JP3337567B2 - 電気透析方法 - Google Patents
電気透析方法Info
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- membrane
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- exchange membrane
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気透析によって臭素
イオンを選択的に透過させず、また、硝酸イオンを選択
的に透過させ、これらのイオンを除去または濃縮する方
法に関する。
イオンを選択的に透過させず、また、硝酸イオンを選択
的に透過させ、これらのイオンを除去または濃縮する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、環境保全の点から有害なイオン種
を除去、或いは濃縮することは種々の方法によって行わ
れている。このうちの特にイオン交換膜による無機イオ
ン類の除去および濃縮は極めて重要な問題であり、各種
の無機イオンに対して選択透過性を自由に制御する技術
が求められている。例えば、電気透析による海水濃縮製
塩では、臭素イオン、硫酸イオンの透過を阻止できる膜
や、近年地下水中に異常に増えている有害な硝酸イオン
を選択的に透過する膜等が種々の分野で広く求められて
いる。この他に単に環境保全の視点からのみでなく、化
学合成プロセス、化学反応プロセスで特定の陰イオンを
選択的に透過する陰イオン交換膜、或いは透過しない膜
が必要とされている。
を除去、或いは濃縮することは種々の方法によって行わ
れている。このうちの特にイオン交換膜による無機イオ
ン類の除去および濃縮は極めて重要な問題であり、各種
の無機イオンに対して選択透過性を自由に制御する技術
が求められている。例えば、電気透析による海水濃縮製
塩では、臭素イオン、硫酸イオンの透過を阻止できる膜
や、近年地下水中に異常に増えている有害な硝酸イオン
を選択的に透過する膜等が種々の分野で広く求められて
いる。この他に単に環境保全の視点からのみでなく、化
学合成プロセス、化学反応プロセスで特定の陰イオンを
選択的に透過する陰イオン交換膜、或いは透過しない膜
が必要とされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に水和イオン半径
の小さい臭素イオンは、塩素イオンなどに比較して陰イ
オン交換膜を透過し易い。しかし、臭素イオンを透過し
難い陰イオン交換膜については今日まで報告されていな
い。
の小さい臭素イオンは、塩素イオンなどに比較して陰イ
オン交換膜を透過し易い。しかし、臭素イオンを透過し
難い陰イオン交換膜については今日まで報告されていな
い。
【0004】また、硝酸イオンは、通常、塩素イオンに
比較して陰イオン交換膜を透過し易い。さらにその性能
に優れた陰イオン交換膜は既に発表されているが、いづ
れも膜の電気抵抗の増大を伴う。電気抵抗の増大を伴わ
ず硝酸イオンを選択的に透過する陰イオン交換膜が求め
られている。
比較して陰イオン交換膜を透過し易い。さらにその性能
に優れた陰イオン交換膜は既に発表されているが、いづ
れも膜の電気抵抗の増大を伴う。電気抵抗の増大を伴わ
ず硝酸イオンを選択的に透過する陰イオン交換膜が求め
られている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な視点から、従来の陰イオン交換膜と比較して臭素イオ
ンが透過し難く、硝酸イオンが選択的に透過する電気透
析方法について鋭意研究を重ねたところ、ポリピロール
が陰イオン交換膜基体の中に存在している膜を用いる
と、意外にも電流効率の低下を招くことなく、また膜の
電気抵抗の上昇を招くことなく、臭素イオンの透過性が
抑えられ同時に硝酸イオンの透過性が向上することを見
出し、本発明を完成させるに到った。
な視点から、従来の陰イオン交換膜と比較して臭素イオ
ンが透過し難く、硝酸イオンが選択的に透過する電気透
析方法について鋭意研究を重ねたところ、ポリピロール
が陰イオン交換膜基体の中に存在している膜を用いる
と、意外にも電流効率の低下を招くことなく、また膜の
電気抵抗の上昇を招くことなく、臭素イオンの透過性が
抑えられ同時に硝酸イオンの透過性が向上することを見
出し、本発明を完成させるに到った。
【0006】即ち、本発明は、臭素イオン及び/又は硝
酸イオンを含む水溶液を電気透析するにあたり、ポリピ
ロールが陰イオン交換膜基体中に存在する複合膜を用い
ることを特徴とする電気透析方法である。
酸イオンを含む水溶液を電気透析するにあたり、ポリピ
ロールが陰イオン交換膜基体中に存在する複合膜を用い
ることを特徴とする電気透析方法である。
【0007】本発明において処理の対象となる水溶液
は、臭素イオンと硝酸イオンのいづれか一方、又は両方
を含んでいるものであり、他の陰イオン、例えば、硫酸
イオン、塩素イオン、ふっ素イオン、炭酸イオン、重炭
酸イオンなどの無機イオン及び場合によっては有機イオ
ンを含んでいてもよい。特に海水のように微量の臭素イ
オンを含んでいる水溶液、或いは微量の臭素イオンと他
の陰イオンを含んでいるような水溶液から臭素イオン以
外のイオン種の選択的透過、硝酸イオンを含んでいる塩
水溶液から硝酸イオンの除去、特に硝酸イオンで汚染さ
れている地下水からの硝酸イオンの除去などに好適に用
いられる。臭素イオン及び/又は硝酸イオンを含む水溶
液の塩濃度については特に限度はなく、全塩濃度で数1
00ppmから数規定の範囲であってよく、目的に応じ
て選ばれる。水溶液の塩濃度によって特に臭素イオン及
び/又は硝酸イオンの透過性が著しく変わることはな
い。
は、臭素イオンと硝酸イオンのいづれか一方、又は両方
を含んでいるものであり、他の陰イオン、例えば、硫酸
イオン、塩素イオン、ふっ素イオン、炭酸イオン、重炭
酸イオンなどの無機イオン及び場合によっては有機イオ
ンを含んでいてもよい。特に海水のように微量の臭素イ
オンを含んでいる水溶液、或いは微量の臭素イオンと他
の陰イオンを含んでいるような水溶液から臭素イオン以
外のイオン種の選択的透過、硝酸イオンを含んでいる塩
水溶液から硝酸イオンの除去、特に硝酸イオンで汚染さ
れている地下水からの硝酸イオンの除去などに好適に用
いられる。臭素イオン及び/又は硝酸イオンを含む水溶
液の塩濃度については特に限度はなく、全塩濃度で数1
00ppmから数規定の範囲であってよく、目的に応じ
て選ばれる。水溶液の塩濃度によって特に臭素イオン及
び/又は硝酸イオンの透過性が著しく変わることはな
い。
【0008】本発明で用いるポリピロールが陰イオン交
換膜基体中に存在する複合膜を作るために用いられる陰
イオン交換膜は特に制限はなく、公知の陰イオン交換膜
を使用できる。中性塩溶液の電気透析を実施する場合は
オニウム塩基、即ち、第四級アンモニウム塩基、第三級
スルホニウム塩基、第四級ホスホニウム塩基などの強塩
基性の陰イオン交換基を結合していることが好ましく、
酸性水溶液の電気透析を実施する場合は一級、二級、三
級アミノ基など弱塩基性陰イオン交換基を結合した陰イ
オン交換膜であってもよい。陰イオン交換膜の種類とし
ては、均質膜、不均質膜、重合系高分子よりなる膜、縮
合系高分子よりなる膜、炭化水素系の陰イオン交換膜、
フルオロカーボン系の陰イオン交換膜のいづれであって
もよく、特に制限はない。
換膜基体中に存在する複合膜を作るために用いられる陰
イオン交換膜は特に制限はなく、公知の陰イオン交換膜
を使用できる。中性塩溶液の電気透析を実施する場合は
オニウム塩基、即ち、第四級アンモニウム塩基、第三級
スルホニウム塩基、第四級ホスホニウム塩基などの強塩
基性の陰イオン交換基を結合していることが好ましく、
酸性水溶液の電気透析を実施する場合は一級、二級、三
級アミノ基など弱塩基性陰イオン交換基を結合した陰イ
オン交換膜であってもよい。陰イオン交換膜の種類とし
ては、均質膜、不均質膜、重合系高分子よりなる膜、縮
合系高分子よりなる膜、炭化水素系の陰イオン交換膜、
フルオロカーボン系の陰イオン交換膜のいづれであって
もよく、特に制限はない。
【0009】ポリピロールとの複合化は、ポリピロール
が陰イオン交換膜の基体の中に出来るだけ均一に分散し
て存在させることが好ましい。ポリピロールを均一に陰
イオン交換膜基体中に存在させるには、化学酸化重合に
よる方法が好ましい。化学酸化重合の際の酸化剤として
は過硫酸イオン、過酸化水素、Fe3+、Cu2+など公知の
ものを使うことが出来るが、特にFe3+を用いるのが好
ましい。
が陰イオン交換膜の基体の中に出来るだけ均一に分散し
て存在させることが好ましい。ポリピロールを均一に陰
イオン交換膜基体中に存在させるには、化学酸化重合に
よる方法が好ましい。化学酸化重合の際の酸化剤として
は過硫酸イオン、過酸化水素、Fe3+、Cu2+など公知の
ものを使うことが出来るが、特にFe3+を用いるのが好
ましい。
【0010】ポリピロールを陰イオン交換膜の基体中に
存在させる具体的な方法は特に制限されず、例えば、水
又はアルコールのような陰イオン交換膜を劣化、或いは
異常に膨潤させない溶媒にピロールを溶解し、これに陰
イオン交換膜を浸漬し、膜内に充分にピロールを含浸ま
たは吸着させた後、酸化剤溶液に浸漬し重合する方法を
挙げることが出来る。また、予め酸化剤を陰イオン交換
膜に吸着、或いはイオン交換させて、これをピロール溶
液中に浸漬する方法を挙げることも出来る。これらの方
法は目的に応じて適宜選択することが出来るが、陰イオ
ン交換膜の電気抵抗をほとんど上昇させず、且つ陰イオ
ン交換膜内にポリピロールを均一に存在させるには後者
の方が望ましい場合が多い。
存在させる具体的な方法は特に制限されず、例えば、水
又はアルコールのような陰イオン交換膜を劣化、或いは
異常に膨潤させない溶媒にピロールを溶解し、これに陰
イオン交換膜を浸漬し、膜内に充分にピロールを含浸ま
たは吸着させた後、酸化剤溶液に浸漬し重合する方法を
挙げることが出来る。また、予め酸化剤を陰イオン交換
膜に吸着、或いはイオン交換させて、これをピロール溶
液中に浸漬する方法を挙げることも出来る。これらの方
法は目的に応じて適宜選択することが出来るが、陰イオ
ン交換膜の電気抵抗をほとんど上昇させず、且つ陰イオ
ン交換膜内にポリピロールを均一に存在させるには後者
の方が望ましい場合が多い。
【0011】陰イオン交換膜基体中に存在させたポリピ
ロールの量は特に制限されるものではないが、臭素イオ
ンの他のイオンに対する選択的不透過性、及び硝酸イオ
ンの他のイオンに対する選択的透過性を勘案すると、
0.01〜2mg/cm2−dry膜の範囲であること
が好ましい。
ロールの量は特に制限されるものではないが、臭素イオ
ンの他のイオンに対する選択的不透過性、及び硝酸イオ
ンの他のイオンに対する選択的透過性を勘案すると、
0.01〜2mg/cm2−dry膜の範囲であること
が好ましい。
【0012】以下に本発明で用いられるポリピロールを
存在させた複合膜の一般的な製法を示す。陰イオン交換
膜として第四級アンモニウム塩基を有するものを使用す
る場合には、三級アミンと反応して第四級アンモニウム
塩基を形成しうる基、例えば、クロルメチル基を有する
高分子膜状物、具体的には、クロルメチルスチレン−ジ
ビニルベンゼン共重合体膜状物等をトリメチルアミン等
の三級アミンのアセトン−水混合溶液に浸漬して第四級
アンモニウム塩基を導入する。こうして得た陰イオン交
換膜を濃厚な酸化鉄水溶液に浸漬してFe3+をドナン吸
着させ、この膜を水洗いすることなく5%のピロール水
溶液に浸漬して膜内に吸着したFe3+によってピロール
を膜内で重合させる。この膜を充分に水洗い、又は酸洗
いして膜内の鉄イオンを除去した後、電気透析に供す
る。
存在させた複合膜の一般的な製法を示す。陰イオン交換
膜として第四級アンモニウム塩基を有するものを使用す
る場合には、三級アミンと反応して第四級アンモニウム
塩基を形成しうる基、例えば、クロルメチル基を有する
高分子膜状物、具体的には、クロルメチルスチレン−ジ
ビニルベンゼン共重合体膜状物等をトリメチルアミン等
の三級アミンのアセトン−水混合溶液に浸漬して第四級
アンモニウム塩基を導入する。こうして得た陰イオン交
換膜を濃厚な酸化鉄水溶液に浸漬してFe3+をドナン吸
着させ、この膜を水洗いすることなく5%のピロール水
溶液に浸漬して膜内に吸着したFe3+によってピロール
を膜内で重合させる。この膜を充分に水洗い、又は酸洗
いして膜内の鉄イオンを除去した後、電気透析に供す
る。
【0013】また、ピリジニウム塩基を有する陰イオン
交換膜を使用する場合には、ピリジル基を有する高分子
膜状物、具体的には、4−ビニルピリジンとジビニルベ
ンゼン共重合体膜状物等をヨウ化メチル等のアルキル化
剤のヘキサン溶液に浸漬してピリジン環をアルキル化す
る。次いで、得られた陰イオン交換膜を硫酸銅の濃厚な
水溶液に浸漬してCu2+を膜内にドナン吸着させた後、
これをピロール水溶液に浸漬して膜内でピロールを重合
させ、均一にポリピロールのマトリックスを形成させる
ことも出来る。
交換膜を使用する場合には、ピリジル基を有する高分子
膜状物、具体的には、4−ビニルピリジンとジビニルベ
ンゼン共重合体膜状物等をヨウ化メチル等のアルキル化
剤のヘキサン溶液に浸漬してピリジン環をアルキル化す
る。次いで、得られた陰イオン交換膜を硫酸銅の濃厚な
水溶液に浸漬してCu2+を膜内にドナン吸着させた後、
これをピロール水溶液に浸漬して膜内でピロールを重合
させ、均一にポリピロールのマトリックスを形成させる
ことも出来る。
【0014】このような複合膜を用いることによって、
塩素イオンに対する臭素イオンの透過量を減少させるこ
とが出来、また、塩素イオンに対する硝酸イオンの透過
性を増大させることも出来る。
塩素イオンに対する臭素イオンの透過量を減少させるこ
とが出来、また、塩素イオンに対する硝酸イオンの透過
性を増大させることも出来る。
【0015】本発明に於いて、臭素イオン及び/又は硝
酸イオンを含む水溶液を電気透析するにあたり、陽イオ
ン交換膜としては、従来公知の陽イオン交換膜が用いら
れる。例えば、重合系、縮合系、均一系、不均一系等の
種類、或いは製造方法、更には補強材の有無等によら
ず、種々の陽イオン交換膜が適宜使用される。また、通
常のスルホン酸型の陽イオン交換膜を用いることも出来
るし、目的によっては膜表面に正の電荷の薄層を有する
一価陽イオン選択透過性膜を用いることも出来る。
酸イオンを含む水溶液を電気透析するにあたり、陽イオ
ン交換膜としては、従来公知の陽イオン交換膜が用いら
れる。例えば、重合系、縮合系、均一系、不均一系等の
種類、或いは製造方法、更には補強材の有無等によら
ず、種々の陽イオン交換膜が適宜使用される。また、通
常のスルホン酸型の陽イオン交換膜を用いることも出来
るし、目的によっては膜表面に正の電荷の薄層を有する
一価陽イオン選択透過性膜を用いることも出来る。
【0016】そしてこのような陽イオン交換膜と上記し
た複合膜を交互に多数配置して常法により従来公知の電
気透析槽を用いて電気透析が実施される。例えば、締付
型、水槽型電気透析槽のいづれも用いることができ、ま
た、限界電流密度が出来るだけ高い電気透析槽が好適で
ある。電気透析槽の運転方法は公知の方法を採用でき
る。
た複合膜を交互に多数配置して常法により従来公知の電
気透析槽を用いて電気透析が実施される。例えば、締付
型、水槽型電気透析槽のいづれも用いることができ、ま
た、限界電流密度が出来るだけ高い電気透析槽が好適で
ある。電気透析槽の運転方法は公知の方法を採用でき
る。
【0017】さらに、電気透析の一種と見なせる陽極と
陰極の間に陰イオン交換膜のみを配して陰極室に臭素イ
オン及び/又は硝酸イオンを含む水溶液を供給して、陰
極室に臭素イオンを残すか、または、陽極室に硝酸イオ
ンを回収、濃縮することにも、本発明の方法を採用する
ことができる。この場合の電気透析槽(電解槽)は従来
公知のものが何ら制限なく用いられる。
陰極の間に陰イオン交換膜のみを配して陰極室に臭素イ
オン及び/又は硝酸イオンを含む水溶液を供給して、陰
極室に臭素イオンを残すか、または、陽極室に硝酸イオ
ンを回収、濃縮することにも、本発明の方法を採用する
ことができる。この場合の電気透析槽(電解槽)は従来
公知のものが何ら制限なく用いられる。
【0018】
【作用】ポリピロールと陰イオン交換膜を複合化するこ
とによる陰イオンの透過性の変化の詳細は不明である。
ポリピロール自体導電性高分子の一種であると同時に弱
塩基性陰イオン交換基を有する陰イオン交換体である。
また、共役二重結合があるため高分子としては極めて剛
直である。弱塩基性陰イオン交換基の共存、剛直な高分
子のマトリックスの形成及び電子伝導性を有する高分子
の存在などが類似したハロゲンイオンと微妙に相互作用
して、或いは硝酸イオンと相互作用して陰イオン間の選
択透過性が変化するものと思われる。
とによる陰イオンの透過性の変化の詳細は不明である。
ポリピロール自体導電性高分子の一種であると同時に弱
塩基性陰イオン交換基を有する陰イオン交換体である。
また、共役二重結合があるため高分子としては極めて剛
直である。弱塩基性陰イオン交換基の共存、剛直な高分
子のマトリックスの形成及び電子伝導性を有する高分子
の存在などが類似したハロゲンイオンと微妙に相互作用
して、或いは硝酸イオンと相互作用して陰イオン間の選
択透過性が変化するものと思われる。
【0019】
【効果】本発明の方法によれば、従来の陰イオン交換膜
に比較して臭素イオンの透過性を減少させ、硝酸イオン
の透過性を向上させることができる。したがって、本発
明は、イオン交換膜電気透析の広い利用分野を提供する
ものであり、その工業的意義は大きい。
に比較して臭素イオンの透過性を減少させ、硝酸イオン
の透過性を向上させることができる。したがって、本発
明は、イオン交換膜電気透析の広い利用分野を提供する
ものであり、その工業的意義は大きい。
【0020】
【実施例】臭素イオン、或いは硝酸イオンの透過性の測
定は、図1に示すように銀−塩化銀電極を両端に有する
四室電気透析槽によって行った。陽極室1、陰極室4に
は、脱塩室2及び濃縮室3に入れた測定溶液のイオン濃
度と同じになるように塩化ナトリウム溶液を満たした。
即ち、脱塩室2及び濃縮室3に0.02規定、0.07
5規定、0.25規定の塩化ナトリウムと0.02規
定、0.075規定、0.25規定の臭化ナトリウムの
1:1混合水溶液を満たしたときは、それぞれ0.04
規定、0.15規定、0.5規定の塩化ナトリウム溶液
を満たした。同様に硝酸イオンと塩素イオンの膜透過性
を測定するときも0.005規定、0.02規定、0.
075規定の硝酸ナトリウム水溶液と0.005規定、
0.02規定、0.075規定の塩化ナトリウム水溶液
の1:1の混合水溶液を用いて測定し、陽極室1及び陰
極4は脱塩室2及び濃縮室3に満たした塩濃度と同じに
なるように塩化ナトリウム水溶液を満たした。
定は、図1に示すように銀−塩化銀電極を両端に有する
四室電気透析槽によって行った。陽極室1、陰極室4に
は、脱塩室2及び濃縮室3に入れた測定溶液のイオン濃
度と同じになるように塩化ナトリウム溶液を満たした。
即ち、脱塩室2及び濃縮室3に0.02規定、0.07
5規定、0.25規定の塩化ナトリウムと0.02規
定、0.075規定、0.25規定の臭化ナトリウムの
1:1混合水溶液を満たしたときは、それぞれ0.04
規定、0.15規定、0.5規定の塩化ナトリウム溶液
を満たした。同様に硝酸イオンと塩素イオンの膜透過性
を測定するときも0.005規定、0.02規定、0.
075規定の硝酸ナトリウム水溶液と0.005規定、
0.02規定、0.075規定の塩化ナトリウム水溶液
の1:1の混合水溶液を用いて測定し、陽極室1及び陰
極4は脱塩室2及び濃縮室3に満たした塩濃度と同じに
なるように塩化ナトリウム水溶液を満たした。
【0021】Cは陽イオン交換膜(4cm×5cm)で
隔膜として用い、Aは陰イオン交換膜(2cm×5c
m)である。電流密度は濃度に比例して変化させた。電
気透析後、臭素イオン、塩素イオン、硝酸イオンの濃度
はイオンクロマトグラフィーによって分析し、陰イオン
交換膜Aを透過する塩素イオンに対する臭素イオン、ま
たは硝酸イオンの透過当量比を求めた。
隔膜として用い、Aは陰イオン交換膜(2cm×5c
m)である。電流密度は濃度に比例して変化させた。電
気透析後、臭素イオン、塩素イオン、硝酸イオンの濃度
はイオンクロマトグラフィーによって分析し、陰イオン
交換膜Aを透過する塩素イオンに対する臭素イオン、ま
たは硝酸イオンの透過当量比を求めた。
【0022】実施例1 市販の陰イオン交換膜NEOSEPTA AM−1
((株)トクヤマ製、商品名)を4.0規定の塩化第一
鉄の水溶液に室温で浸漬し、24時間静置後、その膜を
水洗いすることなく、表面を軽く濾紙でふき取った後、
5%ピロール水溶液に浸漬して16時間放置した。膜は
微黄色から黒色に変色したが膜の可撓性は全く変化なか
った。この膜を1規定塩酸中に攪拌下に浸漬し、塩酸を
繰り返しとりかえ、塩酸が着色しなくなるまで繰り返し
た。陰イオン交換膜基体中に分散したポリピロールの量
は0.08g/cm2−dry膜であった。次いで、こ
の膜を測定に供する溶液に浸漬平衡して測定に供した。
塩濃度を変えて塩素イオンに対する臭素イオンの透過性
(PBr Cl)を測定し、その結果を表1に示した。
((株)トクヤマ製、商品名)を4.0規定の塩化第一
鉄の水溶液に室温で浸漬し、24時間静置後、その膜を
水洗いすることなく、表面を軽く濾紙でふき取った後、
5%ピロール水溶液に浸漬して16時間放置した。膜は
微黄色から黒色に変色したが膜の可撓性は全く変化なか
った。この膜を1規定塩酸中に攪拌下に浸漬し、塩酸を
繰り返しとりかえ、塩酸が着色しなくなるまで繰り返し
た。陰イオン交換膜基体中に分散したポリピロールの量
は0.08g/cm2−dry膜であった。次いで、こ
の膜を測定に供する溶液に浸漬平衡して測定に供した。
塩濃度を変えて塩素イオンに対する臭素イオンの透過性
(PBr Cl)を測定し、その結果を表1に示した。
【0023】尚、ここで示した(PBr Cl)は次の式によ
って定義されたものである。
って定義されたものである。
【0024】
【化1】
【0025】tBr、tCl:膜を透過した臭素イオン、塩
素イオンの当量数 CBr、CCl:電気透析中の脱塩室2中の臭素イオン、塩
素イオンの平均濃度。
素イオンの当量数 CBr、CCl:電気透析中の脱塩室2中の臭素イオン、塩
素イオンの平均濃度。
【0026】また、膜の電気抵抗は0.5規定食塩水中
で1000cycle交流で測定した。その結果、NE
OSEPTA AM−1は1.2Ω−cm2であった
が、ポリピロールを分散した複合膜は0.9〜1.0Ω
−cm2であった。
で1000cycle交流で測定した。その結果、NE
OSEPTA AM−1は1.2Ω−cm2であった
が、ポリピロールを分散した複合膜は0.9〜1.0Ω
−cm2であった。
【0027】
【表1】
【0028】実施例2 実施例1で合成した複合膜を用いて硝酸ナトリウムと塩
化ナトリウムの混合溶液の電気透析を実施例1と同様に
行った結果を表2に示した。
化ナトリウムの混合溶液の電気透析を実施例1と同様に
行った結果を表2に示した。
【0029】
【表2】
【0030】尚、ここで示したPNO3 Clは実施例1と同
様に膜を透過した塩素イオンに対する硝酸イオンの当量
比を示す。
様に膜を透過した塩素イオンに対する硝酸イオンの当量
比を示す。
【図1】図1は、本発明の実施例において使用された電
気透析槽の構造を示す概略図である。
気透析槽の構造を示す概略図である。
【符号の説明】 C:陽イオン交換膜 A:陰イオン交換膜 1:陽極室 2:脱塩室 3:濃縮室 4:陰極室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 61/00 - 65/10 C02F 1/44 C02F 1/469 C02F 1/58
Claims (1)
- 【請求項1】臭素イオン及び/又は硝酸イオンを含む水
溶液を電気透析するにあたり、ポリピロールが陰イオン
交換膜基体中に存在する複合膜を用いることを特徴とす
る電気透析方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23662794A JP3337567B2 (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | 電気透析方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23662794A JP3337567B2 (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | 電気透析方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0899022A JPH0899022A (ja) | 1996-04-16 |
JP3337567B2 true JP3337567B2 (ja) | 2002-10-21 |
Family
ID=17003435
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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