JP5970643B2 - 更生パイプの施工方法 - Google Patents

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本発明は、更生パイプの施工方法に関し、特にパイプ内径が100mm〜500mmなどの比較的大きな径を有する老朽化した既設パイプを更生して、再び、長期間にわたり使用することができるようにする更生パイプの施工方法に関する。
長期間にわたり土中に埋設されて老朽化した上下水道管やガス管などの既設パイプを更生させる技術は、各種知られている。
たとえば、管路内に熱可塑性樹脂を主体とする硬質の管体を挿通し、これを加熱軟化させて膨脹させ、前記管路内に硬質の管を形成して管路を補修する方法において使用する管体において、少なくとも緯糸の一部に高剛性糸を使用し、当該緯糸の織り縮み率が10〜15%である筒状織布の、内外面に熱可塑性樹脂の被覆層を形成し、当該内外の被覆層を前記筒状織布の布目を通して一体化せしめてなる管路の補修用管体が知られている(特許文献1)。
この特許文献1に記載されている管路の補修用管体は、筒状織布の緯糸の織り縮み率が10〜15%であるものを用い、その状態でその織布の内外面に熱可塑性樹脂の被覆層を形成し、該内外の被覆層を該筒状織布の布目を通して一体化せしめ、さらに管体に層通させるものであり、内圧が作用したときには該内圧を緯糸が支え、管路に過大の力が作用することがなく、耐圧力が十分でない管路でも破壊されることがなく、管体と管路との強度を十分に生かした、補強された管路を得ることができる(特許文献1段落0029−0030)。
この特許文献1に記載されている補修用管体は、その実施例に記載されるように、予め設定した織り縮み率になるように筒状に織成しているため、織成設備が非常に複雑であり、また、品質安定性に欠ける場合があった。
また、管路の補修用管体として、熱可塑性樹脂よりなる硬質管の内面、外面または肉厚内に、経糸と緯糸とを筒状に織成してなる筒状織物を配し、該筒状織物を前記硬質管に一体化してなるものにおいて、該筒状織布の経糸が、捲縮加工糸または弾性糸にカバー糸を巻回したカバリング糸などの、小さい荷重で大きい伸びを示すと共に、所定量伸長した状態においては、それ以上伸長することなく大きい荷重を支えることができる糸条よりなる管路の補修用管体が提案されている(特許文献2)。
この特許文献2に記載の発明においては、管路の屈曲部において、挿通時に屈曲の内側に沿って配置された管体が、加圧により外側部分が伸長することにより管路内面に沿うことができ、屈曲部を有する管路であっても、管体を管路の全体にムラなく均一に沿わせることができるという効果が得られる。
しかし、この特許文献2に記載されている補修用管体は、管体に、1.3×D×P(D:外径、P:圧力)に相当する荷重を作用させたときの長さ方向の伸びが10〜30%になるように経糸に波形状に配置した構造を施すことや、捲縮加工糸を使用しているが、管路内に挿通させる際に過大な張力が発生した場合、補修用管体が完全に伸び切ってしまうことが考えられる。
特開平9−70888号公報 特開平7−251452号公報
本発明の目的は、上述したような点に鑑み、管路更生用ライナーとして拡張可能に形成することの具体的手法を提供し、さらに、該管路更生用ライナーを用いて既設パイプの補強効果と更生効果を十分に発揮させることのできる更生パイプの施工方法を提供することにあり、特に、上述したような比較的大きな径を有する既設パイプの更生をする場合でも、品質のバラツキが少なく、一本の更生パイプの長さ方向および周方向に見てもムラなく均質に更生することができて、高品質な更生パイプを施工することを可能にする更生パイプの施工方法提供することにある。
上記した目的を達成する本発明の更生パイプの施工方法は、下記の(1)の構成を有する。
(1) 被更生パイプの内部に、経糸をホース長手方向に直線状または螺旋状に配列するとともに、該経糸に対して緯糸を波形状に屈曲させて交錯させた筒状織物からなり、該筒状織物が周方向に3%以上10%未満縮径した状態にある筒状織物層と、前記筒状織物に対して積層された熱可塑性合成樹脂層を有し、かつ該ホース半径方向の拡径率が5〜20%である織物ホースを挿入し
しかる後、該織物ホースを加熱拡径させることで、該ホース半径方向の拡径率を5〜20%とし、前記筒状織物の縮径率と前記織物ホースの拡径率との差分に相当する筒状織物自体の伸び率を2〜10%とし、かつ該ホース長手方向の収縮率を2〜10%として、該織物ホースの外周面を前記被更生パイプの内周面に密着させ
しかる後、該織物ホースの拡径状態を維持しながら冷却することを特徴とする更生パイプの施工方法。
かかる本発明の更生パイプの施工方法において、さらに好ましくは、以下の(2)〜(7)のいずれかの構成を有することである。
(2)前記織物ホースとして、筒状織物に軸方向に張力を与えながら金型に通して緯糸を波形状に屈曲させた状態で、内面と外面のいずれか一方または両方に熱可塑性合成樹脂を押出して筒状織物を周方向に3%以上10%未満縮径させた織物ホースであり、緯糸の伸びを加えて前記半径方向の拡径率が5〜20%であるものを使用することを特徴とする上記(1)記載の更生パイプの施工方法。
(3)前記被更生パイプが、その長さ方向中心軸が曲線部を有する形状の場合、前記織物ホースを前記被更生パイプの内部に挿入し、該織物ホースに該織物ホース長手方向に張力を与えながら前記加熱拡径をさせることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の更生パイプの施工方法。
(4)前記筒状織物層を構成する筒状織物は、緯糸が経糸よりも太くかつ緯糸の織り密度が経糸の織り密度よりも小であるものであることを特徴とする上記(1)〜(3)記載の更生パイプの施工方法。
(5)前記筒状織物層の経糸および緯糸が、ポリエステルマルチフィラメント糸からなることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の更生パイプの施工方法。
(6)前記筒状織物層の経糸がポリエステルマルチフィラメント糸からなり、緯糸がパラ系芳香族ポリアミド糸からなることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の更生パイプの施工方法。
(7)前記経糸のポリエステルマルチフィラメント糸が、捲縮を有さないストレート糸であることを特徴とする上記(5)または(6)記載の更生パイプの施工方法。
請求項1にかかる本発明の更生パイプの施工方法によれば、管路更生用ライナーとして拡張可能に形成することの具体的手法が提供される。そして、該更生用ライナーを用いることにより、既設パイプの補強効果と更生効果を十分に発揮させることができる更生パイプの施工方法が提供される。
本発明によれば、特にパイプ内径が100mm〜500mmなどと比較的大きな径を有する既設パイプの更生をする場合にも、一本の更生パイプの長さ方向および周方向に見てムラがなく均質に更生することができて、品質のバラツキが少なく、高品質で優れた更生パイプを施工することを可能にする方法が提供される。
請求項2にかかる本発明によれば、請求項1にかかる本発明の効果をより高度にかつ明確に得ることができる更生パイプの施工方法が提供される。
請求項3にかかる本発明によれば、特に、被更生パイプが曲管の場合にあっても、既設パイプの補強効果と更生効果を十分に発揮させることができる更生パイプの施工方法が提供される。
請求項4〜7のいずれかにかかる本発明によれば、請求項1にかかる本発明の効果をより明確に得ることができる更生パイプの施工方法が提供される。
本発明の更生パイプの製造方法に使用される織物ホースの1例を示した横断面図である。 本発明の更生パイプの製造方法において、被更生パイプの内部に織物ホースを挿入するときの状態の1例を示した横断面図である。
以下、更に詳しく本発明の更生パイプの施工方法について説明する。
本発明の更生パイプの製造方法は、まず、被更生パイプの内部に、更生ライナーとして使用する織物ホースを挿入する。
このとき、重要なことは、織物ホースとして、経糸をホース長手方向に直線状または螺旋状に配列するとともに該経糸に対して緯糸を波形状に屈曲させて交錯させて糸通した筒状織物層と、熱可塑性合成樹脂層を有して形成されているものを使用し、かつ、この織物ホースは、ホース半径方向の拡径率が5〜20%であるものを使用することである。該織物ホースは、被更生パイプの内部に挿入されて後、加熱拡径されるとともに該織物ホースの外周面が被更生パイプの内周面に密着し、しかる後、該織物ホースの拡径状態が維持されながら冷却されて更生パイプが施工される。
図1は、該織物ホースの構造例を示したものであり、織物ホース1は、筒状織物2の内側と外側に熱可塑性合成樹脂層3、3′がシール層として用いられて、筒状織物2を該熱可塑性合成樹脂層で被覆している。筒状織物2は、経糸4と緯糸5とが用いられて筒状に織製されて、経糸4は複数本が平行にホース長手方向に延長し、この経糸4に緯糸5がホース周方向に螺旋状に巻回しながら交錯して織製されている。経糸4はホース長手方向に直線状または螺旋状に、交錯点で屈曲がほぼないようにして配列されている。
筒状織物2の外側には熱可塑性合成樹脂層3が必ず設けられるようにする。より好ましくは、図1に示しているように、内側にも熱可塑性合成樹脂層3′が設けられることであり、筒状織物2が内周面上で直接的に露出しないようにすることが更生後のパイプの耐久性などの点で好ましい。
経糸に対して緯糸を波形状に屈曲させたものとして得るには、筒状織物2の製織時に経糸にかける張力(経糸張力)と緯糸にかける張力(緯糸張力)のバランスを設定することにより実現でき、特に、経糸張力を大きくし、緯糸張力を小さく設定して製織する。
また、緯糸の伸びを見込むことで、半径方向の拡径率が5〜20%となる織物ホースの製造が可能となる。なお、この製法では、筒状織物は、織り縮み率は実質的に0%であると言える。
熱可塑性合成樹脂は、硬質ポリ塩化ビニル樹脂、硬質ポリエチレン樹脂(高密度、中密度、低密度等)のいずれかを用いることが好ましい。これらは、加工性に優れるとともに、水道、下水道、農業用水、工業用水、等の管路材としても長年の実績を有する材料であり、現場等での使用としても好適なものである。
熱可塑性合成樹脂の使用量は、目付換算で、織物ホースの面積ベースで、好ましくは100〜500g/m2 であり、より好ましくは200〜400g/m2 、最も好ましくは250〜300g/m2 である。本発明では、比較的少ない樹脂使用量でも、大径の被更生パイプを、一本の更生パイプの長さ方向および周方向に見てムラなく均質に更生することができる。このことは、樹脂として、熱硬化性樹脂ではなく、熱可塑性樹脂を使用していること、かつパイプ更生用ライナーたる織物ホースが、被更生パイプが直管あるいは曲管のいずれの場合でも、その内面に良く沿って本発明方法を実施できることによる相乗効果による。
該織物ホースは、被更生パイプの内部に挿入されて後、加熱拡径されるとともに該織物ホースの外周面が被更生パイプの内周面に密着し、しかる後、該織物ホースの拡径状態が維持されながら冷却されて更生パイプが施工される。この加熱拡径−冷却のプロセスにより、被更生パイプの内周面に織物ホースの拡径状態が維持されながら密着し、更生パイプが形成されるのである。
加熱拡径は、高温の水蒸気を織物ホースの内部に噴出させることにより行うことが、均斉にムラなく処理をすることができる点でよい。このとき、該加熱拡径は、拡径率が5%〜20%になるようにして行うのがよい。
筒状織物の織組織は、平織あるいは綾織が好ましい。平織の場合は、図1に示したように、経糸を、1本使いと2本の糸の引き揃え糸使いとして、交互に製織をするのが好ましい。平織は、織組織点が多くなるので、綾織のものよりも長手方向の縮みが大きいものを作るのに適している。また、綾織は、比較的樹脂を含浸しやすいので均一な製品を作りやすく生産性が良い点で優れている。
筒状織物の縮径率とは、筒状織物の半径寸法に対して、筒状織物に軸方向に張力を与えながら金型に通して緯糸を波形状に屈曲させた状態で、内面と外面のいずれか一方または両方に熱可塑性合成樹脂を押出して筒状織物を縮径させた織物ホースの半径中心寸法の比率を示す。
すなわち、本発明では、筒状織物に軸方向に張力を与えながら金型に通すが、その際、筒状織物に軸方向に張力を与えることによって経糸が緊張し、それに従い、緯糸がフリーな状態となり波形に屈曲し、その状態で該織物の内面と外面に樹脂を付与して樹脂層を形成して緯糸の波形状を保持させる。樹脂を付与する比率は、内面側(内層):外面側(外層)=1.1〜2.5:1とするのが好ましい。樹脂層の形成方法は、特に限定されないが、例えば、外面側から樹脂を付与し、織物内を通過させて内面側に至らせて、樹脂の内層と外層を形成する方法がある。この方法では、樹脂は、上述した内層と外層を構成するもののほか、織物内部にも樹脂付与量全体の2%〜5%程度が入りこむ。
織物ホースは、筒状織物を波形状に3%以上10%未満縮径させているため、加熱拡径により3%〜10%未満半径方向に拡径する能力を有するものとなり、本発明方法では該能力により該織物ホースを拡径させる。
さらに、筒状織物自体が加熱拡径による張力により伸長するため、最終的には5〜20%半径方向に拡径する。言い換えると、その差分2〜10%は筒状織物自体の伸び率に相当する。
ここで、本発明の説明において、ホース径方向(半径方向)の拡径率および長手方向の収縮率は、それぞれ以下によって定義され、また測定される値である。
(1)織物ホースの拡径率W(%):
拡径率(%)={(R2−R1)/R1}×100
ここで、R1:試験前のホース半径(mm)、
R2:蒸気処理(約100℃×20分)および加圧(0.15MPa)後の試験ホース半径(mm)
(2)織物ホースの拡径率W(%)の測定法:
試験試料織物ホースとして、ホース長さ1.0mの織物ホースを準備し、ホース両端に拡径処理に必要な気密治具を設置した状態で、まず、拡径処理前の試験ホース半径R1(mm)を、1時間以上20℃の雰囲気下で状態処理した後、πゲージを用いて測定する。
その後、約100℃×20分の蒸気処理後に圧縮空気により加圧(0.15MPa)拡径させ、加圧状態を保持したまま表面温度が40℃以下になるまで冷却した後、試験ホース半径R2(mm)を測定し、上記(1)により拡径率(%)を求める。測定は、n数を3として平均して、小数点以下1桁まで求める。
(3)織物ホースのホース長手方向の収縮率S(%):
ホース長手方向の収縮率S(%)={(L1−L2)/L1}×100
ここで、L1:試験前の試験ホース長さ(mm)、
L2:蒸気処理(約100℃×20分)および加圧(0.15MPa)後の試験ホース長さ(mm)、
(4)織物ホースのホース長手方向の収縮率S(%)の測定法:
上記(1)の拡径率W(%)の測定をする試験試料織物ホースを用いて、拡径率を求める蒸気処理試験と同時に行うものであり、まず、拡径処理前の試験ホース(ホース長さ1.0m)の外表面の中央部に長さ500mm(L1)を示す色標を付ける。上記(1)の拡径処理をした後に、該試験ホースの上記色標間の長さL2を測定する(mm単位まで)。上記(3)によりホース長手方向の収縮率S(%)を求める。測定は、n数を3として平均して、小数点以下1桁まで求める。
また、織物ホースは、筒状織物に軸方向に張力を与えながら金型に通して緯糸を波形状に屈曲させた状態で、内周面と外周面のいずれか一方または両方に熱可塑性合成樹脂を押出して筒状織物を周方向に3%以上10%未満縮径させた織物ホースであり、緯糸の伸びを加えて前記半径方向の拡径率が5〜20%であるものを使用することが好ましい。
ここで、筒状織物に軸方向に張力を与えながら金型に通して緯糸を波形状に屈曲させた状態で、内周面と外周面のいずれか一方または両方に熱可塑性合成樹脂を押出して筒状織物を周方向に3%以上10%未満縮径させたものが好ましいのは、10%以上縮径させる場合には、緯糸を波形状に大きく屈曲させることにより、織物ホースを厚くする必要があり、好ましくないからである。また、緯糸の伸びを加えて半径方向の拡径率が5〜20%とするのが好ましいのは、被更生パイプの種類や劣化状態、曲線部の有無等により内径寸法が異なるため、これらに適用させるために拡径率を幅広くさせる必要があるからである。
また、本発明の方法において、被更生パイプが、その長さ方向の中心軸が曲線部を有する形状の場合、加熱拡径をするに際しては、織物ホースを被更生パイプの内部に挿入し、織物ホースに該織物ホース長手方向に張力を与えながら加熱拡径をさせることが好ましい。このようにして加熱拡径をすることにより、該曲線部における皺の発生を抑制することができるからである。
織物ホースを加熱拡径させる手段は、該織物ホースの内部に水蒸気を噴出することによるのが、現場でも扱いやすく好ましい。水蒸気は100〜120℃のものを使用して処理をすることが、一本の更生パイプの長さ方向および周方向に見てムラがなく均質に更生することができて、品質のバラツキが少なく、高品質で優れた更生パイプを製造する上で好ましい。
本発明において、織物ホースの拡径率が5%未満であれば、被更生パイプの内径寸法の違いに適用させることが困難であり好ましくない。
一方、20%を超えるものは、被更生パイプの内周面に対する織物ホースの密着接合の度合いや織物ホースの仕上がり厚さにムラが生ずるおそれがあるので好ましくない。また、螺製造プロセスでは、熱可塑性樹脂を過度に延伸させることによる破断の発生などの危険性が考えられ好ましくない。
ホース径方向(半径方向)の拡径率が5〜20%である織物ホースは、通常の円形織機を用いて、例えば、通常の場合では、スプリングテンションなどの張力付与装置を用いて経糸1本当たりの張力を150〜350gf/本程度に設定して、緯糸には特に張力をかけずに織り込むことなどにより製造することができる。
本発明では、上述した織物ホースを、被更生パイプの内部に挿入し、しかる後、該織物ホースの内側に水蒸気(100℃〜120℃の加熱蒸気を使用することが好ましい)を注入して加熱し、該織物ホースの熱可塑性樹脂を柔軟化させる。さらに、その高温下での柔軟化状態で織物ホースを加圧拡径させて、その外周面を被更生パイプの内周面に密着させる。しかる後、該織物ホースの拡径状態を維持しながら冷却することにより、更生パイプが施工される。
図2は、被更生パイプ6の内部に、筒状織物層と熱可塑性合成樹脂層とからなる織物ホース1を偏平にした状態で挿入した状態の1例を示している。この挿入をされた後、織物ホース1は蒸気で加熱されて柔軟化され、さらに圧力空気を充填させることにより断面形状が円形状となり、さらに拡径して、被更生パイプ6の内周部に密着されるのである。なお、被更生パイプ6の長手方向端部と織物ホースの端部は、少なくともその端部(好ましくは両端部)では、該端部どうしが適宜の手段によって接合がされて被更生パイプとして完成される。
本発明において、被更生パイプは、特に限定されず、鋼製や鋳鉄製、コンクリート製、石綿製等の既設パイプのほとんどのものに、本発明の更生パイプの施工方法を適用することができる。
なお、被更生パイプが直管であるときは、前記織物ホースとして、ホース長手方向の収縮率が0〜6%であるものを用いることが、最適な被更生パイプと織物ホースとの密着状態を実現でき、かつ生産管理もしやすいので好ましい。
また、被更生パイプが曲管であるときは、同織物ホースとして、ホース長手方向の収縮率が2%〜8%であるものを用いることが、最適な被更生パイプと織物ホースとの密着状態を実現できるので好ましい。被更生パイプが、その長さ方向中心軸線が曲線状を呈しているものでは、その曲線状の箇所では、外側と内側とで長さの差が生ずる(内側が短い)が、加熱状態でその差を吸収できるように、ホース長手方向の収縮率を5%〜10%と大きめにすることが好ましい。
織物ホースとして、ホース長手方向の収縮率を上述のような範囲にするには、経糸として使用する織り糸の収縮率を、上記のホースの収縮率値とほぼ対応した値になるようにして製織することにより達成することができる。
前記織物層の経糸および緯糸は、補強繊維となるものであり、熱的に安定性があり、収縮率値の調整も比較的容易であること、水に対しても安定的であるとの理由からポリエステルマルチフィラメント糸からなることが好ましい。また、特に、半径方向に膨らむ力に対して強度を大きくして高い内圧に耐えるようにしたいとき(高圧パイプ用など)には、経糸をポリエステルマルチフィラメント糸あるいはナイロンフィラメント糸、緯糸をパラ系芳香族ポリアミド糸(たとえば、ケブラー糸など)で構成することが好ましい。
経糸に使用されるポリエステルマルチフィラメント糸、ナイロンフィラメント糸は、捲縮を有さず伸縮性に乏しいストレート糸であることが、織物ホース、更生パイプの長さ方向の寸法安定性を良くする上で好ましい。補強効果や更生効果を良好に発揮する上で、織物ホースの寸法安定性は優れている方が好ましいからである。
経糸の織り密度、緯糸の織り密度(打ち込み本数)は、それぞれ、例えば、呼び径150mmの場合は、経糸で1100dtexの5本撚糸使いであれば、経糸総本数で450〜500本、緯糸で1100dtexの18本撚糸であれば25〜30本/10cmの範囲内とするのが好ましい。
本発明の更生パイプの施工方法は、特に限定されるものではないが、パイプ内径が100mm〜800mmなど、より好ましくはパイプ内径が100mm〜500mmなどの比較的大きな径を有する横断面形状が円形の既設パイプを更生するのに、最適に使用できる。特に、そのような大きな径の直管あるいは曲管の既設パイプの内面に、全長にわたり、均斉に織物ホースを密着させることは難しいものであるが、本発明方法によれば、品質のバラツキがない優れた均斉さをもって該密着を実現できる。
なお、このためには、織物ホースが熱可塑性樹脂層を有していることが一つの技術要因となる。すなわち、加熱拡径によって、該樹脂層が可塑化している状態で被更生パイプの内面に作用させることも重要なものである。その点、熱可塑性樹脂でなく、熱硬化性の樹脂層を設けて類似なことをしても、密着性にムラが生ずることになり、本発明方法と同等の効果を得ることはできない。該熱可塑性樹脂は、軟化点温度が75〜130℃であるものを使用することが好ましい。
以下、実施例により本発明の更生パイプの施工方法について、具体的に説明する。
実施例1
150A配管(内径155.2mm)の更生用織物ホースとして、図1に示したような、経糸として、捲縮のないストレートなフィラメントからなるポリエステルマルチフィラメント(1,100dtex、192フィラメント)の5本撚り糸を、全部で464本使用して、該糸(5本撚り糸)を2本引き揃え(経糸織り密度14.5本/10cm)、緯糸としてポリエステルフィラメント(1,100dtex、192フィラメント)の18本撚り糸使いで織り密度50本/10cmとして綾織組織(2/1綾織り)による筒状織物(半径75.2mm)を製造した。
さらに、この筒状織物を金型に通し、外面側から内面側へ熱可塑性合成樹脂(ポリエチレン樹脂)を押出(または圧入)させて、金型から出てきた織物ホース引き取ることにより、緯糸を波形状に屈曲させた状態にして押出し、筒状織物の内面と外面の両方に熱可塑性樹脂層を形成した織物ホースを製作した。
この織物ホースは、経糸がホース長手方向にほぼ直線上に配列されているとともに、該経糸に対して緯糸が波形状に屈曲して交錯している筒状織物層の外周面と内周面に、熱可塑性合成樹脂(ポリエチレン)が、織物ホースの単位面積ベースで280g/m2 で均斉に合成樹脂層を形成しているものであった。
該熱可塑性合成樹脂(ポリエチレン)層(280g/m2 )の内訳は、外層側:90g、織物内部:10g、内層側:180gであった。
この織物ホースは、筒状織物を周方向で5.4%縮径させた織物ホースであった。また、その織物ホースの拡径率は9.5%のものであった。
この織物ホースを準備し、ホース両端に拡径処理に必要な気密治具を設置した状態で、まず、拡径処理前の試験ホース半径R1(mm)を、1時間以上20℃の雰囲気下で状態処理した後、πゲージを用いて測定した。R1(mm)は、71.5mmであった。
その後、約100℃×20分の蒸気処理後に圧縮空気により加圧(0.15MPa)拡径させ、加圧状態を保持したまま表面温度が40℃以下になるまで冷却した後、この織物ホースの両端に拡径処理に必要な気密治具を設置し、約100℃×20分の蒸気処理後に圧縮空気により加圧(0.15MPa)拡径させ、加圧状態を保持したままで表面温度が40℃以下になるまで冷却した。この冷却後、織物ホースの拡径率E(%)は、8.5%であった。
こうして拡径された織物ホースは、厚みが比較的均一であり、かつ高い水密性を有するものであり、更生パイプとして非常に優れたものであった。
実施例2
実施例1において使用したのと同様の織物ホースを用いて、45°の曲管(曲率半径500mm)を2個有する150Aの実験管路(長さ5000mm、内径155.2mm)内に挿入し、ホース両端に拡径処理に必要な気密治具を設置した状態で、まず、拡径処理前の試験ホース半径R1(mm)を、1時間以上20℃の雰囲気下で状態処理した後、πゲージを用いて測定した。R1(mm)は、71.5mmであった。
その後、油圧シリンダを用いて両端に該織物ホース長手方向に一定の張力(2.5kN)を与えながら、約100℃×20分の蒸気処理後に圧縮空気により加圧(0.25MPa)拡径させ、加圧状態を保持したままで表面温度が40℃以下になるまで冷却した。この冷却後、織物ホースの拡径率E(%)は、8.5%であった。
こうして拡径された織物ホースは、曲管部の厚みも比較的均一であり、かつ皺等の発生も見られなかった。更に、該織物ホースは高い水密性を有するものであり、更生パイプとして非常に優れたものであった。
1:織物ホース
2:筒状織物
3、3′:熱可塑性合成樹脂層
4:経糸
5:緯糸

Claims (7)

  1. 被更生パイプの内部に、経糸をホース長手方向に直線状または螺旋状に配列するとともに、該経糸に対して緯糸を波形状に屈曲させて交錯させた筒状織物からなり、該筒状織物が周方向に3%以上10%未満縮径した状態にある筒状織物層と、前記筒状織物に対して積層された熱可塑性合成樹脂層を有し、かつ該ホース半径方向の拡径率が5〜20%である織物ホースを挿入し
    しかる後、該織物ホースを加熱拡径させることで、該ホース半径方向の拡径率を5〜20%とし、前記筒状織物の縮径率と前記織物ホースの拡径率との差分に相当する筒状織物自体の伸び率を2〜10%とし、かつ該ホース長手方向の収縮率を2〜10%として、該織物ホースの外周面を前記被更生パイプの内周面に密着させ
    しかる後、該織物ホースの拡径状態を維持しながら冷却することを特徴とする更生パイプの施工方法。
  2. 前記織物ホースとして、筒状織物に軸方向に張力を与えながら金型に通して緯糸を波形状に屈曲させた状態で、内面と外面のいずれか一方または両方に熱可塑性合成樹脂を押出して筒状織物を周方向に3%以上10%未満縮径させた織物ホースであり、緯糸の伸びを加えて前記半径方向の拡径率が5〜20%であるものを使用することを特徴とする請求項1記載の更生パイプの施工方法。
  3. 前記被更生パイプが、その長さ方向中心軸が曲線部を有する形状の場合、前記織物ホースを前記被更生パイプの内部に挿入し、該織物ホースに該織物ホース長手方向に張力を与えながら前記加熱拡径をさせることを特徴とする請求項1または2に記載の更生パイプの施工方法。
  4. 前記筒状織物層を構成する筒状織物は、緯糸が経糸よりも太くかつ緯糸の織り密度が経糸の織り密度よりも小であるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の更生パイプの施工方法。
  5. 前記筒状織物層の経糸および緯糸が、ポリエステルマルチフィラメント糸あるいはナイロンフィラメント糸からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の更生パイプの施工方法。
  6. 前記筒状織物層の経糸がポリエステルマルチフィラメント糸あるいはナイロンフィラメント糸からなり、緯糸がパラ系芳香族ポリアミド糸からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の更生パイプの施工方法。
  7. 前記経糸のポリエステルマルチフィラメント糸が、捲縮を有さないストレート糸であることを特徴とする請求項5または6記載の更生パイプの施工方法。
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