JPS625179B2 - - Google Patents

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JPS625179B2
JPS625179B2 JP54126336A JP12633679A JPS625179B2 JP S625179 B2 JPS625179 B2 JP S625179B2 JP 54126336 A JP54126336 A JP 54126336A JP 12633679 A JP12633679 A JP 12633679A JP S625179 B2 JPS625179 B2 JP S625179B2
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JP
Japan
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exchange membrane
cation exchange
vinyl compound
general formula
present
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JP54126336A
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Toshikatsu Sada
Fumio Kurokawa
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Tokuyama Corp
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Tokuyama Corp
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Publication date
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Publication of JPS625179B2 publication Critical patent/JPS625179B2/ja
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は電荷の小さい陽イオンを選択的に透過
する性質を有し、また汚染性有機物に対して耐汚
染性を有し、更にこれらの性質が酸化剤の処理に
よつても変化しない新規な改質陽イオン交換膜を
提供する。詳しくは一般式、 (但しnは0〜20;R1はCH2又は(CH22;R2
R3、R4は同種又は異種の(CH2n(但しmは1
〜18の正の整数)、
【式】又は
【式】R5はH、CH3
【式】又は
【式】 R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13はH、
CH3又はCH2CH3;XはCl、Br、I、OH又は1/2
SO4である)で示されるビニル化合物又は該ビニ
ル化合物の重合体を陽イオン交換膜の少くとも一
方の表面に存在させた改質陽イオン交換膜を提供
するものである。 従来、電荷の小さいイオンを選択的に透過させ
る即ち選択透過性陽イオン交換膜として、陽イオ
ン交換膜の表層部に陰イオン交換性の物質を存在
させたものが知られている。またかかる選択透過
性陽イオン交換膜を用いて電気透析する方法も知
られている。例えば特公昭46−23607号公報、特
公昭47−3081号公報などに記載がある。即ちこれ
らには陽イオン交換膜の表層部に陰イオン交換性
の物質を存在させたり、又は陽イオン交換膜の表
面に陰イオン交換性の物質で同時に架橋し得る物
質を付着させた後に架橋させたりすることが記載
されている。しかしながら、上記の改質陽イオン
交換膜は選択透過性は良好であるが、その効果の
持続性が劣つたり、また持続性は十分であつても
選択透過性の処理が有機溶媒を用いたり、高温、
高濃度で処理を必要とするなど、イオン交換膜に
対して過酷な処理条件を要するため、必ずしも工
業的に満足出来るものではなかつた。 一般にイオン交換膜は有機物で合成されてお
り、親水性基と疎水性基から構成されている。そ
のためイオン交換膜を有機溶媒中から取り出し水
溶液中へ浸漬すると又は、その反対に水溶液中か
ら有機溶媒中へ浸漬すると、イオン交換膜の親水
性基と疎水性基がそれぞれ異る膨潤、伸縮圧を受
けるためイオン交換膜の電気化学的性質が劣化す
る。また普通イオン交換膜は、水溶液中で用いら
れるため、一般に前記陽イオン交換膜の表面処理
は水溶液中で行うのが好ましい。さらにまたイオ
ン交換膜は主に有機物で合成されているので、高
温処理は一般に好ましくなく、常温で表面処理を
行うことが必要である。 更に本発明のように、陽イオン交換膜の表面に
陰イオン交換性の物質を存在させる場合、該陰イ
オン交換性の物質を最小限存在させることが陽イ
オンの輸率の低下を招かないために重要である。
そのためには、陽イオン交換膜を処理する場合に
おける陰イオン交換性の物質の濃度は低濃度であ
る方が好ましい。 従つて、イオン交換膜の表面処理を行うに際し
ては水溶液中で、常温で、しかも陰イオン交換性
の物質を低濃度で処理することが工業的には最も
好適な態様である。 陽イオン交換膜の表層部に陰イオン交換性の物
質を存在させた改質陽イオン交換膜は、その用途
から要求される性質として電気抵抗が低いこと、
選択透過性とその持続性が大であること、全陽イ
オンの輸率が大であることなどの他に、最近では
上記の性質が酸化剤処理によつても変化しないこ
とが要求されるようになつて来た。例えばイオン
交換膜を用いた電気透析層の洗浄に際しては該電
気透析層を解体することなく、過酸化水素、次亜
塩素酸ソーダ等の酸化剤水溶液を該電気透析層内
に流通させ洗浄することが行なわれている。しか
し該酸化剤洗浄によつて改質陽イオン交換膜の性
状例えば選択透過性は急激に悪くなる欠点を有す
る。 本発明者等はこれらの欠点を克服すべく鋭意研
究を重ねて来た。その結果、陽イオン交換膜の表
面に特定のビニル化合物又は該ビニル化合物の重
合体を存在させることにより種々のすぐれた性状
を付与出来ることを見出した。 即ち本発明は一般式 (但しnは0〜20;R1はCH2又は(CH22;R2
R3、R4は同種又は異種の(CH2n(但しmは1
〜18の正の整数)、
【式】又は
【式】R5はH、CH3
【式】又は
【式】 R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13はH、
CH3又はCH2CH3;XはCl、Br、I、OH又は1/2
SO4)で示されるビニル化合物又は該ビニル化合
物の重合体を陽イオン交換膜の少くとも一方の表
面に存在させた改質陽イオン交換膜である。 本発明で提供する改質陽イオン交換膜は次のよ
うな種々のすぐれた製法及び性状を有する。即ち
改質陽イオン交換膜の製造に際して、前記特定の
ビニル化合物又は該ビニル化合物の重合体を低濃
度で取扱うことも出来るし、しかも水溶液中で常
温で処理が出来る。また改質陽イオン交換膜は電
気抵抗の上昇がほとんどなく、選択透過性にすぐ
れているだけでなく耐有機汚染性が良好である。
上記の如き種々のすぐれた性状は持続性が良く、
酸化剤処理によつても変化しないので著しく効果
的である。 本発明を以下詳細に説明する。本発明に於いて
陽イオン交換膜の改質に使用する物質は、次の一
般式で示されるビニル化合物又は該ビニル化合物
の重合体である。即ち一般式 で示されるビニル化合物又は該ビニル化合物重合
体である。上記の一般式(A)中、nは0〜20の正の
整数から選ぶのが好ましい。そのnの数が大きく
なると選択透過性の性質は良好であつても選択透
過性の持続性、酸化剤処理に対する変化なし等の
効果が小さくなる傾向があるばかりでなく、当該
ビニル化合物が高価になるので好ましくない。ま
た一般式(A)中、R1はCH2又は(CH22であるのが
好ましい。R1が上記以外のものは原料が入手困
難であるばかりでなく工業的な合成が難しく高価
になるので一般に使用され難い。また前記の一般
式(A)中、R2、R3、R4は(CH2n(但しmは1〜
18の正の整数)、
【式】又は
【式】が、R5はH、CH3
【式】又は
【式】 がそれぞれ好適に使用される。R2〜R5が上記以
外のものは原料の入手が困難であるばかりでなく
合成が難しく高価になるので一般に好適に使用し
難い。また前記の一般式(A)は、R6〜R13はH、
CH3、CH2CH3が好適に使用され、これら以外の
ものは高価で入手が難しい。更にまた前記の一般
式(A)中、XはCl、Br、I、OH又は1/2SO4が好適
に使用され、これら以外のものは一般に製造が難
しい。 本発明で用いる前記一般式(A)で示されるビニル
化合物は公知の化合物であり、本発明に於いては
前記一般式(A)で示されるビニル化合物の製法は如
何なる方法で製造されたものであつてもよい。代
表的な前記一般式(A)の製造方法を例示すれば、次
の方法がある。即ち前記一般式(A)のnが0でR1
がCH2のときはビニルベンジルハライドとα・ω
−ターシヤリジアミンを反応させることによつて
合成することが出来る。一般には下記一般式(B)と
ビニルベンジルハライド、ビニルフエニルエチル
ハライド等を、又は下記一般式(C)とビニルフエニ
ルアルキルN・N−ジアルキルアミン等とを反応
させることによつて合成すればよい。 (但し(B)、(C)に於ける一般式中R2〜R4、R6〜R13
及びXは前記一般式(A)に於けるR2〜R4、R6〜R13
及びXに相当し、YはCl、Br、I又はエポキシ
基である) 前記一般式(A)のビニル化合物のうち、R5がビ
ニルベンジル基であるジビニル化合物について
は、前記一般式(B)の化合物1モルにビニルベンジ
ルハライド2モルを反応させることによつて容易
に合成出来る。更にまた前記一般式(A)のR5
H、CH3又は
【式】のときは前記一般 式(B)の化合物1モルにビニルベンジルハライド1
モルを反応させた後、塩酸、ヨウ化メチル、ベン
ジルクロライド等をそれぞれ反応させることによ
つて得られる。また前記一般式(A)のビニル化合物
の合成方法として、前記一般式(C)の化合物1モル
とビニルフエニルアルキル−NN−ジアルキルア
ミンを2モル反応させるか、後者を1モル反応さ
せた後α・ωターシヤリージアミンを反応させ、
次いで塩酸、ヨウ化メチル、ベンジルクロライド
等をそれぞれ反応させることによつても得られ
る。これらの反応条件は無溶媒、又は水、アルコ
ール、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホオキサイド、ベンゼン、クロロホルム又
はそれらの混合溶媒中任意の濃度で適宜実施すれ
ばよく、また反応の温度は一般に0〜100℃であ
り、5〜80℃の範囲が好適に採用出来る。又、前
記反応は一般にハイドロキノンなどのラジカル重
合禁止剤の存在下に行うのが好ましい。 前記一般式(A)で示されるビニル化合物の重合体
の製造方法は特に限定的ではなく公知の方法を採
用すればよい。例えば前記一般式(A)のビニル化合
物の重合はラジカル重合、カチオン重合など公知
の方法で行うことができる。即ち前記一般式(A)で
示されるビニル化合物を無溶媒;水;メタノー
ル、エタノール等の有機溶媒などの単独又は混合
溶媒中で、ラジカル重合開始剤又はカチオン重合
開始剤を加えて重合すればよい。ラジカル重合の
開始剤としては例えば過酸化アセチル、過酸化ベ
ンゾイル、過酸化ラウロイル、ペルオキソ二硫酸
カリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、t−
ブチルヒドロペルオキシド、過酸化水素などの過
酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス
−2−アミジノプロパン、塩酸塩などのアゾ化合
物;更には、過酸化水素−アンモニヤ、エチルア
ミン、Fe()塩など;ペルオキソ二硫酸塩−
亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、トリ
エタノールアミン、Fe()塩など;過塩素酸
ナトリウム−亜硫酸ナトリウム;などのレドツク
ス開始剤も好適に用いられる。また、電離性の放
射線を照射してもよい。更にまたカチオン重合の
開始剤としては塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩
化第二スズ、塩化チタン、三フツ化ホウ素、五塩
化アンチモンなどのハロゲン化金属;リン酸、硫
酸、クロルスルホン酸、過塩素酸、などのプロト
ン酸;トリエチルアルミニウム、などの有機金属
化合物等が用いられる。 前記一般式(A)で示されるビニル化合物の重合条
件は如何なる条件を用いてもよいが、一般には該
ビニル化合物の分解温度以下或いは使用する溶媒
の沸点以下で実施すればよい。また重合時間は使
用する触媒の種類、重合温度等によつて異なり一
概に限定出来ないが、一般にレドツクス系重合開
始剤を用いる場合は5分〜10時間程度、ラジカル
重合開示剤を用いる場合は3時間〜3日程度の範
囲から選ぶと好適である。 本発明で用いる陽イオン交換膜は特に限定ささ
ず公知の陽イオン交換膜を用いることが出来る。
例えばスルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸
基、硫酸エステル基、リン酸エステル基、チオー
ル基、重金属との間にキレート構造を作り得るよ
うな活性基等のイオン交換基を有するイオン交換
膜が使用出来る。また該陽イオン交換膜は重合
型、縮合型、均一型、不均一型、補強芯材の有無
や、製造方法に由来する陽イオン交換膜の種類、
型式等いかなるものであつてもよい。更に0.5N
−食塩溶液を2A/dm2の電流密度で電気透析
し、電流効率が70%以上の実質的に陽イオン交換
膜として働くものであれば、一般に両性イオン交
換膜と称されるものであつても本発明の陽イオン
交換膜として使用できる。 本発明に使用する通常の陽イオン交換膜は含水
の状態でもよいし、無水の状態でもよいが、通常
は含水の状態で使用される。また陽イオン交換膜
の陽イオン交換基は、水素型でもよいし、塩型で
もよく、更にまた塩類、酸、塩基その他の物質が
陽イオン交換膜中に含まれていてもよい。 本発明に於いて陽イオン交換膜の少くとも一方
の面に前記一般式(A)で示されるビニル化合物又は
該ビニル化合物の重合体を存在させる方法は、特
に限定的でなく公知の方法をそのまま採用するこ
とが出来る。一般に工業的に採用される代表的な
方法を例示すれば次の方法がある。例えば陽イオ
ン交換膜の片面又は両面に前記したビニル化合物
又は該ビニル化合物の重合体をそのまま又は適当
な溶媒に溶解又は分散させたものを塗布、噴霧す
るとよい。また該ビニル化合物又は該ビニル化合
物の重合体を含む溶液に陽イオン交換膜を浸漬し
必要に応じて過剰の付着したビニル化合物又は該
ビニル化合物の重合体を取りのぞく方法を採用し
てもよい。更に陽イオン交換膜を、必要に応じて
陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを交互に電気
透析槽に組込んだ後、通電下或いは非通電下に該
ビニル化合物又は該ビニル化合物の重合体を含む
溶液を流通する手段を採用することも出来る。更
に前記一般式(A)で示されるビニル化合物の重合体
を陽イオン交換膜の少くとも一方の面に存在させ
る手段は、前記ビニル化合物を陽イオン交換膜の
少くとも一方の表面に存在させて後該ビニル化合
物を重合する手段が好適に採用出来る。上記の重
合する手段としては一般に前記のビニル化合物が
少くとも一方の表面に存在する陽イオン交換膜を
重合開始剤を含む溶液と接触させることにより該
ビニル化合物を重合することが出来る。また使用
する重合開始剤の種類によつては低温下にビニル
化合物と重合開始剤とを含む溶液を陽イオン交換
膜の少くとも一方の表に存在させておき、温度を
上昇させることにより該ビニル化合物を重合させ
る手段を採用することも出来る。或は一般式(A)で
示されるビニル化合物を陽イオン交換膜の両面に
存在させ、次いで片面のみ上記重合開始剤と接触
させる手段も用いられる。尚、該ビニル化合物の
重合は、上記いずれの場合も、窒素雰囲気下に行
うのが好ましい。 また、本発明で得られる改質陽イオン交換膜に
おいて、前記一般式(A)で示されるビニル化合物又
は該ビニル化合物の重合体を陽イオン交換膜表面
に存在させる量は、陽イオン交換膜の種類、電荷
等によつて異なるが、一応の目安としては電気透
析中に被透析溶液のPHが著しく変化を生じないこ
と、電気透析槽の限界電流密度を著しく低減させ
ないこと、改質陽イオン交換膜の限界電流密度が
陽イオン交換膜の限界電流密度の10%以上はある
こと等を考慮して決定すればよい。一般には
0.001mg/cm2以上存在させるのが好ましく、改質
陽イオン交換膜の限界電流密度が上記陽イオン交
換膜の限界電流密度の10%未満にならない量の範
囲から選べばよい。 本発明で得られる改質陽イオン交換膜は前記説
明した数々の優れた性状を発揮する。これらの優
れた性状が如何なる作用効果で発揮されるのかそ
の詳しい作用機構は現在尚明確ではないが、本発
明者等は次のように推定している。即ち本発明で
用いるビニル化合物のビニル基は前記一般式(A)で
明らかな如くスチレン系のものであるため機械的
にも化学的にも強く、陽イオン交換膜の陽イオン
交換基と反対電荷の前記ビニル化合物又は該ビニ
ル化合物の重合体がより強固に陽イオン交換膜の
表面に存在するためと思われる。また本発明の効
果の1つである耐有機汚染性の性状は本発明で用
いるビニル化合物の特異な構造が付与するもので
あろう。 本発明の改質陽イオン交換膜は電荷の異なる2
種以上の陽イオンを含む電解質溶液から、荷電数
の少ない陽イオンを選択的に透過させる電気透析
方法に好ましく用いられる。 また、有機カチオンと無機塩を含有する溶液か
ら両者を電気透析によつて分離することができる
が、その使用方法及び使用目的は特に限定され
ず、従来公知の陽イオン交換基を有する膜状物を
用いる系には何ら制限なく適用される。即ち浸
透、透析の現象が発現する如何なる系にも適用さ
れ、例えば拡散透析、ドナン透析、圧透析、その
他の電気透析、逆浸透等々である。また電極反応
の隔膜としても極めて有効に用いられる場合があ
る。更にまた、使用される溶液系は無機系の中性
塩酸、アルカリ溶液、有機塩、有機酸、有機塩基
等に制限なく用いられる。なお本発明の改質陽イ
オン交換膜を用いる装置については特に限定され
ず、従来公知のそれぞれの膜状高分子物を用いる
装置が何ら制限なく用いられる。 以下に実施例を示すが、ここで得られた改質陽
イオン交換膜はその性質を以下の如く測定した。
即ち、電気抵抗は0.5N−NaCl溶液中での交流
1000サイクルを用いての25℃での値(Ω・cm2)で
ある。電流効率は0.5N−NaClを改質陽イオン交
換膜の両側におき、2.0A/dm2の電流密度で1
時間撹拌下に電気透析し、両室の濃度変化から改
質陽イオン交換膜を通つたイオンの移動量を求
め、他方銅電量計によつて通電量を求めて電流効
率を計算した。また選択透過係数(PCa Na)は0.5N
−NaCl水溶液と0.5N−CaCl2水溶液の1:1混合
溶液を改質陽イオン交換膜の両側におき、
2.0A/dm2で約1時間電気透析して改質陽イオ
ン交換膜を移動したNa+とCa2+の量から次式によ
つて求めた。 PCa Na=tCa/tNaNa:改質陽イオン交換膜を透過したNa+の電流
効率 tCa:改質陽イオン交換膜を透過したCa2+の電流
効率 更に純塩率を用いて電荷の小なる陽イオンを選
択的に透過する特性を示した。純塩率とは本発明
の改質陽イオン交換膜と電荷の小なる陰イオンを
選択的に透過する陰イオン交換膜を交互に配列し
た有効膜面積1dm2の連続海水濃縮装置において
海水流速6.0cm/sec、温度30℃、電流密度3.0A/
dm2で電気透析たとき、平衡になつた濃縮液を分
析し次式によつて求めた。 純塩率=〔Na〕+〔K〕/〔Cl〕×100 〔Na+〕:濃縮液中のNa+の濃度(N) 〔K+〕:濃縮液中のK+の濃度(N) 〔Cl-〕:濃縮液中のCl-の濃度(N) 耐有機汚染性については、0.1N−NaCl水溶液
にドデシルピリジウムクロライドを1000ppm添
加して、この溶液を4時間0.3A/dm2の電流密
度で電気透析し、改質陽イオン交換膜の電気抵抗
の変化を計録計に記録して4時間後の直流電気抵
抗(Ω・cm2)で示す。なお使用した装置は、選択
透過係数を測定したと同じものである。 酸化処理は次のA、B二通りの処理を行つた。 (A) 1%過酸化水素水溶液に24時間、25℃撹拌下
に浸漬する。 (B) 有効塩素濃度300ppmの次亜塩素酸ソーダ水
溶液中に25℃、6時間撹拌下に浸漬する。 尚、陽イオン交換膜、酸化処理後の改質陽イオ
ン交換膜についても上記の諸性質の測定を同一方
法で行つた。 実施例 1 市販のビニルベンジルクロライド30.6gと
NNN′N′テトラメチル1.6、ヘキサンジアミン17.3
gをメタノール100ml中にて室温にて24時間反応
させて、前記一般式(A)で示されるn、R1、R4
R5、R10〜R13、Xがそれぞれn=0、R1=CH2
R4=(CH26、R1013=CH3、R5:ビニルベンジ
ル基、X:Cl-の化合物を得た。 この化合物の1000ppm水溶液に陽イオン交換
膜ネオセプタCH−45T(山曹達社製)を25℃
にて2時間浸漬し、次いで、窒素雰囲気下過硫酸
カリウム及び亜硫酸水素ナトリウムをそれぞれ
1000ppmになるように加え、激しく液を撹拌し
た。24時間後に改質された陽イオン交換膜を取り
出し水洗し、その後に酸化処理(B)で酸化処理を行
つた。それぞれの改質陽イオン交換膜と陽イオン
交換膜の電気抵抗、電流効率、選択透過係数、耐
有機汚染性を表1に示す。
【表】
【表】 表1の結果から明らかな如く、本発明の改質陽
イオン交換膜は、電気抵抗の上昇もなく、電流効
率の低下もなく、荷価の小なる陽イオン選択性に
おて優れ、耐有機汚染性も良好であり、それらの
性質が酸化処理によつても変化しない。 実施例 2〜6 前記一般式(A)における記号が、それぞれ表2で
示される各化合物を用いて、実施例1と同一の陽
イオン交換膜を同一の処理を行つた。その結果を
表3に示した。
【表】
【表】
【表】 実施例 7〜11 前記一般式(A)における記号がそれぞれ表4で示
される各化合物を、4N−食塩水溶液に溶解し
2000ppmとした。この溶液中に陽イオン交換膜
ネオセプタCH−45Tを40℃、10時間浸漬し、次
いで窒素雰囲気下、過硫酸アンモニウム及び亜硫
酸ナトリウムをそれぞれ8000ppmになるように
加え、24時間重合処理を行つた。 その後、酸化処理(B)で酸化処理を行つた。この
ときの改質陽イオン交換膜の酸化処理(B)の前後で
の性質を表5に示した。
【表】
【表】 実施例 12〜16 前記一般式(A)における記号が表6で示される各
化合物の500ppm水溶液中に、陽イオン交換膜ネ
オセプタC66−5T(山曹達社製)を20℃、10時
間浸漬した。この陽イオン交換膜を取り出し水洗
した。 この改質された陽イオン交換膜を酸化処理(B)を
行つて、海水濃縮して純塩率の測定をした。1カ
月後の値は表7に示す通りであつた。
【表】
【表】 又上記のビニル化合物水溶液からとり出した表
面にビニル化合物の付着した改質陽イオン交換膜
を、2%アゾビス−2−アミジノプロパン・塩酸
塩水溶液中へ浸漬して1日重合した。この改質陽
イオン交換膜を酸化処理(B)を行つて、海水濃縮
し、6ケ月後の純塩率を測定した。その結果は表
8に示す通りで、初期値とほゞ同じであつた。
【表】 比較例 1 実施例12〜16のビニル化合物の代りに、分子量
約1000のポリエチレンイミン500ppm水溶液を用
い、実施例12〜16と同様に陽イオン交換膜を20
℃、10時間浸漬した。次いで、塩酸ホルマリン水
溶液に20時間浸漬して、ポリエチレンイミンをホ
ルマリンで架橋した。この改質陽イオン交換膜に
酸化処理(B)を行い海水濃縮を行つた。その結果、
この酸化処理の前後で純塩率は95%から80%へ激
減した。 実施例 17〜20 陽イオン交換膜ネオセプタCH−45Tと通常の
陰イオン交換膜を交互に配列して形成した電気透
析装置の希釈室に、前記一般式(A)における記号が
表9で示される各ビニル化合物の100ppm水溶液
を3時間通液し、一度電気透析槽からビニル化合
物水溶液を抜いた後、過硫酸アンモニウム
1000ppmの水溶液を8時間通液した。かくして
得られた改質陽イオン交換膜を用いて海水濃縮を
行つた。3ケ月間連続して海水濃縮を実施したと
ころ、海水中の浮遊物が電気透析槽内につまつ
て、この電気透析槽の圧損が大となり通水が困難
となつた。この状態において有効塩素300ppmの
次亜塩素酸ソーダを2時間電気透析槽内に通液す
ると、この電気透析槽の圧損は元に戻り、海水濃
縮が可能となつた。このとき酸化処理の前後の純
塩率を表10に示す。
【表】
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式 (但しnは0〜20;R1はCH2又は(CH22;R2
    R3、R4は同種又は異種の(CH2n(但しmは1
    〜18の正の整数)、【式】又は 【式】R5はH、CH3、 【式】又は【式】 R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13はH、
    CH3又はCH2CH3;XはCl、Br、I、OH又は1/2
    SO4である)で示されるビニル化合物又は該ビニ
    ル化合物の重合体を陽イオン交換膜の少くとも一
    方の表面に存在させた改質陽イオン交換膜。
JP12633679A 1979-10-02 1979-10-02 Modified cation exchange membrane Granted JPS5650933A (en)

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