JPH07241443A - 一価陽イオン選択電気透析方法 - Google Patents

一価陽イオン選択電気透析方法

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JPH07241443A
JPH07241443A JP6035045A JP3504594A JPH07241443A JP H07241443 A JPH07241443 A JP H07241443A JP 6035045 A JP6035045 A JP 6035045A JP 3504594 A JP3504594 A JP 3504594A JP H07241443 A JPH07241443 A JP H07241443A
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exchange membrane
ion exchange
aromatic
monovalent cation
polymer
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JP6035045A
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Takeshi Komatsu
健 小松
Ichiro Terada
一郎 寺田
Haruhisa Miyake
晴久 三宅
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、一価の陽イオンと多価の陽イオ
ンとを効率的に分離することのできる一価陽イオン選択
電気透析方法を提供することである。 【構成】 この発明においては、主鎖を構成する少なく
とも一の繰り返し単位内に一般式(化1)で示される構
造を有する芳香族系重合体における少なくとも一部の芳
香環に1〜3級アミノ基および/または4級アンモニウ
ム塩基を導入してなる陰イオン交換体からなる陰イオン
交換体層を、陽イオン交換膜の少なくとも片面に有して
なる複層イオン交換膜を用いて、電気透析する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、一価陽イオン選択電
気透析方法に関する。詳しくは、多価陽イオンと一価陽
イオンとを含む水溶液より一価陽イオンを選択的に電気
透析することのできる複層イオン交換膜を用いた一価陽
イオン選択電気透析方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決使用とする課題】電気透析法
による膜分離技術は、従来より海水濃縮、脱塩に用いら
れてきた。海水濃縮による製塩技術においては、スケー
ルの発生を抑え、かつ目的成分である塩化ナトリウムを
高効率で得る目的で、一価陽イオン選択性陽イオン交換
膜を用いた方法が採用されている。前記一価陽イオン選
択性陽イオン交換膜としては、陽イオン交換膜の表面に
陰イオン交換性の物質を存在させてなる膜が知られてい
る。
【0003】このような一価カチオン選択透過膜におい
ては、一価陽イオン選択性以外にも、主として実用性の
観点から、電気的に低抵抗であること、選択性が長期的
維持されることなどが要求される。
【0004】特開昭62−205135号公報には、第
4級アンモニウム塩基類と3個以上のビニルベンジル基
を有するビニル化合物を陽イオン交換膜に吸着させ、そ
の後膜上で重合する方法が示されている。しかし、この
方法は操作が複雑であり、疎水性のビニルベンジル基の
存在により電気透析における膜抵抗が上昇するという欠
点を有する。
【0005】特開平4−90828号公報には、無荷電
状態の高分子アミン溶液で陽イオン交換膜を処理する方
法が示されている。しかしながらこの方法は、電気透析
中に高分子アミンが徐々に溶出することにより選択性を
長期間維持できないという問題を有する。
【0006】この発明は上記事情に鑑みなされたもので
あり、この発明の目的は、優れた一価陽イオン選択性を
長期間維持することができ、耐久性に優れ、さらに抵抗
の小さい複層イオン交換膜を提供すること、および前記
複層イオン交換膜を用いた一価陽イオン選択電気透析方
法を提供することにある。
【0007】
【前記課題を解決するための手段】前記課題を解決する
ための本願発明は、主鎖中に芳香環を有する芳香族系重
合体であって少なくとも一の繰り返し単位内に一般式
(化1)
【0008】
【化1】
【0009】で示される構造を有する芳香族系重合体
の、少なくとも一部の芳香環に1〜3級アミノ基および
/または4級アンモニウム塩基が導入されてなる陰イオ
ン交換体層を少なくとも片面に有する陽イオン交換膜か
らなる複層イオン交換膜を用いて、多価陽イオンと一価
陽イオンとを含む水溶液から一価陽イオンを選択的に電
気透析することを特徴とする一価陽イオン選択電気透析
方法である。
【0010】以下、この発明を詳細に説明する。この発
明の方法における複層イオン交換膜は、陽イオン交換膜
の少なくとも片面に陰イオン交換体層を有する。
【0011】前記陰イオン交換体層は、芳香環を有する
重合体の少なくとも一部の芳香環に1〜3級アミノ基お
よび/または4級アンモニウム塩基が導入されてなる。
【0012】前記陰イオン交換体層としては、スチレン
とクロロメチルスチレンとジビニルベンゼンとの共重合
体、ビニルピリジン系重合体、ビニルアニリン系重合
体、ビニルイミダゾール系重合体、ポリフェニレンオキ
サイド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポ
リエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポ
リスルホン等であって、その芳香環中に1〜3級アミノ
基および/または4級アンモニウム塩基が導入されてな
る重合体を挙げることができる。
【0013】上記の重合体の外に好ましい前記陰イオン
交換体層としては、機械的性質、耐熱性、耐薬品性およ
び薄膜成形性に優れている点からして、主鎖中に芳香環
を有する芳香族系重合体であって少なくとも一の繰り返
し単位内に一般式(化1)
【0014】
【化1】
【0015】で示される芳香族系重合体であって、その
芳香環中に1〜3級アミノ基および/または4級アンモ
ニウム塩基が導入されてなる重合体を挙げることができ
る。
【0016】この陰イオン交換体層が、イオン交換基が
導入されたセグメントとイオン交換基が実質的に導入さ
れていないセグメントとからなる芳香族系ブロック共重
合体であるときには、この発明における複層イオン交換
膜の一価陽イオン透過性が高く、かつ機械的性質に優れ
ているので好ましい。
【0017】前記芳香族系ブロック共重合体としては、
主鎖中に芳香環を有する芳香族系重合体であって少なく
とも一の繰り返し単位内に一般式(化2)
【0018】
【化2】
【0019】で示される芳香族系ブロック共重合体を挙
げることができる。
【0020】前記芳香族系ブロック共重合体として、例
えば、ポリフェニレンオキシド/ポリエーテルスルホン
ブロック共重合体、ポリフェニレンスルフィド/ポリエ
ーテルスルホンブロック共重合体、ポリアリールエーテ
ルエーテルスルホン/ポリエーテルスルホンブロック共
重合体、ポリアリールエーテルアリレート/ポリアクリ
レートブロック共重合体、およびポリアリールエーテル
スルホン/ポリチオエーテルスルホンブロック共重合体
を挙げることができる。
【0021】前記陰イオン交換体層の中でも好ましいの
は、一般式(化3)
【0022】
【化3】
【0023】で示される芳香族系ブロック共重合体であ
って、その芳香環中に1〜3級アミノ基および/または
4級アンモニウム塩基が導入されてなる重合体を挙げる
ことができる。
【0024】このような芳香族系ブロック共重合体を有
する陰イオン交換体層は、耐薬品性、一価陽イオン選択
性、成形加工性および機械的性質に優れ、さらに薄膜化
が可能であり、低抵抗であると言う優れた特性を有す
る。
【0025】芳香環を有する重合体における、少なくと
も一部の芳香環に1〜3級アミノ基および/または4級
アンモニウム塩基を導入する方法としては、(a)芳香
族環例えばベンゼン環またはナフタレン環にアミノアル
キル基を導入し、必要によりハロゲン化アルキルとの反
応により4級アンモニウム塩に転換する方法、(b)芳
香族環例えばベンゼン環またはナフタレン環の水素をハ
ロアルキル基に置換し、アミンと反応させる方法、
(c)芳香族環例えばベンゼン環またはナフタレン環に
アルキル基が導入されている場合には、そのアルキル基
をハロアルキル基に転換した後に、NH3 、1〜2級ア
ミンまたは3級アミンで処理する方法等を挙げることが
できる。
【0026】これら各種の方法の内、反応が容易に進行
し、イオン交換容量の調整を容易に行えること、および
ハロアルキル基の反応性を利用して架橋を導入すること
ができるという点で、前記(b)方法または(c)のハ
ロアルキル化−アミノ化反応を利用した方法が好まし
い。
【0027】ハロアルキル基の導入方法としては、
(b)方法であって、クロルメチルメチルエーテル、
1,4−ビス(クロルメトキシ)ブタン、1−クロルメ
トキシ−4−クロロブタン、ホルマリン−塩化水素、も
しくはパラホルムアルデヒド−塩化水素等を使用する親
電子反応性のクロルメチル化反応を利用する方法、また
は(c)方法であって、塩素や臭素により直接にアルキ
ル基をハロゲン化する方法、N−ブロモスクシンイミド
を用いて光の存在下で臭素化する方法、もしくは相間移
動触媒の存在下でハロゲン化する方法等を挙げることが
できる。
【0028】かくしてハロアルキル化例えばクロルメチ
ル化された重合体、すなわちハロアルキル化重合体は、
好ましくは以下の方法にて複層イオン交換膜にすること
ができる。
【0029】(A) ハロアルキル化重合体例えばクロルメ
チル化重合体を溶媒に溶解し、得られる溶液にアミンを
転化し、陰イオン交換樹脂溶液を形成してから、陽イオ
ン交換膜上に流延し、乾燥する。(B) ハロアルキル化重
合体例えばクロルメチル化重合体を溶媒に溶解し、得ら
れる溶液を陽イオン交換膜上に流延し、複層膜状に形成
した後、NH3 または1〜3級アミンと接触させる。
(C) ハロアルキル化重合体例えばクロルメチル化重合体
を溶媒に溶解し、例えば20〜80%の3級アミンを添
加し、陰イオン交換樹脂溶液とし、陽イオン交換膜上に
流延し、複層膜状に形成してから、加熱処理し、ルイス
酸と接触させ、あるいは少なくとも2個以上のアミノ基
を有するアミンと反応させて架橋構造を導入する。
【0030】ここで、この発明における陽イオン交換膜
としては、海水濃縮や電解質溶液の濃縮または脱塩に使
用されている炭化水素系陽イオン交換膜や、水電解や燃
料電池に使用されているパーフルオロスルホン酸重合体
からなる陽イオン交換膜を挙げることができる。中でも
入手が容易なことおよび表面に積層される陰イオン交換
体溶液に対する塗布性が良いことから、好ましくはスチ
レンまたはその誘導体とジビニルベンゼンとの共重合体
を母体とし、スルホン酸基などの強酸性陽イオン交換基
を有する陽イオン交換膜が使用される。
【0031】この発明における陽イオン交換膜として
は、均一型および不均一型のいずれでも良く、また必要
に応じて補強体を有していても良い。
【0032】この発明において、陽イオン交換膜と陰イ
オン交換体層を複層化する方法としては特に限定されず
公知の方法が使用できる。
【0033】好ましい方法としては、陽イオン交換膜上
に陰イオン交換体層を形成するポリマーの溶液を流延、
乾燥し、複層化する方法、および陽イオン交換膜と陰イ
オン交換体層とを別々に製膜後、熱圧着等の方法で複層
化する方法(キャスト法)を挙げることができる。これ
らの方法によると、一価陽イオン選択性に優れる陽イオ
ン交換膜を製造することができる。
【0034】特に好ましいのは、陽イオン交換膜と陰イ
オン交換体層とを別々に製膜し、陽イオン交換膜と陰イ
オン交換体膜とを熱圧着にすることにより複層化する方
法である。この方法によると、均一な陰イオン交換体膜
を形成することができ、特に優れた一価陽イオン選択性
を有する陽イオン交換膜を得ることができる。
【0035】前記複層イオン交換膜中の前記陰イオン交
換体層は、そのイオン交換容量が1〜4.5ミリ当量/
g乾燥樹脂であるのが好ましく、特に1.5〜3.0ミ
リ当量/g乾燥樹脂であるのが好ましく、さらには1.
8〜2.5ミリ当量/g乾燥樹脂であるのが好ましい。
前記イオン交換容量が1ミリ当量/g乾燥樹脂より小さ
いと膜抵抗が急激に上昇し、また電気透析時の限界電流
密度も低くなるので好ましくない。一方、前記イオン交
換容量が4.5ミリ当量/g乾燥樹脂より大きいと一価
陽イオンの選択性および機械的強度が急激に低下するの
で好ましくない。
【0036】前記複層イオン交換膜中の前記陽イオン交
換膜は、そのイオン交換容量が0.5〜5.0ミリ当量
/g乾燥樹脂であるのが好ましく、特に0.7〜4.0
ミリ当量/g乾燥樹脂であるのが好ましく、さらには
0.9〜3.5ミリ当量/g乾燥樹脂であるのが好まし
い。前記イオン交換容量が0.5ミリ当量/g乾燥樹脂
より小さいと膜抵抗が急激に上昇し、また電気透析時の
限界電流密度も低くなるので好ましくない。一方、前記
イオン交換容量が5.0ミリ当量/g乾燥樹脂より大き
いと一価陽イオンの選択性および機械的強度が急激に低
下するので好ましくない。
【0037】この発明における前記陰イオン交換体層の
膜厚は、通常0.001〜100μmであり、場合によ
り0.001〜10μmであり、好ましくは0.01〜
5μmであり、特に好ましくは0.5〜3μmである。
前記陰イオン交換体層の膜厚が0.001μmより薄い
と、陽イオン交換膜上に均一な緻密膜が形成されにくく
て選択性が低下し、100μmより厚いと膜抵抗が高く
なり、また電気透析時の限界電流密度も低くなるので好
ましくない。膜厚が、前記の特に好ましい範囲内である
と、陽イオン交換膜上に特に均一な緻密膜を形成するこ
とができ、優れた選択性および優れた長期安定性が達成
される。
【0038】この発明に使用される前記複層イオン交換
膜は、優れた寸法安定性、優れた取り扱い性等を与える
大きな強度を付与するために、多孔性基材により補強す
ることができる。
【0039】多孔性基材として織布、編布、不織布等を
挙げることができる。これらの多孔性基材は、陽イオン
交換膜に埋め込んでそれ自体が補強された複層膜として
使用することができる外に、さらに層状にした多孔性基
材層と複層イオン交換膜とを複層化し、さらに補強され
た複層膜とすることもできる。
【0040】複層イオン交換膜の形状は、一般的な平面
状だけでなく、袋状、中空糸、中空管などにすることも
できる。
【0041】このようにして得られた複層イオン交換膜
は、陽極と陰極との間に、陰イオン交交体層が好ましく
は陽極に対面するように、換言すると陰イオン交換体層
が脱塩室に面するように配置され、陽極側の一価陽イオ
ン特にナトリウムイオンを陰極側に選択的に透過させる
電気透析に使用される。
【0042】電気透析を行う場合、印加する電流密度
は、複層イオン交換膜内で水分裂を生じない限界電流密
度以下で、好ましくはその1/2以上の範囲で行うのが
好ましい。電気透析を実施する方法は、既知の方法であ
って良く、その装置に関しても、水槽型、フィルタープ
レス型などの既知の装置をいずれも採用することができ
る。
【0043】この発明の一価陽イオン選択性透析方法に
おいて、選択分離される一価陽イオンと多価陽イオンの
種類としては特に限定されないが、一価陽イオンがカリ
ウム、ナトリウム等のアルカリ金属イオンである場合、
カルシウム、マグネシウム等の多価陽イオンに比して特
に高い選択性を示し、効果的に両者を分離することがで
きる。
【0044】
【実施例】以下、この発明を実施例により詳述するが、
この発明はかかる実施例により何ら限定されるものでは
ない。
【0045】(実施例1、2および比較例1)実施例
1、2または比較例1に示す方法により複層イオン交換
膜を作成した。その性能を評価するために、複層イオン
交換膜の選択透過性および抵抗を以下のようにして測定
した。
【0046】(1)選択透過性 先ず、電気透析槽内に、複層イオン交換膜における陰イ
オン交換体層が脱塩室側を向くように、複層イオン交換
膜を両極間に配置した。
【0047】前記電気透析槽における脱塩室に、0.5
NのNaClおよび0.05NのMgCl2 を含有する
溶液を充填し、前記電気透析槽における濃縮室には3N
のNaCl溶液を充填した。
【0048】電流密度3A/dm2 にて電気透析を行な
い、濃縮室に透過するナトリウムイオンおよびマグネシ
ウムイオンの電流効率を測定し、次式に従いナトリウム
選択透過性を求めた。
【0049】ナトリウムイオン選択透過性=(ナトリウ
ムイオンの輸率/マグネシウムイオンの輸率)/(脱塩
室のナトリウムイオン濃度/脱塩室のマグネシウムイオ
ン濃度)。
【0050】(2)抵抗 上記(1)におけるのと同様に電気透析槽を構成した。
通電時の電圧降下より次式にしたがって抵抗値を求め
た。 抵抗値=電圧降下/電流密度。
【0051】(実施例1)特開昭61−168629号
公報に記載された合成法と同様にして、4,4’−ジフ
ェノールとジクロロジフェニルスルホンとを反応させ、
芳香族ポリスルホンのユニットからなるm=10のプリ
カーサーを合成し、次いで該プリカーサーとジクロロジ
フェニルスルホンと硫化ナトリウムとを反応させ、次式
で示され、しかも固有粘度が0.50である芳香族ポリ
スルホン−ポリチオエーテルスルホン共重合体を得た。
【0052】
【化4】
【0053】次いで、この共重合体を1,1,2,2−
テトラクロロエタンに溶解した後、クロルメチルメチル
エーテルおよび無水塩化スズを添加し、110℃、4時
間反応した。反応終了後、メチルアルコールで沈殿さ
せ、かつ洗浄し、クロルメチル化共重合体を得た。
【0054】得られたクロルメチル化共重合体をN,N
−ジメチルホルムアミドに溶解し15重量%溶液を調製
した。冷却下に撹拌しながら−10℃で1Nトリメチル
アミンのN,N−ジメチルホルムアミド溶液をゆっくり
と滴下し、その後所定量の2−メトキシエタノールを添
加し、イオン交換容量が2.2ミリ当量/g乾燥樹脂の
4級アミノ化ポリマーのN,N−ジメチルホルムアミド
溶液を得た。
【0055】次いで、得られたアミノ化ポリマー溶液を
用いて、スチレン−ジビニルベンゼンの共重合体のスル
ホン化物からなり、イオン交換容量が1.8ミリ当量/
g乾燥樹脂で厚み110μmである陽イオン交換膜上
に、キャスト製膜を行なった。前記キャスト成膜によ
り、前記陽イオン交換膜上に厚さ5μmの陰イオン交換
体層が形成され、複層イオン交換膜が得られた。
【0056】得られた複層イオン交換膜のナトリウムイ
オン選択性は1.8であり、抵抗値は15Ω・cm2
あった。
【0057】(実施例2)実施例1における、トリメチ
ルアミンの滴下量を変え、イオン交換容量を1.2ミリ
当量/g乾燥樹脂とした以外は同様にアミノ化ポリマー
溶液を得た。この溶液をポリエチレンテレフタレート
(PET)フィルム上にキャストして、厚さ0.05μ
mの陰イオン交換膜を得た。この膜をPETフィルムに
付いた状態で、実施例1と同じ陽イオン交換膜と熱圧着
しPETフィルムから陽イオン交換膜上に陰イオン交換
膜を転写し、複層イオン交換膜を得た。
【0058】得られた複層イオン交換膜は、ナトリウム
イオン選択性が2.2であり、抵抗値が16Ω・cm2
であった。
【0059】(実施例3)実施例1における、トリメチ
ルアミンの滴下量を変え、イオン交換容量を0.8ミリ
当量/g乾燥樹脂とした以外は同様にアミノ化ポリマー
溶液を得た。この溶液を用いて前記実施例1と同様にし
て複層イオン交換膜を得た。
【0060】得られた複層イオン交換膜は、ナトリウム
イオン選択性が2.4であり、抵抗値が22Ω・cm2
であった。
【0061】(比較例1)実施例1において使用した陽
イオン交換膜のみで実施例1と同様な条件で電気透析を
行い、性能を評価した。ナトリウムイオン選択性は0.
25であり、抵抗は15Ω・cm2 であった。
【0062】(実施例4)実施例1における、トリメチ
ルアミンの滴下量を変え、イオン交換容量が4.7ミリ
当量/g乾燥樹脂とした以外は同様にアミノ化ポリマー
溶液を得た。この溶液を用いて前記実施例1と同様にし
て複層イオン交換膜を得た。
【0063】得られた複層イオン交換膜は、ナトリウム
イオン選択性が0.55であり、抵抗値が15Ω・cm
2 であった。
【0064】(実施例5)膜厚が0.001μm未満で
ある陰イオン交換体層を有する複層イオン交換膜を使用
した外は前記実施例1と同様にして複層イオン交換膜を
得た。
【0065】得られた複層イオン交換膜は、ナトリウム
イオン選択性が0.60であり、抵抗値が15Ω・cm
2 であった。
【0066】(実施例6)膜厚が15μm未満である陰
イオン交換体層を有する複層イオン交換膜を使用した外
は前記実施例1と同様にして複層イオン交換膜を得た。
【0067】得られた複層イオン交換膜は、ナトリウム
イオン選択性が2.0であり、抵抗値が20Ω・cm2
であった。
【0068】
【発明の効果】この発明によると、特定の陰イオン交換
層と陽イオン交換膜とを複層化した複層イオン交換膜を
用いることにより、一価の陽イオンと多価の陽イオンと
を効率的に分離することのできる一価陽イオン選択電気
透析方法を提供することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主鎖中に芳香環を有する芳香族系重合体
    であって少なくとも一の繰り返し単位内に一般式(化
    1) 【化1】 で示される構造を有する芳香族系重合体の、少なくとも
    一部の芳香環に1〜3級アミノ基および/または4級ア
    ンモニウム塩基が導入されてなる陰イオン交換体層を少
    なくとも片面に有する陽イオン交換膜からなる複層イオ
    ン交換膜を用いて、多価陽イオンと一価陽イオンとを含
    む水溶液から一価陽イオンを選択的に電気透析すること
    を特徴とする一価陽イオン選択電気透析方法。
  2. 【請求項2】 前記芳香族系重合体における少なくとも
    一の繰り返し単位が一般式(化2) 【化2】 で示される芳香族系ブロック共重合体である前記請求項
    1に記載の一価陽イオン選択電気透析方法。
  3. 【請求項3】 前記芳香族系重合体における少なくとも
    一の繰り返し単位が一般式(化3) 【化3】 で示されるポリアリールエーテルスルホン/ポリチオエ
    ーテルスルホンブロック共重合体である前記請求項1ま
    たは2に記載の一価陽イオン選択電気透析方法。
  4. 【請求項4】 前記陰イオン交換体層は、そのイオン交
    換容量が1〜4.5ミリ当量/g乾燥樹脂であり、その
    厚みが0.001〜100μmである前記請求項1〜3
    のいずれかに記載の一価陽イオン選択電気透析方法。
JP6035045A 1994-03-04 1994-03-04 一価陽イオン選択電気透析方法 Withdrawn JPH07241443A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109937462A (zh) * 2016-09-07 2019-06-25 加州大学董事会 光驱动离子泵送膜系统
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