JP3337566B2 - 電気透析方法 - Google Patents
電気透析方法Info
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Description
オンを選択的に透析する方法に関する。
取得されている元素の一つであるが、有機合成反応に於
いて、或いは高分子材料の製造に於いて、例えば、難燃
剤の原料の一つとして極めて重要な元素である。海水を
電気透析により濃縮して食塩を取得したあとの苦汁から
の臭素の回収、また異常に地下水中に含まれている臭素
イオンの除去など、目的に応じて臭素イオンの濃縮、或
いは除去を行う必要がある。このような工業的見地か
ら、また環境保全の見地から臭素イオンを選択的に濃
縮、或いは除去する技術が必要である。
業的には塩素ガスなどによって臭素ガスにしてこれを取
り出すことが行われている。しかしこれは塩素ガスを必
要とし、設備として大規模なものとなる。また、臭素イ
オン濃度が低いときには陰イオン交換樹脂を用いること
も行われている。この方法の場合、臭素イオンはふっ素
イオンと異なり、陰イオン交換樹脂への選択係数は塩素
イオンに比較して大きく、他の陰イオンが混在する系か
ら臭素イオンを回収、或いは除去することが出来る。し
かし、この方法は、イオン交換樹脂を用いたプロセスの
常として連続操作が出来ず、大量の再生試薬を必要とす
る。また、イオン交換膜を用いた電気透析は連続操作が
可能であるが、一般の陰イオン交換膜では特に臭素イオ
ンを選択的に透過させて濃縮、或いは除去することは出
来ない。
な観点から従来の陰イオン交換膜と比較して臭素イオン
を選択透過する陰イオン交換膜、或いは電気透析方法に
ついて鋭意研究を重ねたところ、陰イオン交換基として
炭素数2以上のアルキル基を少なくとも1個結合した第
四級アンモニウム塩基を有する陰イオン交換膜を用いる
と、意外にも電流効率の低下を招くことなく、臭素イオ
ンが選択的に膜透過することを見出し、本発明を完成す
るに到った。
から電気透析により臭素イオンを濃縮、或いは除去する
にあたり、炭素数が2以上のアルキル基を少なくとも1
個結合した第四級アンモニウム塩基を有する陰イオン交
換膜を用いることを特徴とする電気透析方法である。
臭素イオンを含んでいるものであり、他の陰イオン、例
えば、硫酸イオン、硝酸イオン、塩素イオン、ふっ素イ
オン、炭酸イオン、重炭酸イオンなどの無機イオン及び
場合によっては有機イオンを含んでいてもよい。特に食
塩製造の際の苦汁からの臭素の回収、臭素イオンを含ん
でいる希薄塩水からの臭素イオンの除去、臭素化合物を
合成、或いは使用する工程から生じる廃液が処理対象の
水溶液として好適である。臭素イオンを含む水溶液の塩
濃度については特に限定はなく、全塩濃度で数100p
pmから数規定の範囲であってよく、目的に応じて選ば
れる。水溶液の塩濃度によって特に臭素イオンの透過性
が著しく変わることはない。
は第四級アンモニウム塩基を結合している必要がある。
この第四級アンモニウム塩基は、炭素数2以上、望まし
くは4以上のアルキル基を少なくとも1個結合していな
ければならない。第四級アンモニウム塩基は結合手を4
個有しており、その内の1個は陰イオン交換膜への結合
に使用される。したがって、残りの結合手3個のうち少
なくとも1個が炭素数2以上のアルキル基との結合に関
与している必要がある。結合手3個すべてが炭素数1の
アルキル基、即ち、メチル基の結合に関与している場合
は、臭素イオンの選択透過性に優れた陰イオン交換膜と
はならない。
いは分岐状のいずれであってもよい。具体的には、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、iso-プロピル基、sec-ブチル基、tert
-ブチル基等をあげることができる。また、これらの炭
素数2以上のアルキル基を少なくとも1個結合した第四
級アンモニウム塩基としては、トリエチルアンモニウム
塩基、トリプロピルアンモニウム塩基、トリブチルアン
モニウム塩基、トリペンチルアンモニウム塩基、トリヘ
キシルアンモニウム塩基、トリヘプチルアンモニウム塩
基等を挙げることができる。
は、陰イオン交換基全てが上記した炭素数2以上のアル
キル基を少なくとも1個結合した第四級アンモニウム塩
基であることが望ましいが、この他に、炭素数2以上の
アルキル基を結合していない第四級アンモニウム塩基、
例えば、メチル基やベンジル基が結合したベンジルトリ
メチルアンモニウム塩基やN−メチルピリジニウム塩基
等の、通常用いられている第四級アンモニウム塩基が共
存していてもよい。また、一級、二級、三級アミノ基な
どの弱塩基性陰イオン交換基も共存していてもよい。
素数2以上のアルキル基を少なくとも1個結合した第四
級アンモニウム塩基に基づくイオン交換容量は特に制限
されないが、一般には0.1〜2.0meq/g−dr
y膜の範囲であることが好ましい。
ル基を少なくとも1個結合した第四級アンモニウム塩基
は、2μm以上、好ましくは5μm以上の層として陰イ
オン交換膜の脱塩側表面に存在していることが好まし
い。また、陰イオン交換膜の脱塩室側表面に出来るだけ
密に存在していることが望ましい。この場合、膜の内部
や裏面には通常のベンジルトリメチルアンモニウム塩基
やN−メチルピリジニウム塩基等が存在していることが
膜の電気抵抗を低く保つために好ましい。勿論、膜全体
に炭素数が2以上のアルキル基を少なくとも1個結合し
た第四級アンモニウム塩基が存在すれば、臭素イオンに
対する選択透過性が著しく向上する。
般的な製法を示す。n−トリブチルアミンのような炭素
数2以上のアルキル基を少なくとも1個有する三級アミ
ンを、例えば、エチルアルコールのような有機溶媒に溶
解する。この溶液中に、三級アミンと反応して第四級ア
ンモニウム塩基を形成しうる基、例えば、クロルメチル
基を有する高分子膜状物、具体的には、クロルメチルス
チレン−ジビニルベンゼン共重合体高分子膜状物などを
浸漬し、加温下に長時間還流することによって高分子膜
状物の表面及び内部に前記した第四級アンモニウム塩基
を導入することが出来る。高分子膜状物が架橋構造体の
場合、分子量の大きい三級アミンは充分に膜の内部にま
で反応しない。従って第四級アンモニウム塩基は膜表面
から内部に勾配を持って存在することになる。このよう
なとき未反応のクロルメチル基をトリメチルアミン等の
メチル基を有する三級アミンで反応することもできる。
くとも1個結合した第四級アンモニウム塩基を出来るだ
け多く陰イオン交換膜に導入するため、クロルメチル基
を有する線状高分子、例えば、クロルメチル化ポリスル
ホンなどを適当な溶媒に溶解し、トリn−ブチルアミン
などの三級アミンを加えて、溶液状態で加熱反応させた
のち、適当な貧溶媒中に加えることで陰イオン交換基を
有する高分子をとり出し、再びこれを良溶媒に溶解し
て、平板状に流延して、溶媒を飛散させ、陰イオン交換
膜とする方法も採用することができる。また、この際、
陰イオン交換基を結合していない適当な高分子を同時に
溶解して陰イオン交換膜とすることも出来る。
ことによって、例えば、塩素イオンに対する臭素イオン
の透過性は著しく向上する。また、共存する陰イオン、
例えば、硫酸イオンの透過性は著しく減少する。
を電気透析するにあたり、陽イオン交換膜としては従来
公知の陽イオン交換膜が用いられる。例えば、重合系、
縮合系、均一系、不均一系等の種類、あるいは製造方
法、更には補強材の有無等によらず、種々の陽イオン交
換膜が適宜使用される。また、通常のスルホン酸型の陽
イオン交換膜を用いることも出来るし、目的によっては
膜表面に正の電荷の薄層を有する一価陽イオン選択透過
性膜を用いることも出来る。
交換膜を交互に配置した従来公知の電気透析槽を好適に
用いることができる。例えば、締付型、水槽型電気透析
槽のいづれも用いることができ、また、限界電流密度が
出来るだけ高い電気透析槽が好適である。電気透析槽の
運転方法は公知の方法を採用できる。
陰極の間に陰イオン交換膜のみを配して陰極室に臭素イ
オンを含む溶液を流して、陽極室に臭素イオンを回収、
濃縮する方法にも、本発明の方法を採用することができ
る。この場合の電気透析槽(電解槽)は従来公知のもの
が何ら制限なく用いられる。
キル基を少なくとも1個結合させて第四級アンモニウム
塩基をある程度疎水性とすることによって、臭素イオン
が特に塩素イオンに対して選択的に透過する理由は分か
らないが、臭素イオンのイオン半径と水和力の違いが微
妙に第四級アンモニウム塩基と相互作用するものと思わ
れるが、詳細は今後の研究にまたなければならない。
に比較して臭素イオンの透過性が増大し、同一の膜面積
を有する電気透析槽で、より多くの臭素イオンを含んだ
溶液の処理が可能となる。したがって、本発明は、その
工業的意義が極めて大きい。
うに銀−塩化銀電極を両端に有する四室電気透析槽によ
って行った。陽極室1、陰極室4には、脱塩室2及び濃
縮室3に入れた測定溶液のナトリウムイオン濃度と同じ
になるように塩化ナトリウム溶液を満たした。即ち、脱
塩室2及び濃縮室3に0.02規定塩化ナトリウム及び
0.02規定臭化ナトリウムの1:1の混合水溶液を満
たしたときは、両極室には0.04規定の塩化ナトリウ
ム水溶液を満たした。脱塩室2及び濃縮室3には濃度の
異なる塩化ナトリウムと臭化ナトリウムの1:1の混合
水溶液、または臭化ナトリウムと硫酸ナトリウムの1:
1の混合水溶液を満たした。
隔膜として用い、Aは陰イオン交換膜(2cm×5c
m)である。電流密度は濃度に比例して変化させた。電
気透析後、臭素イオン、塩素イオン、硫酸イオンの濃度
はイオンクロマトグラフィーによって分析し、陰イオン
交換膜Aを透過する塩素イオンに対する臭素イオンの透
過当量比を求めた。
を混合してジビニルベンゼンの含量が10%となるビニ
ル単量体混合物を調製し、これにペーストレジン用のポ
リ塩化ビニル微粉末を加えて粘稠なペースト状混合物を
作った。ビニル単量体に対して重量比で3%のベンゾイ
ルパーオキサイドを加えたのち、これをポリ塩化ビニル
製の平織布に塗布し、両面をポリエステルのシートで覆
い、加圧下に重合し、厚みが約100μmの高分子膜状
物を得た。
ンの濃度が1規定のエタノール溶液中に浸漬して75℃
で4日間加熱還流し、各々の三級アミンを高分子膜状物
のクロルメチル基と反応させた。次いでこの膜を用いて
塩素イオンに対する臭素イオンの透過性及び塩素イオン
に対する硫酸イオンの透過性を測定し、その結果を表1
に示した。
は次の方法で測定した。三級アミンを高分子膜状物のク
ロルメチル基と反応させた後の膜を0.5規定のNaB
r溶液に浸漬平衡してBr-を陰イオン交換基に陰イオ
ン交換させ、このBr-をX線マイクロアナライザーに
よって分析した。
ミンの濃度が1規定のエタノール溶液中、室温で24時
間反応させた。その後、膜性質と塩素イオンに対する臭
素イオンの透過性及び塩素イオンに対する硫酸イオンの
透過性を測定し、結果を表2に示した。
Udel)をエチレンジクロライドに溶解し、無水塩化
亜鉛、クロルメチルメチルエーテルによってクロルメチ
ル化したところ、元素分析でClが6.95%導入され
たポリマーが得られた。これをN−メチルピロリドンに
溶解し、平板上に流延し加熱して溶媒を揮散させ、得ら
れたフィルムをトリブチルアミンの1規定エタノール溶
液中に浸漬して加熱した。得られた寒天状のゲルを乾燥
し、加熱してトリブチルアンモニウム塩基を陰イオン交
換基とする膜を得た。膜を水酸イオン型にした後、Cl
の元素分析をしたところ、ポリマー中のクロルメチル基
の85%がトリブチルアミンと反応していることが確認
できた。この膜の電気抵抗は3.5Ω−cm2で膜厚
0.12mmで塩素イオンに対する臭素イオンの選択透
過係数は12.5であった。
気透析槽の構造を示す概略図である。
Claims (1)
- 【請求項1】臭素イオンを含む水溶液から電気透析によ
り臭素イオンを選択的に濃縮、或いは除去するにあた
り、炭素数が2以上のアルキル基を少なくとも1個結合
した第四級アンモニウム塩基を有する陰イオン交換膜を
用いることを特徴とする電気透析方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23662694A JP3337566B2 (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | 電気透析方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23662694A JP3337566B2 (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | 電気透析方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0899024A JPH0899024A (ja) | 1996-04-16 |
JP3337566B2 true JP3337566B2 (ja) | 2002-10-21 |
Family
ID=17003422
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23662694A Expired - Lifetime JP3337566B2 (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | 電気透析方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3337566B2 (ja) |
-
1994
- 1994-09-30 JP JP23662694A patent/JP3337566B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0899024A (ja) | 1996-04-16 |
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