JP3497619B2 - 陽イオン交換膜 - Google Patents

陽イオン交換膜

Info

Publication number
JP3497619B2
JP3497619B2 JP20225995A JP20225995A JP3497619B2 JP 3497619 B2 JP3497619 B2 JP 3497619B2 JP 20225995 A JP20225995 A JP 20225995A JP 20225995 A JP20225995 A JP 20225995A JP 3497619 B2 JP3497619 B2 JP 3497619B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exchange membrane
cation exchange
vinylpyridine
poly
quaternary
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP20225995A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0948862A (ja
Inventor
武人 川嶋
正人 浜田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Chemicals Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Chemicals Corp filed Critical Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority to JP20225995A priority Critical patent/JP3497619B2/ja
Publication of JPH0948862A publication Critical patent/JPH0948862A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3497619B2 publication Critical patent/JP3497619B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は主として、イオン交
換膜を用いて海水を電気透析により濃縮する際に、多価
陽イオン(Mg2+、Ca2+)よりも一価陽イオン(Na
+ 、K+ )を選択的に透過させる性質を有し、この性質
が長時間持続し、かつ電気透析時の膜電圧の極めて低い
新規な陽イオン交換膜に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、一価イオンを多価イオンよりも選
択的に透過させる性質、すなわち一価イオン選択透過性
を有する陽イオン交換膜として、表面に陰イオン交換性
の物質を存在させた陽イオン交換膜が知られている。
又、この一価イオン選択透過性が長時間持続する陽イオ
ン交換膜として、第四級アンモニウム塩基類と3個以上
のビニルベンジル基を有するビニル化合物の重合体を表
面に存在させた陽イオン交換膜が知られている(例えば
特公平5−85574号公報参照)。この公知陽イオン
交換膜は、一価イオン選択透過性が付与されるにあたっ
て、交流1000サイクルで測定される膜の電気抵抗の
上昇もあまり無く、良好な一価イオン選択透過性が長時
間持続する。しかしながら、海水を電気透析により濃縮
する際の膜電圧が高い場合があり、良好な一価イオン選
択透過性が長時間持続し、かつ、電気透析時の膜電圧が
より低い陽イオン交換膜が求められている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、良好
な一価イオン選択透過性が長時間持続し、かつ、電気透
析時の膜電圧が極めて低い新規な陽イオン交換膜を提供
することを目的とするものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者は、海水を電気
透析により濃縮する際の膜電圧が低い、一価イオン選択
透過性陽イオン交換膜を開発するために、鋭意研究を重
ねた結果、ポリ−4−ビニルピリジンの、クロルメチル
スチレンと沃化メチルとによる混合四級化物を用いるこ
とにより、従来技術以上に良好な一価イオン選択透過性
が長時間持続し、しかも電気透析時の膜電圧が極めて低
い陽イオン交換膜が出来ることを見いだし、この知見に
基づいて本発明をなすに至った。すなわち、分子量が
2,000〜5,000のポリ−4−ビニルピリジンの
ピリジン基の35〜45%をクロルメチルスチレンで四
級ピリジニウム塩化し、残りのピリジン基を沃化メチル
で四級ピリジニウム塩化した、ポリ−4−ビニルピリジ
ンの四級化物を陽イオン交換膜の表面に吸着させ、その
後、該ポリ−4−ビニルピリジン四級化物の二重結合部
分を重合させ、該ポリ−4−ビニルピリジン四級化物の
重合体が表面に存在している陽イオン交換膜である。 【0005】本発明で用いる、ポリ−4−ビニルピリジ
ンの四級化物は、まず4−ビニルピリジンを分子量制御
できる方法で重合し、その後、クロルメチルスチレンと
沃化メチルを各々適当な量を用いて四級ピリジニウム化
を行う。4−ビニルピリジンの重合方法は分子量を制御
するので、一般的にはアルコキシドを開始剤として用い
たアニオン重合が好ましい。この際重要なのは、分子量
が2,000〜5,000であることである。分子量が
2,000未満であるとポリ−4−ビニルピリジンの四
級化物を陽イオン交換膜の表面に吸着させる際に、ポリ
−4−ビニルピリジンの四級化物が必要以上に膜の内部
まで拡散してしまい、陽イオン交換膜の電気抵抗を上昇
させ、電気透析時の膜電圧が高くなってしまう。一方、
分子量が5,000よりも高いと、ポリ−4−ビニルピ
リジンの四級化物が陽イオン交換膜に吸着し難くなり、
良好な一価イオン選択透過性が得られなくなる。 【0006】次に、ポリ−4−ビニルピリジンの四級化
であるが、反応条件としてはポリ−4−ビニルピリジン
を、例えばジメチルスルホキシド、クロロホルム、アセ
トン、メタノール等の溶媒に溶解し、一般的に室温〜5
0℃の温度で行える。この際、例えば、t−ブチルカテ
コール等のラジカル重合禁止剤存在下に行うのが好まし
い。本発明の最も重要な点はクロルメチルスチレンと沃
化メチルの2種類の四級化剤を用いて、ポリ−4−ビニ
ルピリジンのピリジン基の35〜45%がクロルメチル
スチレンによって四級化され、残りのピリジン基が沃化
メチルによって四級化されることである。この四級化剤
の組み合わせと割合を見い出すことによって、従来技術
では得られなかった電気透析時の膜電圧が低い一価イオ
ン選択透過性陽イオン交換膜が得られるようになった。
この混合四級化のクロルメチルスチレンの割合が、35
%未満であるとポリ−4−ビニルピリジン四級化物の海
水への溶解度が高くなるため、陽イオン交換膜の一価イ
オン選択透過性の持続性が悪くなり、一方、45%を超
えると膜抵抗が上昇し、電気透析時の膜電圧が高くなっ
てしまう。更に、この場合、ポリ−4−ビニルピリジン
四級化物の水(海水)への溶解度が極端に低くなるた
め、陽イオン交換膜にポリ−4−ビニルピリジンの四級
化物を吸着させる際に、浸透濃度等他の膜性能への悪影
響を与えない溶媒を見い出し難くなる。ポリ−4−ビニ
ルピリジン四級化物における、クロルメチルスチレンに
より四級化されたピリジン基の割合は、そのNMRスペ
クトルにおいて、ピリジン基に結合したビニルベンジル
基に由来する5.6〜6.1ppmに現れるピークと、
ピリジン基に結合したメチル基に由来する4.0〜4.
7ppmに現れるピークとの、各々の積分値を比較する
ことにより決定できる。 【0007】本発明では、上記ポリ−4−ビニルピリジ
ン四級化物の溶液中に陽イオン交換膜を浸漬し、ポリ−
4−ビニルピリジン四級化物を陽イオン交換膜の表面に
吸着させた後、吸着したポリ−4−ビニルピリジン四級
化物に含まれるビニル基を重合させることにより、電気
透析時の膜電圧が低い一価イオン選択透過性陽イオン交
換膜が得られる。 【0008】本発明で用いる陽イオン交換膜は、特に限
定されず、公知の陽イオン交換膜を用いることができる
が、電気透析時の膜電圧が低いという特徴を十分に発揮
させるためには、例えば、ポリ塩化ビニル芯材を用いた
膜抵抗の低い陽イオン交換膜を用いるのが好ましい。本
発明でポリ−4−ビニルピリジン四級化物を陽イオン交
換膜の表面に吸着させる際の条件として、溶媒としては
水、無機塩水溶液又はこれらとジメチルスルホキシド、
アセトン、メタノール等の有機溶媒との混合溶媒を用い
ることができる。又、ポリ−4−ビニルピリジン四級化
物の濃度は一般的に数千ppmで用いる。しかしなが
ら、本発明で用いるポリ−4−ビニルピリジン四級化物
は水への溶解度が低く、ポリ−4−ビニルピリジン四級
化物を膜表面に均一に吸着させるためには、吸着温度に
おいてポリ−4−ビニルピリジン四級化物が完全に溶解
した状態であることが好ましいので、無機塩水溶液と有
機溶媒の混合溶媒を用いるのが好ましい。この際、無機
塩と有機溶媒の濃度は用いる陽イオン交換膜の性能への
悪影響を及ぼさない範囲から選べば良いが、無機塩濃度
は0.1〜0.5N程度、有機溶媒濃度は数%程度が一
般的である。吸着の温度と時間は用いる陽イオン交換膜
によって異なるが、一般的に温度30〜50℃で、数時
間〜数十時間吸着させれば良い。ここで、陽イオン交換
膜表面に吸着させるポリ−4−ビニルピリジン四級化物
の量は陽イオン交換膜の種類によって異なるが、良好な
一価イオン選択透過性を確保し、かつ電気透析時の膜電
圧を低く保つためには、一般的に1〜3meq/m2
度が好ましい。 【0009】陽イオン交換膜の表面に吸着させたポリ−
4−ビニルピリジン四級化物に含まれるビニル基の重合
は、ポリ−4−ビニルピリジン四級化物を吸着させた陽
イオン交換膜を、重合開始剤を含む溶液に接触させるこ
とにより行うことが出来る。この際、開始剤としては、
例えば2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二
塩酸塩等のラジカル重合開始剤や、例えば過硫酸カリウ
ム−亜硫酸ナトリウム等のレドックス開始剤が好適に用
いられる。溶媒としては水、無機塩水溶液、あるいはこ
れらとジメチルスルホキシド、アセトン、メタノール等
の有機溶媒との混合溶媒を用いることができるが、吸着
させたポリ−4−ビニルピリジン四級化物の膜からの脱
落を防止し、膜性能への影響が少ない溶媒として1.0
〜3.0Nの食塩水溶液が好ましい。重合温度及び時間
は開始剤の種類によって異なるが、一般的に、室温〜5
0℃、数時間〜数十時間の範囲から選択される。 【0010】以上のようにして得られる分子量が2,0
00〜5,000のポリ−4−ビニルピリジンのピリジ
ン基の35〜45%をクロルメチルスチレンで四級ピリ
ジニウム塩化し、残りのピリジン基を沃化メチルで四級
ピリジニウム塩化した、ポリ−4−ビニルピリジンの四
級化物を陽イオン交換膜の表面に吸着させ、その後、該
ポリ−4−ビニルピリジン四級化物の二重結合部分を重
合させて、該ポリ−4−ビニルピリジン四級化物の重合
体が表面に存在した陽イオン交換膜では、ポリ−4−ビ
ニルピリジン四級化物の一部は、陽イオン交換膜の内部
まで浸透し、残りの部分で陽イオン交換膜表面に陰イオ
ン交換性の薄層を形成している。SIMS(二次イオン
質量分析)による表面解析では膜内部に約100〜50
0nmのポリ−4−ビニルピリジン四級化物の浸透して
いる層と膜表面10〜50nmに陰イオン交換性の層が
検出された。これらの層の厚みは、電気透析時の膜電圧
が低く、かつ良好な一価イオン選択透過性が長時間持続
するために必要かつ充分なものであり、ポリ−4−ビニ
ルピリジン四級化物の膜内への浸透が上記よりも薄い
と、一価イオン選択透過性の持続性が悪くなり、陰イオ
ン交換性の層が上記よりも薄いと一価イオン選択透過性
自体が悪くなる。又、両方の厚みが上記よりも厚いと、
電気透析時の膜電圧が高くなってしまう。従来技術で電
気透析時の膜電圧が高かった理由の一つに、上記の層が
必要以上に厚かった事が考えられる。 【0011】 【発明の実施の形態】次に実施例および比較例によって
本発明をさらに詳細に説明する。なお実施例中で使用す
る記号は次の意味を有する。 (1)F2 :海水濃縮における陽イオン交換膜の一価陽
イオンに対する二価陽イオンの比選択透過性を示し、こ
の値が低いほど一価陽イオン選択透過性が高いことを示
し、(1)式で与えられる。 【0012】 【数1】 【0013】測定方法:陽イオン交換膜を旭化成工業
(株)製陰イオン交換膜A−172と共に旭化成工業
(株)製電気透析装置SV−7(有効通電面積0.5d
2 )に組み込んで、稀釈液に海水を用い、海水流速4
cm/sec、温度25℃、電流密度3A/dm2 で電
気透析を行い、各濃度を測定し、上式を用いて算出す
る。 (2)V/P:電気透析時の1セル当たりのセル電圧で
陽イオン交換膜以外の部分の条件を一定にしておけば陽
イオン交換膜の電気透析時の膜電圧は、この値の高低に
よって評価できる。 【0014】測定方法:陽イオン交換膜を旭化成工業
(株)製陰イオン交換膜A−172と共に旭化成工業
(株)製電気透析装置SV−7(有効通電面積0.5d
2 )に組み込んで、稀釈液にCl- 濃度を0.4Nと
一定にコントロールした海水を用い、海水流速4cm/
sec、温度25℃、電流密度3A/dm2 で電気透析
を行い、10対のセル電圧を測定し、その値を10で除
して求める。 【0015】一方、一価イオン選択透過性の耐久性評価
方法として、以下の方法を用いた。F2 、V/Pを測定
し終えた膜の稀釈面を、2kgの加重をかけ20cm/
secの速度でスポンジで10回擦り、膜表面の陰イオ
ン交換性の層に物理的にダメージを与える操作を行い、
再度F2 を測定しF2 の変化を尺度として耐久性を評価
した。この10回の擦りを1サイクルとして、最高10
サイクルの擦りによる耐久性評価を実施した。 【0016】 【実施例1】 陽イオン交換膜の製造:スチレン89重量部、純度56
%のジビニルベンゼン11重量部、ジメチルフタレート
15重量部、ニトリルブタジエンゴム6重量部、ポリ塩
化ビニルパウダー15重量部、ベンゾイルパーオキサイ
ド2重量部を混合して得られるペースト状混合物をポリ
塩化ビニル製の布にコートし、ポリエチレンテレフタレ
ート製のフィルムに挟んで90℃で12時間重合した。
このフィルム状重合物を99.5%の硫酸で40℃の2
4時間、スルホン化し、陽イオン交換膜を得た。 【0017】吸着処理液の製造:一方、ジメチルスルホ
キシド880重量部に窒素雰囲気下、4−ビニルピリジ
ン130重量部、30%カリウムメトキシドメタノール
溶液4重量部を混合し、25℃で8時間アニオン重合を
行い、分子量3,000のポリ−4−ビニルピリジンの
ジメチルスルホキシド溶液を得た。この溶液にクロルメ
チルスチレン76重量部、沃化メチル105重量部、t
−ブチルカテコール1重量部を加え40℃で24時間四
級ピリジニウム化反応を行い、ポリ−4−ビニルピリジ
ンのピリジン基の40%がビニルベンジル基で、残りが
メチル基で四級ピリジニウム化された、ポリ−4−ビニ
ルピリジン四級化物の24wt%溶液を得た。このポリ
−4−ビニルピリジン四級化物溶液16重量部を1,0
00重量部の0.3N食塩水に40℃にて溶解して、吸
着処理液とした。 【0018】陽イオン交換膜への一価イオン選択透過性
の付与:この処理液に先に調製した陽イオン交換膜を、
40℃で24時間浸漬し、陽イオン交換膜にポリ−4−
ビニルピリジン四級化物を吸着させた。その後、ポリ−
4−ビニルピリジン四級化物を吸着させた陽イオン交換
膜を吸着処理液から取り出し、1,000重量部の1.
0Nの食塩水に過硫酸カリウムおよび亜硫酸ナトリウム
を各々1重量部溶解した開始剤溶液に、1分間浸漬した
後取り出して、ポリエチレン袋に入れシールし、40℃
の恒温槽中に8時間入れておき、ポリ−4−ビニルピリ
ジン四級化物中のビニル基を重合させた。その後、膜を
取り出し、0.5N食塩水で3回洗浄し、表面にポリ−
4−ビニルピリジン四級化物の重合体が存在した陽イオ
ン交換膜を得た。 【0019】この陽イオン交換膜のF2 およびV/Pは
表1に示す。一方、この陽イオン交換膜の一価イオン選
択透過性の耐久性評価の結果は図1に示す。 【0020】 【比較例1】実施例1と同様の方法で得られた分子量
3,000のポリ−4−ビニルピリジンのジメチルスル
ホキシド溶液に、クロルメチルスチレン57重量部、沃
化メチル123重量部およびt−ブチルカテコール1重
量部を加え、40℃で24時間四級ピリジニウム化反応
を行い、ポリ−4−ビニルピリジンのピリジン基の30
%がビニルベンジル基で、残りがメチル基で四級ピリジ
ニウム化された、ポリ−4−ビニルピリジン四級化物の
24wt%溶液を得た。このポリ−4−ビニルピリジン
四級化物溶液16重量部を1,000重量部の0.3N
食塩水に40℃にて溶解して、吸着処理液とした。 【0021】この吸着処理液を用いて、実施例1で調製
したのと同じ一価イオン選択透過性が付与される前の陽
イオン交換膜を、実施例1と同じ条件で吸着処理を行っ
た。その後、ポリ−4−ビニルピリジン四級化物を吸着
させた陽イオン交換膜を実施例1と同様な操作を行い、
ポリ−4−ビニルピリジン四級化物中のビニル基を重合
させ、表面にポリ−4−ビニルピリジン四級化物の重合
体が存在した陽イオン交換膜を得た。 【0022】この陽イオン交換膜のF2 およびV/Pも
表1に示す。一方、この陽イオン交換膜の一価イオン選
択透過性の耐久性評価の結果も図1に示す。比較例1の
場合ポリ−4−ビニルピリジン四級化物のクロルメチル
スチレンによる四級化の割合が30%と低いため、一価
イオン選択透過性が悪く、その耐久性が低い。 【0023】 【比較例2】実施例1と同様の方法で得られた分子量
3,000のポリ−4−ビニルピリジンのジメチルスル
ホキシド溶液に、クロルメチルスチレン95重量部、沃
化メチル88重量部およびt−ブチルカテコール1重量
部を加え40℃で24時間四級ピリジニウム化反応を行
い、ポリ−4−ビニルピリジンのピリジン基の50%が
ビニルベンジル基で、残りがメチル基で四級ピリジニウ
ム化された、ポリ−4−ビニルピリジン四級化物の24
wt%溶液を得た。このポリ−4−ビニルピリジン四級
化物溶液16重量部を1,000重量部の0.3N食塩
水に40℃にて投入し溶解しようとしたところ、完全に
は溶解せず懸濁液であったが、これを吸着処理液として
用いることにした。 【0024】この吸着処理液を用いて、実施例1で調製
したのと同じ一価イオン選択透過性が付与される前の陽
イオン交換膜を、実施例1と同じ条件で吸着処理を行っ
た。その後、ポリ−4−ビニルピリジン四級化物を吸着
させた陽イオン交換膜を実施例1と同様な操作を行い、
ポリ−4−ビニルピリジン四級化物中のビニル基を重合
させ、表面にポリ−4−ビニルピリジン四級化物の重合
体が存在した陽イオン交換膜を得た。 【0025】この陽イオン交換膜のF2 およびV/Pも
表1に示す。一方、この陽イオン交換膜の一価イオン選
択透過性の耐久性評価の結果も図1に示す。比較例2の
場合、ポリ−4−ビニルピリジン四級化物のクロルメチ
ルスチレンによる四級化の割合が50%と高いため、V
/Pが高い、すなわち、この膜の電気透析時の膜電圧が
高くなっている。 【0026】 【比較例3】ジメチルスルホキシド793重量部にN,
N,N’,N’,N”−ペンタメチルイミノビスプロピ
ルアミン20重量部、クロルメチルスチレン46重量部
およびt−ブチルカテコール0.8重量部を混合し室温
にて48時間反応させ、N,N,N’,N’,N”−ペ
ンタメチルイミノビスプロピルアミンの3個のアミンが
クロルメチルスチレンによって四級アンモニウム化され
た化合物の7.7%溶液を得た。この溶液13重量部を
1,000重量部の1.0N食塩水に溶解して、吸着処
理液とした。 【0027】この吸着処理液に実施例1で調製したのと
同じ一価イオン選択透過性が付与される前の陽イオン交
換膜を、40℃で2時間浸漬し、陽イオン交換膜にN,
N,N’,N’,N”−ペンタメチルイミノビスプロピ
ルアミンの四級アンモニウム化合物を吸着させた。その
後、N,N,N’,N’,N”−ペンタメチルイミノビ
スプロピルアミンの四級アンモニウム化合物を吸着させ
た陽イオン交換膜を実施例1と同様な操作を行い、N,
N,N’,N’,N”−ペンタメチルイミノビスプロピ
ルアミンの四級アンモニウム化合物中のビニル基を重合
させ、表面にN,N,N’,N’,N”−ペンタメチル
イミノビスプロピルアミンの四級アンモニウム化合物の
重合体が存在した陽イオン交換膜を得た。 【0028】この陽イオン交換膜のF2 およびV/Pも
表1に示す。一方、この陽イオン交換膜の一価イオン選
択透過性の耐久性評価の結果を図1に示す。比較例3の
ような従来技術では一価イオン選択透過性およびその耐
久性は優れているものの、V/Pが高い、すなわち、こ
の膜の電気透析時の膜電圧が高くなっている。 【0029】 【表1】 【0030】 【発明の効果】本発明の陽イオン交換膜は従来技術と同
等以上に良好な一価イオン選択透過性とその持続性を供
え、かつ、従来技術では達成できなかった電気透析時の
低い膜電圧を達成しており、本発明の陽イオン交換膜を
電気透析法による製塩に用いた場合、消費電力量を節減
できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】実施例中の実施例1及び比較例1〜3の膜を、
実施例中記載の方法で評価した、一価イオン選択透過性
の耐久性を表した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/22 B01D 61/46 B01J 39/18 B01J 47/12

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 分子量が2,000〜5,000のポリ
    −4−ビニルピリジンのピリジン基の35〜45%を、
    クロルメチルスチレンで四級ピリジニウム塩化し、残り
    のピリジン基を、沃化メチルで四級ピリジニウム塩化し
    た、ポリ−4−ビニルピリジンの四級化物を、陽イオン
    交換膜の表面に吸着させ、その後、該ポリ−4−ビニル
    ピリジン四級化物の二重結合部分を重合させて、該ポリ
    −4−ビニルピリジン四級化物の重合体が表面に存在し
    た陽イオン交換膜。
JP20225995A 1995-08-08 1995-08-08 陽イオン交換膜 Expired - Lifetime JP3497619B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20225995A JP3497619B2 (ja) 1995-08-08 1995-08-08 陽イオン交換膜

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20225995A JP3497619B2 (ja) 1995-08-08 1995-08-08 陽イオン交換膜

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0948862A JPH0948862A (ja) 1997-02-18
JP3497619B2 true JP3497619B2 (ja) 2004-02-16

Family

ID=16454589

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20225995A Expired - Lifetime JP3497619B2 (ja) 1995-08-08 1995-08-08 陽イオン交換膜

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3497619B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20160038888A1 (en) * 2013-04-08 2016-02-11 Saltworks Technologies Inc. Ion exchange membranes selectively permeable to specific ions
JP6703661B2 (ja) * 2016-03-31 2020-06-03 国立大学法人秋田大学 銅イオン含有水溶液の製造方法及び製造装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0948862A (ja) 1997-02-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Sata et al. Preparation and properties of anion exchange membranes having pyridinium or pyridinium derivatives as anion exchange groups
Hossain et al. Preparation of porous poly (vinylidene fluoride) membranes with acrylate particles for electrodialysis application
Sata et al. Change in permselectivity between sulfate and chloride ions through anion exchange membrane with hydrophilicity of the membrane
Choi et al. Preparation and electrochemical characterizations of anion-permselective membranes with structurally stable ion-exchange sites
JP3522398B2 (ja) 陽イオン交換膜
KR100542295B1 (ko) 폴리에틸렌/폴리비닐벤질 클로라이드 음이온교환막의제조방법
KR101726658B1 (ko) 니트릴 고무를 함유한 비닐벤질계-스티렌계 음이온교환 복합막 및 이의 제조방법
US4806219A (en) Method of double decomposition of neutral salt
JP3497619B2 (ja) 陽イオン交換膜
US6569301B2 (en) Cation exchange membrane selectively permeable to monovalent cations and method for its production
Kang et al. Characterization of anion‐exchange membranes containing pyridinium groups
Sata et al. Electrodialytic transport properties of anion-exchange membranes prepared from poly (vinyl alcohol), poly (N-ethyl 4-vinylpyridinium salt) and β-cyclodextrin
Sata et al. Transport properties of anion exchange membranes prepared by the reaction of crosslinked membranes having chloromethyl groups with 4‐vinylpyridine and trimethylamine
JP3981598B2 (ja) イオン交換膜
Sata et al. Anion exchange membranes prepared by amination of cross-linked membranes having chloromethyl groups with 4-vinylpyridine and trimethylamine
Juang et al. Enhanced flux and selectivity of metals through a dialysis membrane by addition of complexing agents to receiving phase
Sata et al. Relationship of permselectivity between two anions to water content of anion exchange membranes with pyridinium groups
KR100473351B1 (ko) 폴리에틸렌/폴리스티렌 양이온교환막의 제조방법
EP0315510A2 (en) Ion-transport selective membranes
Sata et al. Preparation and properties of anion exchange membranes with various pyridinium groups as anion exchange groups
JPS63270505A (ja) 分離方法
JPS6115885B2 (ja)
Gavach et al. Improvements of the selectivity of ionic transport through electrodialysis membranes in relation with the performances of separation electromembrane processes
JPH0585574B2 (ja)
JPS6118930B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081128

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081128

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091128

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091128

Year of fee payment: 6

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091128

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101128

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101128

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111128

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111128

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121128

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121128

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131128

Year of fee payment: 10

EXPY Cancellation because of completion of term