JPH07265863A - 硝酸イオンの除去方法 - Google Patents

硝酸イオンの除去方法

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JPH07265863A
JPH07265863A JP6051194A JP6051194A JPH07265863A JP H07265863 A JPH07265863 A JP H07265863A JP 6051194 A JP6051194 A JP 6051194A JP 6051194 A JP6051194 A JP 6051194A JP H07265863 A JPH07265863 A JP H07265863A
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membrane
anion exchange
ion
nitrate ions
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Toshikatsu Sada
俊勝 佐田
Takanobu Yamaguchi
隆宣 山口
Tomonari Todoroki
智成 轟
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Tokuyama Corp
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    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/46Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods
    • C02F1/469Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods by electrochemical separation, e.g. by electro-osmosis, electrodialysis, electrophoresis
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F2101/00Nature of the contaminant
    • C02F2101/10Inorganic compounds
    • C02F2101/16Nitrogen compounds, e.g. ammonia
    • C02F2101/163Nitrates

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  • Removal Of Specific Substances (AREA)
  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】従来の陰イオン交換膜に比較して硝酸イオンの
選択透過性を増大させ、硝酸イオンを含む水溶液から硝
酸イオンを選択的に除去する。 【構成】硝酸イオンを含む水溶液から電気透析により硝
酸イオンを除去するにあたり、陰イオン交換膜として膜
表面に厚さ10オングストローム〜5μmの負の電荷の
薄層、例えば、ポリビニルスルホン酸塩の層を有する膜
を用い、該薄層を有する側を脱塩室側にして該陰イオン
交換膜を配列する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】近年、CO2、NOX、SOXなど
の酸性廃ガスの問題は、地球規模において考えなければ
ならない重要な問題である。このような大気の汚染と同
時に人工肥料の過剰な使用により、地下水中に硝酸イオ
ンが異常に増大するという深刻な問題が発生している。
このような問題は、我が国に於いても一部既に見られる
が、特に欧米において深刻な問題となっている。硝酸イ
オンが地下水中に入り、これを飲料水として用いると、
体内でニトリル類、ニトロサミンなどに変わり、赤血球
に障害を生じる。そのためEC(欧州共同体)は飲料水
中の硝酸イオン濃度を25ppm以下にすることを勧告
しているが、欧州では地下水中の硝酸イオン濃度が25
ppmを越えているところが多い。このような環境保全
のためには各種の技術が開発されているが、より優れた
技術が求められている。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】地球
環境保全のための各種の技術が開発されているが、特に
有害な硝酸イオンを除去するための方法としては、イオ
ン交換樹脂を用いたイオン交換法、逆浸透膜を用いる方
法、嫌気性発酵による処理などが知られている。イオン
交換樹脂を用いる方法は、地下水の天然のイオン組成が
全く変ってしまうこと、及び再生廃液の処理の問題があ
る。逆浸透膜を用いる方法は、得られた純水に近い透過
液で原水を希釈して飲料水とするものであり、本質的な
解決にはならないし、また、この方法は一般に原水の利
用率が低い。嫌気性発酵は最も望ましい方法であるが、
維持管理が極めて容易でない。イオン交換膜を用いる電
気透析法は、原水の利用率が95%以上と極めて高く、
硝酸イオンを選択的に透過する陰イオン交換膜があれ
ば、天然のイオン組成を殆んど変えることなく硝酸イオ
ンを除去できる。
【0003】このために本発明者は、先に特開平4-2935
26号と特開平4-298223号において硝酸イオンに対して選
択透過性を有する陰イオン交換膜を完成した。これらは
いづれも硝酸イオンの透過性について優れた特性を示す
が膜の電気抵抗が若干高くなる。そこで、更に電気抵抗
の低い優れた硝酸イオン選択透過性を有する陰イオン交
換膜が求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような観点からイオ
ン交換膜の電気抵抗の上昇が実質的に無く、硝酸イオン
を選択的に透過する陰イオン交換膜について鋭意研究を
重ねたところ、陰イオン交換膜の表層部に負の電荷の薄
膜を形成することによって膜の電気抵抗の上昇は殆んど
なく、しかも、意外にも硝酸イオンが選択的に透過する
ことを見出し、ここに本発明を完成するに到った。
【0005】即ち、本発明は、硝酸イオンを含む水溶液
から電気透析により硝酸イオンを除去するにあたり、陰
イオン交換膜として膜表面に厚さ10オングストローム
〜5μmの負の電荷の薄層を有する膜を用い、該薄層を
有する側を脱塩室側にして該陰イオン交換膜を配列する
ことを特徴とする硝酸イオンの除去方法である。
【0006】本発明において、電気透析の対象となる水
溶液は、硝酸イオンを含む水溶液であり、他にどのよう
な陰イオンを含んでいてもよい。例えば、硫酸イオン、
塩素イオン、臭素イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン等
の無機イオン、及び場合によっては有機イオンを含んで
いてもよい。これらのイオンの含有量は特に制限される
ものではないが、一般には全塩量で1重量%以下の水溶
液であることが好ましく、特に2000ppm以下であ
ることが好ましい。この内、硝酸イオンは200ppm
以下であることが好ましい。このような硝酸イオンを含
む水溶液は、地下水、地表水、雨水等の区別なく用いる
ことができる。
【0007】本発明において用いられる陰イオン交換膜
は、膜表面に負の電荷の薄層を有する陰イオン交換膜で
ある。負の電荷の薄層は陰イオン交換膜の両面に存在し
ていてもよく、また、片面のみに存在していてもよい。
負の電荷の薄層の厚みは、あまりに薄いときには本発明
の効果が得られ難く、また、あまりに厚いときには、一
種のバイポーラ・イオン交換膜となって膜の電気抵抗の
上昇や水の加水分解などが生じるため、10オングスト
ローム〜5μmの範囲でなければならず、20オングス
トローム〜3μmの範囲であることが好ましい。
【0008】本発明で用いられる陰イオン交換膜の表面
に存在する負の電荷の薄層が、ある程度の厚みを有する
場合はX線マイクロアナライザーによって陰イオン交換
膜断面に関して薄層に存在する特定元素、例えば、イオ
ウの存在強度を観察することによって求めることが出来
るが、薄層が極めて薄い場合は厚みを測定することは難
しい。そのような場合には陰イオン交換膜の表面に負の
電荷の薄層を形成させる前と後の重量増加によってその
重量を求め、厚みを推定することができる。また、FT
IR、ESCA等の分析手段を用いることができる。さ
らに、膜表面層を形成する陽イオン交換基を有する物質
の溶液中に陰イオン交換膜を浸漬して、浸漬前後の溶液
中の陽イオン交換基を有する物質の濃度変化から求める
こともできる。上記の負の電荷の薄層の厚みは、陰イオ
ン交換膜の単位表面積当りの負の電荷の薄層の重量に換
算すると、概ね10-7〜10-2g/cm2の範囲とな
る。
【0009】本発明において用いられる陰イオン交換膜
の表面に形成された薄層は負の電荷を有する。負の電荷
は、通常、陽イオン交換基の導入によって付与される。
陽イオン交換基としては、例えば、スルホン酸基、カル
ボン酸基、リン酸基、亜リン酸基、フェノール性水酸
基、スルホン酸エステル基、リン酸エステル基、チオー
ル基、第三級パーフルオロアルコール基等を挙げること
ができる。
【0010】薄層の有する負の電荷の量は特に制限され
るものではないが、硝酸イオンの透過性を良好とするた
めには、5.0×10-10〜5×10-5当量/cm2の範
囲であることが好ましい。
【0011】負の電荷の薄層の陰イオン交換膜表面での
存在状態は特に制限されないが、次の(1)〜(3)の
状態であることが好ましい。
【0012】(1)膜表面に付着、イオン交換、また
は、吸着している。
【0013】(2)膜本体とは化学結合していないが、
膜表面で絡合い、3次元構造をとっている。
【0014】(3)膜本体と化学結合している。
【0015】以下に本発明の陰イオン交換膜の一般的製
法を示す。本発明の膜表面に負の電荷の薄層を有する陰
イオン交換膜の母体となる陰イオン交換膜(以下、単に
未処理陰イオン交換膜ともいう。)は従来公知の陰イオ
ン交換膜が用いられる。例えば、重合系、縮合系、均一
系、不均一系等の種類、あるいは製造方法、更には補強
材の有無等により種々の未処理陰イオン交換膜が適宜使
用される。また未処理陰イオン交換膜として陰イオン交
換基を容易に導入できる高分子膜状物を用い、これに陰
イオン交換基を導入したものも用いられる。
【0016】本発明で使用される膜表面に負の電荷の薄
層を有する陰イオン交換膜とするため、未処理陰イオン
交換膜の表面に陽イオン交換基を有する物質を存在させ
る。陽イオン交換基を有する物質としては、フェノール
スルホン酸とホルマリンとの縮合生成物、ポリスチレン
スルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルアルコ
ールの硫酸エステル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル
酸およびこれらの塩類等があげられる。これらの陽イオ
ン交換基を有する物質は、未処理陰イオン交換膜の表面
への存在させ易さの点から、分子量300以上であるこ
とが好ましい。
【0017】陽イオン交換基を有する物質のイオン交換
能を調節するために、イオン交換基を含まない物質と共
重合または共縮合させたものを用いてもよく、更には陽
イオン性交換基を有する物質をジビニルベンゼン、フェ
ノールなどの架橋性物質によって一部架橋構造を形成さ
せたものを用いてもよい。
【0018】以上に述べた陽イオン交換基を有する物質
を未処理陰イオン交換膜の実質上の表面に存在させる方
法を前述の(1)〜(3)の結合形態別に示せば次の通
りとなる。
【0019】陽イオン交換基を有する物質を未処理陰イ
オン交換膜表面に付着、イオン交換、吸着させる方法
は、浸漬でも塗布でもあるいは噴霧でもよく、更には透
析槽に組立てた後に通液により付着、イオン交換、吸着
させてもよい。陽イオン交換基を有する物質は水溶液の
状態で使用してもよく、有機溶剤に溶解して使用しても
よい。架橋高分子のような不溶性物質の場合には懸濁液
で使用すればよい。また、陽イオン交換基を有する物質
の溶液或いは懸濁液中には、無機の電解質、あるいはそ
の他害とならない物質が存在していてもよい。付着、イ
オン交換、吸着の条件である温度、時間、濃度、溶液、
pH等は陽イオン交換基を有する物質の性質に応じて適
宜選べばよい。
【0020】次に、陽イオン交換基を有する物質を未処
理陰イオン交換膜本体とは化学結合していないが、膜表
面で膜本体とからみ合い、三次元構造となるように形成
させる方法は次の通りである。陽イオン交換基を有し、
且つ反応性官能基を有する物質、例えば、第1、2、3
級アミン等のアミノ基、水酸基、ハロゲン原子、エポキ
シ基、カルボニル基、エチレン系あるいはアセチレン系
の不飽和結合、縮合可能な位置が置換されていないフェ
ノール核、アルデヒド基を有する物質等を浸漬、塗布等
の前述の方法で未処理陰イオン交換膜表面に付着させた
後、これらと反応し得る官能基を有する物質、例えば、
ホルムアルデヒド等のアルデヒド類;ジブロモブタン等
の如きポリハロゲン化アルキル類;エピクロルヒドリン
等のハロエポキシ化合物類;ポリエポキシ化合物類;ポ
リエチレンイミン等のポリアミン類;ポリアクリル酸等
のポリカルボン酸類等を反応させる。また、未処理陰イ
オン交換膜表面に付着させた不飽和結合にラジカル重
合、イオン重合を開始させる放射線照射を施こしたり、
あるいは過酸化物、ルイス酸等を作用させ、膜表面に三
次元構造を形成させることもできる。
【0021】更に、陽イオン交換基を有する物質を未処
理陰イオン交換膜本体と化学結合させる方法は、陽イオ
ン交換基を有し且つ反応性官能基を有する物質を膜本体
と反応させる方法、また、陰イオン交換膜を作る際に陽
イオン交換基を有しているか、あるいは陽イオン交換基
に変換できる表面層を作っておき、内部に陰イオン交換
基を導入した後、表面層を陽イオン交換基に変換する方
法等がある。例えば、スチレン−ジビニルベンゼン系の
膜状物を表面だけスルホン化し、次いで内部をクロロメ
チル化、アミノ化する等の方法等がその例である。
【0022】このような特殊な陰イオン交換膜を用いる
ことによって、塩素イオンに対して硫酸イオンは著しく
難透過性となり、硝酸イオンは著しく透過性が増大す
る。本来、陽イオン交換膜は一価陽イオンより多価陽イ
オンを選択的に透過する性質があり、地下かん水の脱塩
などでは、二価陽イオンであるカルシウムイオン、マグ
ネシウムイオンなどがナトリウムイオンに比較して膜透
過し易い。そのため、もし、硫酸イオンが陰イオン交換
膜を透過してくると、硫酸イオンとカルシウムイオンと
が反応して石こうの沈澱が析出する可能性があり、安定
した電気透析は出来なくなる。本発明の電気透析方法に
よると、硝酸イオンが選択的に除去できると同時に、硫
酸イオンは著しく難透過性となるために、このようなト
ラブルを防止することも出来る。
【0023】本発明において、硝酸イオンを含む水溶液
を電気透析するにあたり、陽イオン交換膜と上記した負
の電荷の薄層を有する陰イオン交換膜とが交互に配列さ
れた公知の電気透析槽を用いることができる。即ち、締
付型、水槽型電気透析槽のいづれも用いることが出来、
限界電流密度が出来るだけ高い電気透析槽を公知の方法
によって運転して実施される。
【0024】このとき、該薄層を有する側が脱塩室側に
なるように陰イオン交換膜を配列させる必要がある。該
薄層を有する側が脱塩室側になるように陰イオン交換膜
を配列しなかった場合には、本発明の効果、即ち、硝酸
イオンの良好な透過性を発揮させた電気透析を行なうこ
とができない。
【0025】電気透析に用いられる陽イオン交換膜は、
従来公知の陽イオン交換膜が用いられる。例えば、重合
系、縮合系、均一系、不均一系等の種類、あるいは製造
方法、更には補強材の有無等により種々の陽イオン交換
膜が適宜使用される。また陽イオン交換膜として陽イオ
ン交換基を容易に導入できる高分子膜状物を用い、これ
に陽イオン交換基を導入したものも用いられる。
【0026】
【作用】本来、硝酸イオンは、陰イオン交換樹脂、陰イ
オン交換膜に選択的にイオン交換吸着される性質がある
ため、例えば、塩素イオンに比較して陰イオン交換膜を
透過し易い。これが負の電荷の薄層を陰イオン交換膜の
表面に形成することによって更に強められ、硝酸イオン
の透過性が向上する。この現象は、膜表面に存在する負
の電荷の各陰イオン種に対する静電的反撥力が異なるこ
とによるものと思われる。即ち、塩素イオンに対して硝
酸イオンは水和イオン半径が大きいため、膜表面の負の
電荷による反撥力が、例えば、塩素イオンに比較して小
さく、陰イオン交換膜を透過し易くなっているものと思
われる。
【0027】
【効果】従来の陰イオン交換膜に比較して硝酸イオンの
透過性が増大した結果、同一の膜面積を有する電気透析
槽で、より多くの硝酸イオンを含んだ溶液の処理が可能
となる。また、本発明で用いられる陰イオン交換膜は、
従来の硝酸イオンの選択透過性膜よりも電気抵抗が低い
という特徴もある。したがって、本発明の工業的な意義
は極めて大きい。
【0028】
【実施例】以下の実施例によって本発明の内容を具体的
に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら制限
されるものではない。
【0029】硝酸イオンの透過性の測定は、図1に示す
銀−塩化銀電極を両端に有する四室電気透析槽によって
行った。陽極室1および陰極室4には0.04規定の食
塩水を満たし、中央の脱塩室2および濃縮室3には測定
する溶液、即ち、0.02規定硝酸ナトリウムと0.0
2規定塩化ナトリウムを含む混合溶液、または0.02
規定硫酸ナトリウムと0.02規定硝酸ナトリウムを含
む混合溶液を満たした。
【0030】Cは陽イオン交換膜(4cm×5cm)で
隔膜として用い、Aは陰イオン交換膜(2cm×5c
m)である。2mA/cm2で2時間電気透析し、両室
の硝酸イオンと塩素イオンの濃度または硫酸イオンと硝
酸イオンの濃度をイオンクロマトグラフィーによって分
析して、陰イオン交換膜Aを透過する塩素イオンに対す
る硝酸イオン、および硝酸イオンに対する硫酸イオンの
膜透過量の当量比を求めた。
【0031】尚、陰イオン交換膜への陽イオン交換基を
有する物質の付着量は、膜を該陽イオン交換基を有する
物質を溶解した溶液中に浸漬したときの前後の濃度変化
から求めた。定量は紫外吸収スペクトルを用いて行っ
た。
【0032】実施例1 陽イオン交換膜としてNEOSEPTA CM-2(商品名、徳山曹
達株式会社製)を用いた。陰イオン交換膜NEOSEPTA AM-
1(商品名、徳山曹達株式会社製)を分子量約10,0
00のポリスチレンスルホン酸の1000ppm水溶液
に25℃で17時間浸漬した後水洗し、膜両面にポリス
チレンスルホン酸の薄層を有する陰イオン交換膜を調製
した。これらのイオン交換膜を図1に示した四室電気透
析槽に組み込み、所定の硝酸ナトリウムと塩化ナトリウ
ムとの混合水溶液を電気透析した。塩素イオンに対する
硝酸イオンの膜透過当量比を求めたところ、塩素イオン
に対して硝酸イオンは2.2倍透過した。他方、未処理
陰イオン交換膜をそのまま用いたところ、透過当量比は
1.36であった。尚、この場合、膜表面に付着してい
るポリスチレンスルホン酸の量は単位膜面積あたり0.
05×10-5g/cm2であり、この値は薄層の厚み6
0オングストロームに相当した。また、ポリスチレンス
ルホン酸の薄層の電荷量は5.5×10-10当量/cm2
であった。
【0033】次にこの膜を0.5規定食塩水中で平衡に
して1000サイクル交流によって電気抵抗を測定した
ところ、1.7Ω・cm2であり、未処理陰イオン交換
膜は1.6Ω・cm2であった。
【0034】実施例2 実施例1と同じ陰イオン交換膜をナフタリンスルホン酸
とホルマリンの縮合物の1000ppm水溶液に17時
間室温で浸漬して膜両面に上記縮合物の薄層を有する陰
イオン交換膜を調製したあと、実施例1と同じ測定をし
た。陰イオン交換膜への上記縮合物の付着量は7×10
-5g/cm2であり、X線マイクロアナライザーで硫黄
原子の分布を測定したところ膜表面から約2μmのとこ
ろまで明確な存在が認められた。また、この膜の薄層の
電荷量は2×10-7当量/cm2であった。この膜の塩
素イオンに対する硝酸イオンの膜透過量の当量比は2.
1であり、硫酸イオンに対する硝酸イオンの膜透過量の
当量比は7.0であった。他方、未処理陰イオン交換膜
ではその比はそれぞれ1.36と1.70であった。
【0035】実施例1と同様に0.5規定食塩水での膜
の電気抵抗は表面処理をした膜は1.7Ω・cm2であ
り、未処理陰イオン交換膜は1.6Ω・cm2であっ
た。
【0036】実施例3 陰イオン交換膜として、スチレン−4−ビニルピリジン
−ジビニルベンゼンの混合物にスチレン−ブタジエンゴ
ムを溶解し粘稠となった液にベンゾイルパーオキサイド
を加えて、これをポリ塩化ビニル製の平織布に塗布した
後、両面をポリビニルアルコール製のシートでおおい、
加圧して80℃で重合し、補強材の入った高分子膜状物
を得た。これをヘキサンと沃化メチルの1:1の溶液に
浸漬して膜中のピリジン環をアルキル化処理して第四級
アンモニウム塩基とした。この膜をスチレンスルホン酸
ソーダの5%水溶液中に2時間浸漬して膜両面の表層部
にスチレンスルホン酸をイオン交換吸着させ、次いで、
過硫酸ソーダと亜硫酸ソーダをそれぞれ2%づつ含んだ
水溶液中に浸漬して、膜表部にイオン交換吸着したスチ
レンスルホン酸を重合させた。
【0037】この膜を用いて実施例1と同様に塩素イオ
ンに対する硝酸イオンの透過当量比、硫酸イオンに対す
る硝酸イオンの透過当量比を測定したところ、それぞれ
1.9と6.2であった。他方、単に沃化メチルでアル
キル化して得た陰イオン交換膜では、その比は1.2と
1.5であった。
【0038】この電気透析で用いた陰イオン交換膜の電
気抵抗を実施例1と同様に測定したところ、1.5Ω・
cm2であった。他方、未処理の膜の電気抵抗は1.4
Ω・cm2であった。また、X線マイクロアナライザー
で硫黄の分布を膜断面に関して観察したところ約3μm
の厚みのところまで硫黄の存在が認められた。さらに、
この膜の薄層の電荷量は1.2×10-6当量/cm2
あった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例において使用された電
気透析槽の構造を示す概略図である。
【符号の説明】
C:陽イオン交換膜 A:陰イオン交換膜 1:陽極室 2:脱塩室 3:濃縮室 4:陰極室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 1/58 ZAB P

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硝酸イオンを含む水溶液から電気透析によ
    り硝酸イオンを除去するにあたり、陰イオン交換膜とし
    て膜表面に厚さ10オングストローム〜5μmの負の電
    荷の薄層を有する膜を用い、該薄層を有する側を脱塩室
    側にして該陰イオン交換膜を配列することを特徴とする
    硝酸イオンの除去方法。
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