号が相関を持つており、この相関出力
の大きさが残留エコーレベルに依存して変化する
ことを利用している。従つて、残留エコーレベル
に応じてタツプ修正係数を適応的に変化させるこ
とが可能となり、収束時間を大幅に短縮できるこ
とになる。この原理を実現する条件のうちエコー
信号の符号を抽出することは実際のシステムでは
不可能である。そこである程度収束が進行した時
点以降において、エコー信号の符号とエコーレプ
リカ信号の符号とが一致することが、エコーキヤ
ンセラーの適応動作から考えて期待できることに
注目した点が本発明のポイントである。 本発明の一実施例を示した第3図の動作の説明
を簡単にするために、アダプテイブ・デイジタル
フイルタ5を1タツプにした場合について述べ
る。さらに伝送路符号としてAMI(Alternate
Mark Inversion)符号を例に挙げて述べるが、
これ以外の符号について、さらにアダプテイブ・
デイジタル・フイルタを複数タツプにした場合に
ついては、後で詳細に述べる。また、本発明の一
実施例を示した第3図では、識別回路としてハー
ドウエア規模の小さい極性判定回路を採用した例
を示している。以下に述べる動作原理及びその効
果は識別回路として、A/Dコンバータあるいは
多値識別回路を採用した場合にも適用できること
は言うまでもない。 今、伝送路符号としてAMI符号、またエコー
として1タツプを仮定しているから、エコーe(k)
としては次式に示すように3値から成る。 e(k)={+e,0,−e} ……(7) 但し、eは正数、また+e及び−eの発生確率
はそれぞれ1/4、0の発生確率は1/2である。また
符号間干渉に起因するゆらぎを無視すれば受信信
号s(k)も同様に次式で表わされる。 s(k)={+s,0,−s} ……(8) 但し、sは正数、また+s及び−sの発生確率
はそれぞれ1/4、0の発生確率は1/2である。さら
に、雑音n(k)のレベルは受信信号s(k)のレベルと
比較して十分小さく、その符号は、正負等確率で
あると考えられる。そこで以下の動作説明では、
n(k)を無視して述べることにするが、n(k)を含め
た場合においても基本動作はそのまま適用できる
ことは明らかである。以上の条件から第3図にお
ける平均化回路16の入力の正負の発生確率は、
次の3つの場合に分けて考えればよい。 (1) 残留エコーレベルが受信信号レベルより大き
い場合(|s(k)|<|e(k)−e(k)|) この場合には、e(k)=e(k)=0の時以外は、
e(k)−e(k)の符号により極性判定回路9′の出
力が定まり、しかも乗算器14にてエコーレプ
リカ信号e′(k)の符号と、極性判定回路9′の出
力と乗算するから平均化回路16の入力として
は、常に正となる。その確率は、1/2である。 次にe(k)=e(k)=0が成立する時について考
える。この時、符号検出回路15の出力は零と
なるから、平均化回路16の入力としては零が
入力される。その確率は1/2である。 以上を総合すると平均化回路16の入力とし
ては正が発生する確率が1/2、零が発生する確
率が1/2となる。 (2) 残留エコーレベルが受信信号レベルよりも小
さくかつタツプ修正量よりも大きい場合(|r
(k)|<|e(k)−e(k)|<|s(k)|) この場合には、s(k)≠0の時は、s(k)の符号
により、極性判定回路9′の出力が定まる。こ
の時極性判定回路9′の出力とエコーレプリカ
信号e′(k)の符号とは相関を持たないので、平均
化回路16の入力としては、正が発生する確率
は1/8、負が発生する確率は1/8、零が発生する
確率(e(k)=e(k)=0が発生する確率)は1/4
となる。 一方、s(k)=0の時には、e(k)−e(k)の符号
により極性判定回路9′の出力が定まる。この
時極性判定回路9′の出力とエコーレプリカ信
号e′(k)の符号とは相関を持つているので、平均
化回路16の入力としては、正が発生する確率
は1/4、零が発生する確率(e(k)=e(k)=0が
発生する確率)は1/4となる。 以上を総合すると、平均化回路16の入力と
しては、正が発生する確率は3/8、負が発生す
る確率は1/8、零が発生する確率は1/2となる。 (3) 残留エコーレベルが受信信号レベルよりも小
さくかつタツプ修正量とほぼ等しい場合(|
r′(k)||e(k)−e(k)|<|s(k)|) s(k)≠0の時は、(2)の場合と全く同様に考え
ることができる。従つて、平均化回路16の入
力としては、正が発生する確率は1/8、負が発
生する確率は1/8、零が発生する確率は1/4とな
る。 一方、s(k)=0の時には、e(k)−e(k)の符号
により極性判定回路9′の出力が定まる。ここ
でタツプ修正量r′(k)とe(k)−e(k)のレ
ベルはほぼ等しいので、コンバータ9′の出力
と、e′(k)の符号とは相関を持たなくなる。従つ
て平均化回路16の入力としては、正が発生す
る確率は1/8、負が発生する確率は1/8、零が発
生する確率は1/4となる。 以上を総合すると、平均化回路16の入力とし
ては、正が発生する確率は1/4、負が発生する確
率は1/4、零が発生する確率は1/2となる。 これまで述べた結果をまとめると表1のように
なる。
【表】 今、エコーレベルに比べて受信信号レベルの方
が小さい場合について考える。タツプ係数の初期
値をCo(o)=oとして、エコーキヤンセラーが
動作を開始すると第3図における平均化回路16
の入力における正、負、零の発生確率は表1の(1)
に対応する。従つて、平均化回路16の出力で
は、この発生確率に対応した正の値が得られる。
それ故、絶対値回路17、乗算器18及び19に
より表1の(1)に対応したタツプ修正量r′(1)(k)が定
まる。次にエコーキヤンセラーの適応動作によ
り、残留エコーレベルがしだいに小さくなり、平
均化回路16の出力における正、負、零の発生確
率は表1の(2)に移行する。従つて、平均化回路1
6の出力では、表1の(2)に対応した値が得られる
から、タツプ修正量r′(2)(k)が定まる。さらにエコ
ーキヤンセラーの適応動作が進行すると、平均化
回路16の出力における正、負、零の発生確率は
表1の(3)に移行する。従つて、平均化回路16の
出力では、表1の(3)に対応した値が得られるか
ら、タツプ修正量r′(3)(k)が定まる。平均化のやり
方にも依存するが、短時間の平均を見れば一般に
下式が成立する。 0|r′(3)(k)|<|r′(2)(k)|<|r′(1)(k)|…
…(9) 従つて、残留エコーレベルに応じてタツプ修正
量が変化していることになるから収束時間を短縮
することが可能となる。しかもr′(3)(k)oが成立
するから収束も保証されることは明らかである。
但し、収束時において平均化回路出力のふらつき
をある程度見込んでおく必要があるから、定数α
を予め小さくしておけばよい。 次に、エコーレベルに比べて受信信号レベルが
大きい場合について考える。この場合には、表1
の(2)からスタートし、(3)へ移行する。その動作は
前に述べたことがそのまま適用できる。 これまでの説明では、アダプテイブ・デイジタ
ル・フイルタの初期値としてタツプ係数をCo
(o)=oと仮定していたが、Co(o)≠oの場
合にも正常な動作をすることを以下に述べる。ま
ず、送出符号が“0”“1”及び“−1”に対応
して、エコーe(k)がo、+e及び−eが発生し、
さらにそれぞれの発生確率はそれぞれ1/2,1/4及
び1/4になつているものと仮定する。今、Co
(o)>oの時は、表1に従つて、Co(o)=oの
場合と同様な動作を行なう。但し、Co(o)=o
の場合に比べて収束時間が短かくなることは明ら
かである。 一方、Co(o)<oの時は、Co(o)=oにな
るまでの動作は表1の(1)及び(2)において、正と負
の発生確率を逆転したものになる。これを表2に
示す。
【表】 エコーレベル、タツプ係数初期値の大きさ及び
受信信号レベルに依存して(1)又は(2)の状態からエ
コーキヤンセラーは適応動作を開始する。この時
第3図において平均化回路16の出力は負となる
が絶対値回路17によりその大きさのみが抽出さ
れる。従つて前述のように表2の(1)及び(2)に対応
したタツプ修正量はそれぞれ表1の(1)及び(2)と同
じ値になり、r′(1)(k)及びr′(2)(k)と表わされるから
収束時のタツプ修正量r′(3)(k)に比べて大きく、収
束を速めることが可能となる。表2においてタツ
プ係数の初期値Co(o)(<o)が(1)を満足する
時、Co(k)=oになるまで(1)の状態に止まるか又
は(2)の状態に移行する。またCo(o)が(2)を満
足する時、Co(k)=oになるまで(2)の状態に止ま
る。このようにしてCo(o)<oの場合にも、表
2に従い、タツプ修正量を大きくすることによ
り、急速にCo(k)=oとし、その後の動作はCo
(o)>oに対する動作と全く同様である。但し、
Co(o)<oの場合には、Co(o)=oの場合と
比べて収束時間が長くなることに注意する必要が
ある。以上述べたように、タツプ係数の初期値に
依存せず必ず収束が保証され、しかも、タツプ係
数の修正量を残留エコーレベルに応じて変化させ
ることが可能となるから大幅な収束時間の短縮を
図ることができる。 以上述べた例では第3図におけるアダプテイ
ブ・デイジタル・フイルタ5のタツプ数として1
タツプを仮定していた。そこでタツプ数を複数タ
ツプにした場合について次に述べる。複数タツプ
の時には、平均化回路16の入力における正、負
及び零の発生確率に対する場合分けの数が、1タ
ツプの時に比べて指数関数的に大きくなる。従つ
て、表1に対応する前記確率は、ほぼ連続的に変
化するものとみなすことができる。タツプ数Nを
2以上の整数)とする時表1に対応して次表が得
られる。
【表】 表3より明らかなように、タツプ数がNの場合
にも残留エコーレベルに応じて平均化回路の入力
の正及び負の発生確率が変化するから、タツプ係
数修正量の大きさを変化することができ、従つて
収束時間を短縮することが可能となる。なお、エ
コーレベルと受信信号レベルとの相対関係により
表3に示した両端の値の中間の値からスタートす
ることもあり得る。さらに、タツプ係数の初期値
の符号が実際のエコーインパルスレスボンスの符
号と異なつている場合には、表3の正、負の発生
確率の左端の値から中間のある値(初期値の大き
さにより変化するので同表には示していない。)
までの発生確率を逆転して考えればよい。その時
の動作は1タツプの場合と全く同様に考えること
ができる。 次に伝送路符号について述べる。今までの説明
では伝送路符号としてAMI符号を仮定してい
た。直流バランスの良いAMI符号は、実際のシ
ステムで広く用いられているが、クロツク抽出が
容易であるという理由から、バイ・フエーズ符号
のような2値符号もしばしば用いられる。この場
合にも残留エコーレベルが、受信信号レベルと同
等になるまでは表3がそのまま適用できる。残留
エコーレベルが受信信号レベルと同等になると、
受信信号レベルの符号のみにより極性判定回路
9′の出力が定まるからエコーキヤンセラー自体
が適応動作を停止してしまう。従つて、第3図に
おいて極性判定回路9′の入力に対し、受信信号
レベルと同程度のレベルのランダム雑音を相加す
ることにより(受信信号+付加された雑音)をほ
ぼ0とする確率を生じさせてエコーキヤンセラー
の適応動作の停止を避ければよい。従つて、残留
エコーレベルが受信信号レベルと同等になつた時
点以降はランダム雑音と受信信号との相殺確率を
見込んで表3を修正して考えればよい。但し、表
3において、収束時の発生確率は、変化しないこ
とに注意する必要がある。従つて、2値符号を用
いた場合にも、残留エコーレベルに応じて平均化
回路の入力の正及び負の発生確率が変化するか
ら、タツプ修正量の大きさを変化することがで
き、その結果、収束時間を短縮することが可能と
なる。 なお、これまでは説明を簡単にするためにエコ
ーキヤンセラーの動作速度は、データ速度を同一
の速度と仮定して述べて来たが実際には、伝送路
符号の帯域に対応してAMI符号ではデータ速度
の2倍以上、バイフエーズ符号では4倍以上でエ
コーキヤンセラーは動作させる必要がある。この
時、第3図においてアダブテイブ・デイジタル・
フイルタ5、D/Aコンバータ6、サンプルホー
ルド8、極性判定回路9′及び乗算器10′はデー
タ速度の整数倍で動作させればよい。しかしなが
ら、乗算器14及び18、符号検出回路15、平
均化回路16及び絶対値回路17は必ずしもデー
タ速度の整数倍で動作させる必要はなく、データ
速度と同一の速度で動作させることもできる。ま
た、第3図に示した符号検出回路15における符
号の検出において、閾値が多少のオフセツトを持
つていても正常に動作することを言うまでもな
い。さらに、ある程度の収束時間が長くなる場合
があり得るが、符号検出回路15を省略すること
も可能である。また第3図において極性判定回路
9′の代わりに、多値識別回路あるいはA/Dコ
ンバータを用いることも可能である。 第3図の変形としてD/Aコンバータ6、サン
プルホールド8を省略し、アダプテイブ・デイジ
タル・フイルタをアダプテイブ・アナログ・フイ
ルタに置換えれば全アナログ処理の構成にするこ
とができる。この時、極性判定回路9′は、省略
することも可能である。また第3図において、
D/Aコンバータ6、サンプルホールド8を省略
する代わりに、送信部3の入力にD/Aコンバー
タ、LPF11の出力にA/Dコンバータを付加す
れば全デイジタル処理の構成にすることができ
る。この時、極性判定回路9′は、極性ビツト抽
出回路に置換えればよい。 第3図に示した本発明の一実施例では、2線双
方向ベースバンド・データ伝送を対象として説明
してきた。本発明を音声用エコーキヤンセラーに
適用する場合、ダブル・トーク時においてエコー
キヤンセラーの適応動作を停止するという従来の
条件の下で、本発明がそのまま適用できる。さら
に、モデム用エコーキヤンセラーの場合には、変
復調回路を付加すれば本発明を適用することが可
能となる。 以上詳細に述べたように、本発明によればエコ
ーキヤンセラーのスタート時には残留エコーレベ
ルが大きいのでこれに対応してタツプ修正量を大
きくし、収束が進行するにつれて残留エコーレベ
ルが小さくなるのに伴いタツプ修正量を小さくす
るように適応動作するから、エコーキヤンセラー
の収束時間を短縮化することが可能となる。しか
も本発明によれば、誤差信号をデイジタル信号に
変換する手段としてA/Dコンバータ6の代わり
に極性判定回路ですますことができるから、エコ
ーキヤンセラーのLSI化が容易となり、その小型
化、経済化が期待できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、従来のエコーキヤンセラー装置の一
構成例を示したブロツク図、第2図は第1図のア
ダプテイブ・デイジタル・フイルタの詳細ブロツ
ク図である。第1図において、参照数字1は入力
端子、参照数字2は出力端子、参照数字3は送信
部、参照数字4は受信部、参照数字5はアダプテ
イブ・デイジタルフイルタ、参照数字6はD/A
コンバータ、参照数字7は減算器、参照数字8は
サンプルホールド、参照数字9はA/Dコンバー
タ、参照数字10は係数を2αとする乗算器、参
照数字11は低減通過フイルタ、参照数字12は
ハイブリツド回路、参照数字13は2線伝送路で
ある。また第2図において、参照数字50及び5
1は入力端子、参照数字52,52,…,5
N-2はT秒の遅延素子、参照数字53,53
,…,53N-1は係数発生回路、参照数字54
,54,…,54N-1は乗算器、参照数字5
5は加算器である。第3図は、本発明の一実施例
を示したブロツク図である。同図において、第1
図と同一の参照数字は同一の機能を示す。但し、
参照数字9′は極性判定回路、参照数字10′は乗
算器をそれぞれ示す。また第3図において、参照
数字14及び18は乗算器、参照数字15は符号
検出回路、参照数字16は平均化回路、参照数字
17は絶対値回路をそれぞれ示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 2線/4線変換回路の4線側にて、送信回路
    から受信回路へ漏れ込むエコーを除去するため、
    アダプテイブ・フイルタにより送信信号に基づき
    エコーレプリカを生成することにより、該受信回
    路にて得られる受信信号と該エコーとが混在した
    混在信号から該エコーレプリカを差引いた差信号
    を小さくするように動作するエコーキヤンセラー
    において、該差信号と該エコーレプリカの符号と
    を乗算した後平均化し、該平均化された出力の絶
    対値の大きさに対応して該アダプテイブ・フイル
    タのタツプ修正量の大きさを適応的に変化させる
    ことを特徴とするエコーキヤンセラーの収束時間
    短縮化の方法。 2 前記アダプテイプ・フイルタをデイジタル・
    フイルタで構成し、前記エコーレプリカをアナロ
    グ信号に変換すると共に、A/Dコンバータを用
    いて前記差信号をデイジタル信号に変換してなる
    特許請求の範囲第1項記載のエコーキヤンセラー
    の収束時間短縮化の方法。 3 前記アダプテイプ・フイルタをデイジタルフ
    イルタで構成し、前記エコーレプリカをアナログ
    信号に変換すると共に、多値識別回路を用いて前
    記差信号をデイジタル信号に変換してなる特許請
    求の範囲第1項記載のエコーキヤンセラーの収束
    時間短縮化の方法。 4 前記アダプテイブ・フイルタをデイジタルフ
    イルタで構成し、前記エコーレプリカをアナログ
    信号に変換すると共に、極性識別回路を用いて前
    記差信号をデイジタル信号に変換してなる特許請
    求の範囲第1項記載のエコーキヤンセラーの収束
    時間短縮化の方法。
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