JPS6252706B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、水道管、ガス導管、電力線や通信線
の埋設管路等の、主として地中に埋設された管路
に内張りを施すための内張り材の、製造方法に関
するものである。

前述の管路に内張りする方法として、該管路の
一端部に柔軟な筒状の内張り材を環状に固定し、
これを流体圧力で裏返しながら管路内に挿通する
と同時に、裏返された内張り材を前記流体圧力で
管路内面に圧着し、接着するという方法が知られ
ている。この方法は、管路に多少の屈曲があつて
も、その屈曲に沿つて内張りすることができ、し
かも長尺の管路にその両端のみに作業坑を形成す
るだけで作業でき、且つ短時間に内張りすること
ができるものであつて、きわめてすぐれた方法で
ある。

而して、この方法において使用する内張り材
は、流体圧力で裏返される必要上、気密性を有す
ることが要求され、又、管路内面に接着される面
すなわち裏返し前における内面は、多量の接着剤
を抱き込んで、管路内面に強力に接着するため、
織布が露出していることが望ましい。又織布によ
つて内張り材が補強され、裏返し時に内張り材に
過度の歪が生じることがない。さらに内張り材
は、その直径が管路の内径よりも若干小さく、裏
返された後流体圧力によつて径が膨らみ、管路内
面に沿つて接着されるようにするのが良い。その
ために前記織布は事前にその長さ方向に充分に引
き伸ばされ、径が自然状態よりも収縮せしめられ
ていることが望ましいのである。

本発明は、これらの緒性能を満足する内張り材
の、製造法を提供することを目的とするものであ
る。

図面は本発明により内張り材を製造する工程を
示したものであつて、１は筒状織布である。該筒
状織布１は、織成時には、内張りすべき管路の内
径よりも、３〜20％程度大きい直径となるよう織
成され、その後、これをその長さ方向に引張り力
を作用させながら熱処理して、直径を管路の内径
よりやや小さい大きさに、収縮せしめられてい
る。

この筒状織布１はリール２に巻回されており、
該リール２から引き出され、送り装置３、ダンサ
ー装置４、テンシヨン装置５を経て、押出し装置
６に供給され、押出し装置６の前方において、引
取り装置７で引き取られ、巻取り装置８に巻き取
られる。送り装置２は、一対の送りローラー９，
１０よりなり、強制駆動されて、筒状織布１を積
極的にダンサー装置４へ送り込むようになつてい
る。

ダンサー装置４は、支えローラー１１，１２と
ダンサーローラー１３とよりなり、ダンサーロー
ラー１３は、その自重により筒状織布１に張力を
加えており、筒状織布１の前進の状況に応じて、
上下動し得るようになつている。そして、ダンサ
ーローラー１３の上下の動きを前記送り装置２の
駆動手段へフイードバツクして、送り装置２によ
る筒状織布の送り速度を、調節するようになつて
いる。

テンシヨン装置５は、送り装置３と同様、一対
のテンシヨンローラー１４，１５よりなり、筒状
織布１の前進に伴つて、筒状織布１に対し一定の
テンシヨンをかけながら従動するようになつてい
る。

押出し装置６は、筒状織布１の直径よりもやや
大きい外径を有するマンドレル１６と、押出しヘ
ツド１７とを有し、筒状織布１は、そのマンドレ
ル１６と押出しヘツド１７との間を通つて前方へ
移動し、ヘツド１７の先端において、外周面にゴ
ム又は合成樹脂が被覆され、内張り材１ａが成型
されるのである。マンドレル１６の後端には、後
方に延びるロツド１８が固定され、該ロツド１８
の後端には、断面略砲弾状の頭部１９の肩部に、
小ローラー２０を軸支したホルダー２１が取りつ
けられている。而して該ホルダー２１は、一対の
支持ローラー２２で筒状織布１の外側から支持さ
れ、マンドレル１６が筒状織布１と共に前進する
のを支えている。

引取り装置７は、それぞれ一対のローラー２
３，２４にかけ渡された、一対のエンドレルベル
ト２５，２６よりなり、その間に成型された内張
り材１ａを挟持して、強く前方へ引張るのであ
る。巻取り装置８は、リール２７上に内張り材１
ａを巻き取るようになつている。

本発明の一実施例を具体的に基いて述べる。内
径156mm（呼称150mm）のガス導管用の内張り材を
製造する場合、先ずサーキユラー織機により、直
径161〜170mmの筒状織布１を織成する。次いでこ
の織布１を、150〜250Kgの荷重をかけながら、
180〜200℃で約１分間熱処理し、長さ方向に伸長
せしめると共に、直径を150mmにまで収縮させ
る。

次にこの筒状織布１に、図面に示ようにゴム又
は合成樹脂の被覆を施す。前述の筒状織布１にお
いては、マンドレル１６の外径は、156mm程度が
適当である。そして、テンシヨン装置５により50
〜200Kg程度のバツクテンシヨンをかけながら、
引取り装置７で250〜600Kgの張力で引取り、筒状
織布１を前進させながら、押出し装置６でゴム又
は合成樹脂の被覆層を形成し、最終的に、直径
145mm程度の内張り材１ａが得られる。

本発明によれば、内張り材１ａ中の筒状織布１
は、その長さ向に強く引き伸ばされており、直径
が収縮せしめられている。従つて、これを前述の
方法で裏返して管路内面に挿通したとき、内張り
材は流体圧力により容易に径膨脹し、管路内面に
沿つて圧接せしめられるのである。

又押出成型に際して、内張り材１ａを前方から
引取るだけであれば、筒状織布１とマンドレル１
６との摩擦に局部的にむらが生じ、筒状織布１の
前進速度がギクシヤクと変化し、被覆層の厚みに
むらが生じ易いのであるが、本発明においては、
マンドレル１６の後方から引張り力を作用させな
がら、筒状織布１を前進せしめているので、筒状
織布１とマンドレル１６との摩擦のむらが生じる
ことがなく、一定の厚みの被覆層が形成されるの
である。

又、一般に筒状織布では、これを扁平に折畳ん
だときに、折畳みの耳に折りぐせが生じ、これを
このまま押出成型にかけると、折りぐせの部分の
被覆層が薄くなり、厚みのむらが生じるのである
が、本発明によれば、筒状織布をそれよりも太い
マンドレルに被せ、且つ後方から引張り力を作用
させているので、筒状織布がマンドレルに密着
し、折りぐせが消え、被覆層の厚みむらは生じな
いのである。

【図面の簡単な説明】

図面は、本発明の方法により内張り材を製造す
る工程を示す模式図である。 １……筒状織布、１ａ……内張り材、５……テ
ンシヨン装置、６……押出し装置、７……引張り
装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 内張りすべき管路の内径よりも３〜20％大き
   い直径の筒状織布を織成し、該筒状織布に長さ方
   向に引張り力を作用させつつ熱処理をして、直径
   を管路の内径よりやや小さい大きさにまで収縮せ
   しめ、次いでこの筒状織布に後方から引張り力を
   作用させつつその長さ方向に前進させながら、該
   筒状織布をその直径よりやや大きい外径を有する
   マンドレルに被せ、押出成型により該筒状織布の
   外周面にゴム又は合成樹脂の被覆層を形成し、前
   方から大きい引張り力を作用させて被覆層を有す
   る筒状織布を前進せしめることを特徴とする管路
   の内張り材の製造方法。