JP3497619B2 - 陽イオン交換膜 - Google Patents
陽イオン交換膜Info
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Description
換膜を用いて海水を電気透析により濃縮する際に、多価
陽イオン(Mg2+、Ca2+)よりも一価陽イオン(Na
+ 、K+ )を選択的に透過させる性質を有し、この性質
が長時間持続し、かつ電気透析時の膜電圧の極めて低い
新規な陽イオン交換膜に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、一価イオンを多価イオンよりも選
択的に透過させる性質、すなわち一価イオン選択透過性
を有する陽イオン交換膜として、表面に陰イオン交換性
の物質を存在させた陽イオン交換膜が知られている。
又、この一価イオン選択透過性が長時間持続する陽イオ
ン交換膜として、第四級アンモニウム塩基類と3個以上
のビニルベンジル基を有するビニル化合物の重合体を表
面に存在させた陽イオン交換膜が知られている(例えば
特公平5−85574号公報参照)。この公知陽イオン
交換膜は、一価イオン選択透過性が付与されるにあたっ
て、交流1000サイクルで測定される膜の電気抵抗の
上昇もあまり無く、良好な一価イオン選択透過性が長時
間持続する。しかしながら、海水を電気透析により濃縮
する際の膜電圧が高い場合があり、良好な一価イオン選
択透過性が長時間持続し、かつ、電気透析時の膜電圧が
より低い陽イオン交換膜が求められている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、良好
な一価イオン選択透過性が長時間持続し、かつ、電気透
析時の膜電圧が極めて低い新規な陽イオン交換膜を提供
することを目的とするものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者は、海水を電気
透析により濃縮する際の膜電圧が低い、一価イオン選択
透過性陽イオン交換膜を開発するために、鋭意研究を重
ねた結果、ポリ−4−ビニルピリジンの、クロルメチル
スチレンと沃化メチルとによる混合四級化物を用いるこ
とにより、従来技術以上に良好な一価イオン選択透過性
が長時間持続し、しかも電気透析時の膜電圧が極めて低
い陽イオン交換膜が出来ることを見いだし、この知見に
基づいて本発明をなすに至った。すなわち、分子量が
2,000〜5,000のポリ−4−ビニルピリジンの
ピリジン基の35〜45%をクロルメチルスチレンで四
級ピリジニウム塩化し、残りのピリジン基を沃化メチル
で四級ピリジニウム塩化した、ポリ−4−ビニルピリジ
ンの四級化物を陽イオン交換膜の表面に吸着させ、その
後、該ポリ−4−ビニルピリジン四級化物の二重結合部
分を重合させ、該ポリ−4−ビニルピリジン四級化物の
重合体が表面に存在している陽イオン交換膜である。 【0005】本発明で用いる、ポリ−4−ビニルピリジ
ンの四級化物は、まず4−ビニルピリジンを分子量制御
できる方法で重合し、その後、クロルメチルスチレンと
沃化メチルを各々適当な量を用いて四級ピリジニウム化
を行う。4−ビニルピリジンの重合方法は分子量を制御
するので、一般的にはアルコキシドを開始剤として用い
たアニオン重合が好ましい。この際重要なのは、分子量
が2,000〜5,000であることである。分子量が
2,000未満であるとポリ−4−ビニルピリジンの四
級化物を陽イオン交換膜の表面に吸着させる際に、ポリ
−4−ビニルピリジンの四級化物が必要以上に膜の内部
まで拡散してしまい、陽イオン交換膜の電気抵抗を上昇
させ、電気透析時の膜電圧が高くなってしまう。一方、
分子量が5,000よりも高いと、ポリ−4−ビニルピ
リジンの四級化物が陽イオン交換膜に吸着し難くなり、
良好な一価イオン選択透過性が得られなくなる。 【0006】次に、ポリ−4−ビニルピリジンの四級化
であるが、反応条件としてはポリ−4−ビニルピリジン
を、例えばジメチルスルホキシド、クロロホルム、アセ
トン、メタノール等の溶媒に溶解し、一般的に室温〜5
0℃の温度で行える。この際、例えば、t−ブチルカテ
コール等のラジカル重合禁止剤存在下に行うのが好まし
い。本発明の最も重要な点はクロルメチルスチレンと沃
化メチルの2種類の四級化剤を用いて、ポリ−4−ビニ
ルピリジンのピリジン基の35〜45%がクロルメチル
スチレンによって四級化され、残りのピリジン基が沃化
メチルによって四級化されることである。この四級化剤
の組み合わせと割合を見い出すことによって、従来技術
では得られなかった電気透析時の膜電圧が低い一価イオ
ン選択透過性陽イオン交換膜が得られるようになった。
この混合四級化のクロルメチルスチレンの割合が、35
%未満であるとポリ−4−ビニルピリジン四級化物の海
水への溶解度が高くなるため、陽イオン交換膜の一価イ
オン選択透過性の持続性が悪くなり、一方、45%を超
えると膜抵抗が上昇し、電気透析時の膜電圧が高くなっ
てしまう。更に、この場合、ポリ−4−ビニルピリジン
四級化物の水(海水)への溶解度が極端に低くなるた
め、陽イオン交換膜にポリ−4−ビニルピリジンの四級
化物を吸着させる際に、浸透濃度等他の膜性能への悪影
響を与えない溶媒を見い出し難くなる。ポリ−4−ビニ
ルピリジン四級化物における、クロルメチルスチレンに
より四級化されたピリジン基の割合は、そのNMRスペ
クトルにおいて、ピリジン基に結合したビニルベンジル
基に由来する5.6〜6.1ppmに現れるピークと、
ピリジン基に結合したメチル基に由来する4.0〜4.
7ppmに現れるピークとの、各々の積分値を比較する
ことにより決定できる。 【0007】本発明では、上記ポリ−4−ビニルピリジ
ン四級化物の溶液中に陽イオン交換膜を浸漬し、ポリ−
4−ビニルピリジン四級化物を陽イオン交換膜の表面に
吸着させた後、吸着したポリ−4−ビニルピリジン四級
化物に含まれるビニル基を重合させることにより、電気
透析時の膜電圧が低い一価イオン選択透過性陽イオン交
換膜が得られる。 【0008】本発明で用いる陽イオン交換膜は、特に限
定されず、公知の陽イオン交換膜を用いることができる
が、電気透析時の膜電圧が低いという特徴を十分に発揮
させるためには、例えば、ポリ塩化ビニル芯材を用いた
膜抵抗の低い陽イオン交換膜を用いるのが好ましい。本
発明でポリ−4−ビニルピリジン四級化物を陽イオン交
換膜の表面に吸着させる際の条件として、溶媒としては
水、無機塩水溶液又はこれらとジメチルスルホキシド、
アセトン、メタノール等の有機溶媒との混合溶媒を用い
ることができる。又、ポリ−4−ビニルピリジン四級化
物の濃度は一般的に数千ppmで用いる。しかしなが
ら、本発明で用いるポリ−4−ビニルピリジン四級化物
は水への溶解度が低く、ポリ−4−ビニルピリジン四級
化物を膜表面に均一に吸着させるためには、吸着温度に
おいてポリ−4−ビニルピリジン四級化物が完全に溶解
した状態であることが好ましいので、無機塩水溶液と有
機溶媒の混合溶媒を用いるのが好ましい。この際、無機
塩と有機溶媒の濃度は用いる陽イオン交換膜の性能への
悪影響を及ぼさない範囲から選べば良いが、無機塩濃度
は0.1〜0.5N程度、有機溶媒濃度は数%程度が一
般的である。吸着の温度と時間は用いる陽イオン交換膜
によって異なるが、一般的に温度30〜50℃で、数時
間〜数十時間吸着させれば良い。ここで、陽イオン交換
膜表面に吸着させるポリ−4−ビニルピリジン四級化物
の量は陽イオン交換膜の種類によって異なるが、良好な
一価イオン選択透過性を確保し、かつ電気透析時の膜電
圧を低く保つためには、一般的に1〜3meq/m2 程
度が好ましい。 【0009】陽イオン交換膜の表面に吸着させたポリ−
4−ビニルピリジン四級化物に含まれるビニル基の重合
は、ポリ−4−ビニルピリジン四級化物を吸着させた陽
イオン交換膜を、重合開始剤を含む溶液に接触させるこ
とにより行うことが出来る。この際、開始剤としては、
例えば2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二
塩酸塩等のラジカル重合開始剤や、例えば過硫酸カリウ
ム−亜硫酸ナトリウム等のレドックス開始剤が好適に用
いられる。溶媒としては水、無機塩水溶液、あるいはこ
れらとジメチルスルホキシド、アセトン、メタノール等
の有機溶媒との混合溶媒を用いることができるが、吸着
させたポリ−4−ビニルピリジン四級化物の膜からの脱
落を防止し、膜性能への影響が少ない溶媒として1.0
〜3.0Nの食塩水溶液が好ましい。重合温度及び時間
は開始剤の種類によって異なるが、一般的に、室温〜5
0℃、数時間〜数十時間の範囲から選択される。 【0010】以上のようにして得られる分子量が2,0
00〜5,000のポリ−4−ビニルピリジンのピリジ
ン基の35〜45%をクロルメチルスチレンで四級ピリ
ジニウム塩化し、残りのピリジン基を沃化メチルで四級
ピリジニウム塩化した、ポリ−4−ビニルピリジンの四
級化物を陽イオン交換膜の表面に吸着させ、その後、該
ポリ−4−ビニルピリジン四級化物の二重結合部分を重
合させて、該ポリ−4−ビニルピリジン四級化物の重合
体が表面に存在した陽イオン交換膜では、ポリ−4−ビ
ニルピリジン四級化物の一部は、陽イオン交換膜の内部
まで浸透し、残りの部分で陽イオン交換膜表面に陰イオ
ン交換性の薄層を形成している。SIMS(二次イオン
質量分析)による表面解析では膜内部に約100〜50
0nmのポリ−4−ビニルピリジン四級化物の浸透して
いる層と膜表面10〜50nmに陰イオン交換性の層が
検出された。これらの層の厚みは、電気透析時の膜電圧
が低く、かつ良好な一価イオン選択透過性が長時間持続
するために必要かつ充分なものであり、ポリ−4−ビニ
ルピリジン四級化物の膜内への浸透が上記よりも薄い
と、一価イオン選択透過性の持続性が悪くなり、陰イオ
ン交換性の層が上記よりも薄いと一価イオン選択透過性
自体が悪くなる。又、両方の厚みが上記よりも厚いと、
電気透析時の膜電圧が高くなってしまう。従来技術で電
気透析時の膜電圧が高かった理由の一つに、上記の層が
必要以上に厚かった事が考えられる。 【0011】 【発明の実施の形態】次に実施例および比較例によって
本発明をさらに詳細に説明する。なお実施例中で使用す
る記号は次の意味を有する。 (1)F2 :海水濃縮における陽イオン交換膜の一価陽
イオンに対する二価陽イオンの比選択透過性を示し、こ
の値が低いほど一価陽イオン選択透過性が高いことを示
し、(1)式で与えられる。 【0012】 【数1】 【0013】測定方法:陽イオン交換膜を旭化成工業
(株)製陰イオン交換膜A−172と共に旭化成工業
(株)製電気透析装置SV−7(有効通電面積0.5d
m2 )に組み込んで、稀釈液に海水を用い、海水流速4
cm/sec、温度25℃、電流密度3A/dm2 で電
気透析を行い、各濃度を測定し、上式を用いて算出す
る。 (2)V/P:電気透析時の1セル当たりのセル電圧で
陽イオン交換膜以外の部分の条件を一定にしておけば陽
イオン交換膜の電気透析時の膜電圧は、この値の高低に
よって評価できる。 【0014】測定方法:陽イオン交換膜を旭化成工業
(株)製陰イオン交換膜A−172と共に旭化成工業
(株)製電気透析装置SV−7(有効通電面積0.5d
m2 )に組み込んで、稀釈液にCl- 濃度を0.4Nと
一定にコントロールした海水を用い、海水流速4cm/
sec、温度25℃、電流密度3A/dm2 で電気透析
を行い、10対のセル電圧を測定し、その値を10で除
して求める。 【0015】一方、一価イオン選択透過性の耐久性評価
方法として、以下の方法を用いた。F2 、V/Pを測定
し終えた膜の稀釈面を、2kgの加重をかけ20cm/
secの速度でスポンジで10回擦り、膜表面の陰イオ
ン交換性の層に物理的にダメージを与える操作を行い、
再度F2 を測定しF2 の変化を尺度として耐久性を評価
した。この10回の擦りを1サイクルとして、最高10
サイクルの擦りによる耐久性評価を実施した。 【0016】 【実施例1】 陽イオン交換膜の製造:スチレン89重量部、純度56
%のジビニルベンゼン11重量部、ジメチルフタレート
15重量部、ニトリルブタジエンゴム6重量部、ポリ塩
化ビニルパウダー15重量部、ベンゾイルパーオキサイ
ド2重量部を混合して得られるペースト状混合物をポリ
塩化ビニル製の布にコートし、ポリエチレンテレフタレ
ート製のフィルムに挟んで90℃で12時間重合した。
このフィルム状重合物を99.5%の硫酸で40℃の2
4時間、スルホン化し、陽イオン交換膜を得た。 【0017】吸着処理液の製造:一方、ジメチルスルホ
キシド880重量部に窒素雰囲気下、4−ビニルピリジ
ン130重量部、30%カリウムメトキシドメタノール
溶液4重量部を混合し、25℃で8時間アニオン重合を
行い、分子量3,000のポリ−4−ビニルピリジンの
ジメチルスルホキシド溶液を得た。この溶液にクロルメ
チルスチレン76重量部、沃化メチル105重量部、t
−ブチルカテコール1重量部を加え40℃で24時間四
級ピリジニウム化反応を行い、ポリ−4−ビニルピリジ
ンのピリジン基の40%がビニルベンジル基で、残りが
メチル基で四級ピリジニウム化された、ポリ−4−ビニ
ルピリジン四級化物の24wt%溶液を得た。このポリ
−4−ビニルピリジン四級化物溶液16重量部を1,0
00重量部の0.3N食塩水に40℃にて溶解して、吸
着処理液とした。 【0018】陽イオン交換膜への一価イオン選択透過性
の付与:この処理液に先に調製した陽イオン交換膜を、
40℃で24時間浸漬し、陽イオン交換膜にポリ−4−
ビニルピリジン四級化物を吸着させた。その後、ポリ−
4−ビニルピリジン四級化物を吸着させた陽イオン交換
膜を吸着処理液から取り出し、1,000重量部の1.
0Nの食塩水に過硫酸カリウムおよび亜硫酸ナトリウム
を各々1重量部溶解した開始剤溶液に、1分間浸漬した
後取り出して、ポリエチレン袋に入れシールし、40℃
の恒温槽中に8時間入れておき、ポリ−4−ビニルピリ
ジン四級化物中のビニル基を重合させた。その後、膜を
取り出し、0.5N食塩水で3回洗浄し、表面にポリ−
4−ビニルピリジン四級化物の重合体が存在した陽イオ
ン交換膜を得た。 【0019】この陽イオン交換膜のF2 およびV/Pは
表1に示す。一方、この陽イオン交換膜の一価イオン選
択透過性の耐久性評価の結果は図1に示す。 【0020】 【比較例1】実施例1と同様の方法で得られた分子量
3,000のポリ−4−ビニルピリジンのジメチルスル
ホキシド溶液に、クロルメチルスチレン57重量部、沃
化メチル123重量部およびt−ブチルカテコール1重
量部を加え、40℃で24時間四級ピリジニウム化反応
を行い、ポリ−4−ビニルピリジンのピリジン基の30
%がビニルベンジル基で、残りがメチル基で四級ピリジ
ニウム化された、ポリ−4−ビニルピリジン四級化物の
24wt%溶液を得た。このポリ−4−ビニルピリジン
四級化物溶液16重量部を1,000重量部の0.3N
食塩水に40℃にて溶解して、吸着処理液とした。 【0021】この吸着処理液を用いて、実施例1で調製
したのと同じ一価イオン選択透過性が付与される前の陽
イオン交換膜を、実施例1と同じ条件で吸着処理を行っ
た。その後、ポリ−4−ビニルピリジン四級化物を吸着
させた陽イオン交換膜を実施例1と同様な操作を行い、
ポリ−4−ビニルピリジン四級化物中のビニル基を重合
させ、表面にポリ−4−ビニルピリジン四級化物の重合
体が存在した陽イオン交換膜を得た。 【0022】この陽イオン交換膜のF2 およびV/Pも
表1に示す。一方、この陽イオン交換膜の一価イオン選
択透過性の耐久性評価の結果も図1に示す。比較例1の
場合ポリ−4−ビニルピリジン四級化物のクロルメチル
スチレンによる四級化の割合が30%と低いため、一価
イオン選択透過性が悪く、その耐久性が低い。 【0023】 【比較例2】実施例1と同様の方法で得られた分子量
3,000のポリ−4−ビニルピリジンのジメチルスル
ホキシド溶液に、クロルメチルスチレン95重量部、沃
化メチル88重量部およびt−ブチルカテコール1重量
部を加え40℃で24時間四級ピリジニウム化反応を行
い、ポリ−4−ビニルピリジンのピリジン基の50%が
ビニルベンジル基で、残りがメチル基で四級ピリジニウ
ム化された、ポリ−4−ビニルピリジン四級化物の24
wt%溶液を得た。このポリ−4−ビニルピリジン四級
化物溶液16重量部を1,000重量部の0.3N食塩
水に40℃にて投入し溶解しようとしたところ、完全に
は溶解せず懸濁液であったが、これを吸着処理液として
用いることにした。 【0024】この吸着処理液を用いて、実施例1で調製
したのと同じ一価イオン選択透過性が付与される前の陽
イオン交換膜を、実施例1と同じ条件で吸着処理を行っ
た。その後、ポリ−4−ビニルピリジン四級化物を吸着
させた陽イオン交換膜を実施例1と同様な操作を行い、
ポリ−4−ビニルピリジン四級化物中のビニル基を重合
させ、表面にポリ−4−ビニルピリジン四級化物の重合
体が存在した陽イオン交換膜を得た。 【0025】この陽イオン交換膜のF2 およびV/Pも
表1に示す。一方、この陽イオン交換膜の一価イオン選
択透過性の耐久性評価の結果も図1に示す。比較例2の
場合、ポリ−4−ビニルピリジン四級化物のクロルメチ
ルスチレンによる四級化の割合が50%と高いため、V
/Pが高い、すなわち、この膜の電気透析時の膜電圧が
高くなっている。 【0026】 【比較例3】ジメチルスルホキシド793重量部にN,
N,N’,N’,N”−ペンタメチルイミノビスプロピ
ルアミン20重量部、クロルメチルスチレン46重量部
およびt−ブチルカテコール0.8重量部を混合し室温
にて48時間反応させ、N,N,N’,N’,N”−ペ
ンタメチルイミノビスプロピルアミンの3個のアミンが
クロルメチルスチレンによって四級アンモニウム化され
た化合物の7.7%溶液を得た。この溶液13重量部を
1,000重量部の1.0N食塩水に溶解して、吸着処
理液とした。 【0027】この吸着処理液に実施例1で調製したのと
同じ一価イオン選択透過性が付与される前の陽イオン交
換膜を、40℃で2時間浸漬し、陽イオン交換膜にN,
N,N’,N’,N”−ペンタメチルイミノビスプロピ
ルアミンの四級アンモニウム化合物を吸着させた。その
後、N,N,N’,N’,N”−ペンタメチルイミノビ
スプロピルアミンの四級アンモニウム化合物を吸着させ
た陽イオン交換膜を実施例1と同様な操作を行い、N,
N,N’,N’,N”−ペンタメチルイミノビスプロピ
ルアミンの四級アンモニウム化合物中のビニル基を重合
させ、表面にN,N,N’,N’,N”−ペンタメチル
イミノビスプロピルアミンの四級アンモニウム化合物の
重合体が存在した陽イオン交換膜を得た。 【0028】この陽イオン交換膜のF2 およびV/Pも
表1に示す。一方、この陽イオン交換膜の一価イオン選
択透過性の耐久性評価の結果を図1に示す。比較例3の
ような従来技術では一価イオン選択透過性およびその耐
久性は優れているものの、V/Pが高い、すなわち、こ
の膜の電気透析時の膜電圧が高くなっている。 【0029】 【表1】 【0030】 【発明の効果】本発明の陽イオン交換膜は従来技術と同
等以上に良好な一価イオン選択透過性とその持続性を供
え、かつ、従来技術では達成できなかった電気透析時の
低い膜電圧を達成しており、本発明の陽イオン交換膜を
電気透析法による製塩に用いた場合、消費電力量を節減
できる。
実施例中記載の方法で評価した、一価イオン選択透過性
の耐久性を表した図である。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 分子量が2,000〜5,000のポリ
−4−ビニルピリジンのピリジン基の35〜45%を、
クロルメチルスチレンで四級ピリジニウム塩化し、残り
のピリジン基を、沃化メチルで四級ピリジニウム塩化し
た、ポリ−4−ビニルピリジンの四級化物を、陽イオン
交換膜の表面に吸着させ、その後、該ポリ−4−ビニル
ピリジン四級化物の二重結合部分を重合させて、該ポリ
−4−ビニルピリジン四級化物の重合体が表面に存在し
た陽イオン交換膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20225995A JP3497619B2 (ja) | 1995-08-08 | 1995-08-08 | 陽イオン交換膜 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP20225995A JP3497619B2 (ja) | 1995-08-08 | 1995-08-08 | 陽イオン交換膜 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH0948862A JPH0948862A (ja) | 1997-02-18 |
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ID=16454589
Family Applications (1)
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JP20225995A Expired - Lifetime JP3497619B2 (ja) | 1995-08-08 | 1995-08-08 | 陽イオン交換膜 |
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---|---|---|---|---|
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-
1995
- 1995-08-08 JP JP20225995A patent/JP3497619B2/ja not_active Expired - Lifetime
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